区分 (環)環境データサイエンス科目 環境データサイエンス共通科目 (生)環境データサイエンス科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
(心)専門的知識と実践的能力 (心)分析力と理解力 (心)地域貢献性
(環)専門性 (環)理解力 (環)実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
(心)課題分析力 (心)課題解決力 (心)課題対応力
(環)専門知識 (環)教養知識 (環)思考力 (環)実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。
科目の目的
この講義では、基礎的な社会調査の知識を学ぶ。とくに、社会調査における「質的調査」と「量的調査」を、それぞれ先行研究や参考文献などを通して整理し、理解することを目的とする。講義の前半はいろいろな社会調査の例や自分で調べる技術について、講義の後半には自分で調べる技術を前提としながら、社会調査の進め方に関して前半より発展的な内容を学ぶ。社会調査の歴史、政府や企業や市民による社会調査、調査の準備のしかた、質的調査や量的調査といった調査方法を学び、調査を実施するための力を身につける。。また、調査後のデータ収集・分析をするための方法を理解する。講義では、具体的な調査の事例を提示しながら、社会調査を身近に感じられるようにする。
到達目標
社会調査の基本を理解し、社会調査の準備、実施、収集・分析、報告をスムーズに行えるようにする。
科目の概要
本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
科目のキーワード
社会調査 フィールドワーク インタビュー アンケート
授業の展開方法
本講義では、パワーポイントやワードで作成した資料を用いる。パワーポイントとワード資料は併用されることもあるし、どちらかだけを使用することもありえる。メモを取れるように筆記用具を準備しておく。実際の授業進度にもよるが、第7回と第15回のまとめの授業では、小テストを実施する予定である。これは各自が授業の理解度を測るためにおこなうものであり、履修判定には利用しない。教科書を読んでいることを前提に授業を進めるため、指定教科書は必ず予習として読了させてから授業に臨むこと。
オフィス・アワー
【月曜日】昼休み、3時限目(後期のみ)、4時限目、【水曜日】昼休み・3・4時限目(会議日は除く)、【金曜日】2時限目(前期のみ)、昼休み・3時限目
科目コード ENS402
学年・期 1年・前期
科目名 社会環境調査概論
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目 環境リサーチ&プランニング
関連資格 社会調査士
担当教員名 谷川彩月
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 社会調査の基本的概要 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。

【コマ主題細目①】
・社会調査協会ホームページ(https://jasr.or.jp/)内、「社会調査士とは」「社会調査士の取得」。
・宮内泰介・上田昌文(2020)『実践 自分で調べる技術』、岩波新書。

【コマ主題細目②】
・小林多寿子(2018)『系譜から学ぶ社会調査』4-7、嵯峨野書院。
・大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋・永野武編(2005)『社会調査へのアプローチ第2版』5-6、ミネルヴァ書房。

【コマ主題細目③】
・小林多寿子(2018)『系譜から学ぶ社会調査』10-15、嵯峨野書院。
・平松貞実(2006)『社会調査で何が見えるか』66-77、新曜社。
コマ主題細目 ① この授業で何を学ぶか ② 社会調査とは何か ③ 社会調査の歴史
細目レベル ① 授業全体の流れを確認しながら、この授業で学ぶ範囲やその学びの目的について確認する。この授業は、社会調査士を取得するためのカリキュラム科目に認定されているため、資格の要件として、学ばなければならないことがある程度決められている。たとえば、社会調査史やデータ収集の技法などは、こうした要件に当てはまる。また、この科目は社会調査士の認定科目のうち、最初のA科目とされている。そのため、この授業では、あくまで概論的に、「調査する」ことについてなるべく平易なかたちで学ぶ。こうした授業理念に沿ったテキストとして、宮内泰介著『自分で調べる技術』を選定した。この本は、広く一般に「自分で調べること」ができるようになるための知恵や技術を扱っており、社会調査士の取得を考えていない者にとっても役立ちうる。
② 科目名の通り、この授業は「社会調査」について、おおまかに概要をとらえることを目的としている。ではまず、社会調査とは何か。木下(2005)によれば、社会調査とは、「社会的な問題意識に基づいてデータを収集し、収集したデータを使って社会について考え、その結果を公表する一連の過程」ととらえられる。これは比較的近年における社会調査の定義であるが、戦後まもなく、日本の社会調査を切り拓いた安田(1960)は、社会調査において、「現地調査によって直接に観察、記述、分析する」ことを重視している。つまり、安田(1960)は「現地」に赴くことを重視しているが、木下(2005)は「データを収集」という言及に留まっており、かならずしも「現地」へ行くことを想定していない。これは、1950年代から1970年代のアメリカにおいて進められた、数量社会学の発展、すなわち「社会調査の社会科学化」の影響による。以上を例として、ここでは、社会調査とは何であるか、社会調査には大きく分けて質的調査(現場主義)と量的調査(統計的調査)の2種類があることまでを理解する。
③ 社会調査のルーツは、キリストが生まれた頃にまでさかのぼることができる。キリストは馬小屋で生まれたとされるが、これはローマ皇帝アウグストゥスによる人口調査のため、全領民が本籍地への帰還を命じられた、その帰省旅の途上だったからだと言われている。しかし、こうした人口調査は、社会調査のルーツであるが、起源ではない。社会調査といわれるものの起源は、社会問題を解決するための社会的現実の把握にあるとされており、それらは近世ヨーロッパを出発点としている。授業では、ヨーロッパにおける社会調査の先駆例を、なぜそのような社会調査が行われるに至ったか(=社会的要請)とともに紹介する。ここでは、社会調査の歴史について、その社会的要請とともに理解する。
キーワード ① 資格 ② 社会調査士 ③ 現場 ④ 統計 ⑤ 人口調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのかを説明できるようにしておく。また、「どんな調査は社会調査ではない」のかも合わせて説明できるようにしておく。社会調査の歴史についてもとくに、それがどんな目的をもとに行われてきたのか、説明できるようにしておく。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

