区分 フィールド生態科目 フィールド生態共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性 理解力 実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識 教養知識 思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個⼈・社会・⾃然が直⾯する課題に対して専⾨的な理解を深めると共に、学際的かつ実践的な能⼒を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能⼒を有する。
科目の目的
生態調査実習科目の入門的位置付けとなる本科目においては、調査票における記録の取り方、水温計など計測機器の目盛りの読み取り方法、GPSを用いた位置情報の取得、植物や無脊椎動物・脊椎動物など生物における形態用語の理解、指標生物を用いた環境評価の方法、そしてフィールドワークにおける安全管理といった、野外調査の基礎を学ぶとともに、実習内容をまとめたレポートの書き方の基礎を身につけることを目的とする。また、動植物園・博物館施設等を、普段は立ち入ることのできないバックヤードを含めて見学することで、標本の管理手法や、標本保存の意義、そして動植物園・博物館等施設の社会的意義についての理解を深める。
到達目標
これから大学生活においてフィールドワークを始めるにあたり、安全管理、調査技術の実際、データの取得・記録方法、動物・植物の形態用語についての知識を深めるほか、これらを用いた環境評価の方法、そして調査により得られたデータを科学的な文章にてまとめる方法までを身につける。具体的には、植物種の生育とその生育環境には強い関係があること、植物に関する各種の形態用語についての知識理解について理解しているか、昆虫の調査方法と、実際にその方法を用いて得た調査結果について、学術論文の形式でまとめられているか、昆虫の形態的定義を理解しているか、主に無脊椎動物を指標種とした環境評価方法について理解しているか、河川の生物採集調査について、学術論文の形式でまとめられているか、種同定と測定の方法、標本の保存方法について理解しているか、動植物園・博物館の見学を通して学んだ、施設の特徴やその役割について理解しているか等の点を到達目標とする。さらに詳細な到達目標については、後に示す履修判定指標の項目を参照のこと。
科目の概要
第一回では、ガイダンスとして実習内容概要を説明するほか、本科目の期末レポート課題について、各担当回の教員から説明を受ける。また本科目は前期に実施された「フィールド生態学入門」を前提科目とする。そのため確認小テストが実施される。続く第二回では、野外調査時における安全管理を徹底することを目的として、安全講習が実施される。本科目のほか、3年生から取り組むこととなる卒業研究においては、フィールドワークを実施することも多くなるであろう。その際の危険因子の把握や対処法について学ぶ。第三~十一回においては、3人の教員による担当回が持ち回りで展開される。具体的には、「藤井(伸)回」では植物についての基礎的・実践的な知識と技能を習得する。「久松回」では、土壌動物を用いた環境評価の方法、GPSを用いた位置情報の取得方法、昆虫類の調査技術・標本作成技術・同定方法や昆虫の形態についてなどを学ぶ。そして「中束回」では、水質の測定方法、魚類の基礎的知識やその調査方法等について学ぶ。第十二回で動植物園・博物館事前指導が実施された後に、第十三・十四回では、スタッフの解説を伴う、バックヤードを含めた施設の見学が実施される(一日で2コマ分とカウントする)。そして第十五回では、これら見学の事後指導として班ごとの発表が実施される。そのほか、本実習の集大成としてまとめることとなるレポートについて、各教員より事前指導が行われる。
※受講人数や天気などの都合により、各回の順番や内容・日時を変更する場合がある。講義の順番や内容・日時の変更については第一回に説明する。
※この科目の学習時間 【授業】30時間 【予習・復習】60時間 【合計】90時間

科目のキーワード
①フィールドワーク、②安全講習、③植生、④外部形態、⑤内部形態、⑥脊椎動物、⑦無脊椎動物、⑧環境評価
授業の展開方法
本科目は、教室における講義形式の授業(第1回ほか)ならびに、野外調査等を伴う形式(第3~11、13,14回)により実施される。まずは第1・2回で実施される受講生全体に対する科目の概要の説明および安全講習ののち、全体が3グループに分けられる。続く第3~11回までは、それぞれのグループに対し、3名の担当教員によるそれぞれの実習が持ち回りで3セット実施される。そして第12~15回においては、受講生全員で実施する動植物園・博物館におけるバックヤードを含めた見学とその事前・事後指導が実施される。その中で特に第15回においては、学びの定着を図るためレポート指導が実施される。
オフィス・アワー
藤井伸二:【月曜日】2時限目(後期のみ)・昼休み、3時限目(前期のみ)、【火曜日】2時限目(前期のみ)・昼休み(前期のみ)、【水曜日】昼休み、【木曜日】昼休み(前期のみ)
久松定智:【月曜日】2時限目・昼休み【火曜日】昼休み
中束明佳:【月曜日】1時限目・2時限目・昼休み、【火曜日】昼休み・3時限目・4時限目

科目コード ENS211
学年・期 1年・後期
科目名 フィールド生態学基礎実習
単位数 2
授業形態 実習
必修・選択 必修
学習時間 【授業】90分×15 【予習】30分以上×15 【復習】30分以上×15
前提とする科目 フィールド生態学入門
展開科目 動物生態基礎実習、植物生態基礎実習、インタープリテーション実習、潮間帯リサーチ入門、水族館展示実習
関連資格 なし
担当教員名 藤井伸二・久松定智・中束明佳
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 ガイダンス 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で第一回では、これから本実習を展開するにあたってのガイダンスとして、授業内容・スケジュールの概要を説明するほか、班分け、そして最終評価にて提出するレポートの記載方法について理解する。
【コマ主題細目①】
・実習の進め方に関する説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。

