区分 学部共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
(心)専門的知識と実践的能力 (心)分析力と理解力 (心)地域貢献性
(環)専門性 (環)理解力 (環)実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
(心)課題分析力 (心)課題解決力 (心)課題対応力
(環)専門知識 (環)教養知識 (環)思考力 (環)実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
この科目は「学部共通科目」に位置づけられている。言語学は、言語を創造的に用いることができるのは、
人間のみである、という意味で、人間理解に結びつく分野である。また、対人関係や、ある出来事をどのようにとらえるのかという点で、心理学とも関係がある。専門科目を深く、また、多角的に学ぶためにも、言語学を学ぶ意味がある。

科目の目的
全体的に見て、ことばとコミュニケーションは深い関係にあることから、在学中のみならず社会に出てからもこの科目は役立つと考えられる。また、「ことばとこころ」では、言語の習得や失語症等を学ぶが、これは、ことばと脳の関係を扱うことから、心理学との関係が深い。「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。これらを学ぶことは、環境科学を言語という角度から学ぶことになる。
到達目標
言語について何をどのように考えることができるか?を中心として到達目標を定める。私たちは日常、言語を使っているため、言語について、また、ことばについて意識的に考えることはあまりない。しかし、英語が苦手な人でも、母語は自由に使っているであろう。漢字を知らないとか、表現力に乏しいなどはあろうが。外国語の学習と母語の習得はなぜこのような違いが生じるのか?簡単なようで、これは難しい問題である。このような問題から、では、動物もコミュニケーションしているようだが、人間のコミュニケーションとどう違うのか、という問いにもつながってくる。この科目では、当たり前で身近なことに疑問を持ち、解決しようと努力する、そして、解決のための道具として、やや専門的な概念があるので、これを理解し、使うことで、深く言語を知ることができる。このようにして、「履修判定指標」を通じて、上記の到達目標とする。
科目の概要
まずは、「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。
次いで、「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、
動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの
習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、言語の類型や言語の起源を扱う。「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、「ことばとこころ」では、言語の習得や失語症等を学ぶ。

科目のキーワード
①ことば ②動物 ③音 ④語 ⑤文 ⑥運用 ⑦社会 ⑧こころ 
授業の展開方法
大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。
オフィス・アワー
【水曜日】昼休み・5時限目、【木曜日】昼休み・4時限目、【金曜日】1・2時限目・昼休み
科目コード COM302
学年・期 1年・後期
科目名 言語学
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目 なし
関連資格 なし
担当教員名 岡良和
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 言語学とは? 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。
以上の流れの中で、今回は「言語学とは」という問題を扱う。

「現代の言語学」
p.1-11
①1-2
②3-7
③7-11
コマ主題細目 ① 言語と言語学 ② 言語の定義 ③ 言語学の分野 ④ ⑤
細目レベル ① 1.言語学は一口で言えば、言語を科学的に研究する学問分野のことである。ここでいう科学とは、言語事実をまず観察し、観察された言語事実を整理しつつ、仮説を立ててこの仮説に基づいて、さらに別の言語事実を検証して、一般化へ導いていく作業のことを指す。
2.現在、世界には3,000から5,000の言語が存在すると言われている。このように数に開きがあるのは、まだこの地球には研究が十分に行き届いていない地域が残されていること、また、何をもって1つの言語と決めるのかの基準があいまいなことにその原因を求めることができる。
3.ことばは人間が秩序ある社会生活と高度な文明を維持するための必需品となっている。
以上の項目について、自分のことばで説明できるようにする。

② 今までに与えられた言語の定義は、数多くにのぼるが、「言語は人間のコミュニケーショ
ンに用いられる恣意的な音声記号の体系である」というものが妥当であろう。
1.体系:言語は体系である。言語を形成している諸要素は、音、語、文、意味であるが、これらはそれぞれ体系をもっている。2.恣意性:各言語に使われる単語の音とその意味の間には必然的関係はない。つまり、存在する大部分の単語は「なぜそれをそういうか」という問いに誰も正確に答えることはできない。このような言語の性質を恣意性という。3.音声:人間の言語は大部分が音声を用いた表現手段である。4.記号:言語はすべて記号より成り立っている。5.人間:言語は人間固有の物である。人間だけが体系としての言語を自由自在に操ることができる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 言語学は総合科学であり、学際的に多くの他の学問分野が関与した学問である。1.一般
言語学と個別言語学:対象とする言語を単一にとどめず、多くの言語が示す言語事実を調べる分野を一般言語学という。3.記述言語学と史的言語学:記述言語学は、言語現象の諸相をあるがままの姿で写し出すことを目的とする。史的言語学は、特定言語の古い形式を発見し、それをほかの古い形式と比較して、その関係を調べる。3.音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論:音韻論は言語音の研究で、大きく音声学と音素論に分けられる。形態論は、語の構造を研究する分野である。統語論は狭義の文法のことである。意味論は、語や文の意味がどのように生ずるかを考察する。語用論は、「文法を超えた文法」「行間を読む文法」である。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 体系 ② 音声 ③ 統語論 ④ 語用論 ⑤ 人間
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:言語学とは、言語事実をまず観察し、観察された言語事実を整理しつ
つ、仮説を立ててこの仮説に基づいて、さらに別の言語事実を検証して、一般化
へ導いていく作業であること。「言語は人間のコミュニケーションに用いられる恣意的な音声記号の体系である」という定義。この中で、1.体系2.恣意性3.音声というキーワードで自分の言葉で説明できるようにする。
予習課題:動物の「ことば」では、記号とそれによって伝えられる内容との間には、しばしば強い結びつきが見られ、その体系は本能的なものが多く、遺伝的に組み込まれていると考えられる。言語が2つの階層からなっているという構造の二重性や時空を超えた事柄を語ることのできる能力を指す転移性という特性は、動物の「ことば」には極めてまれで、両者を「兼ね備えているものは皆無である。以上のことを考察しておく。