2 調べたいことを見つけよう:政府編 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。

【コマ主題細目①】
・平松貞実(2006)『社会調査で何が見えるか』51-77、新曜社。

【コマ主題細目②】
・佐藤正広(2015)『国勢調査 日本社会の百年』3-29, 157-170、岩波現代全書。
・小林多寿子(2018)『系譜から学ぶ社会調査』57-64、嵯峨野書院。

【コマ主題細目③】
・小林多寿子(2018)『系譜から学ぶ社会調査』57-15、嵯峨野書院。
・谷岡一郎・仁田道夫・岩井紀子編(2008)『日本人の意識と行動』3-9, 345-367、東京大学出版会。
コマ主題細目 ① センサスの歴史と現在 ② 国勢調査の歴史と現在 ③ 全国規模での調査
細目レベル ① センサス(census)とは、人口調査、ひいては国勢調査を意味する。センサスの歴史は古く、資料としての正確性を鑑みなければ、聖書や日本書紀にも人口調査の記載がある。どんな属性の人間が、どの地域に、何人いるかということは人頭税を徴収するための基礎的なデータであるため、古来より、国家の統率の手段としてセンサスは使われてきた。近代においては、センサスはさらに精密化され、全地域をくまなく調べる、家族を単位とした情報を得る、調査スタッフを育成するといったことが行われた。今でもセンサスという言葉は政府の行う悉皆調査(対象者や対象組織をくまなく調べる調査)という意味合いで使われており、経済センサスや農林業センサスなどがある。ここでは、センサスの意義や現代での用いられ方について、以上のレベルまで理解する。
② 国勢調査とは、政府の行う人口調査・世帯調査のことである。日本における国勢調査は1920(大正9)年から始まり、西暦の1桁台が5か0の年、つまり5年おきに行われている。国勢調査では、人口の他に、世帯に関する情報、職業など個人に関する情報が集められている。国勢調査は、統計法という法律に基づいて政府が行う調査であるため、原則、国民全員が協力しなければならない。また、国勢調査は「今その土地に住んでいる人」を対象とするため、住民票を写していない人も含めた、地域人口の実数を把握することができる。この点は、たとえば大学が数多く集まっている「大学都市」では、無視できないポイントである。しかし現在、プライバシー意識の高まりや多忙な単身世帯の増加などにより、国勢調査は岐路に立たされている。一方で、こうした危機的状況を打開するために近年ではオンライン調査も実装され始めている。ここでは、国勢調査とは何か、どんな利点があり、現在どのような問題を抱えているのかについて、以上のレベルまで理解する。
③ 全国規模の調査は、何も政府が直接行うものばかりではない。アカデミック主導の全国規模の調査の例として、ここではJGSSを取り上げる。JGSSとは、アメリカで行われているGSS(General Social Survey)の日本版である。JGSSは、法律にもとづいて政府が行っている国勢調査やセンサスとは異なり、アカデミック主導であるが、その社会的意義の高さから、政府機関による支援が行われている。JGSSの特徴として、社会科学者が行った調査データを、許可さえ下りれば誰でも利用することが可能であることがあげられる。こうした、調査を行った者以外が調査データを利用・分析する手法を「二次分析」という。JGSSは、現在、データダウンロードシステムを構築中で、2021年4月以降に稼働予定である。また、ここでは2000年から2003年までに行われたJGSSのデータを用いた、「日本人の意識と行動」の分析例を紹介する。分析例を通して、二次分析とは何か、JGSSが行われる意義について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① センサス ② 家族 ③ 国勢調査 ④ プライバシー ⑤ 二次分析
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。とくに政府による社会調査について、その歴史や目的から説明できるようにしておく。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