【コマ主題細目②】
・実習の進め方に関する説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。

【コマ主題細目③】
・濱尾章⼆『フィールドの観察から論⽂を書く⽅法』、⽂⼀総合出版、2010年、61-76⾴。
・日本生態学会『保全生態学研究投稿規定https://www.esj.ne.jp/esj/JJCE/JJCE_kitei.html、2022年2月10日確認。
コマ主題細目 ① 実習の概要 ② 班分けの実施 ③ 事前レポート指導
細目レベル ① 本実習では、3年生から取り組む卒業研究に向けての基礎を形成するものである。実際のフィールドワークを通じて動植物の生態・形態、生物を用いた環境評価の方法,ならびにこれらを調査する基本的な手法を実地で学ぶ。本実習で扱う分類群は主に植物・昆虫・魚類とするが、他の分類群においても共通する、調査・研究の基礎ともなる内容で実施される。実習では学生を3つの班に分け、それぞれのグループごとに「藤井(伸)回」、「久松回」、そして「中束回」を順に受講する。「藤井(伸)回」では、植物の分布・形態・生態をフィールドや室内で学ぶ。「久松回」では、昆虫の調査手法を学び、それらを実際にフィールドにて試みるほか、分類群ごとに異なる標本作成方法を学ぶほか、昆虫の形態を観察・スケッチすることにより理解する。「中束回」では、河川における魚類を中心とした生物採集調査を実施する。また本科目は前期に実施された「フィールド生態学入門」を前提科目とする。そのため確認小テストが実施される。
② 「藤井(伸)回」、「久松回」、「中束回」をローテーションで実施するにあたり、班分けが実施される。まず受講生全体を3班にわけ、それぞれAグループ、Bグループ、Cグループとする。このA~Cグループが、各教員の実習を回るまとまりとなる。具体的には、Aグループは「藤井(伸)回」、「久松回」、「中束回」の順に回り、Bグループは「久松回」、「中束回」、「藤井(伸)回」の順に、そしてCグループは、「中束回」、「藤井(伸)回」、「久松回」の順で実施することとなる。次に、A~C各グループ内において数班に分ける。これはフィールド等で実習を行う都合上、安全管理面などで小班に分けるものである。各班では代表者を決める等を行い、グループ単位で動くこととなる。グループワークは大学生活や社会生活での基礎となるものであるので、グループワークに慣れる。
③ 本実習においては、「安全講習」、「藤井(伸)回」、「久松回」、「中束回」、および「動植物園・博物館見学」それぞれの内容についての課題を課す。期末レポートでは,エッセイや感想文等とは異なり、学術論文として科学的な論証構造を伴った文章を執筆することとなる。第一段階としてレポートや学術論文は他人に読んでもらう文章であるので、まずは日本語として意味が通じる文章を書くことに気を付けるべきである。例えば主語と述語は対応させること、文体は「である」体を基本として、書き言葉を用いること、できるだけ一文一義とし、文章は接続詞でつなげてスムーズに読める文章にすることなどである。本科目で作成されるレポートの引用文献等の書式としては、日本生態学会が発行する学術雑誌「保全生態学研究」にて定められる形に倣って記載することとする。例えば、文中の引用においては著者名、年(例.久松,2022)と文の後ろに括弧書きで示す。引用文献リストには、次のようにまとめる。[雑誌からの引用の場合] 著者名 (発行年) 表題. 雑誌名, 巻:初頁-終頁、[単行本・報告書の引用の場合]<著者名(発行年) 表題. 出版社, 出版社所在地。[ウェブサイトからの引用の場合]作成者 (発行年) ウェブサイトの名称. URL, 確認日>(ウェブサイトの名称や発行年が不明な場合は省略してもよい)。ウェブサイトの情報は信頼度等の観点から、信頼できる引用元のみに留めるべきであるが、そのような引用元を引用する場合、参照した年月日を記載する必要がある。それはウェブサイトはその性質上、書きかえが容易であるためである。その他講義形式で、レポートをまとめる上での注意点などが伝えられる。
キーワード ① 班分け ② グループワーク ③ レポート指導 ④ 授業の概要 ⑤ スケジュール
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】第一回ではこれから展開される本実習の概要と目的、そして期末レポートの内容と学術的な文章のまとめ方について指導を受けた。本回の達成目標は、これから実習を受けるにあたり気を付けるべき点を理解することである。それは本実習の目的がわからないまま次回以降の実習に参加しても、ただ参加するだけになってしまうからである。そのため、本回で説明を受けた各実習の目的・内容をおさえることを復習課題とする。【予習課題】第二回においては、安全講習を行う。シラバスを読み、その目的を理解する。また、第二回以降に展開される各教員における回においては、実習内容によって、準備すべき服装は異なる。自身が次回において実施する実習がどの実習であるのかを確認した上で、必要な服装を準備しておくこと。特に演習林など野外の調査の場合は、服装によっては実習に参加することを認めることができない場合もあるため、入念に確認を行うこと。
2 安全講習 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で第二回では、外部講師等により救急法の実際を学ぶ。そのほか、各教員により陸・水域等におけるフィールドでのリスク回避などの対処法の実際を学ぶ。
【コマ主題細目①~⑤】
・(財)日本レクリエーション協会『自然体験活動指導者のための安全対策読本』、(財)日本レクリエーション協会、2000年。
・日本生態学会野外安全管理委員会『フィールド調査における安全管理マニュアル』、日本生態学会誌、2019年。
・石川和男『危険な動植物』、ぎょうせい、1986。
コマ主題細目 ① 危険因子の把握 ② フィールド調査における安全管理 ③ フィールド調査における安全管理 ④ 調査許可
細目レベル ① これから卒業研究など大学生活において調査研究等を実施するにあたり、実験室内での危機管理のみならず、フィールドにおける潜在的危険とその対処法を学び身につけることは必須である。まずはじめにフィールドでの危険は遠隔地など自然度の高い場所で大きいとは限らず、街中の河川や里山のような身近な場所にも危険は潜んでいると認識すべきである。事故の区分としては1.山・陸上での事故、2.河川・海洋における事故、3.人による被害、などがあげられる。このうち1については、吹雪・大雨などによる希少遭難、ルートミス、病原体などによる感染症、スズメバチなど危険生物によるものなど。2については、溺水、危険生物による咬傷など。3については、各種の犯罪、刃物などの道具、車等による交通事故などが挙げられる。フィールド調査における危険因子を把握する。
② 主に陸域における安全管理について、説明する。まずは事前の準備が必要である。調査場所の位置の確認、調査場所へのアクセス方法の確認、出発から帰着までのタイムスケジュールの確認と現地での調査時間および休息時間の確認、調査項目と調査内容の確認、調査の手法と手順の確認、調査機器の確認、携行物の確認(水・食糧・衣類・雨具・薬・タオルなど)、服装・靴の確認、天候の変化や悪天候時の対処法の確認、緊急時の連絡方法の確認などについて理解する。当日の出発時については、体調が万全かを確認、天候を確認。それらを加味して、調査の実施または中止の判断を行う。熱中症・日焼けなどへの対応も重要である。野外活動時は、体表面を極力さらさないように心がける。長袖・長ズボン・帽子またはヘルメットを着用する。体表面を覆うことで、夏場は日焼け・熱中症を避けることができ、冬場は体温の低下を防げる。また、有刺生物や毒虫等から体を保護できる。また、夏場の体温調節は、服の素材を選ぶことで行うと良いであろう。登山用や運動用の新素材を用いた新素材は、夏場でも短時間で体表面の汗を吸収し発散させるので、長袖でも暑くなりにくい。また夏場であれば、定期的に休息や水分・塩分補給をすることが重要である。水分補給についてはのどの渇きを感じる前にこまめに行うことが熱中症を防ぐために重要である。
③ 主に水域における安全管理について、説明する。渓谷・河川での調査では、必要に応じてウェットスーツやライフジャケットの装着も検討する。渓流における事故には、このような増水時の徒渉失敗によるものが多い。雷雨のように、短時間に多量の雨が降る場合は、きわめて短い時間で渓流は急激に増水する。あっという間に身動きが取れなくなるので、調査中に強い雨が降り出した場合は、意識的に早めに撤収するのがよい。海での調査において、潮間帯では潮汐の変化に十分注意する。調査地で安全に作業できる潮位を事前に把握しておくこと。調査にあたっては潮汐表で当日の潮位を確認する。特に平磯や干潟などで調査点が沖合にある場合には、調査後に陸地に戻るまでの時間に十分な余裕をみて行動する。
④ 調査を行う場所などによっては入山届、採取許可が必要である。また、山などにフィールド調査に行く際には、もしもの時のために事前に日程・場所などを誰かに伝えておくこと。特に卒業研究など大学生活における調査研究においては、安全面のみならず保険の適用上も、指導教員などに事前に調査日・場所などの詳細を、必ず伝えておく必要がある。国定公園、国立公園、そのほか国や都道府県、市町村などにより指定されている保護区等では、調査に先立ち許可申請が必要である。国有林を調査地として利用する場合には国有林野入林許可申請書兼請書の申請が必要となる。その他、河川や私有地においても卒業研究などで調査を実施する際には許可が必要であろう。また、ウシガエルやブラックバス、ブルーギルなどの特定外来生物は、運搬などを行うと法により罰せられる。法規などによるリスクやマナーを把握する。
⑤ 野外調査では危険がつきものである。事故は未然に防ぐことが重要であるので、あらゆるリスクチェックをして、実施中においても危険予知・回避のために注意をしていたとしても、やはり起こることもある。その際には救急処置を施す必要がある。まずは事故者の様子を見ながらただちに処置すべき傷病か時間に余裕のあるものかを判断する。このうち前者の場合には人工呼吸や心臓マッサージの方法、AED(自動体外式除細動器)を用いた除細動などにより処置を行う。後者の場合には、適正な処置を施す。救急処置後の行動として、事故者の様態のチェックをしながら悪化させないよう保温、体位などに注意する。運搬について、救急車やレスキュー隊がすぐに来てくれる場合はまかせた方が良いが、そうでない場合は救助者で運搬しなければならない。今回は外部講師等により、救急法の実際を学ぶ。
キーワード ① 危険因子 ② 陸域での安全管理 ③ 水域での安全管理 ④ 許可申請 ⑤ 救急法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】実習や卒業研究など、大学生活でフィールドワークを行うにあたって、安全管理は十分に行う必要がある。本回の外部講師等から学んだ安全講習について復習し、普段より非常事態に備えること。また、実際に野外調査を行う上での危険因子については、主に担当教員から指導を受けた。スズメバチや有毒植物など危険生物についての知識をもち、また、水分補給による熱中症の予防、帽子の着用や長袖長ズボンなど危険を回避する術を認識し、これから実践できるように備えること。【予習課題】第三回からは、各担当教員による実習が開始される。自分がどの回かを認識するほか、実習回によっては野外で実施されることもあるので、服装などを含めた準備物を確認し備えておくこと。
3 植物の生育環境 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、藤井伸二担当の一連の3回のコマでは、演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町を歩き、これらの地域に分布する植生の観察、生育する様々な植物種の観察、各植物種の形態の観察、植物の生育環境の観察、そして植物種の同定を行うことで、植物に関する基礎的・実践的な知識と技能を習得するとともにと同時に野外を歩いて自力で植物の探索・発見・観察を行うための基本的な素養を習得する。このコマでは、様々な植生の観察、様々な植物種とそれらの形態の多様性の観察、様々な生育環の観察を通して、2年次に履修予定の植物学基礎実習や3年次に履修予定の植物分類学および植物学実習を受講するために必須の知識と技能を身につけることが目的である。多数の植物種のコミュニティである植生の概念と様々な種類の植生についての知識を習得し、その植生を構成する各植物種の種類とその形態的特徴についての知識を習得し、各植生が成立する環境の特性や各植物種の生育する環境の特性を理解することでそれらの相互の関係とニッチについての知識を習得することで、次回以降の実習の基礎とするとともに、2年次以降の専門的な植物学の科目を学習するための基礎とする。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植物を適宜変更する。
【コマ主題細目①~③】
・岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年、44-78、86-109、110-156頁。
コマ主題細目 ① 植生 ② 植物種と形態 ③ 生育環境
細目レベル ① 演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町を歩き、これらの地域に分布する各種の植生の野外観察を行うことで、植生に関する実践的な知識を習得する。アカマツ林、ツブラジイ林、アベマキ・コナラ林、竹林、ヒノキ植林、スギ植林などの森林植生を観察する。ススキ群落、ワラビ群落、シバ群落、チガヤ群落、ネザサ群落、クララ群落、トウカイタンポポ群落、トダシバ群落、カラムシ群落、スイバ群落、スズメノヤリ群落、イヌタデ群落、などの里草地植生を観察する。ツルヨシ群落、カサスゲ群落、ミヤマシラスゲ群落、チゴザサ群落、ボントクタデ群落、オランダガラシ群落、各種の水田雑草群落などの湿地植生を観察する。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植生を適宜変更する。
② 演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町に生育する様々な植物種の野外観察を行うことで、多様な植物種に関する実践的な知識を習得する。各植物種の花形態、果実形態、葉形態などの観察を行う。トウカイタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポ、エゴノキ、スギ、ヒノキ、ウラジロ、ゼンマイ、ワラビ、ナズナ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、クララ、ソクシンラン、ヒメヨツバムグラ、カサスゲ、モウソウチク、ツブラジイ、アラカシ、シラカシ、フジ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサ、コナラ、クリ、コバノミツバツツジ、モチツツジ、アケビ、ヤマザクラ、オオシマザクラ、ミヤマシラスゲ、リョウブ、ノアザミ、アオギリなどの形態観察を行う。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植物を適宜変更する。