2 動物のことば 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、動物とことばを扱う。
「現代の言語学」
p.12-32
①12-17
②18-22
③23-32
コマ主題細目 ① 研究の意義 ② 手段 ③ 霊長類 ④ ⑤
細目レベル ① 1.人間の言語においては、記号とそれが指し示す意味との間には通例、恣意性が見られる。その体系は、世代から世代へと受け継がれていく性質のものである。2.一方、動物の「ことば」では、記号とそれによって伝えられる内容との間には、しばしば強い結びつきが見られ、その体系は本能的なものが多く、遺伝的に組み込まれていると考えられる。3.言語が2つの階層からなっているという構造の二重性や時空を超えた事柄を語ることのできる能力を指す転移性という特性は、動物の「ことば」には極めてまれで、両者を「兼ね備えているものは皆無である。以上の事柄について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。
② 動物がコミュニケーションを用いる手段は実に多種多様である。1.視覚的なもの:視覚
的なものとしての代表的な例は、体の表面や模様あるいは体の形が刺激となる場合が挙げ
られる。2.聴覚的なもの:聴覚的なものとは、音によるコミュのケーションのことである。例えばキツツキのオスは、ほかのオスを排除し、メスを誘うためにくちばしで木の幹をたたく。3.嗅覚的なもの:嗅覚的な手段は、臭いを利用する場合である。一般的に、この臭いを伝える物質はフェロモンと呼ばれている。フェロモンの成分は動物によって異なるが、多くの昆虫がメスを誘引するために出す性フェロモン、アリなどが仲間に餌のありかを報せ、そして巣に帰るために地面に残す道しるべフェロモンなどがある。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 霊長類の「ことば」についての様々な実験は、その目標という点からすると、霊長類に人
間の言語そのものを教えようという試み、霊長類に自らの表現手段としての言語を教えよ
うとする試み、そして、霊長類の文法能力や認知構造を探りながら、相互コミュニケーシ
ョンの手段としての言語スキルを教えようとする試みの3つに大きく分けることができる。また、その実験に用いられた言語の種類という点からすると、アメリカ手話言語を用いて行われた身振り言語、色や形の異なるプラスチック板を使った彩片語、そして、コンピューターのキーボードをたたくことによる鍵盤語という風に分けることもできる。以上の事柄について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 動物 ② 機能 ③ 異種間伝達 ④ ことば ⑤ 手段
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:人間の言語においては、記号とそれが指し示す意味との間には通例、恣意性が見られる。その体系は、世代から世代へと受け継がれていく性質のものである。一方、動物の「ことば」では、記号とそれによって伝えられる内容との間には、しばしば強い結びつきが見られ、その体系は本能的なものが多い。動物がコミュニケーションを用いる手段は実に多種多様である。1.視覚的なもの2.聴覚的なもの3.嗅覚的なもの、などがある。
予習課題:多様な言語の起源は1つであるという考え方がある。まず、言語は神の賜物である。そして、人類は誕生した時から言語を持っている、いかなる言語にも接することなく育った子供は、人類誕生時の言語を話始めるだろう、という思いがある。2.言語は人間が生み出したものである、という、言語は発明品、という考え方がある。しかし、いずれも単なる推測の域にとどまり、科学的な考察とは言い難いのが実情である。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

3 世界の言語 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、「世界の言語」を扱う。
「現代の言語学」
p.33-56
①33-36
②37-41
③42-56
コマ主題細目 ① 多様性と類似性 ② 比較言語学 ③ 世界の語族 ④ ⑤
細目レベル ① 1.世界には3000~5000語の言語があると言われている。これに関して、言語と方言の境目が明確でない、新しい言語が発見されることがある、言語の数が減少することもある、などの問題がある。2.多様な言語の起源は1つであるという考え方がある。まず、言語は神の賜物である。そして、人類は誕生した時から言語を持っている、いかなる言語にも接することなく育った子供は、人類誕生時の言語を話始めるだろう、という思いがある。2.他方で、言語は人間が生み出したものである、という、言語は発明品、という考え方がある。しかし、いずれも単なる推測の域にとどまり、科学的な考察とは言い難いのが実情である。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。
② 1.世界中の言語を眺めてみると、ある言語間に偶然とは思えないような類似性を見出す
ことがある。このような類似点は、これらの語の祖先に当たる、ある共通した言語から受
け継いだものと考えることができる。2.比較言語学の発展:19世紀に入ると、言語の歴史的研究と言語間の比較に力が注がれるようになった。そして、ヨーロッパからインドにかけて存在する諸言語が、1つの源につながることが示された。3.言語の再建:2つ以上の言語間に規則的な対応関係が見られるとき、その言語は同系であるとみなされる。これら同系の言語を比較し、共通の源にあたる言語を再現することを再建という。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.インド・ヨーロッパ語族:インドからイラン、小アジアを経て、ギリシャなどを含む
ヨーロッパの大部分の言語が属する。2.ウラル語族:約7000年まえ、ウラル山脈北
部で話されていたと推定されるウラル祖語にその源を発する。3.アルタイ語族:西はト
ルコから、中央アジア、中国の北部から東北部、モンゴル、シベリヤにかけての広大な地域に分布する。4.シナ・チベット語族:東アジア大陸の北から南に分布する言語が属し、話者が10億を超える巨大な語族である。5.オーストロネシア語族:マレーシア、インドネシア、そしてオーストラリアを除く南太平洋地域やマダガスカル島などに広がっている。6.アフロ・アジア語族:南西アジアからアラビア半島、北アフリカに分布する。7.ニジェール・コンゴ語族:アフリカ大陸の南半分をしめる語族である。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 多様性と類似性 ② 言語の起源 ③ 再建 ④ 語族 ⑤ 類型論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇世界には3000~5000語の言語があると言われている。〇多様な言語の起源は1つであるという考え方がある。〇他方で、言語は人間が生み出したものである、という、言語は発明品、という考え方がある。〇世界中の言語を眺めてみると、ある言語間に偶然とは思えないような類似性を見出すことがある。このような類似点は、これらの語の祖先に当たる、ある共通した言語から受け継いだものと考えることができる。〇比較言語学の発展:ヨーロッパからインドにかけて存在する諸言語が、1つの源につながることが示された。〇言語の再建:同系の言語を比較し、共通の源にあたる言語を再現することを再建という。
予習課題:〇言語音の物理的な「音」としての側面の注目して、科学的に記述・分析する分野を音声学と呼ぶ。〇言語音を発するために必要な身体の器官のことを音声器官と呼び、それらを使って様々な音を作り出すことを調音という。〇国際音声字母は、印欧語に限らず、世界のほとんどの言語に見られる様々な言語音を記述できるように工夫されている。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