3 調べたいことを見つけよう:企業編 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第3回では、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。

【コマ主題細目①】
・星野崇宏・上田雅夫(2018)『マーケティング・リサーチ入門』1-17、有斐閣アルマ。

【コマ主題細目②】
・星野崇宏・上田雅夫(2018)『マーケティング・リサーチ入門』29-35、有斐閣アルマ。

【コマ主題細目③】
・星野崇宏・上田雅夫(2018)『マーケティング・リサーチ入門』66-90、有斐閣アルマ。
コマ主題細目 ① マーティングリサーチとは何か ② 集まるデータと集めたデータ ③ マーケティングリサーチに関する緒用語
細目レベル ① 企業は、消費者のニーズの多様化に合わせ、それぞれのニーズに対応した商品やサービスを開発する必要に迫られている。マーケティングリサーチとは、「マーケティングの目的に必要なデータを収集するため、その手法を設計し、データを得るまでの過程を管理し、得られたデータを分析することで、自社のマーケティングに活用できるような示唆を得ること」(上田 2018; 3)と定義できる。マーケティングリサーチを行うためには、経営学から統計学まで、学際的で多様な知識が求められる。
マーケティングリサーチと狭義の社会調査には明確な差異も存在する。マーケティングリサーチが、私企業の私的利益のために行われるいっぽう、狭義の社会調査は何らかの社会的課題を解決するために行われるという意味で、公的な側面が強い。また、マーケティングリサーチは市場の動きに対応しなければならないため、時間という基準が大きな判断基準となるのに対し、狭義の社会調査は早さよりは正しく意見を収集できているかという正確性を大切にする。マーケティングリサーチが何であり、社会調査との差異がどこにあるのかについて、以上のレベルまで理解する。

② 星野・上田(2018)によると、マーケティングリサーチにおいて使用されるデータには、「集まるデータ」と「集めるデータ」が存在する。「集まるデータ」とは、レジを通した際に収集されるPOSデータ(おおまかな年齢や性別も入力されている場合がある)をはじめ、スマートフォンと連携されることで収集されるWeb閲覧履歴や位置情報、あるいは個人と紐付けられていない場合も含めたSNSの書き込みデータなどである。近年ではビッグデータという言葉も普及しているが、このほとんどが「集まるデータ」である。これら「集まるデータ」は特に近年においてますます影響力を強めているが、マーケティングリサーチにおいては、「集まるデータ」のみでは分析できないものも存在する。こうした場合には、アンケートやインタビューを行ってデータを収集しなければならない。このように、企図して収集されるデータのことを「集めるデータ」という。「集まるデータ」と「集めるデータ」の違いについて、以上のレベルまで理解する。
③ ここでは、市販のお茶に関するマーケティングリサーチをサンプルとして扱い、マーケティングリサーチに関する専門用語や考え方を修得する。マーケティングを含む経営学、心理学、社会学などの社会科学系の分野では、「直接観測したり簡単に定義したりはできないが、それがあると仮定し利用することでいろいろな現象を説明したり予測しやすくなる」ような概念を利用することがある。これを、構成概念と呼ぶ。マーケティングにおいては、たとえば「ブランドロイヤリティ」といった言葉がその例である。しかし、構成概念である「ブランドロイヤリティ」は、「直接観測」することができないため、実際の購買の場面に則して各々が定義する必要がある。ここでたとえば、「最低でも月1回来店し購買することが3ヶ月以上継続されていることを指す」というように、各々の判断基準に沿って「ブランドロイヤリティ」を定義したとしよう。これを、「操作的定義」を与える、という。以上が専門用語の例であるが、この他にも、ホーソン効果やピグマリオン効果といった生態学的妥当性にかかわる専門用語も紹介する。ここでは、マーケティングリサーチに関する緒用語について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① 集まるデータ ② 集めるデータ ③ 構成概念 ④ 操作的定義 ⑤ 生態学的妥当性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、「どんな調査は社会調査ではない」のかも合わせて説明できるようにしておく。とくに、企業による社会調査について、重視される基準の違いや専門用語を説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