③ 演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町における植物の生育環境の観察を行う。路傍、空き地、荒れ地、道路脇、芝地、公園緑地、石畳、石垣、里草地、土手、畦畔、水田、畑、雑木林、林縁、植林、水路、河川、水路、湿地、法面などの環境とそこに生育する植物について観察する。これらの環境に生育するそれぞれの植物種の特徴を観察することで、植物の環境への適応形質と適応進化について学ぶ。また、複数の環境に生育することのできる植物種の観察によって、その植物の持つ適応の範囲と可塑性について学ぶ。さらに、どのような環境にどのような植物種が生育するかを概観することで、卒業研究に必要な野外調査の素養を身につける。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植物を適宜変更する。
キーワード ① 植生 ② 生育環境 ③ 植物種 ④ 形態 ⑤ 野外観察
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町の植生であるアカマツ林、ツブラジイ林、アベマキ・コナラ林、コバノミツバツツジ群落、竹林、ヒノキ植林、スギ植林、ススキ群落、ワラビ群落、シバ群落、チガヤ群落、ネザサ群落、クララ群落、トウカイタンポポ群落、トダシバ群落、カラムシ群落、スイバ群落、スズメノヤリ群落、イヌタデ群落、ツルヨシ群落、カサスゲ群落、ミヤマシラスゲ群落、チゴザサ群落、ボントクタデ群落、オランダガラシ群落、各種の水田雑草群落などの特徴について復習する。トウカイタンポポ、セイヨウタンポポ、アカミタンポポ、エゴノキ、スギ、ヒノキ、ウラジロ、ゼンマイ、ワラビ、ナズナ、コバンソウ、ヒメコバンソウ、クララ、ソクシンラン、ヒメヨツバムグラ、カサスゲ、モウソウチク、ツブラジイ、アラカシ、シラカシ、フジ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、カスマグサ、コナラ、クリ、コバノミツバツツジ、モチツツジ、アケビ、ヤマザクラ、オオシマザクラ、ミヤマシラスゲ、リョウブ、ノアザミ、スズメノヤリ、アオギリ、ヤマハゼ、キリ、オランダガラシ、ツルヨシ、エゴノキ、ツブラジイ、アカマツなどの種名とその特徴および形態について復習する。路傍、空き地、荒れ地、道路脇、芝地、公園緑地、石畳、石垣、里草地、土手、畦畔、水田、畑、雑木林、林縁、植林、水路、河川、水路、湿地、法面などの環境について復習する。復習に際しては、教科書(岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行)の44-46、78、86-109、110-13、138-177ppを参照する。
4 植物の器官 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、藤井伸二担当の一連の3回のコマでは、演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町を歩き、これらの地域に分布する植生の観察、生育する様々な植物種の観察、各植物種の形態の観察、植物の生育環境の観察、そして植物種の同定を行うことで、植物に関する基礎的・実践的な知識と技能を習得するとともにと同時に野外を歩いて自力で植物の探索・発見・観察を行うための基本的な素養を習得する。このコマでは、様々な植物種の葉を観察することによって、2年次に履修予定の植物学基礎実習や3年次に履修予定の植物分類学および植物学実習を受講するために必須の知識と技能を身につけることが目的である。植物の体制を形作る根、茎、葉の3器官の分類系における葉の位置づけと他器官との相違点を理解し、さらに葉序の類型と各所の専門用語の知識を習得し、単葉と複葉の違いと複葉の種類とそれらの専門用語の知識を習得し、葉の形状の類型とそれらの専門用語の知識を習得し、葉の裂片と鋸歯形態に関する類型とそれらの専門用語の知識の習得を行う。そして、2年次以降の専門的な植物学の科目を学習するための基礎とする。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植物を適宜変更する。
【コマ主題細目①~③】
・岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年、16-78頁。
コマ主題細目 ① 葉と茎 ② 葉序 ③ 葉の形態(単葉と複葉、鋸歯)
細目レベル ① 植物の体制を形作る根、茎、葉の3器官の分類系における葉の位置づけと他器官との相違点を理解する。植物のこれらの3器官は、それぞれその機能と形態的特徴が大きく異なっている。根は土中の水分や養分を吸収する機能を持つ器官、茎は植物体の骨格を形成して葉を支持する機能持つ器官、葉は太陽光を受けて光合成を行う器官である。根は分枝する際に内生的に発生することが大きな特徴で、茎は分枝する際に外生的に発生する。そして、これらの両器官は、伸長方向の軸に対して背腹性を持たず放射相称の内部構造を有する。一方、葉は茎頂から外生的に発生するが、茎の側生器官として形成されるために基部から先端の軸に対して背腹性があるために表と裏の内部構造を持つ。この背腹性という内部構造の違いが葉とそれ以外の器官(根と茎)との決定的違いであることを学習する。
② 茎に側生する器官である葉について、葉が茎に着く様式のことを葉序と呼ぶ。そして、それらが茎に対してどのように側生するかによって、いくつかの種類に分けられている。一つは、葉が茎に対して互い違いに着く場合で、このような葉序を互生と呼ぶ。互生は、茎に対する葉の付き方からさらにいくつかの種類に分けられる。下部の葉に対して上部の葉が180°の開度をなしている場合は、これを二列互生と呼ぶ。また、下部の葉に対して上部の葉が144°の開度をなしている場合は2/5のらせん葉序と呼ぶ。次に、茎の一つの節から2枚の葉がでるものを対生と呼ぶ。対生には、下の節の葉の展開角度とその上の節の葉の展開角度が90°回転することが普通であり、そのような大祭の葉序を十字対生と呼ぶ。3つ目は、一つの節から葉が3枚以上でるもので、これを輪生と呼ぶ。これらの葉序の種類と形態用語について学習する。
③ 葉の形態については多数の専門用語が存在しており、これらを正確に理解することを目標とする。茎に促成する器官である葉は、通常は3つの部分から成り立っている。すなわち、葉托葉、葉柄、葉身である。葉には、維管束が各所に巡らされており、主脈、側脈、そして網状脈の種類がある。また、1次脈、二次脈、三次脈という呼称が使われることもある。葉脈には、羽状脈、掌状脈、網状脈、三行脈、平行脈などの種類がある。葉には、単葉、羽状複葉、掌状複葉、3出複葉などの種類があり、さらに小葉柄、小托葉、小葉、頂小葉、側小葉といった形態用語が使われる。葉の形態については、楕円形、卵形、倒卵形、円形、被針形、倒被針形、線形、心形などの用語がある。葉の縁の形態については、全縁、単鋸歯、波状鋸歯、重鋸歯、細鋸歯、欠刻状鋸歯などの用語がある。図鑑に使われるこれらの形態用語についての知識を習得する。
キーワード ① 茎 ② 葉 ③ 葉序 ④ 葉形態 ⑤ 単葉と複葉
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【予習課題】植物の体制を形作る根、茎、葉の3器官のそれそれの機能および葉と他器官との相違点を復習する。葉は太陽光を受けて光合成を行う器官であることを復習する。葉は茎頂から外生的に発生、基部から先端の軸に対して背腹性があるという内部構造の違いを復習する。葉序について、互生、対生、輪生について復習する。互生にはいくつかの種類があり、下部の葉に対して上部の葉が180°の開度をなしている場合を二列互生、下部の葉に対して上部の葉が144°の開度をなしている場合っを2/5のらせん葉序のそれぞれについて復習する。対生において、下の節の葉の展開角度とその上の節の葉の展開角度が90°回転するものを十字対生と呼ぶことを復習する。葉の形態用語について、葉托葉、葉柄、葉身、主脈、側脈、網状脈、羽状脈、掌状脈、網状脈、三行脈、平行脈、単葉、羽状複葉、掌状複葉、3出複葉、小葉柄、小托葉、小葉、頂小葉、側小葉、楕円形、卵形、倒卵形、円形、被針形、倒被針形、線形、心形、全縁、単鋸歯、波状鋸歯、重鋸歯、細鋸歯、欠刻状鋸歯について復習得する。復習に際しては、配付資料と教科書(岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行)の16-78ppを参照する。
5 植物の同定 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、藤井伸二担当の一連の3回のコマでは、演習林、キャンパス、本宿町、上衣文町を歩き、これらの地域に分布する植生の観察、生育する様々な植物種の観察、各植物種の形態の観察、植物の生育環境の観察、そして植物種の同定を行うことで、植物に関する基礎的・実践的な知識と技能を習得するとともにと同時に野外を歩いて自力で植物の探索・発見・観察を行うための基本的な素養を習得する。このコマでは、図鑑を用いて様々な植物種の同定作業を行うことで、2年次に履修予定の植物学基礎実習や3年次に履修予定の植物分類学および植物学実習を受講するために必須の知識と技能を身につけることが目的である。このコマでは、野外で採取した様々な植物を対象に図鑑を使って同定を行う入門的な作業を行う。野外には多種多様な植物珠芽生育しており、日本国内には約6000種の在来植物、愛知県内には1000種以上の在来植物、大学のキャンパスには栽培品や外来種を含めると約400種の植物が生育している。本実習においてこれらをすべて把握することは不可能だが、図鑑を使って植物の種名を調べる初歩的な素養を身につけることを目的としている。そのために、各種の植物形態に関する各種の専門用語、実際の形態との対応、図鑑における記述様式とその順序、図版や写真などについて、それらを読みこなすトレーニングを行う。そして、実際に図鑑を使っての同定作業を行う。そして、2年次以降の専門的な植物学の科目を学習するための基礎とする。なお、季節の進行、植生の状態、天候に応じて観察対象の植物を適宜変更する。
【コマ主題細目①~③】
・岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年、配布プリント。
コマ主題細目 ① 図鑑 ② 形態用語 ③ 同定
細目レベル ① 図鑑とは、生物、岩石、鉱物などの自然物などの各種の図版とそれに対応した解説文書を記した総覧的な博物学書籍である。生物学分野においては、多種多様な生物種を分類整理するために、その対象生物の種名を明らかにすることが必須であるが、そのための最も一般的に参照される文献が図鑑である。ここでは、図鑑を使って対象生物の種名を明らかにする作業を行う。そのためにはまず図鑑の「記載文」の読み方とその理解が不可欠である。植物図鑑の記載文は、まずその植物の生状(樹木、多年草、1年草など)に関する記述、根に関する記述、茎に関する記述、葉に関する記述、花に関する記述、果実・種子に関する記述、分布に関する記述という順序で解説がなされていることを理解する。
② 植物の記載文に使用される形態用語について、教科書を用いて一つずつ理解を進める。以下に示す。単語の示す内容を実際の形態と対応させて記憶する。これらの単語に対応した形態の知識を習得することが「図鑑を読む」ことへの基礎となる。生状の形態用語:1年草、越年草、2年草、多年草、高木、低木など。根茎の形態用語:主恨、側根、板根、鱗茎、塊茎など。葉の形態用語:互生、対生、輪生、束生、托葉、葉柄、葉身、主脈、側脈、羽状脈、掌状脈、三行脈、単葉、羽状複葉、掌状複葉、3出複葉、小葉柄、小托葉、小葉、頂小葉、側小葉、全縁、単鋸歯、波状鋸歯、重鋸歯、細鋸歯、欠刻状鋸歯、鋭頭、鈍頭、鋭尖頭、凸、凹、尾状、楕円形、卵形、円形、被針形、倒被針形、線形、くさび形、切形、心形。花序:穂状花序、総状花序、円錐花序、集散花序、散形花序、頭状花序、さそり状花序、杯状花序。果実:堅果、乾果、液果、さく果、袋果。形態用簿については、岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行を参照する。
③ 持ち帰った採集物である植物の種名の同定を行う。同定とは、生物の種名を確定することであり、ものの価値を確定する鑑定とは異なる。同定は生物学上で使用する専門用語である。同定は、各種の図鑑を用いて行う。正確な同定には、近縁種との形態上の比較や区別点を一覧表にまとめた検索表を利用する。検索表は、基本的に二択方式になっており、当該植物の形態形質を二択形質に従って順に検索表を進むことで、最終的に当該植物の種名が明らかになる。同定:生物の種名を確定すること。生物の種名を決定するための作業。鑑定:ものの価値を明らかにすることで、由来、出自、価格などを明らかにして価値判断を行う作業。同定作業のポイント:1)図鑑類などの記載に照らして種名を明らかにする、2)近縁種や類似種の多い場合には、図鑑類に掲載されている「検索表」を利用することが有効、3)記載文や検索表を理解するには当該生物の形態的知識が必要である。
キーワード ① 図鑑 ② 形態用語 ③ 同定 ④ 検索表 ⑤ 記載文
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】図鑑の「記載文」の読み方とその理解について復習する。植物図鑑の記載文が、植物の生状(樹木、多年草、1年草など)に関する記述、根に関する記述、茎に関する記述、葉に関する記述、花に関する記述、果実・種子に関する記述、分布に関する記述という順序で解説がなされていることを復習する。 植物の記載文に使用される形態用語について実際の形態と対応させながら復習する。1年草、越年草、2年草、多年草、高木、低木など。根茎の形態用語:主恨、側根、板根、鱗茎、塊茎など。葉の形態用語:互生、対生、輪生、束生、托葉、葉柄、葉身、主脈、側脈、羽状脈、掌状脈、三行脈、単葉、羽状複葉、掌状複葉、3出複葉、小葉柄、小托葉、小葉、頂小葉、側小葉、全縁、単鋸歯、波状鋸歯、重鋸歯、細鋸歯、欠刻状鋸歯、鋭頭、鈍頭、鋭尖頭、凸、凹、尾状、楕円形、卵形、円形、被針形、倒被針形、線形、くさび形、切形、心形。花序:穂状花序、総状花序、円錐花序、集散花序、散形花序、頭状花序、さそり状花序、杯状花序。果実:堅果、乾果、液果、さく果、袋果。生物の種名を確定することであ留同定について復習する。近縁種との形態上の比較や区別点を一覧表にまとめた検索表の利用について復習する。復習に際しては、配付資料と教科書(岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行)を参照する。
6 昆虫類の調査技術および生物を用いた環境評価方法 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、第六~八回にかけて展開する久松担当回では、①昆虫の調査技術の習得、②昆虫標本の作製方法の習得、③昆虫の同定方法の取得、昆虫の形態情報の取得、を学ぶ。第6回では、生物の調査方法について概観し、その中における昆虫の調査技術の実際を学ぶ。実際にフィールドワークを実施し、学んだ技術を駆使して調査を試みる。その他、生物を指標とした環境評価方法について学ぶ。
【コマ主題細目①】
・馬場金太郎・平嶋義宏『昆虫 採集学』、九州大学出版会、1991年、227-426頁。
・日本環境動物昆虫学会(編)井上清・宮武頼夫(監修)『トンボの調べ方』、文教出版、2005年、180-188頁。