4 音のすがた(その1) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、言語音について学ぶ。
「現代の言語学」
p.57-84
①57
②57-60
③61-67
コマ主題細目 ① 音声学 ② 言語音 ③ 発音記号 ④ ⑤
細目レベル ① 1.言語に用いられる音声は、一般に、「言語音」と呼ばれるが、言語音の物理的な「音」としての側面の注目して、科学的に記述・分析する分野を音声学と呼ぶ。2.音声学では、人間が発することができる可能な音の中で、言語に用いられるすべての音を記述・分析する。3.おもに、音がどのように作られるのかという側面に注目する調音音声学、どのように知覚されるのかという側面に注目する聴覚音声学、さらに、発せられた音を物理的に扱い、機械により分析・合成する音響音声学とに分けられる。以上の事項について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。
② 1.私たちのことばは、基本的には、肺から出される息の流れを利用し、身体の器官を丁
度楽器のように使って、音色を調整することで作られる。言語音を発するために必要な身
体の器官のことを音声器官と呼び、それらを使って様々な音を作り出すことを調音という。2.母音と子音:母音とは、声帯の振動をともなって生じた有声音の呼気が、のどのどこにも妨げられず、比較的自由に流れる状態で指される音である。子音とは、閉鎖や狭めが起こることによって、呼気に摩擦が生じたり、一時的に呼気の流れがせき止められたりして作られる。3.有声音と無声音:声帯の振動を伴う音を有声音という。呼気が声帯を振動させることなく声門を通過する状態で生じる音を無声音と呼ぶ。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.英語などでは、発音と綴りは厳密に対応しない。そこで、1886年、国際音声協会では、英語やフランス語など印欧語を音声表記の目的のため、発音を直接表す文字が考案された。2.これは、国際音声字母(IPA)と呼ばれるが、現在のものは、印欧語に限らず、世界のほとんどの言語に見られる様々な言語音を記述できるように工夫されている。一般に、発音記号とはこの国際音声字母(IPA)による表示であることが多い。3.なお、母音は、調音の仕方による分類、二重母音がある。子音の分類は、調音点による分類、調音法による分類、がある。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。


キーワード ① 言語音 ② 母音・子音 ③ 発音記号 ④ 母音の分類 ⑤ 子音の分類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇言語音の物理的な「音」としての側面の注目して、科学的に記述・
分析する分野を音声学と呼ぶ。〇言語音を発するために必要な身体の器官のこと
を音声器官と呼び、それらを使って様々な音を作り出すことを調音という。〇国
際音声字母は、印欧語に限らず、世界のほとんどの言語に見られる様々な言語音
を記述できるように工夫されている。以上の項目について、自分のことばで具体
例を挙げながら説明できるようにする。
予習課題:〇意味の違いをもたらす最小の音声単位を音素と呼ぶ。音声的には異
なる音でも、その言語の中で意味の対立を生じないような音をその音素の異音と呼
ぶ。ここで重要なことは、2つの音が音素であるか異音であるかということは、
その音の物理的な違いの大きさによるものではなく、あくまでも、特定の言語の中で、「意味の違いに結びつくか」という機能によって決定されることである。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

5 音のすがた(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、言語音について学ぶ。
「現代の言語学」
p.68-84
①68-74
②74-76
③76-83
コマ主題細目 ① 言語音の体系 ② 音の変化 ③ 超分節音素 ④ ⑤
細目レベル ① 1.言語体系と言語音:一般の物音とは異なり、言語音は日本語や英語という特定の言語という体系の中で、何らかの規則性にしたがって意味を伝えている。そこで、このような
言語音の体系を記述したり、規則をたてて説明しようという分野を音韻論という。2.音素と異音:意味の違いをもたらす最小の音声単位を音素と呼ぶ。音声的には異なる音でも、その言語の中で意味の対立を生じないような音をその音素の異音と呼ぶ。ここで重要なことは、2つの音が音素であるか異音であるかということは、その音の物理的な違いの大きさによるものではなく、あくまでも、特定の言語の中で、「意味の違いに結びつくか」という機能によって決定されることである。

② 1.同化:ある音が、隣接する音の影響を受けて、その隣接音と同じか、あるいはよく似
た性質を持つ音になることを音の同化という。同化はたいてい、発音をしやすくすること
が根本的な動機となっている。2.異化:同化とは反対に、ある音が隣接する音とより違
った性質を持った音になることを音の異化という。3.音脱落:強勢のおかれない音節の母音や複雑な子音結合の中の子音などが発音されなくなる現象を音の脱落という。4.音挿入:音脱落とは逆に、音を挿入する現象もある。頭語に音を足すものを語頭音添加、それ以外の場所に足すものを語中音添加と呼ぶ。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.超分節音素:母音や子音といった音素は、分節音あるいは分節音素と呼ばれるが、このような個々の音特性とは別に、いくつかの音の連続の中で見られる音特性として、強勢、音調、などの韻律素性がある。言語によっては、これらは語や文の意味の区別に関わることがあり、1つの分節音素を超えて複数の分節音素にかぶさるように生じるため、超分節音素あるいはかぶせ音素とも呼ばれる。2.強勢:強勢とは、語や文の中のある音節または母音がほかより強く発音されることで、アクセントとも呼ばれる。3.音調:声の抑揚、音の高さのことをピッチと呼ぶ。世界には、このような音の高さによって意味を区別する、中国語などの言語がある。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。


キーワード ① 音韻 ② 音素 ③ 音韻規則 ④ 強勢 ⑤ 音調
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇意味の違いをもたらす最小の音声単位を音素と呼ぶ。音声的には異
なる音でも、その言語の中で意味の対立を生じないような音をその音素の異音と呼
ぶ。
予習課題:〇語と語彙素:形式的に分類されるものを「語」、そして、意味的に分類されるものを「語彙素」という。〇語の意味的な、または、構造的な特徴を担う最小の単位を「形態素」と呼ぶ。〇形態素の中で、1つの形態素が1つの語として現れることができるものを自由形態素という。これに対して、1つの形態素が単独で1つの語として現れることができず、ほかの形態素と結びついてはじめて現れることができるものを、拘束形態素という。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