4 調べたいことを見つけよう:住民編 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第4回では、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。

【細目レベル①】
NHK放送文化研究所ホームページ「ことばウラ・オモテ」『住民と市民』

【細目レベル②】
『実践 自分で調べる技術』第一章(特にp6-9)

【細目レベル③】
蔵治光一郎、洲崎燈子、丹羽健司編(2006)『森の健康診断』8-32、築地書館。
コマ主題細目 ① 住民/市民とは ② 市民調査の有効性と専門知 ③ 市民調査の例
細目レベル ① 第4回授業のタイトルには「住民」と入れてあるが、授業内で扱う住民による調査の多くは、学術的には市民調査と呼ばれることがほとんどである。この住民と市民のニュアンスの違いについて、NHK放送文化研究所では、住民運動は、「特定の地域の住民が、地域的利害に関して行う運動」であり、市民運動は、「特定の地域を超えた運動。政治的要求を掲げる場合が多い」と整理している。いっぽう、生物多様性の保全を目的とした調査を取り上げる論文や書籍においては、住民調査という表現はほとんど見当たらず、市民調査という表現が一般的である。これは、市民調査が広義の公共的な価値を担うものであると考えられているためである。このことから、住民/市民の使い方の区別は、すべてがきれいに区分けできるわけではないが、おおまかには公共的な価値の担い手であるかどうかがひとつの基準になっているといえる。ここでは、住民/市民の区分について、以上のレベルまで理解する。
② 市民(住民)は専門知を有する専門家に比べると専門知識が乏しいため、そうした「素人」による調査にはあまり意味がない、という批判がある。しかし専門知は、特に近代以降、細分化が進行しており、どの専門家であっても本当にその人物が専門とする分野は非常に狭かったりする。こうした細分化によって科学が進展してきた経緯はあるのだが、そのいっぽうで、細かく分かれた個々の学術的な知識を社会に当てはめようとしたときに、うまく当てはまらないという問題も発生している。このように、専門知には社会的実装の困難さがつきまとう。いっぽうで、とくにローカルな社会での具体的な問題の場合には、その地域に長く住んでいたり関わっている人びとの方が、よく分かっていたり、専門家からすれば思いつかないような有効なアイディアを思いつくこともある。ここでは、市民調査における市民(住民)と専門家・専門知の関係性について、以上のレベルまで理解する。
③ 愛知県豊田市矢作川流域で行われている市民調査である「森の健康診断」を市民調査の先進例として紹介する。「森の健康診断」は、山に入ったこともない一般ボランティアでも人工林の調査ができるようにと設計されている市民調査であり、専門知識を持たない一般ボランティアが楽しく科学的な調査ができることが重視されている。一般に、ボランティアによる森林の手入れは、ボランティアを安価な労働力として扱っているとして批判されてきたが、「森の健康診断」では、こうした課題を克服できるようなしくみが整えられている。こうした実践を、丹羽(2006)は「非施業型調査」という言葉で評価している。ここでは、市民調査の実施における重要点について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① 専門家 ② 「素人」 ③ 専門知 ④ 社会的実装 ⑤ 楽しさ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。とくに、住民・市民による社会調査について、専門家と「素人」の関係性から説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