【コマ主題細目②】
・青木淳一『だれでもできるやさしい土壌動物のしらべかた―採集・標本・分類の基礎知識』、合同出版、2005年。

【コマ主題細目③】
・馬場金太郎・平嶋義宏『昆虫 採集学』、九州大学出版会、1991年、227-426頁。
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年、1〜9⾴。

【コマ主題細目④】
・馬場金太郎・平嶋義宏『昆虫 採集学』、九州大学出版会、1991年、227-426頁。
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年、1〜9⾴。
コマ主題細目 ① 生物の調査方法 ② 生物を用いた環境評価方法 ③ 生物の採集技術の習得 その1 ④ 生物の最終技術の習得 その2
細目レベル ① 生物の調査には、「定性的方法」と「定量的方法」がある。このうち定性的調査とは、昆虫の調査を例に説明すると、一定地域内の昆虫を様々な方法を用いて網羅的に調べる方法である。例えば、久松・柏崎(2021)『利尻島のヒラタムシ上科目録その1.ヒゲボソケシキスイ科、ケシキスイ科(コウチュウ目)』など、地域の昆虫の調査結果をまとめた目録(リスト)などがあるだろう。一定地域内の生物種を網羅的に把握することができるという長所がある一方で、調査面積、方法、調査人数や時間などの努力量が一定ではないので、他地点との比較が難しいという短所もある。一方で定量的調査とは、一定のサイズの機材(コドラートなど)を用いる方法や、ベイト(餌)トラップならバナナ等のベイトの量を統一する方法、調査ルートを統一する(ルートセンサス法)、または調査時間を統一する等の方法が挙げられる。これらは調査量を一定にすることにより、他地点などの調査結果と比較しやすいという長所があるが、一方で網羅的に種構成などを把握できないという短所もある。授業内では、それぞれについて具体的な調査方法などを例示する。ここでは、定性的方法と定量的方法の違いを理解し、解説できるようになる。
② ここでは生物を用いた環境評価方法について学ぶ。土の中で生活している動物は土壌動物と呼ばれており、落ち葉などの植物や動物の死体などを分解して土に変えるなど、生態系における分解者として重要な働きをしている。この土壌動物をコドラート等を用いることにより定量的にサンプリングを行い、ツルグレン装置を用いて抽出、出現した生物について、指標種となる分類群をもとに点数化を行うものである。このように点数化をすることにより、地点間での環境の比較も可能となる。土壌動物がもつ指標生物としての利点としては、1.どこにでも多くの種類が生息していること、2.大型土壌動物は5月から9月ごろまで、小型土壌動物はほぼ1年中と、調査に適した期間が長いこと、3.一日のうち、朝でも昼でも夜でも調査ができること、4.調査が天候に左右されないこと、5.少し慣れれば小学生(高学年)、中学生にも調査できること、などが挙げられる。土壌動物などを用いた環境評価方法について、その具体的な手法を理解する。
③ 昆虫は形態だけでなく、その生態も様々である。例えば花を訪れるもの、樹液に集まるもの、そして樹皮下、水中や洞窟に生息するもの等である。そのため昆虫を調査するには様々な方法を用いる必要があるだろう。例えば基本的な技術として、肉眼で昆虫を見つけて捕まえる「見つけ採り法」、木や草などを捕虫網ですくう「スウィーピング法」、木の枝・草・花などを叩き昆虫を落下させて採集する「ビーティング法」等があるだろう。また、果物や腐肉等を用いて昆虫を誘引する「ベイトトラップ」、正の走行性のある昆虫を人工光を用いて誘因して採集する「ライトトラップ」、透明なプラスティック板などを垂直に立て、衝突して落下した昆虫を採集する「衝突版トラップ(FIT)」等トラップを用いて採集する方法もある。その他、土壌動物を採集するツルグレン装置を用いた方法等も調査技術として存在する。昆虫を採集する主な方法や機材について、その名称と仕組み等を説明できるようになる。
④ 昆虫の調査技術(見付け採り法・スウィーピング法・ビーティング法等)を用いて、実際に野外で昆虫を採集する。補虫網・殺虫管・三角ケース・三角紙などを実際に用いて採集を行い、昆虫を調査する際に必要な採集技術ならびに器具の用い方を習得する。昆虫の生態は、訪花性があり花を訪れるもの、樹皮下に生息するもの、水中に生息するもの、果物に集まるものなど、生態は多様である。昆虫を採集する場合は、その昆虫の生態(花を訪れていた、樹皮下にいたなど)にも注目して採集し、昆虫がいろいろな環境に生息していることを実感する。また、採集した昆虫は、チョウ・ガ類やトンボ類は三角紙と三角管に入れて保管する。コウチュウ類は殺虫管に入れる。各種昆虫の採集技術や、昆虫の種類により殺虫処理の方法も異なることを覚える。調査時においてトラップを仕掛けた場所などを、GPSを用いて緯度経度を記録しておくと、調査採集地点をピンポイントで記録できる。GPSの使い方も覚える。なお本実習は野外で行うことを想定していることからも、季節の進行や雨天などの天候に応じて観察・採集対象を変更したり室内実習に切り替えたりすることもある。
キーワード ① 定性的 ② 定量的 ③ 調査技術 ④ フィールド調査 ⑤ 環境評価
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】生物の調査には、定性的方法と定量的方法がある。これら手法についての考え方は、3年次より取り組むこととなる卒業研究における調査の基礎となるものであるので、それらの違いや具体的な手法の事例について確認しておくこと。今回は昆虫を対象として、実際に調査を試みた。これら見付け採り法、スウィーピング法、ビーティング法などの採集技術のほか、衝突版トラップやツルグレン装置、マレーズトラップなどの機材について確認し、その原理等を復習すること。【予習課題】次週からは、実際に調査を行うことにより得られたサンプルを標本にし、同定を行う。次回のシラバスを読むことのほか、今回配布した資料「⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年」を読むことを次回に向けた予習とする。
7 昆虫類の標本作成方法および標本ラベルの重要性 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、第六~八回にかけて展開する久松担当回では、①昆虫の調査技術の習得、②昆虫標本の作製方法の習得、③昆虫の同定方法の取得、昆虫の形態情報の取得、を学ぶ。第7回では、前回の調査で得られたサンプルの同定および標本作成を実施する。
【コマ主題細目①】
・馬場金太郎・平嶋義宏『昆虫 採集学』、九州大学出版会、1991年、227-426頁。
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年、15⾴。

【コマ主題細目②】
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ11.昆⾍(初級)⽬までの分類と同定編』、北海道⼤学総合博物館、2012年、1〜61⾴。

【コマ主題細目③】
・馬場金太郎・平嶋義宏『昆虫 採集学』、九州大学出版会、1991年、227-426頁。
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年、10〜16⾴。
コマ主題細目 ① 生物の同定 ② 生物標本の作製 ③ 標本におけるデータの重要性
細目レベル ① 「同定」とは、生物の名前を調べ種類を特定する作業のことである。生物標本は、同定されたことにより「分類学的位置が決定された種の標本」となり、ここで初めて科学的研究の資料となり得る。つまり名前(少なくとも属名や科名)が分からなければ、いかなる研究の対象ともなり得ないのである。従って、同定はそれ自体昆虫学研究の出発点とみなすことができるので、その作業のもつ意味はきわめて大きいといえる。今回は、主に前回の授業で採集した昆虫を、各種図鑑を用いて同定する。同定作業により、昆虫のグループにはどのようなものがあるかを知り、同定に必要な形態的特徴を、実物を通して理解する。
② 野外で採集した昆虫を標本にする。生物の標本の作製方法には、大きく乾燥標本、液浸標本、そしてプレパラート標本がある。基本的には陸上の生物は乾燥標本にして、水中の生物は液浸標本にすることが多い。また乾燥標本については、標本にする種類やサイズによって方法は異なる。昆虫の場合を例に説明すると、コウチュウ目(特に成虫において)は台紙に貼るか直接昆虫針で刺した後に乾燥させる。トンボ目(特に成虫において)は腹部に竹ひご等の芯を通したのちにシリカゲル等を用いて乾燥処理する。チョウ目は展翅版、展翅テープ等を用いて展翅する。コウチュウ目でも体の柔らかい幼虫は液浸標本の方が保存には適しているし、トンボ目も幼虫については液浸にすることが多い。このように、採集後に処理を施し標本にすることにより長期間保存でき、将来研究等に使用することができる。自らの調査で得られた昆虫について、上で述べた方法により標本作成を行い、その技術を習得する。標本は長期間保存に耐える処理を行い、後に研究に使用することを目的に作成するものである。そのためできるだけ丁寧に作成することが望ましい。また、乾燥標本は完全に乾燥させた後にドイツ箱等に収納することから、乾燥させる際にできるだけコンパクトに場所をとらない整形をする必要があるだろう。
③ 標本を作製する際には採集ラベルを必ず作成する。ラベルは、標本と同じ昆虫針で刺すなど、当該の標本と対応がつく形で保管する。ラベルに記載する事項として、①採集場所、②採集年月日、③採集者名は必須である。すなわち標本にはこれらデータが不可欠であり、ラベルのない標本は学術的には無価値であるといえる。ラベルのない標本に対していかなる観察を行おうとも、観察対象が不明である以上、観察事項もまた無価値である。標本ラベルは厚口のケント紙などを用い、手書きの場合は、製図用インクなど長期の保存に耐え、耐水性のあるインクを用いるのが一般的である。ラベルを大量に作成する場合は、ワードやエクセル等のワープロソフトを用いて作成する。ラベルは、乾燥標本の場合は虫体をマウントした台紙の下段に、平均台を用いて針刺しにする。液浸標本の場合は、鉛筆やシャープペンシル等でラベル事項を記入し、標本を入れている保存ビンの中に入れる。プレパラートの場合は、ラベルを直接貼り付ける。標本ラベルの重要性を理解した上で、自ら作成できるようになる。
キーワード ① 標本 ② 標本ラベル ③ 同定 ④ 図鑑 ⑤ 形態形質
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】第7回では、前回の調査により得られたサンプルの「同定」を行った。同定とは、生物の名前を調べ種類を特定する作業のことである。同定は、翅や上翅の模様、脚や雌雄交尾器の形状などの形態形質を用いて行うが、そのためには昆虫の部位の名称を覚える必要がある。これら名称を再確認しておくと同時に、今回扱った標本を同定する際にどのような形態形質を用いたか、再確認しておくこと。また今回は、野外で採集した昆虫を標本にした。標本の作製方法はグループによっても異なるが、どのような標本作成方法があるか、今日行ったことや配布資料をもとに復習しておくこと。標本を作製する際、採集場所、採集した年月日、採集者名を記入したラベルは必ず付ける必要がある。このデータラベルは不可欠であり、データラベルのない標本は、学術的には無価値であるということを理解すること。
8 昆虫類の形態観察および形態用語の理解 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、第六~八回にかけて展開する久松担当回では、①昆虫の調査技術の習得、②昆虫標本の作製方法の習得、③昆虫の同定方法の取得、昆虫の形態情報の取得、を学ぶ。第8回では、生物顕微鏡および実態顕微鏡の使用方法を学ぶほか、生物の形態観察、そのスケッチ技術を学ぶ。
【コマ主題細目①】
・株式会社ニコン『実体経緯鼻鏡SMZ745/SMZ745T使用説明書』、1-28頁。

【コマ主題細目②】
・平嶋義宏・広渡俊哉編著『教養のための昆虫学』、東海大学出版部、2017年、5-20頁。
・平嶋義宏・森本桂・多田内修『昆虫分類学』、川島書店、1989年、92-115頁。
・石川良輔『昆虫の誕生』、中公新書、1996年、2-28頁。
・実体顕微鏡、生物顕微鏡等を使用。