6 語の形(その1) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は「語の形」を扱う。
「現代の言語学」
p.85-92
①85
②87-91
③92
コマ主題細目 ① 語の構造 ② 形態素 ③ 異形態 ④ ⑤
細目レベル ① 1.語と語彙素:形式的に分類されるものを「語」、そして、意味的に分類されるものを
「語彙素」という。2.例えば、tooth とteethは、それぞれ「語」としては異なったものとして認識され、「語彙素」としては同じものとして認識されることになる。3.また、cleanは動詞として、また、形容詞として使われるが、「語」としては同じであるが、「語彙素」としては異なったものとなる。4.さらには、bearと同じ意味を持つput up withは、「我慢する」という意味を持つ限り、「語」としては3つであるが、「語彙素」としては1つとして分類される。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.語の意味的な、または、構造的な特徴を担う最小の単位を「形態素」と呼ぶ。2.形
態素は、ほかの形態素と結びつくことが義務的かどうかという基準によって、自由形態素と拘束形態素の2つに分けられる。そして、形態素の中で、1つの形態素が1つの語として現れることができるものを自由形態素という。これに対して、1つの形態素が単独で1つの語として現れることができず、ほかの形態素と結びついてはじめて現れることができるものを、拘束形態素という。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.異形態:1つの形態素には、必ず対応する1つの音声形式が存在するというわけでは
ない。1つの形態素には、それが生じる環境によっていくつかの変種が存在することがあり、これらは、同一形態素の異形態と呼ばれる。2.例えば、英語の過去時制を示す-edも、それが生じる環境によって、walkedでは/-t/となり、calledでは/-d/となり、wantedでは/-id/になるというように、3種類の異形態が存在している。3.異形態の種類:また、「音韻的に条件づけられている異形態」と「語彙的に条件づけられている異形態」がある。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 構造 ② 語彙素 ③ 形態素 ④ 自由形態素 ⑤ 拘束形態素
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇語と語彙素:形式的に分類されるものを「語」、そして、意味的に分類されるものを「語彙素」という。〇語の意味的な、または、構造的な特徴を担う最小の単位を「形態素」と呼ぶ。〇形態素の中で、1つの形態素が1つの語として現れることができるものを自由形態素という。これに対して、1つの形態素が単独で1つの語として現れることができず、ほかの形態素と結びついてはじめて現れることができるものを、拘束形態素という。
予習課題:〇屈折:屈折とは、ある文中のある語がほかの語との文法的関係を示
すために、その語形を変化させることを言う〇複合:複合とは語形成の1つであり、2つの基体を組み合わせて、文法上も意味上も1語として機能する新しい語を形成することを言う。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

7 語の形(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は。「語の形」の後半となる。
「現代の言語学」
p.93-108
①93-96
②99-102
③103-108
コマ主題細目 ① 語形成 ② 複合 ③ 語形成への制約 ④ ⑤
細目レベル ① 1.屈折:屈折とは、ある文中のある語がほかの語との文法的関係を示すために、その語
形を変化させることを言う。屈折には、接辞を付け加えるものと、母音やアクセントの交代による2種類がある。母音やアクセントの交代による屈折を内部屈折とよぶ。2.派生:派生とは語形成の1つであり、基体に接辞を付け加えたり、一部分の音韻を変化させることによって、新語を形成することをいう。派生には品詞を変えるものと変えないものがあり、品詞を変えるものを語類変更派生とよび、品詞を変えないものを、語類保持派生とよぶ。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.複合:複合とは語形成の1つであり、2つの基体を組み合わせて、文法上も意味上も
1語として機能する新しい語を形成することを言う。そして、複合によって形成される語を複合語と呼ぶ。複合される2つの基体の関係という点から複合を分類すると、統語的複合と非統語的複合の2種類の複合が考えられる。統語的複合とは、その言語の文構造と一致する構造を示すものであり、非統語複合とはそれと一致しないものをいう。2.例えば、日本語では、主語 目的語 動詞 という文構造を示すが、英語では、主語 動詞 目的語という文構造を示していることとなる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.右主要部の規則:語形成の主なものとしては、派生と複合を考えることができるが、
派生語や複合語を作るときには規則が働いている。一般的に、語の右側の要素が語全体の品詞を決定していると考えられ、ウィリアムズにおいては。語の右側の要素が形態的に複雑な語の中心になる要素であるという「右主要部の規則」が考えられた。2.素性浸透の規約:語を構成するある要素が語全体の中心であるならば、語とその要素は共通した素性を持っていなければならないというのが、「素性浸透の規約」である。このように形態論(語の構造)と統語論(文の構造)は深く関係していることが分かる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 語形成 ② 語形成への制約 ③ 右主要部の規則 ④ 素性浸透の規約 ⑤ 第一姉妹の原理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇屈折:屈折とは、ある文中のある語がほかの語との文法的関係を示
すために、その語形を変化させることを言う。屈折には、接辞を付け加えるものと、母音やアクセントの交代による2種類がある。〇複合:複合とは語形成の1つであり、2つの基体を組み合わせて、文法上も意味上も1語として機能する新しい語を形成することを言う。
予習課題:〇生成変形文法では、「文法とは、ある言語に属するすべての文法的な
文を作り出し、しかも、いかなる非文(間違った文)も作り出さないような仕組
みのことである。」と考えられている。〇検証に耐えられる仮説を体系化して、提示することが、母語話者の持つ文法を解明することになると、変形生成文法では主張される。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

8 文の形(その1) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、「文の形」を扱う。
「現代の言語学」
p.109-118
①109-110
②111-114
③115-118
コマ主題細目 ① 生成変形文法 ② 句構造規則 ③ 語彙挿入 ④ ⑤
細目レベル ① 1.生成変形文法:「文法とは、ある言語に属するすべての文法的な文を作り出し、しか
も、いかなる非文(間違った文)も作り出さないような仕組みのことである。」2.変形生成文法のアプローチ:頭の中に存在しているこの「文法」を、1つの装置に見立てるとするならば、生成変形文法の目標(課題)とは、この装置の内部はどのようになっているのかを調べることである。3.頭の中にあると考えられる「文法」を直接見ることはできない。そこで科学的方法に倣い、検証に耐えられる仮説を体系化して、提示することが、母語話者の持つ文法を解明することになると、変形生成文法では主張される。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.句構造:文とは語が集まってできているものであるが、各語がたんに平面的に一列に
つながっているだけのものではない。例えば、次の英語の文は、5つの語から成り立っているが、この文を好きなところで分けても良いと言うわけではない。A dog chased a cat.2.名詞句:名詞句はその句構造において,NP→N, NP→N PP, NP→ Det N, NPAdjN, NP→Det N PP, NP→Adj N PP, NP→Det Adj N NP→Det Adj N PPといった有限の規則から成り立っている。3.動詞句:動詞句は、VP→V, VP→V NP VP→V NP PPといった有限の規則から成り立っている。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.句構造規則の展開と語彙挿入:句構造規則を適用してもそれ以上展開することができ
なくなると、句構造規則の適用は終了となる。2.そこで次に、文法は語彙部門と呼ばれるその言語の語彙がすべて記載されている目録(辞書)から、得られた樹形図の末端部分に語彙をつけることになる。この操作を語彙挿入とよぶ。ここで語彙挿入を行い最終的な構造を得ることになる。3.語彙挿入が正しく行われるためには、語彙部門の中で、各語彙が正しく品詞指定を受けている必要がある。4.動詞の生起環境:生成変形文法では、各動詞については、それが生ずる環境が指定されていると考える。言い換えると、VPが展開されて得られたVには、どんな動詞でも挿入されるのではなく、VPの展開に不都合が生じない動詞が選択されなければならない。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 文法 ② 文の生成 ③ 句構造 ④ 名詞句 ⑤ 動詞句
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇生成変形文法では、「文法とは、ある言語に属するすべての文法的な
文を作り出し、しかも、いかなる非文(間違った文)も作り出さないような仕組
みのことである。」と考えられている。〇頭の中にあると考えられる「文法」を直接見ることはできない。そこで科学的方法に倣い、検証に耐えられる仮説を体系化して、提示することが、母語話者の持つ文法を解明することになると、変形生成文法では主張される。
予習課題:〇生成変形文法では、句構造規則で説明できない文を、変形規則を設定することでとらえようとする。このことにより、2つの文の間に見られる意味上の共通性をとらえることができる。〇深層構造に変形規則を適用し、構造が別の構造に写されていく。変形規則を適用し終えた最終段階の構造は表層構造と呼ばれる。
〇普遍文法に個別言語のデータが接触することで、その言語の文法が獲得されていくと考えられる。