5 調べ方を探そう 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。

【細目レベル①】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp17-23)』

【細目レベル②】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp23-38)』

【細目レベル③】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp38-58)』
コマ主題細目 ① 本か論文か ② 国立国会図書館サーチ ③ 本の探し方
細目レベル ① 何かを調べたいと思ったとき、人に聞く、測定機器を用いて計測するなど多種多様な調べ方が存在するが、その中でも本や雑誌といった「書いてあるもの」にあたることは基本であり、基礎である。一般的に、調べものをするならまずは本を読もうと思う人が多いと思われるが、本とはあるストーリー・メッセージ性を持たせることを目的に「編まれた」ものであり、欲しい情報を探し出すという意味では本の持つこうした特徴はむしろ欠点となる。情報の探しやすさという点では、雑誌に載っている記事や論文の方が探しやすい。記事や論文は、ページ数が少ないわりにタイトルや副題が長いものが多いため、タイトルや副題だけを見て書いてある内容を類推することができるという利点を持つ。ここでは、まずは本より論文を探した方が情報を見つけやすいということについて、以上のレベルまで理解する。
② 記事や論文を探す際には、まずは国立国会図書館サーチを利用するとよい。国立国会図書館とは、政府によって運営されている日本で最も蔵書数の多い図書館であり、全国から調べものをする人びとが集まる場所である。国立国会図書館サーチとは、国立国会図書館に保管されている書物を検索できるシステムであり、非常に便利である。また、国立国会図書館サーチはJ-STAGEやIRDBといった外部の検索システムと連携しており、論文によっては無料で読むことができるし、インターネット上で公開されていない資料については、有料での郵送サービスもある。さらに国立国会図書館サーチは、記事や論文だけでなく、本を検索するうえでも便利である。ここでは、国立国会図書館サーチを自分で使えるレベルまで理解する。
③ ①でふれたように、欲しい情報が載っている本を探し出すことは困難である。しかし、近年では、インターネット上での検索によって、本の内容まで調べる事が可能となりつつある。たとえばGoogle Booksは、スキャンしたデータから全文検索ができるようになっており、本の内容に検索キーワードが含まれているかどうかまでチェックできる。また、hontoやAmazonのようなネット書店では、国立国会図書館サーチではヒットしなかった本がヒットする場合がある。また、日本最大の図書館検索サイト「カーリル」では、全国の図書館の蔵書を横断的に検索できる。国立国会図書館サーチを足がかりとしながら、その他のウェブサイトも活用することで、幅広く資料を収集することが出来る。ここでは、国立国会図書館サーチ以外のウェブサイトについても自分で使えるレベルまで理解する。
キーワード ① 本 ② 論文 ③ 国立国会図書館サーチ ④ J-STAGE ⑤ Amazon
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、「どんな調査は社会調査ではない」のかも合わせて説明できるようにしておく。社会調査の種類についても調査手法の違いから説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

6 データを集めよう 科目の中での位置付け  第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、授業全体を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。

【細目レベル①】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp59-66)

【細目レベル②】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp67-89)

【細目レベル③】
『実践 自分で調べる技術』第二章(特にp38-58)
前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』p175-186、ナカニシヤ出版。
コマ主題細目 ① 地元の情報を集める ② 本や論文にない資料 ③ メディア分析の例
細目レベル ① 社会調査では、調査可能性の観点から身近な社会の疑問を調べることが多い(この点は第14回授業の細目レベル①とも関連している)。地域のニュースを調べるならば新聞がよいと思うかもしれないが、自宅で購読している新聞が全国紙だった場合、地方版が出ていたとしても、地元のニュースを扱う欄はどうしても狭くなる。そのため、地元の情報を集めたいのであれば、新聞記事データベース(これは有力地方紙であれば運営しているが、ない場合もある)や、地方紙のバックナンバーを地域の図書館で閲覧する。重要なことは、新聞に載っているはずだと考え、全国版・地方版・地方紙の区別をしないままに闇雲にアクセスしないことである。ここでは、地元の情報の効果的な収集技法について、以上のレベルまで理解する。
② 第5回では、本や論文の見つけ方を学んだが、調べたい内容が本や論文として刊行されていないこともある。というか、自分の調べたい内容が明確になればなるほど、既存の本や論文には載っていないデータこそが自分の欲しいデータであると気付くことも多い。その場合は、たとえば地域の行政機関のウェブサイトに載っていないか調べたり、行政職員の方にインタビューをお願いしたりする。また、全国的な統計を扱っている政府運営のウェブサイト「e-Stat」には、さまざまな世論調査や統計調査の過去のデータが揃っている。これらにアクセスできれば、自分が調べたかった内容がそこに存在するかもしれないし、そこにもなかった場合には次の手を考える。ここでは、図書館やデータベースにある本や論文には掲載されていない資料の見つけ方について、以上のレベルまで理解する。
③ 社会調査には、たとえばアンケート調査やマーケティング調査のように、誰かに調査を依頼してそこから得られたデータを分析する、という一般的なイメージがあるかもしれないが、文書や資料、画像、動画などをデータとして分析する手法も存在する。これらはメディア分析と呼ばれる。メディア分析のなかでも、文書や雑誌、書籍をデータとして扱うドキュメント分析は、時代に応じて変化する人びとの流行やものの考え方、あるいは特定のルールなどを顕在化させることを得意とする。ここでは、メディア分析の一例として、牧野智和(2010,2016)を取り上げ、メディア分析の具体的な手法や手順を紹介する。ここでは、メディア分析も社会調査のいち手法であること、調べたいテーマによっては聞き取り調査よりも有効な場合があることまでを理解する。
キーワード ① 新聞記事データベース ② 地方紙 ③ メディア分析 ④ 1円からできる調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、「どんな調査は社会調査ではない」のかも合わせて説明できるようにしておく。社会調査の種類についても調査手法の違いから説明できるようにしておく。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