【コマ主題細目③】
・平嶋義宏・広渡俊哉編著『教養のための昆虫学』、東海大学出版部、2017年、5-20頁。
・平嶋義宏・森本桂・多田内修『昆虫分類学』、川島書店、1989年、92-115頁。
・石川良輔『昆虫の誕生』、中公新書、1996年、2-28頁。
・実体顕微鏡、生物顕微鏡、ピンセット、シャーレ、シャープペンシル、ドローイングペン、スケッチ用紙等を使用。
コマ主題細目 ① 顕微鏡の使用方法の習得 ② 生物の形態観察 ③ 生物のスケッチ
細目レベル ① この回では顕微鏡を用いて生物の観察およびスケッチを実施する。顕微鏡には実体顕微鏡や生物顕微鏡などの種類があるが、今回は前者を使用する。最初に、実体顕微鏡の検鏡⼿順を解説する。①「試料をセットする」まずは、資料をスタンドのステージプレート上に載せる。②「ピントを合わせる」左右のフォーカス信を同⽅向に回して、鏡体を載せているアームを上下させ、試料にピントを合わせる。③「⽬幅を調節する」両接眼レンズをのぞきながら、左右の視野がひとつの円になるように接眼レンズを移動させ、使⽤者の⽬幅に合うように調節する。④「倍率を変える」鏡体の左右にあるズームノブを回すと倍率が変化するので、希望の倍率に合わせる。実際に試料を観察する場合は、低倍率で対象を視野の中心に収め、その後に⾼倍率にして観察する。また、顕微鏡は精密機器であり、その取扱いは慎重に行う必要がある。持ち運ぶ場合は片手ではなく両手で扱うこと、埃などがかかると故障の原因になるので、使用後はダストカバーをかけること等に気を付ける。卒業研究など大学での調査研究には、顕微鏡を用いることも増えることが予想される。顕微鏡の使用方法やその取扱い方法を覚える。
② 昆虫の解剖を行い、実体顕微鏡下などで生物の形態を観察する。頭部は各一対の触角、複眼、大顎、小顎をもち、口器の背面を上唇、腹面を下唇が覆っている。昆虫は、違うグループにおいても基本的な体の構造は同じだが、例えばトンボ目やカゲロウ目のように四枚の翅を別々に動かして飛翔したり、コウチュウ目のように前翅は鞘翅といわれ硬化して体や後翅を保護する役割を果たし飛翔には後翅のみを用いるグループがいたり、ハエ目のように、後翅は退化して平均棍となっているグループも存在する。また、生息環境により一部の形態が特殊化し、例えばコウチュウ目のうち水域に生息するゲンゴロウ類は泳ぐのに適した脚をもち、ゴミムシ類は地上を素早く走り、カマキリの前脚は獲物を捕らえるのに適した形となる。このような形態を、実物の標本をもちいて観察する。
③ 頭部(複眼、触角、口器等)、胸部(前胸、中胸、後胸、翅、脚等)、腹部(気門、アリ目の尾針など)など、与えられたテーマに従ってスケッチを行う。スケッチを行う際は、例えば脚では基節、転節、腿節、脛節、跗節というように、各部名称についても理解しながら行うこと。また、輪郭を実線で途切れないように描くことに注意する。また、描画装置を用いたスケッチの方法についても、その仕組みと方法を理解する。昆虫の新種記載論文等で行うスケッチは、実体顕微鏡もしくは透過型顕微鏡に取り付けた描画装置を用い、シャープペンシル等で方眼紙などに下絵を描く。その後、厚口のトレーシングペーパーを下絵に被せ、ラインドローイングペンを用いて仕上げ(清書、スミ入れ)を行う。昆虫の部位名称を理解するほか、生物を対象としたスケッチの方法を覚える。
キーワード ① 実体顕微鏡 ② 生物顕微鏡 ③ 描画装置 ④ スケッチ ⑤ 形態の名称
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】授業内で配布した資料等により、昆虫の形態的特徴および各部位の名称を再確認すること。また、スケッチを行った部位が、授業で学習した外部形態の特徴と異なっていないか、正確にスケッチができているかを再確認すること。同時に、スケッチをおこなった部位の名称を再確認し、特殊化した形状をもつ場合は、どのような生態に伴って特殊化したのか、その役割等についても理解すること。スケッチの方法について、輪郭は実線で途切れないように描くこと等の手法について、再確認すること。久松回は今回で最後となる。3回に渡る内容全体を、シラバス履修判定指標とともに再確認しておくこと。【予習課題】【予習課題】コマシラバスの9回の細目レベルを読み、キーワードを確認して、今回の授業において扱う内容の主たる事項について理解してくる。その中で、わからない内容や記述、理解できなかった点を各自ノート等に書き留める。出来る限り授業のまえに、本授業に関連する内容について、インターネットや、図書館の書籍を用いて、情報や文献などを調べておくと本授業での理解が深まり、余裕をもって授業に参加することができる。
9 河川調査の事前学習と調査準備 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、中束担当の第9回から第11回のコマでは、水生動物の生態調査の中でも、河川を対象として、調査手法を学び、調査実習を行う。第9回では、河川での調査の事前学習として、調査手法、調査準備、調査器具の取り扱い方法について学ぶ。
【コマ主題細目①】
・実習の内容および進め方を説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。

【コマ主題細目②】
・実習の内容および進め方を説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。
・井上幹生・中村太土『河川生態系の調査と分析方法』講談社、2019年、232-292頁。
・斉藤憲治・内山りゅう『くらべてわかる 淡水魚』山と渓谷社、2015年、118-121頁。
・松沢陽士『川魚の飼育と採集を楽しむための本』 学研プラス、2012年、14-34頁

【コマ主題細目③】
・実習の内容および進め方を説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。
・井上幹生・中村太土『河川生態系の調査と分析方法』講談社、2019年、232-292頁。
・斉藤憲治・内山 りゅう『くらべてわかる淡水魚』山と渓谷社、2015年、118-121頁。
・松沢陽士『川魚の飼育と採集を楽しむための本』 学研プラス、2012年、14-34頁。
・気象庁HP https://www.jma.go.jp/jma/index.html
コマ主題細目 ① 生物の生態調査の流れ ② 調査背景と目的 ③ 調査方法と調査準備
細目レベル ① 生物の生態調査では、初めに調査地の選定、調査準備をしたのちに、フィールド調査を実施し、調査後に標本やデータ整理を行うといった一連の流れがある。本回ではこの一連の流れについて、なぜこのような一連の流れで行うのか、さらにどのようにして行うのかといったことを、本実習で扱う淡水環境である河川調査を例として基本的事項について説明を行う。そして、本実習において実際に行う調査の内容について説明を行う。さらに、調査を行うには、その前に様々な準備が必要となるため、実際に調査の準備を行う。さらに、調査時における注意事項についても確認する。これに合わせて、本実習において提出すべきレポートの事項についても説明を行い、本実習のアウトプットをイメージできるようにする。
② 調査地を選定する際には、調査を行う背景や目的に応じて調査地を選定することが必要となるため、背景と目的について説明を行う。本実習では、本学の近くを流れる鉢地川を調査地とするため、鉢地川の概要、鉢地川におけるこれまでの調査研究事例を調査行う背景として説明する。鉢地川は、岡崎市を流れ、乙川へとつながる一級河川である矢作川水系(流路延長7156m、流域面積13.6㎢)である。さらに、これまでにコンクリート護岸から多自然型づくり多自然護岸へ置き換える河川改修が行われ、その前後でいくつかの調査研究がなされてきた。このような鉢地川を対象として行う本調査の目的は、河川における水生生物の採集、採集物の観察、採集物のハンドリング方法(調査地における選別、種同定、計数・計量、計測)を学び、身近に流れる鉢地川の河川環境を理解するとともに水生生物組成を知ることとする。
③ 実習で行う生物採集調査では、調査項目・スケジュール・調査条件などの設定、調査器具、記録用紙、標本保存資材などの準備が、一連の調査準備となる。本実習における調査項目は、調査地点の気温、水温、気候、水深、水質(pH、電気伝導率(EC))、採集物の計数・計量、採集物のサイズ計測等として設定する。これらの調査項目に対して、どのように調査を行うかといった方法についても説明する。また調査器具の取り扱い方法についても説明する。さらに、調査スケジュールを理解し、本調査においてスムーズな調査ができるようにする。また、調査を行う際には、調査条件を設定する必要があり、この調査条件には、気象条件や河川状況なども含まれる。本調査の実施の有無を決定する際に確認すべき気象条件(降水量、落雷の可能性の有無、土砂災害の危険性の有無など)や河川状況(河川の水位や流速)について説明を行う。そして、実際に調査を行うための器具や記録用紙、標本保管資材の準備を行う。標本保管資材準備として、河川現場で使用する耐水紙の標本ラベルを前もって作成する。標本ラベルは必ず鉛筆(ペンなどは不可)を用いて記入し、採集日、採集場所、採集物の種類などを記載する必要があり、事前準備では、採集日と採集場所等を前もって記入しておく。これらの準備では、実際の調査をイメージしながら、より調査をやりやすくするために工夫しながら準備を進める。
キーワード ① 生態調査 ② 淡水 ③ 河川 ④ 調査項目 ⑤ 調査準備
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】授業後に、改めてコマシラバスの9回の細目レベル、9回において配布した資料を再度読み内容を確認する。その際、授業内で理解が難しかったことについて印をつけ、配布資料を読み返して理解する。コマシラバスや配布資料を読み返しても、理解が難しかった内容については、インターネットや、図書館の書籍で調べ、それでもわからない場合には担当教員に質問に行く。配付した資料に関しては熟読し、調査項目や持ち物の確認などは徹底し、10回において実施する調査をイメージできるようにする。【予習課題】コマシラバスの10回目の細目レベルを読み、キーワードを確認して、今回の授業において扱う内容の主たる事項について理解してくる。9回において配布した資料を再度読み内容を確認する。配付した資料に関しては熟読し、調査項目や持ち物の確認などは徹底し、10回において実施する調査をイメージできるようにする。
10 河川での生物採集調査 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、中束担当の第9回から第11回のコマでは、水生動物の生態調査の中でも、河川を対象として、調査手法を学び、調査実習を行う。第10回では、河川において調査を実際に行い、調査方法、調査器具の取り扱い方法を身につける。
【コマ主題細目①~③】
・実習の内容および進め方を説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。
・井上幹生・中村太土『河川生態系の調査と分析方法』講談社、2019年、232-292頁。
・斉藤憲治・内山 りゅう『くらべてわかる淡水魚』山と渓谷社、2015年、基本的に全頁。
・松沢陽士『川魚の飼育と採集を楽しむための本』 学研プラス、2012年、14-34頁。
コマ主題細目 ① 河川での生物採集調査 ② 採集方法 ③ 採集物の処理
細目レベル ① 鉢地川において、生物採集調査を実施する。本調査での調査項目は、調査地点の気温、水温、気候、水深、水質(pH、電気伝導率(EC))、採集物の計数・計量測等である。調査地における気温、水温は、温度計で行い、水深は折尺を用いて計測する。水生生物の採集はタモ網(Dフレームネット)を用いて、通称「がさがさ」と呼ばれる採集方法で行う。採集物は、現地で分類群(魚類、甲殻類、貝類など)もしくは種(ヨシノボリ、アメリカザリガニなど)ごとソーティング(選別)し、分類群もしくは種ごとに採集物の計数を行う。また、採集物の写真撮影を行う。採集物の一部を標本とするため、耐水紙の標本ラベルと一緒にチャック袋もしくは標本瓶等に保存する。これらの調査時に、記録用紙や標本ラベルに記入する際には、必ず鉛筆を用いる。
*本回は、野外でのフィールド調査となるため、天候に応じて内容を適宜変更することがある。