9 文の形(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は「文の形」の後半を学ぶ。
「現代の言語学」
p.119-132
①119-121
②122-125
③126-131
コマ主題細目 ① 変形規則 ② 文法の枠組み ③ 理論展開 ④ ⑤
細目レベル ① 1.句構造規則の限界:句構造規則は、言語の具体的な配列の特徴によって、その文法を
記述しようとするところに特徴がある。実際、この規則を用いることで多くのパターンの文を作り出すことができる。しかし、句構造規則には大きな欠点がいくつかあり、句構造規則は、文法を記述する手段としては不完全な道具であることが知られている。2.変形規則の設定:生成変形文法では、句構造規則で説明できない文を、句構造規則ではなく、別の種類の規則、すなわち、変形規則を設定することでとらえようとする。このことにより、2つの文の間に見られる意味上の共通性をとらえることができる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.文法の枠組み:生成変形文法は、文は2つの規則で作りだされると仮定する。1つは
句構造規則で、それを順次展開していき、そこに語彙部門から語を挿入する。すると、深層構造と呼ばれる構造が出来上がる。この深層構造に変形規則を適用し、構造が別の構造に写されていく。変形規則を適用し終えた最終段階の構造は表層構造と呼ばれる。2.疑問文と主語助動詞倒置規則:この倒置規則を言語ごとに明示化することで、Yes-NO疑問文を作り出すのに、同じ倒置という現象を持つ言語がどのような点で異なっているのかが明らかになる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.言語習得の普遍性:「なぜ、人間は、文法を獲得できるのか}という問いが、各言語
の文法の解明よりも重要である。2.人は人間の言語がどのようなものであるのかがすでにインプットされた状態で生まれてくる。つまり、遺伝子の中に、言語一般に関する情報が組み込まれていると言える。この普遍文法こそが生成文法が解明すべきものである。3.普遍文法に個別言語のデータが接触することで、その言語の文法が獲得されていくと考えられる。その普遍文法は、脳の中にあらかじめプログラムされていて、それは丁度、人の個体発生において、遺伝子レベルで決定されているのと同じである。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 変形規則 ② 倒置規則 ③ 普遍文法 ④ 遺伝 ⑤ 境界理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇生成変形文法では、句構造規則で説明できない文を、変形規則を設定することでとらえようとする。〇深層構造に変形規則を適用し、構造が別の構造に写されていく。変形規則を適用し終えた最終段階の構造は表層構造と呼ばれる。
〇普遍文法に個別言語のデータが接触することで、その言語の文法が獲得されていくと考えられる。
予習課題:〇第一に、意味には指示的な側面がある。第2番目の意味の側面は、社会的意味と呼ばれるものである。第3に、意味には、言語の使用者の感情や態度を示している感情的意味と呼ばれる側面がある。〇上下関係における「上位語」と「下位語」〇形が同じで、互いに関係するいくつかの意味を持っている場合、その語には多義性があるという。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

10 ことばの意味と運用(その1) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は「言葉の意味と運用」の前半を扱う。
「現代の言語学」
p.133-140
①133-135
②136-137
③138-140
コマ主題細目 ① 語の意味 ② 語と語の意味関係 ③ 曖昧性 ④ ⑤
細目レベル ① 1.語の意味を記述するうえで、まず注意しなければならないことは、語の意味にはいろ
いろな側面があるということである。2.まず第一に、意味にはそれが指し示す現実のものや現実の世界で起こった出来事であるという側面がある。この場合は意味とは「指示的意味」となるが、これは、言語記号を言語外の現実の世界と結びつけて考えた場合、その言語記号の持つ意味のことである。3.第2番目の意味の側面は、「社会的意味」と呼ばれるものである。これは、話し手のアイデンティティを示すものである。4.第3に、意味には、言語の使用者の感情や態度を示している「感情的意味」と呼ばれる側面がある。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.同義関係:どんな言語においても、意味が完全に等しい2つ以上の語を見つけること
は不可能であろうが指示的意味において、等しい意味を持つ語は多く見出すことができる。例えば、「父」と「おやじ」「パパ」などがそうである。しかし、一般的に、感情的意味あるいは社会的意味までも考慮に入れると、すべての単語の意味は異なっていると言えるであろう。2.上下関係:一方の語の意味が他方の語の意味を含む場合、それらの語は上下関係にあるという。範囲が広い一般的な語を「上位語」意味の範囲の狭い特定的な語を「下位語」という。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.同じ意味が2つの異なる語で表されている場合が同義関係であったが、同じ形の語が
2つ以上の意味を表すことがある。このような時、その語には曖昧性があるという。2.同綴同音異義性:同綴同音異義性とは、まったくなんの意味的な関係を持たない2つの語が、たまたま同じ音形を持っている2つの語の関係をさす。3.異綴同音異義性:綴りは異なるが、たまたま同じ発音の2つの語は、異綴同音異義性の関係にあるという。4.形が同じで、互いに関係するいくつかの意味を持っている場合、その語には多義性があるという。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 成分分析 ② 意味関係 ③ 語と語の結合 ④ 同義関係 ⑤ 反義関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇第一に、意味にはそれが指し示す現実のものや現実の世界で起こっ
た出来事であるという側面がある。第2番目の意味の側面は、社会的意味と呼ばれるものである。第3に、意味には、言語の使用者の感情や態度を示している感情的意味と呼ばれる側面がある。〇上下関係における「上位語」と「下位語」〇形が同じで、互いに関係するいくつかの意味を持っている場合、その語には多義性があるという。