7 データを整理・発表しよう 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。

【コマ主題細目①】
・宮内泰介・上田昌文(2020)『実践 自分で調べる技術』p205-213、岩波新書。

【コマ主題細目②】
・宮内泰介・上田昌文(2020)『実践 自分で調べる技術』p214-236、岩波新書。

【コマ主題細目③】
・宮内泰介・上田昌文(2020)『実践 自分で調べる技術』p237-266、岩波新書。
コマ主題細目 ① 資料の整理手法 ② データの整理・分析手法 ③ キーワード化の手法
細目レベル ① 聞き取り調査や測定データや資料など、さまざまなデータが集まってきたら、次はどのように整理・保管しておくかという問題が発生する。さまざまなデータは見返すことで有機的につながって、これまで気がつかなかった点に気付かせてくれる。集めたデータには、紙媒体のデータとPDFやExcelファイルのように電子データの双方が存在すると思う。しかし、データ整理の観点からいえば、紙媒体と電子データのどちらかで一括管理しておいた方が、双方を行き来しなくて済むためより便利である。紙媒体をすべてスキャンしてEvernoteなどに保存しておけば、タブレット端末やスマートフォンなどで外出時にも確認することができる。電子データにはこうした利便性があるいっぽうで、紙媒体のような一覧性がないので、どこに何があるか、どのデータに何が書かれているかをすぐに判別することはできないという欠点がある。そのため、二つ折りフォルダなどを用いて、紙媒体で整理した方が便利に感じる人も少なくないだろう。ここでは、データ整理における紙媒体と電子媒体の利点・欠点について、以上のレベルまで理解する。
② ①では資料の整理手法を学んだが、ここではデータの整理手法を学ぶ。ここでいう資料とは、紙媒体であれ電子データであれ、何かしらが書いてある/載っているものである。いっぽう、ここでいうデータとはそうした資料に書いてある/載っている内容を指している。資料が整理され、見返すことができるようになっていることで、データの整理ができるようになる。また、データを整理することで、データの分析が進む。データを整理するということは、データをおおまかに分類し、まとめるということであり、そうした分類の基準がそのまま分析の視点となる。数字に代表される量的データと文字に代表される質的データでは整理手法が異なってくるものの、データを分類することで分析可能なかたちにするという本質的な部分は共通している。ここでは、データ整理手法とその意義について、以上のレベルまで理解する。
③ 社会調査では、聞き取り調査で得たデータ(これは質的データにあたる)の整理と分析が必要となってくる。ここでは、質的データの整理手法の代表例として、KJ法を取り上げる。KJ法の詳しいやり方は授業内で紹介するが、KJ法を実施するにあたって、重要であり、難しい部分がキーワード化である。キーワード化とは、ある聞き取りデータが何に関連しているのかを端的なフレーズにまとめる作業である。聞き取りデータは、数値である量的データにくらべて情報量が多いため、慣れるまではどこに焦点を絞ればよいのか見当がつかず、難しい。しかし、キーワード化ができないと、②で学んだ分類と分析ができない。ここでは、KJ法のやり方を学ぶと同時に、KJ法を例にとりながら、質的データの分析においてはキーワード化が重要であるということで理解する。
キーワード ① 紙媒体 ② 電子化 ③ 分類と分析 ④ キーワード化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、資料の整理法やデータの整理法、聞き取り調査で得たデータ(これは質的データにあたる)の整理と分析についても説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

8 まとめ① 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。

教科書、第1回〜第7回までのコマシラバス。
コマ主題細目 ① 第1回・第2回の復習 ② 第3回・第4回の復習 ③ 第5回・第6回・第7回の復習
細目レベル ① 社会調査とは、「社会的な問題意識に基づいてデータを収集し、収集したデータを使って社会について考え、その結果を公表する一連の過程」ととらえられる。これは比較的近年における社会調査の定義であるが、戦後まもなく、日本の社会調査を切り拓いた安田(1960)は、社会調査において、「現地調査によって直接に観察、記述、分析する」ことを重視している。つまり、安田(1960)は「現地」に赴くことを重視しているが、木下(2005)は「データを収集」という言及に留まっており、かならずしも「現地」へ行くことを想定していない。これは、1950年代から1970年代のアメリカにおいて進められた、数量社会学の発展、すなわち「社会調査の社会科学化」の影響による。
国勢調査は、統計法という法律に基づいて政府が行う調査であるため、原則、国民全員が協力しなければならない。また、国勢調査は「今その土地に住んでいる人」を対象とするため、住民票を写していない人も含めた、地域人口の実数を把握することができる。この点は、たとえば大学が数多く集まっている「大学都市」では、無視できないポイントである。しかし現在、プライバシー意識の高まりや多忙な単身世帯の増加などにより、国勢調査は岐路に立たされている。