② この通称ガサガサと呼ばれる採集方法は、抽水植物などの根元・石の下に隠れている魚を捕獲するのに適した方法であり、タモ網(Dフレームネット)を用いて、魚が隠れていそうな場所の下流側にタモ網を川底に隙間を空けないように合わせ、魚の隠れていそうな場所の上流側から片足で踏み込み撹乱しながら、タモ網に向かって魚を追い込み捕獲するものである。河川での調査を行う際には、採集調査により砂が巻き上げられ濁り等が発生し、生物の行動が変化することから、これらの影響を少なくするために河川の下流から上流に向かって採集調査を実施する。また採集調査を行う際には、調査努力量、つまり調査で生物を採集するために投入される資本、労働等の投入量を記録する必要がある。本調査では、具体的には採集を行った人数(たも網数)、採集を行った時間、採集場所の距離などが含まれ、記録用紙には採集を行った人数(たも網数)と時間(採集開始時刻と採集終了時刻)を記録する。
③ 採集された生物は、一度バケツや観察水槽に入れ、よく観察し、おおまかな分類群(もしくは種)を特定し、その分類群(もしくは種)ごとにソーティングをした後、計数を行う。さらに、採集物の写真撮影を行う。写真撮影では、生物を観察水槽内に入れる、もしくはバットの上に乗せるなどして撮影を行い、サイズが分かるスケール(定規、折尺など)を必ず入れて撮影する。写真撮影の際、同時に撮影可能であれば、標本ラベルなどで生物の採集状況が分かる内容(採集日、採集場所、生物の分類群もしくは種、個体番号など)を記入し、生物と一緒に撮影する。その後、持ち帰る一部の採集物の保存を行い、持ち帰らない採集物については再放流する。採集物の保存では、耐水紙の標本ラベルに、日付、採集場所、採集物の分類群(もしくは種)、保存者(もしくは班名)などを記載し、採集物と標本ラベルを一緒にチャック袋もしくは標本瓶等に保存する。これら一連の採集調査の作業の中で、採集物の一部は再放流するため、採集生物を扱うときに可能な限り生物にダメージを与えないようにする。
キーワード ① 採集調査 ② 淡水 ③ 河川 ④ ソーティング ⑤ 標本
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】授業後に、改めてコマシラバスの10回の細目レベルおよび9回において配布した資料を再度読み、調査実習について振り返る。ここでは、調査器具の取り扱い方法、調査手順、記録用紙の記録方法、写真撮影の方法などについて復習を行う。調査時に、円滑に調査できた点、できなかった点について、その理由と、もし同様の調査を行う際にどのようにしたらよいかについて考えてみる。【予習課題】コマシラバスの11回目の細目レベルを読み、キーワードを確認して、授業において扱う内容の主たる事項について理解してくる。10回で採集された生物について、インターネットや、図書館の書籍を用いて、情報や文献などを調べておくと本授業での理解が深まる。
11 河川での生物採集調査の事後学習・採集物の分析 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、中束担当の第9回から第11回のコマでは、水生動物の生態調査の中でも、河川を対象として、調査手法を学び、調査実習を行う。第11回では、河川調査で採集された採集物について、計数や測定、保存といった標本の取り扱い方法を実践し、身に着ける。
【コマ主題細目①】
・実習の進め方に関する説明のため、配布資料および本シラバスを参照する。
・矢部衞・桑村哲生・都木靖彰『魚類学』恒星社厚生閣、2017年、10-12頁。
・中坊徹次『日本産魚類検索 全種の同定』、東海大学出版会、2013年、基本的に全頁。
・斉藤憲治・内山りゅう『くらべてわかる淡水魚』山と渓谷社、2015年、基本的に全頁。
・川那部浩哉・水野信彦『日本の淡水魚』山と溪谷社、2001年、基本的に全頁。

【コマ主題細目②】
・中坊徹次『日本産魚類検索 全種の同定』東海大学出版会、2013年、基本的に全頁。
・斉藤憲治。内山りゅう『くらべてわかる淡水魚』山と渓谷社、2015年、基本的に全頁。
・川那部浩哉・水野信彦『日本の淡水魚』山と溪谷社、2001年、基本的に全頁。

【コマ主題細目③】
・矢部衞・桑村哲生・都木靖彰『魚類学』恒星社厚生閣、2017年、10-12頁。
コマ主題細目 ① 採集物の分析手順 ② 種同定 ③ 計数・計量
細目レベル ① 河川での生物採集調査で採集された生物について、実験室にてより細かな種同定や計測を行う。始めに、採集生物について図鑑を用いて種同定を行う。生物種ごとに種同定に用いる図鑑が異なるため、その図鑑の見かた、使い方について学び、種同定を行う。その後、計数、計測、計量を行う。種同定、各種測定では、種同定で細かな部位を観察するときにはピンセット、ルーペ、顕微鏡等、計測では定規やノギス等、計量では秤等の実験器具を用いることがある。これらの実験器具の取り扱い方法についても学ぶ。また、採集物を保存する際には、エタノールやホルマリン等の薬品を用いることがある。これらの薬品の取り扱い方法を学ぶとともに、これらの薬品での保存方法を学ぶ。
② 河川での生物採集調査で採集された生物の種同定を行う。種同定の際には、複数種の図鑑を用いて行う。特に、魚類に関しては、魚類検索図鑑を用いるが、本書は、「科の検索」、と各科ごとの「種の検索」という構成になっている。調べたい魚の属する科が全く分からない場合には、まずは科の検索を使う。科が分かればそれぞれの科の「種の検索」を使い種同定するものである。同定の際には、魚類の形態の複数の特徴を見分け検索を行っていくもので、本書の見かた、使い方を理解し、実際に採集された魚類について検索を行う。また、魚類に関しては、写真やイラストなどを用いている図鑑も存在しているため、それら複数の図鑑を見比べながら種同定を行う。その他の生物種についても、それぞれの図鑑の見かた、使い方を理解し、実際に種同定を行う。
③ 採集生物について、計数、体サイズ計測・計量を行う。分類群もしくは種ごとに計数を行う。体サイズの計測は、生物分析において基本的な測定項目であり、生物種により測定箇所が異なる。そのため、生物種ごとの測定手法を学び、実際に測定を行う。本実習では主に魚類、甲殻類、貝類の採集が見込まれており、これらについて計測箇所を理解し、実際に計測を行う。体サイズは魚類では、標準体長、尾叉長(びさちょう)、全長を計測する。甲殻類では、エビ類・ザリガニ類やカニ類を対象とし、エビ類・ザリガニ類では甲長、体長、全長を計測する。カニ類では眼下甲長、甲幅を計測する。貝類では、殻長、殻高を計測する。また、それぞれの生物種の体重についても計量する。
キーワード ① 種同定 ② 測定 ③ 魚類 ④ 甲殻類 ⑤ 貝類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】授業後に、改めてコマシラバスの11回の細目レベルを再度読み内容を確認する。さらに、配布資料を読み返し、種同定手法や計測手法について再度確認するとともに、11回で種同定した生物について、書籍やインターネットを利用して調べてみる。また、レポート提出に備えて、10~11回に行った生物採集調査および種同定・計測について、整理し、文章としてまとめておくことも良い。【予習課題】次回受けるコマシラバスの細目レベルを読み、キーワードを確認して、授業において扱う内容の主たる事項について理解してくる。出来る限り授業のまえに、本授業に関連する内容について、インターネットや、図書館の書籍を用いて、情報や文献などを調べておくと本授業での理解が深まり、余裕をもって授業に参加することができる。
12 動植物園・博物館事前指導 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、第十二回では、動植物園・博物館等における実習の事前指導として、見学を実施する施設の概要や、これら施設の役割を理解する。
【コマ主題細目①】
・日本動物園水族館協会『(公社)日本動物園水族館協会の4つの役割』、https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives、2022年2月8日確認。
・公益社団法人日本植物園協会、http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/outline/、2022年2月8日確認。
・文化庁『1.博物館の概要』https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/gaiyo/、2022年2月8日確認。
・文部科学省『博物館実習ガイドライン』、2009年。
・文部科学省『博物館の振興についてhttps://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/002.htm』、2022年2月10日確認。
・『博物館法https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000285』、2022年2月10日確認。
・その他、シラバス履修判定指標も参照する。

【コマ主題細目②】
・日本動物園水族館協会『(公社)日本動物園水族館協会の4つの役割』、https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives、2022年2月8日確認。
・公益社団法人日本植物園協会、http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/outline/、2022年2月8日確認。
・文化庁『1.博物館の概要』https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/gaiyo/、2022年2月8日確認。
・文部科学省『博物館実習ガイドライン』、2009年。