11 ことばの意味と運用(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、「ことばの意味と運用」の後半を扱う。
「現代の言語学」
p.141-154
①141-143
②144-148
③149-154
コマ主題細目 ① 文の意味 ② 意味の広がり ③ 発話行為 ④ ⑤
細目レベル ① 1.文法と意味:文は語が集まってできている。しかし、語の意味を合わせたものが文の意味になるとは限らない。どの要素が主語や目的語になっているかによって文の意味の違いが生じる。文の意味構造や2つの文の意味関係をとらえるためには、文の統語構造の理解も必要となってくる。2.意味的役割:文の統語構造が明らかになれば文の意味が理解できるわけではない。主語や目的語といった文法的概念から独立した、意味的役割を用いることにより、表面的には異なる構造を持つ文が同じ意味を持っている場合、また、表面的には同じ構造であるのに、2つの異なる意味を持つ文の分析が可能となる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。
② 1.意味的役割を用いることにより、表面的には異なる構造を持つ文が同じ意味を持っている場合、また、表面的には同じ構造であるのに、2つの異なる意味を持つ文の分析が可能となる。:「あなた」「今日」「それ」などのように、伝達行為が行われた状況を
知ることによって、初めて理解できるような言語表現の特質を直示またはダイクシスと呼び、このように、話し手を中心として決まってくる時間的・空間的な言語表現を直示表現という。2.前提:話し手が「正しい」として想定している内容を前提という。前提に関して注目されている話題として、前提と述語の関係がある。That節を取る動詞の中には、話し手が補文の内容を前提と考えているものがある。3.新情報と旧情報:聞き手がわかっていると話し手が思っていることを旧情報、それに対して、話し手が聞き手は知らないと判断している情報を新情報という。旧情報から新情報へという方向が普遍的である。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.発話行為:話し手が発することにより、遂行される行為を発話行為という。2.直接
発話行為と間接発話行為:発話行為の種類と文の形式が表す意味が対応している場合、そ
の発話行為を直接発話行為とよぶ。また、文の形式と発話行為の対応が一致していない発話行為は、間接発話行為と呼ばれる。2.協調の原理:文字通りにはあらわれていない意味をどうして聞き手は話し手の意図した通りに解釈してくれるのであろうか。これに対して、会話は話し手と聞き手の協力的な行為であるという前提に立って、会話の参加者が守らなければならない一般原則が提示された。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 意味的役割 ② 前提 ③ 新情報 ④ 旧情報 ⑤ 推意
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇文の意味構造や2つの文の意味関係をとらえるためには、文の統語
構造の理解も必要となってくる。〇意味的役割を用いることにより、表面的には異なる構造を持つ文が同じ意味を持っている場合、また、表面的には同じ構造であるのに、2つの異なる意味を持つ文の分析が可能となる。〇直示、旧情報、新情報、発話行為が伝達に果たしている役割。
予習課題:〇1つの言語においてすら、その地域差によって、発音・語彙・文法
が異なることがよくある。これらは、通常、「方言」と言われているが、厳密に
は、「地域方言」と名づけられている。〇方言が、地域方言のみならず、社会方言や人種方言のように、必ずしも、地域差に限定されないように、なまりもいつも地域差と関連しているわけではない。〇言語地理学は、ことばの地理的分布をもとにして、過去の分布を推定して、復元しようとするもので、いわば通時的なアプローチである。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

12 ことばと社会(その1) 科目の中での位置付け
「現代の言語学」
p.155-171
①155-160
②161-163
③163-171
コマ主題細目 ① 方言 ② なまり ③ 言語地理学 ④ ⑤
細目レベル ① 地域方言:1つの言語においてすら、その地域差によって、発音・語彙・文法が異な
ることがよくある。これらは、通常、「方言」と言われているが、厳密には、「地域方言」と名づけられている。日本語の中にも、東北方言・関東方言・近畿方言・四国方言など、それぞれの地域を大きく包括する形でいくつかの地域方言が存在している。しかし、その中の近畿方言を取り上げてみても、すべての地域で同じ方言が用いられているわけではない。英語圏のアメリカとイギリスに目を向けても、いくつかの方言が存在する。イギリス諸島は、アメリカと比べて比較的狭い国土にも関わらず、数多くの、そして、非常に特徴的な方言が分布している。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1・方言となまり:普通、なまりという語を聞くと、東北なまり、関西なまり、スコットランドなまり、などというように、地域性と密接に結びついているように思われるかもしれない。しかし、方言が、地域方言のみならず、社会方言や人種方言のように、必ずしも、地域差に限定されないように、なまりもいつも地域差と関連しているわけではない。2.方言、共通語、標準語:私たちは、日ごろ、気の置けない人たちとくつろいだ雰囲気の中では、方言を用いて会話をかわすのがふつうである。しかし、一方で、相手との上下関係や親疎関係あるいは話題のレベルなどの「場面」に応じて、すこしばかり緊張を強いられる状況では、広く通じる言葉、すなわち、共通語を用いることが多い。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。
③ 1.方言学と言語地理学:地域的変種を主な研究対象とする分野に、方言学と言語地理学と呼ばれるものがある。方言学は、大規模な範囲にわたってインタビューや郵送によるアンケート調査などの方法で集められた言語資料を地図化することによって、地域的変種の実態を共時的にとらえようとするものである。言語地理学は、ことばの地理的分布をもとにして、過去の分布を推定して、復元しようとするもので、いわば通時的なアプローチである。2.方言の連続体:相互理解可能性が連続体をなしているということは、地域的変種が連続体をなしていることを意味している。この連鎖上では、隣接する場合は、互いに別の地域的変種を話していても、非常に類似したように見え、相互理解も容易に行われる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。


キーワード ① 多様性と類似性 ② 方言 ③ なまり ④ 共通語 ⑤ 地域的変種
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇1つの言語においてすら、その地域差によって、発音・語彙・文法
が異なることがよくある。これらは、通常、「方言」と言われているが、厳密に
は、「地域方言」と名づけられている。〇方言が、地域方言のみならず、社会方言や人種方言のように、必ずしも、地域差に限定されないように、なまりもいつも地域差と関連しているわけではない。〇言語地理学は、ことばの地理的分布をもとにして、過去の分布を推定して、復元しようとするもので、いわば通時的なアプローチである。
予習課題:〇英語圏の社会的変種と社会階層の関係は、高い階級に属する人々は、
地域差のある地域的変種は使わずに、いわゆる標準語を話すのに対し、低い階級
に属する人は、それぞれの地域的特徴を含む地域的変種を使うことが多いとされ
ている。〇。ジャーゴンとは、特定の職業やグループに属する人々が仲間内で使う特殊な用語・専門語・隠語などを指す。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