② マーケティングリサーチとは、「マーケティングの目的に必要なデータを収集するため、その手法を設計し、データを得るまでの過程を管理し、得られたデータを分析することで、自社のマーケティングに活用できるような示唆を得ること」(上田 2018; 3)と定義できる。マーケティングリサーチを行うためには、経営学から統計学まで、学際的で多様な知識が求められる。
市民(住民)は専門知を有する専門家に比べると専門知識が乏しいため、そうした「素人」による調査にはあまり意味がない、という批判がある。しかし専門知は、特に近代以降、細分化が進行しており、どの専門家であっても本当にその人物が専門とする分野は非常に狭かったりする。こうした細分化によって科学が進展してきた経緯はあるのだが、そのいっぽうで、細かく分かれた個々の学術的な知識を社会に当てはめようとしたときに、うまく当てはまらないという問題も発生している。このように、専門知には社会的実装の困難さがつきまとう。

③ 記事や論文を探す際には、まずは国立国会図書館サーチを利用するとよい。国立国会図書館とは、政府によって運営されている日本で最も蔵書数の多い図書館であり、全国から調べものをする人びとが集まる場所である。国立国会図書館サーチとは、国立国会図書館に保管されている書物を検索できるシステムであり、非常に便利である。
第5回では、本や論文の見つけ方を学んだが、調べたい内容が本や論文として刊行されていないこともある。というか、自分の調べたい内容が明確になればなるほど、既存の本や論文には載っていないデータこそが自分の欲しいデータであると気付くことも多い。その場合は、たとえば地域の行政機関のウェブサイトに載っていないか調べたり、行政職員の方にインタビューをお願いしたりする。また、全国的な統計を扱っている政府運営のウェブサイト「e-Stat」には、さまざまな世論調査や統計調査の過去のデータが揃っている。
資料が整理され、見返すことができるようになっていることで、データの整理ができるようになる。また、データを整理することで、データの分析が進む。データを整理するということは、データをおおまかに分類し、まとめるということであり、そうした分類の基準がそのまま分析の視点となる。数字に代表される量的データと文字に代表される質的データでは整理手法が異なってくるものの、データを分類することで分析可能なかたちにするという本質的な部分は共通している。

キーワード ① 調査比較 ② 進め方 ③ 検証方法 ④ 量的データ ⑤ 量的調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、第1回〜第7回までに学んだことを、まとめの講義では扱い切れなかった部分も含めて、自身で内容を再度整理しておく。
【予習】教科書の該当箇所を読んでおく。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

9 一次情報の集め方 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。

【細目レベル①】
『実践 自分で調べる技術』第三章(特にp91-98)

【細目レベル②】
『実践 自分で調べる技術』第三章(特にp99-105)

【細目レベル③】
『実践 自分で調べる技術』第三章(特にp106-140)
コマ主題細目 ① なぜフィールドワークが必要か ② 誰に聞くのか ③ 聞き取りの基本
細目レベル ① 何かについて知りたいと思った時、まずは、誰かがそれについて調べていないだろうか、書いていないだろうか、と考えることが多いだろう。それを調べるのが、前半の授業でも解説した文献と資料調査である。記事と論文、本、新聞記事、そして統計と形こそ違え、いずれも誰かが大事だと思って調べ、根拠を示しながら書いているものであるため、大変有益だ。さらには、筋立てて書いてあるため、物事の因果関係もよくわかる。しかし、文献や資料に載っている事はこの世の現実の一部にしか過ぎない。知りたい情報は、なかなか書かれていないのが実情であり、そのためにフィールドワークに出て一次情報を集めることが大事になってくる。フィールドワークの必要性について、以上のレベルまで理解する。
② 聞き取り調査を始めようと思った時、1番最初に考えなければならないのは、この問題は誰に聞いたら良いのか、と言う問題である。この点について、教科書の例に沿って考えてみる。
最も容易に思いつく相手は、行政の農政担当の人である。しかしこの時行政職員が話してくれる情報がどの角度からの情報なのか、と言うことに注意しなければならない。つまり、話す側の認知枠組みを意識すると言うことだ。また、テーマのキーパーソンに聞いてみると言う作戦もあり得る。自分の調査にぴったりくるキーパーソンを探し出す事は、調査の中心の1つになる。さらに、何人に話を聞けば良いのかと言う問題も浮上してくるが、この点について理論的飽和と言う専門用語を理解する。「誰に聞けばよいのか」という問題について、以上のレベルまで理解する。