【コマ主題細目③】
・文部科学省『博物館の振興についてhttps://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/002.htm』、2022年2月10日確認。
・『博物館法https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000285』、2022年2月10日確認。
コマ主題細目 ① レポート指導 ② 動物園の4つの役割 ③ 博物館とは
細目レベル ① 次回から実施される動植物園・博物館における見学を実施するにあたり、見学の目的・ルールやマナー・本回に対応するレポート作成のきまり等について指導を受ける。施設見学にあたり、学外での実習となるため、担当教員のほか、学芸員等スタッフの指示にも従うことを確認する。施設の見学については事後指導として第15回に、各班ごとの発表も行う。その他、当回に対応する期末レポートでは各施設の概要のほか、展示・解説方法などについて、当該施設が工夫を行っている点などに注目し各自が独自の視点で見学した結果を、感想を織り交ぜてレポートを作成することとする。このように、事後に発表やレポート作成を行うため、しっかりとメモをとりながら見学にのぞむこととする。詳細はシラバス履修判定指標も参照すること。
② はじめに、動物園(および水族館)には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。次に、植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。また植物園は、植物の収集、栽培、保存、展示を通じて社会の発展と人類の繁栄に貢献することを目指すものである。続いて、博物館とは資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。これら動植物園・博物館の役割について理解する。
③ 博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても、重要な役割を果たしている。また、博物館は、歴史や科学博物館をはじめ、美術館、動物園、水族館などを含む多種多様な施設であり、平成17年10月現在、登録博物館が865館、博物館相当施設が331館、博物館と類似の事業を行う施設が4,418館ある。博物館法において「博物館」とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む。以下同じ。)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関(社会教育法による公民館及び図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)による図書館を除く。)のうち、地方公共団体、一般社団法人若しくは一般財団法人、宗教法人又は政令で定めるその他の法人(独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。第二十九条において同じ。)を除く。)が設置するもので次章の規定による登録を受けたものをいう。
キーワード ① レポート ② 動物園 ③ 植物園 ④ 博物館 ⑤ 施設の役割
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】動物園・水族館には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。次に、植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。そして博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。これらのことを、授業で配布した資料および本コマの教材・教具をもとに確認すること。【予習課題】第14回には豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)を見学する。見学にそなえ、この施設の概要について各自で調べて予習しておくこと。
13 動植物園・博物館の見学① 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、事前指導を実施した動植物園・博物館を見学する。なお見学は学外で午前・午後を通して実施する都合上、一日で2コマ分の内容となる。
【コマ主題細目①】
・豊橋相貌動植物公園『【公式】のんほいパーク(豊橋総合動植物公園』、https://www.nonhoi.jp/、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目②】
・中野かおり『種の保存における動物園の役割』、立法と調査、2016年、(382) 29-37頁。
・日本動物園水族館協会『(公社)日本動物園水族館協会の4つの役割』、https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目③】
・公益社団法人日本植物園協会、http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/outline/、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目④】
・文化庁『1.博物館の概要』https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/gaiyo/、2022年2月8日確認。
・文部科学省『博物館実習ガイドライン』、2009年。
コマ主題細目 ① 実習概要 ② 動物園とは ③ 植物園とは ④ 博物館とは
細目レベル ① 本科目では、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて実習を実施する。豊橋総合動植物公園は、動植物公園と自然史博物館が一体化した全国的にも珍しい施設であり、公立として国内唯一の施設である。動物園について、飼育されている動物は130種800頭を超える。植物園について、野外植物園ゾーンおよび約2,700m2の規模を誇る大温室から構成される。博物館の収蔵資料数は55万点を超えており、そのうち4,200点以上を常設展示している。まずは動植物園・博物館の見学を実施するにあたり、当該施設の受け入れ人員等の観点から全体を2班に分ける。この班分けについては本実習第1回にも伝えた通りである。見学当日は現地集合とするが、集合場所および時間を把握し、余裕をもって到着するように行動すること。見学はグループワークとなるので、遅刻者等がいた場合は受講者のみならず受入れ先にも迷惑をかけることとなる。
② 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。動物園(および水族館)には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。1について、動物園・水族館では、数が少なくなり絶滅しそうな生き物たちに生息地の外でも生きて行ける場所を与える、現代の箱舟の役割も果たしている。2について、本や映像からでは得ることのできない、生き物のにおいや鳴き声を実際に体験できるのも、動物園・植物園の特徴である。動物の生態を理解してもらい、環境教育にも結び付けることもその役割の一つである。3について、動物園・水族館では新しく動物を捕まえてくるのではなく、飼育している生き物を増やそうという努力がなされている。そのために生き物たちの生態をよく知るための調査・研究が行われている。4については、動物園・水族館は、楽しく過ごしながら「命の大切さ」や「生きることの美しさ」を感じ取ってもらえるレクリエーションの場ともなっている。これら4つの役割を感じながら見学を実施する。
③ 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。また植物園は、植物の収集、栽培、保存、展示を通じて社会の発展と人類の繁栄に貢献することを目指す。具体的な内容としては、1.内外の種々の植物(野生種、栽培種)を多数収集し、その育成を通して植物種の系統保存と保全を図る。2.収集された植物を教育的配慮のもとに植栽・展示すること(植物に関する知識理解、種の多様性認識の場)。3.植物を通して、心の潤いと憩いを提供すること(憩いの場)。4. 多くの人々に生きた植物を紹介し、植物に接する場及び機会を与えること(社会教育の場)。5.植物・園芸に関する知識・技術の普及、向上に努めること(知的要求への対応、緑化意識の向上、社会教育の場)。6.環境保全や自然保護(自然との共生)について考える機会を提供すること(環境意識の向上、自然保護精神の向上)。7.植物に関する調査研究を行い、植物に関する情報を広く提供すること(植物情報の整理・発信、地域・国家・人類への貢献)が挙げられる。植物園の役割を理解し、その上で見学を行う。
④ 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。当該施設職員の解説を伴うバックヤードの見学を含め、運営実態を学ぶ。博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。また、博物館は歴史や科学博物館をはじめ、美術館、動物園、水族館などを含む多種多様な施設であり、平成30年10月現在、登録博物館が914館、博物館相当施設が372館、博物館と類似の事業を行う施設が4,452館、合計で5,738館が存在する。博物館においては、資料の収集、保管、展示、整理、調査研究、教育普及等の学芸員の業務と博物館運営の実態を、見学を通して理解する。また、館の施設整備と学芸業務以外の実務(受付、監視、保守点検、博物館ボランティアが行っている活動等)についても理解する。その他、学芸員の仕事は対人関係が多く、信頼性やコミュニケーション能力が求められることから、知識・技術のみならず、優れた識見と人格を有する全人的な向上に努める必要がある。
キーワード ① 豊橋総合動植物公園 ② 動物園・水族館 ③ 植物園 ④ 博物館 ⑤ バックヤード
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】動物園・水族館には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。次に、植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。そして博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。これらのことを、授業で配布した資料および本コマの教材・教具をもとに確認すること。【予習課題】第14回には豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)を見学する。見学にそなえ、この施設の概要について各自で調べて予習しておくこと。
14 動植物園・博物館の見学② 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、事前指導を実施した動植物園・博物館を見学する。
【コマ主題細目①】
・豊橋相貌動植物公園『【公式】のんほいパーク(豊橋総合動植物公園』、https://www.nonhoi.jp/、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目②】
・中野かおり『種の保存における動物園の役割』、立法と調査、2016年、(382) 29-37頁。
・日本動物園水族館協会『(公社)日本動物園水族館協会の4つの役割』、https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目③】
・公益社団法人日本植物園協会、http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/outline/、2022年2月8日確認。

【コマ主題細目④】
・文化庁『1.博物館の概要』https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/gaiyo/、2022年2月8日確認。
・文部科学省『博物館実習ガイドライン』、2009年。
コマ主題細目 ① 実習概要 ② 動物園とは ③ 植物園とは ④ 博物館とは
細目レベル ① 本科目では、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて実習を実施する。豊橋総合動植物公園は、動植物公園と自然史博物館が一体化した全国的にも珍しい施設であり、公立として国内唯一の施設である。動物園について、飼育されている動物は130種800頭を超える。植物園について、野外植物園ゾーンおよび約2,700m2の規模を誇る大温室から構成される。博物館の収蔵資料数は55万点を超えており、そのうち4,200点以上を常設展示している。まずは動植物園・博物館の見学を実施するにあたり、当該施設の受け入れ人員等の観点から全体を2班に分ける。この班分けについては本実習第1回にも伝えた通りである。見学当日は現地集合とするが、集合場所および時間を把握し、余裕をもって到着するように行動すること。見学はグループワークとなるので、遅刻者等がいた場合は受講者のみならず受入れ先にも迷惑をかけることとなる。
② 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。動物園(および水族館)には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。1について、動物園・水族館では、数が少なくなり絶滅しそうな生き物たちに生息地の外でも生きて行ける場所を与える、現代の箱舟の役割も果たしている。2について、本や映像からでは得ることのできない、生き物のにおいや鳴き声を実際に体験できるのも、動物園・植物園の特徴である。動物の生態を理解してもらい、環境教育にも結び付けることもその役割の一つである。3について、動物園・水族館では新しく動物を捕まえてくるのではなく、飼育している生き物を増やそうという努力がなされている。そのために生き物たちの生態をよく知るための調査・研究が行われている。4については、動物園・水族館は、楽しく過ごしながら「命の大切さ」や「生きることの美しさ」を感じ取ってもらえるレクリエーションの場ともなっている。これら4つの役割を感じながら見学を実施する。
③ 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。また植物園は、植物の収集、栽培、保存、展示を通じて社会の発展と人類の繁栄に貢献することを目指す。具体的な内容としては、1.内外の種々の植物(野生種、栽培種)を多数収集し、その育成を通して植物種の系統保存と保全を図る。2.収集された植物を教育的配慮のもとに植栽・展示すること(植物に関する知識理解、種の多様性認識の場)。3.植物を通して、心の潤いと憩いを提供すること(憩いの場)。4. 多くの人々に生きた植物を紹介し、植物に接する場及び機会を与えること(社会教育の場)。5.植物・園芸に関する知識・技術の普及、向上に努めること(知的要求への対応、緑化意識の向上、社会教育の場)。6.環境保全や自然保護(自然との共生)について考える機会を提供すること(環境意識の向上、自然保護精神の向上)。7.植物に関する調査研究を行い、植物に関する情報を広く提供すること(植物情報の整理・発信、地域・国家・人類への貢献)が挙げられる。植物園の役割を理解し、その上で見学を行う。
④ 教員の引率により、博物館・動植物園の見学を実施する。当該施設職員の解説を含め、運営実態を学ぶ。博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。また、博物館は歴史や科学博物館をはじめ、美術館、動物園、水族館などを含む多種多様な施設であり、平成30年10月現在、登録博物館が914館、博物館相当施設が372館、博物館と類似の事業を行う施設が4,452館、合計で5,738館が存在する。博物館においては、資料の収集、保管、展示、整理、調査研究、教育普及等の学芸員の業務と博物館運営の実態を、見学を通して理解する。また、館の施設整備と学芸業務以外の実務(受付、監視、保守点検、博物館ボランティアが行っている活動等)についても理解する。その他、学芸員の仕事は対人関係が多く、信頼性やコミュニケーション能力が求められることから、知識・技術のみならず、優れた識見と人格を有する全人的な向上に努める必要がある。
キーワード ① 豊橋総合動植物公園 ② 動物園・水族館 ③ 植物園 ④ 博物館 ⑤ バックヤード
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】動物園・水族館には、1.種の保存、2.教育・環境教育、3.調査・研究、4.レクリエーションという4つの役割があるとされている。次に、植物園とは、植物を収集・保存・展示し、花と緑による市民の憩いの場とするとともに、植物の調査・研究を行って植物・園芸についての知識の普及や社会教育、環境保全や自然保護を推進する施設のことである。そして博物館とは、資料収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった活動を一体的に行う施設であり、実物資料を通じて人々の学習活動を支援する施設としても重要な役割を果たしている。これらのことを、授業で配布した資料および本コマの教材・教具をもとに確認すること。【予習課題】第14回には豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)を見学する。見学にそなえ、この施設の概要について各自で調べて予習しておくこと。
15 博物館事後レクチャー・レポート事後指導 科目の中での位置付け 本科目では、3年次から取り組むこととなる卒業研究の基礎となるものとして、フィールドにおける安全管理、データの取得・記録方法、およびレポートの作成方法まで学びを深める。第一回ではガイダンスとして、実習スケジュールの確認、班分けを行うほか、実習の成果であるレポートのまとめ方について事前指導を行う。第二回では、これからフィールドワークを実施するにあたり安全講習をおこなう。第三回〜第十一回では、各三回に分けて、「藤井(伸)」「久松回」「中束回」として三つの実習を行う。動植物園・博物館の見学にあたり、第十二回では事前指導を実施する。実習に協力いただく先方の都合上、日程は前後する可能性があるが、第十三・十四回では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、動植物園および博物館の見学を行う。第十四回ではその事後指導として、見学内容のとりまとめおよび振り返りとして発表を実施する。第十五回では総まとめの回として、最終評価対象となるレポートについて、指導を行う。上のような科目全体の中で、第15回では博物館事後指導として、見学内容の各班ごとの発表のほか、科目の総まとめとして実施される期末レポートについての指導が実施される。
【コマ主題細目①】
・特になし。

【コマ主題細目②】
・特になし。

【コマ主題細目③】
・教科書(岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行、本体価格2,200円)を使用する。
・その他、シラバス履修判定指標を参照する。

【コマ主題細目④】
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館、2009年、15⾴。
・⼤原昌宏・澤⽥義弘『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ11.昆⾍(初級)⽬までの分類と同定編』、北海道⼤学総合博物館、2012年、1〜61⾴。
・平嶋義宏・広渡俊哉編著『教養のための昆虫学』、東海大学出版部、2017年、5-20頁。
・その他、シラバス履修判定指標を参照する。