13 ことばと社会(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回は、ことばと社会の後半を扱う。
「現代の言語学」
p.172-188
①172-176
②176-179
③180-188
コマ主題細目 ① 社会的階級 ② 職業 ③ 性差 ④ ⑤
細目レベル ① 1.社会階級:社会的変種の最も顕著な例は、社会階級と結びついたものであろう。ここ
でいう階級とは社会的あるいは経済的な特徴を備えた人々の集合体をさす。英語圏の社会的変種と社会階層の関係は、高い階級に属する人々は、地域差のある地域的変種は使わずに、いわゆる標準語を話すのに対し、低い階級に属する人は、それぞれの地域的特徴を含む地域的変種を使うことが多いとされている。2.ニューヨーク市における/r/の変項の研究:r/の出現と店員の社会階級との間には有意義な相関関係が見られ、上流階級と下層階級のグループは発音が青年期に固定されると年を取ってからも変わらないことが指摘される。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.ジャーゴン:職業と結びついた変種は、ふつう、ジャーゴンと呼ばれる。ジャーゴン
とは、特定の職業やグループに属する人々が仲間内で使う特殊な用語・専門語・隠語などを指す。2.年齢:同じ言語の話してであっても、音韻・語彙・文法のレベルで、それぞれの年齢や世代に応じた様々な変種が使われる。言語は変化するのは当たり前であるが、この年齢と関連した社会的変種は、社会的状況・世相や生活環境の変化と密接にかかわっている。3.学生ことば:学生という区分もある一定の年齢層からなる集合体と考えることができる。一種独特の言い回しからなる彼らの言葉は、格好の分析対象になる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.性差別を含むことばの諸相:言語と性差の関係は、アメリカで起こった男女同権の影
響もあって、近年、特に英語において注目を浴びるようになってきた。男らしさ、女らしさ、という伝統的な役割分担によって、もっぱら男性中心の世界観が幅をきかせてきたことに反旗を翻し、性差における不均衡や偏向を排除使用というのが、その主な狙いであった。2.女ことばの特徴:色の細かな区分がある。感情を表に出さない。賞賛や同意を示す形容詞が用いられる。強調するのにsoが用いられる。丁寧表現が多く見られる。などである。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 階層 ② 発音の相違 ③ 言語使用能力 ④ 職業 ⑤ 人種的変種
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇英語圏の社会的変種と社会階層の関係は、高い階級に属する人々は、
地域差のある地域的変種は使わずに、いわゆる標準語を話すのに対し、低い階級
に属する人は、それぞれの地域的特徴を含む地域的変種を使うことが多いとされ
ている。〇。ジャーゴンとは、特定の職業やグループに属する人々が仲間内で使う特殊な用語・専門語・隠語などを指す。
予習課題:〇子供が、短期間で、複雑な音韻体系から文法構造までをマスターし
てしまうことは、驚異的である。〇1950年代まで、言語習得の理論づけは経験主
義が主流をなしていた。しかし、創造的な言語使用は、経験主義では説明できない。〇言語習得の助けとなるものが生得的に備わっている。この生得的に持っている言語能力は、言語獲得装置とよばれている。〇言語獲得装置は、普遍文法と個別言語を規定するパラメータからなる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

14 ことばとこころ(その1) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回はことばとこころの前半を扱う。
「現代の言語学」
p.189-198
①189-190
②191-196
③197-200
コマ主題細目 ① ことばの習得 ② 合理主義 ③ ことばと脳 ④ ⑤
細目レベル ① 1.赤ん坊は一般に生後5か月くらいから、意味のない音を発生するようになる。生後1
年ほどで、1つの文が1つの単語からなる、1語文期となる。1歳6か月~2歳ごろになり、2つの単語を組み合わせて文を作る2語文期に入る。2語文期を経て3語文を発話できるようになると、まもなく、4語、5語からなる文を発話するようになる。そして、5歳にもなると、自己の考えをほとんどことばで表せるようになる。子供が、これだけの短期間で、複雑な音韻体系から文法構造までをマスターしてしまうことは、驚異的である。2.1950年代まで、言語習得の理論づけは経験主義が主流をなしていた。しかし、創造的な言語使用は、経験主義では説明できない。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.赤ん坊が耳にする母親や周囲の大人の言葉は、第一言語資料と呼ばれる。赤ん坊は、
きわめて乏しく、限られた、不完全な言語資料しか手にすることができない。そこから、人間は、どのようにして、複雑で創造的で豊かな言語知識を獲得するのであろうか?2.チョムスキーは、合理主義の立場から、人間には言語資料以外に、なにか、言語習得の助けとなるものが生得的に備わっていると主張する。この生得的に持っている言語能力は、言語獲得装置とよばれている。3.言語獲得装置は、言語の素となる普遍文法と個別言語を規定するパラメータからなる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.音声発生器官は正常であっても、脳の一部に損傷を受けるとことばをしゃべれなくなったり、喋れても言われたことばを理解するのに困難を感じたりすることがある。2.ブローカ領やウェルニッケ領のように、ことばの発信および認知にかかわる脳の部分を言語野とよぶ。3.ブローカ失語症は、おもに機能語および連辞形態素の消失という特徴を持つ。前置詞や冠詞などの省略野動詞の活用形の置換が見られるため、電報文のような発話となる。4.最近の研究では、脳のある部位が単独で1つの言語機能をになっているのではない、という傾向が見られる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。


キーワード ① ことばの習得 ② 経験主義 ③ 合理主義 ④ 普遍文法 ⑤ 失語症
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇子供が、短期間で、複雑な音韻体系から文法構造までをマスターし
てしまうことは、驚異的である。〇1950年代まで、言語習得の理論づけは経験主
義が主流をなしていた。しかし、創造的な言語使用は、経験主義では説明できない。〇言語習得の助けとなるものが生得的に備わっている。この生得的に持っている言語能力は、言語獲得装置とよばれている。〇言語獲得装置は、普遍文法と個別言語を規定するパラメータからなる。
予習課題:〇それぞれの言語が独自の語彙・文法体系を持っていて、それを通し
てそれそれの言語の話者が世界を違った風に解釈している。〇色のスペクトラムは連続体ではなく、知覚されやすい焦点が普遍的に存在している。〇レイコフとジョンソンは、比喩こそが、その文化の中で概念体系を作り上げるもので、私たちは比喩によって作られた概念体系を通して、世界を把握していると主張する。〇レイコフとジョンソンは、死んだメタファーは、日常表現になっているものの、基本となっている比喩表現を基盤として、成立していると主張する。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

15 ことばとこころ(その2) 科目の中での位置付け 大きな概念として導入的に「言語学とは何か?」について、言語の本来的機能、言語の定義、言語の体系、などを展望する。次いで、人間のことばをより明確にするために「動物のことば」に関して、動物のことばを学ぶ意義、人間のことばとの比較対象、から始め、動物のことばの機能と手段(視覚的、聴覚的、嗅覚的、触覚的)、ミツバチのことば、霊長類のことばの習得の実験、を紹介する。「世界の言語」では、日本語や英語の位置づけをするために言語の類型や言語の起源を扱う。そして小さな単位である「音の姿」では、言語音の発音の仕方や理論を、音が結合する「語の形」では語の構造や語の作られ方を学ぶ。語句が結合する「文の形」では、文を生成する法則を紹介する。「ことばの意味と運用」では、文単位でなく場面と結びついた文の用い方、「ことばと社会」では、言葉の地域的・社会的変種、最後に「ことばとこころ」では、ことばと精神の関係について言語の習得や失語症等を学ぶ。今回はことばとこころの後半を扱う。
「現代の言語学」
p.201-211
①201-205
②206-206
③207-211
コマ主題細目 ① 言語相対性 ② 比喩 ③ 概念体系 ④ ⑤
細目レベル ① 1.外界をどのようにとらえ、認識するかは、使用する言語によって左右されているのだ
ろうか?最も強い形で解釈するならば、使用している言語がその人の世界観および思考様式を完全に支配することになる。また、この仮説を控えめに弱めた形で解釈するならば、使用している言語がある程度その人の世界観を限定するということになる。前者は、言語決定論、後者は言語相対論と呼ばれる。2.サピア・ウォーフ仮説:それぞれの言語が独自の語彙・文法体系を持っていて、それを通してそれそれの言語の話者が世界を違った風に解釈している。3.色彩語の研究:色のスペクトラムは連続体ではなく、知覚されやすい焦点が普遍的に存在している。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

② 1.ある事物を別の分野のことばを用いて表すことを比喩という。2.比喩と生成文法:
選択制限の概念をつかって、生成文法の立場から比喩を説明しようとする試みがある。そうすると、Colors read the book. The rock is becoming brittle with age.のような文で、前者は比喩となるが、後者は文字通りの意味を持つ文と言うことになる。しかし、後者が、The old profdessor is a rock.をもとにした文であるとすると、選択制限による比喩へのアプローチは無理があることがわかる。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

③ 1.比喩と概念体系:レイコフとジョンソンは、比喩こそが、その文化の中で概念体系を
作り上げるもので、私たちは比喩によって作られた概念体系を通して、世界を把握していると主張する。彼らによれば、たとえば、Time is money.という比喩では、私たちの社会において貴重な価値を持つ「お金」という概念が「時間」という概念を特徴づけている。2.レイコフとジョンソンは、死んだメタファーは、日常表現になっているものの、基本となっている比喩表現を基盤として、基本的な概念が成立していると主張する。私たちの思考や行動は比喩により影響されている。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。



キーワード ① 相対性 ② サピア・ウォーフ ③ 色彩語彙 ④ 概念体系 ⑤ 協調の原理
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習課題:〇それぞれの言語が独自の語彙・文法体系を持っていて、それを通し
てそれそれの言語の話者が世界を違った風に解釈している。〇色のスペクトラムは連続体ではなく、知覚されやすい焦点が普遍的に存在している。〇選択制限の概念をつかって、生成文法の立場から比喩を説明しようとする試みがある。〇しかし、選択制限による比喩へのアプローチは無理があることがわかる。〇レイコフとジョンソンは、比喩こそが、その文化の中で概念体系を作り上げるもので、私たちは比喩によって作られた概念体系を通して、世界を把握していると主張する。〇彼らによれば、たとえば、Time is money.という比喩では、私たちの社会において貴重な価値を持つ「お金」という概念が「時間」という概念を特徴づけている。〇レイコフとジョンソンは、死んだメタファーは、日常表現になっているものの、基本となっている比喩表現を基盤として、成立していると主張する。〇私たちの思考や行動は比喩により影響されている。以上の項目について、自分のことばで具体例を挙げながら説明できるようにする。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
「言語学」「動物のことば」「世界の言語」の理解と説明 〇言語の定義について、また、体系、恣意性、音声、記号、人間、伝達、〇言語学の分野、一般言語学と個別言語学、記述言語学と史的言語学、音韻論、形態論、統語論、意味論、語用論、〇動物の言葉の研究の意義、〇動物のことばの機能と手段、〇霊長類の言語習得の実験、〇世界の言語の多様性と類似性、〇比較言語学の誕生、〇世界の語族、以上のことについて、理解したうえで、自分で実例を挙げながら説明することができる。 言語学、動物、世界の言語 20 1,2,3
「音のすがた」「語の形」の理解と説[明 〇言語音について、すなわち音声学の仕組み、〇言語音のとらえ方と発音記号、〇言語音の体系、すなわち、音韻論の仕組み、〇音の変化(同化、異化、音脱落、音挿入)〇超分節音素(強勢、音調)、〇言語音に関する規則化、〇語及び語の構造、(形態素、語彙素)、異形態、語形成(屈折、派生、複合、転換、短縮、混成)、語形成への制約、以上のことについて、理解したうえで、自分で実例を挙げながら説明することができる。 音声、発音記号、形態素 30 4,5,6,7
「文のかたち」の理解と説明 〇生成文法における「文法」〇句構造規則に含まれる句構造(名詞句、動詞句)、〇句構造規則の展開と、語彙挿入、動詞の生起環境、〇変形規則(変形規則の設定)、〇文法の枠組み、〇疑問文の生成、〇様々な変形規則、〇理論展開、〇普遍文法、〇変形規則とその背後も条件、など、学校文法と生成文法とのつながりを、理解したうえで、自分で実例を挙げながら分析し説明することができる。 生成文法、変形、普遍文法 10 8,9
「ことばの意味と運用」と「ことばと社会」 〇意味論と語用論。、〇語の意味(同義関係、上下関係、反義関係、曖昧性、)、〇語と語の結びつき、〇文の意味、〇意味の広がり(ダイクシス、前提、新情報と旧情報、推移)、〇j発話行為、協調の原理、〇方言の種類(地方方言、社会方言、人種方言、個人方言)、〇方言となまり、〇方言学と言語地理学、〇言葉の社会的変種、以上のことについて、理解したうえで、自分で実例を挙げながら説明することができる。 語用論、語の意味、文の意味 30 10,11,12,13
「ことばとこころ」の理解と説明 〇子供の言語習得と言語習得過程、〇経験主義による言語習得論の限界、〇プラトンの問題から合理主義理論による言語習得論、〇普遍文法の設定とパラメーターの必然性、〇言葉と脳の問題における失語症研究と言語野、〇言語相対性におけるサピア・ウォーフの仮説、〇色彩語の研究が普遍性を支持する。〇逸脱としての比喩、〇概念形成のための日常メタファーの役割、以上のことについて、理解したうえで、自分で実例を挙げながら説明することができる。 言語習得、言語相対性、比喩 10 14,15
評価方法 期末テストによる。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 なし
参考文献 「現代の言語学」石黒昭博他、金星堂
実験・実習・教材費 なし