【コマ主題細目⑤】
・井上幹生・中村太土『河川生態系の調査と分析方法』講談社、2019年、232-292頁。
・斉藤憲治・内山 りゅう『くらべてわかる淡水魚』山と渓谷社、2015年、118-121頁。
・その他、シラバス履修判定指標を参照する。
コマ主題細目 ① 各班による発表 ② 全体のまとめ ③ 藤井(伸)回のレポート ④ 久松回のレポート ⑤ 中束回のレポート
細目レベル ① 第13・14回では、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて、普段は立ち入ることのできないバックヤードを含めた見学等を実施した。また豊橋総合動植物公園は、動植物公園と自然史博物館が一体化した全国的にも珍しい施設である。第15回では見学の振り返りとして、各班による発表を実施する。動物園・植物園・博物館には、資料の収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった役割がある。発表内容としては、これらの役割を理解した上で、豊橋総合動植物公園における見学を通して学んだ、当該施設の特徴やその役割について、また、展示・解説方法などについて、当該施設が工夫を行っている点などを中心に実施することとなる。発表を行うにあたり、当該施設見学の際はしっかりとメモ等をとっておくことが望まれる。
② これまでに実施した各実習の関連性を把握し、学習してきたことの全体像を把握する。そのために本細目レベルにおいては、本科目で実施した実習全体のまとめをそれぞれの担当教員が行い、各レポート区分の関係性を理解する。本科目では、合わせて4つの区分でレポートを作成する必要がある。レポートの区分として具体的には、1)「安全講習」、2)「藤井(伸)担当回」、3)「久松担当回」、4)「中束担当回」、5)「動植物園・博物館見学」の4つである。各レポートでは、植物、無脊椎動物か・脊椎動物、水生動物から陸生動物に至る、幅広い生物を対象とし、様々な生物を網羅的に学習できるようにしている。ここでは、これまでの実習内容を振り返り、各レポートの関連性を改めて理解する。また、最終レポートの提出方法を理解する。
③ 「藤井(伸)回のレポート作成上での注意点について説明を行う。「藤井回」においては、①植物種の生育とその生育環境には強い関係があること、植物の多様性を理解するには環境についての理解が重要であることを解説し、実際にそれらについて現地での観察を行った。②植物の基本的な器官である茎と葉についてそれぞれの形態や機能の違いについて学ぶとともに、葉形態に関する各種の形態用語を学び、図鑑等の記載文を読解するための素養を養った。③野外で実際に採集してきた植物を材料に、生物の種名を確定する作業である同定を行った。同定には、2択形式の階層性を持つ検索表が有効である。検索表を使った同定作業を行った。レポートは、以下の項目を回答すること等により完成させることとする。植物種と生育環境との関係について文章で説明する。植物の葉の形態とそれに対応する用語について図解と文章で解説する。植物の各種の同定について、検索表の内容と合わせて文章で解説する。
④ 「久松回」のレポート作成上での注意点等について説明を行う。「久松回」においては、①昆虫の定義について、また様々な生態をもつ昆虫の採集方法にはいろいろな方法があることを解説し、実際にそれらの方法を用いて採集を行った。②採集された昆虫の同定を行い、昆虫 の種類により異なる方法を用いて、標本の作製を行った。また、③昆虫の形態について、指定された部位について、構造の理解を深める為に観察とスケッチを行った。レポートは、以下の項目を回答すること等により完成させることとする。昆虫を様々な調査手法を用いて採集した結果について、序論・方法・結果・考察という学術論文の形式でまとめる。その際に種リストを結果に含めるものとする。標本に添付するラベルについて、どういう項目を記載する必要があるのか、またその重要性について理解しているか。授業中に配布した資料およびシラバス履修判定指標も参照すること。
⑤ 「中束回」のレポート作成上での注意点等について説明を行う。「中束回」においては、①河川の生物採集調査を行うに際し、調査を行う背景や目的について説明した上で、調査の方法の説明をして、調査準備も行った、②河川において生物採集調査を実施し、各種観測、生物採集、採集物のソーティング、計数、標本の保存を行った、③河川で採集された生物について種同定、測定といった分析を行った。レポートは、以下の項目を回答すること等により完成させることとする。本実習において実施した河川の生物採集調査について文章(図表を含む)としてまとめる。具体的には、鉢地川の特徴や調査を行った背景と目的、河川調査を行う際に使用した機材の名称および使用方法、それらの機材を用いてどのような手順で調査を行ったのかについて説明する。また、採集された標本についてソーティング、種同定、計測をどのように行ったのか、そしてそこから得られた結果について説明する。さらに、標本をどのように保存したのかについても記載する。さらに、これら一連の調査を踏まえて、河川での生物採集調査に関して考査を文章で説明する。
キーワード ① 日本語表現 ② 論理的思考力 ③ 図 ④ 表 ⑤ 科学的手法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習課題】本科目では、3名の担当教員が持ち回りで、陸生動物生態領域、水生動物生態領域、そして植物生態領域に係る内容について実習が展開された。これらは大学生活において取り組むであろうフィールドワーク、特に3年次から実施する卒業研究における基礎となるものである。第15回では授業全体の振り返りとしてまとめることとなる期末レポート課題について指導を行った。授業中に各教員が説明をした注意点に十分留意し、それぞれのレポートを完成させ、一つのレポートとしてまとめること。その際は、コマシラバス下部に記載の「履修指標の水準」を参照し、レポートがその水準に沿ったものであるのか確認すること。レポートの体裁やその提出先・締め切り日時を確認の上、期日までに所定の方法にてレポートを提出すること。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
危険因子の把握や救急法についての知識 主にフィールドにおける潜在的危険とその対処法を理解しているかを評価する。フィールドでの危険は遠隔地など自然度の高い場所で大きいとは限らず、街中の河川や里山のような身近な場所にも危険は潜んでいると認識できているか。具体的には1.山・陸上での事故、2.河川・海洋における事故、3.人による被害などについて、危険因子とその対処法を理解しているか。こまめな水分補給や帽子の着用による熱中症への対応、長袖・長ズボン等の着用による日焼けへの対応など、野外調査を行う上での基本的な事項が理解できているか。調査を行う上での許可申請や入林許可などの方法について理解しているか。また、救急法について、適正な処置の方法について理解できているか。 危険因子、安全管理、許可申請、救急法 10 1, 2, 15
植物の採集と同定に関する各種の知識 植物種の生育とその生育環境には強い関係があること、植物の多様性を理解するには環境についての理解が重要であることについての知識理解を評価する。植物の基本的な器官である茎と葉についてそれぞれの形態や機能の違い、葉序、単葉と複葉、裂片、葉縁形態などに関する各種の形態用語についての知識理解について評価する。さらに、図鑑等の記載文を読解するための素養について評価する。植物を材料とした生物の種名を確定する作業である同定作業についての知識と理解度を評価する。 植物、生育環境、器官、機能、葉形態、同定、検索表 25 1, 3-5, 15
無脊椎動物の調査手法、および形態的定義や体の構造について理解している 無脊椎動物の様々な調査方法と、本実習の中で、実際にその方法を用いて得た調査結果について、序論(背景と目的)、方法、結果、考察、そして引用文献といった、学術論文の形式でまとめられているか、また、第1, 15回で伝えたレポートの体裁で書かれているかについて評価を行う。その他、無脊椎動物の形態的定義や、標本の作製方法について理解しているか、また、標本に添付するラベルについて、どういう項目を記載する必要があるのか、またその重要性について文章で説明できるか、評価を行う。 昆虫類、形態的定義、調査方法、標本作成、ラベルの重要性 25 1, 6, 7, 8, 15
河川における生物採集調査の背景と目的、手法、および採集物の分析方法、標本処理について理解している 本実習の中で、河川の生物採集調査の背景、目的、方法を理解し、実際に調査・分析を行った結果について、序論(背景と目的)、方法、結果、考察、引用文献を、学術論文の形式でまとめられているか、また第1、9、15回で伝えたレポートの体裁で書かれているかについて評価を行う。また、調査を行う際の調査項目、標本に添付する標本ラベルに記載する事項とその記載事項の必要性について、および種同定と測定の方法、標本の保存方法(ラベルや保存状態)について理解しているかについて、文章で説明できるか評価を行う。 河川、淡水、調査手法、種同定、測定、保存方法 25 1, 9, 10, 11, 15
動植物園・博物館の役割や施設の概要を理解できている 動物園・植物園・博物館における、資料の収集・保存、調査研究、展示、教育普及といった施設の役割を理解しているか。本科目では豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)にて実習を実施した。豊橋総合動植物公園は、動植物公園と自然史博物館が一体化した全国的にも珍しい施設である。当該施設において実施した見学を通して学んだ、当該施設の特徴やその役割について、また、展示・解説方法などについて、当該施設が工夫を行っている点などを理解しているか。 動物園、植物園、博物館、施設の役割、飼育員・学芸員の職務 15 1, 12-15
評価方法 最終レポート(100%)で評価します。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 教科書(岩瀬徹・大野啓一『写真で見る植物用語』全国農村教育協会、2004年発行、本体価格2,200円)を使用する。各自購入のこと。
参考文献 青木淳一(2005)『だれでもできるやさしい土壌動物のしらべかた―採集・標本・分類の基礎知識』、合同出版、1,600円*税。馬場金太郎・平嶋義宏(1991)『昆虫採集学』、九州大学出版会、6,500円+税。濱尾章⼆(2010)『フィールドの観察から論⽂を書く⽅法』、⽂⼀総合出版、1,200円+税。平嶋義宏・広渡俊哉編著(2017)『教養のための昆虫学』、東海大学出版部、3,000円+税。平嶋義宏・森本桂・多田内修(1989)『昆虫分類学』、川島書店、9,515+税。石川和男(1986)『危険な動植物』、ぎょうせい、1,300円+税。石川良輔(1996)『昆虫の誕生』、中公新書、680+税。井上幹生・中村太土(2019)『河川生態系の調査と分析方法』、講談社、6,800+税。川那部浩哉・水野信彦(2001)『日本の淡水魚』、山と溪谷社、4,757+税。松沢陽士(2012)『川魚の飼育と採集を楽しむための本』、学研プラス、1,800+税。中坊徹次(2013)『日本産魚類検索 全種の同定』、東海大学出版会、35,000円+税。日本環境動物昆虫学会(編)井上清・宮武頼夫(監修)(2005)『トンボの調べ方』、文教出版、4,500円+税。日本レクリエーション協会(2000)『自然体験活動指導者のための安全対策読本』、(財)日本レクリエーション協会、1,800円+税。日本生態学会野外安全管理委員会(2019)『フィールド調査における安全管理マニュアル』、日本生態学会誌。⼤原昌宏・澤⽥義弘(2009)『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ1.昆⾍(初級)採集・標本作成編』、北海道⼤学総合博物館。⼤原昌宏・澤⽥義弘(2012)『パラタクソノミスト養成講座・ガイドブックシリーズ11.昆⾍(初級)⽬までの分類と同定編』、北海道⼤学総合博物館。斉藤憲治・内山りゅう(2015)『くらべてわかる 淡水魚』、山と渓谷社、1,600円+税。矢部衞・桑村哲生・都木靖彰(2017)『魚類学』、恒星社厚生閣、4,500円*税。
実験・実習・教材費 6,000円(野外調査装備・消耗品・謝金等)。※野外実習時は、汚れてもよい長袖・長ズボン・長靴(ひざ下まで隠れるもの)・帽子・リュックサック・レインコートを用いることがありますので各自用意をお願いします。