③ 聞き取り調査の相手へのアプローチの仕方は、状況により様々だが、どんなアプローチをとるにせよ、相手敬意を払うこと、こちらの調査の意図を伝えることが基本となる。話を聞かせていただく際には、1人に対して1〜2時間くらい聞くと言うのが聞き取り調査の標準である。そして、聞き取りの際に大事な点として、具体的なことを聞く、受容的に聞く、フレキシブルに聞くと言う3点が挙げられる。また、聞き取り調査の際には原則としてメモを取った方がよい。録音についても、できれば撮った方が良い。メモを取る際には考えながらメモする、後から自分でわかるように書くといったことが大事である。また引き取りと言う方法においては「聞いた話は正しいのか?」と疑問を持つ姿勢くらいの方が、より一次情報に近づける。聞き取りの基本について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① フィールドワーク ② 一次情報 ③ キーパーソン ④ 理論的飽和
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、なぜフィールドワークが必要なのか、誰に聞けば欲しい情報が手に入るのか、聞き取りの基本はどんなものかについても説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

10 質的調査と量的調査 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。

【細目レベル①】
ウヴェ・フリック著、小田博志監訳(2011)『質的研究入門』p23-43、春秋社。

【細目レベル②】
ウヴェ・フリック著、小田博志監訳(2011)『質的研究入門』p180-214,269-290、春秋社。

【細目レベル③】
『実践 自分で調べる技術』第四章
コマ主題細目 ① 質的調査と量的調査 ② 質的調査の種類 ③ 量的調査の難しさ
細目レベル ① 社会調査における質的調査とは、聞き取り調査のようなもの(細目レベル②で詳細を説明する)で、量的調査とは、アンケート調査のことである。数値化されたデータを扱う量的調査とくらべ、質的調査では会話、動画、写真、インタビュー、手記、新聞記事、行政文書といったありとあらゆるものがデータとして扱われる。このように、量的調査と質的調査のあいだにはデータが量的か質的かといった違いがあるが、両者のもっとも重大な違いは「問いの立て方」にある。量的調査は、ある質問項目(変数)同士のあいだに相関関係や因果関係のようなある種の傾向を求めようとする。こうした「傾向」に着目し、どんな種類の傾向がどのような人びとにみられるのかを解明するというやり方が量的調査における「問いの立て方」である。いっぽう質的調査は、「そもそも〇〇とは何なのか/どういったものであるのか」といった全体像の把握や、「一般に〇〇だと思われていたが、実際に調査したところ△△だった」というような概念や行為の捉え直すような「問いの立て方」を得意とする。質的調査と量的調査の違いについて、以上のレベルまで理解する。
② 質的調査のもっとも基本的なやり方が聞き取り調査である。聞き取り調査には、ふらっと立ち話的に行うものから、アポイントメントを取って行うインタビュー調査まで、さまざまなレベルがある。また、個人にインタビューする場合、グループ単位でインタビューする場合など、インタビューのやり方にもいろいろある。もうひとつ、いわゆる「密着取材」のようなかたちで行う質的調査を「参与観察法」という。参与観察法では、ある特定の組織や集団、地域に入り込んで、そこで生活したり、仕事をしたりしている人びとの中に混じってそこで起こっている会話ややり取りを記録する。また、近年では、参与観察法以上に実践しやすいエスノグラフィーにも期待が高まっている。質的調査の種類と内容について、以上のレベルまで理解する。
③ 社会調査における量的調査といえば、ほとんどがアンケート調査である。しかし、教科書に載っている例のように、調べたい対象によっては社会調査であっても測定器具を用いた数値データの収集がありえる。まずはこの点について、教科書の例を紹介しながら確認する。次に、アンケート調査について、多くの人は社会調査=アンケート調査という印象を持っており、さらにいえば、アンケート調査をすれば何かしらの有益なデータが得られると思っている場合もある。しかし、アンケート調査においては、調査設計がすべてであり、失敗が許されない。また、他のいろいろな文献を読み込んでいなければ、無駄な調査を行ってしまったという事態にもつながりかねない。社会調査における量的調査について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① 質的調査 ② 量的調査 ③ 参与観察 ④ エスノグラフィー ⑤ アンケート調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】教科書の該当箇所をもう一度読んでおく。社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、質的調査とは何か、量的調査とは何か、質的調査にはどのような種類があるか、量的調査はどんな点が難しいといえるかについても説明できるようにしておく。
【予習】次回分の教科書の指定箇所を読んでくる。指定箇所はコマシラバスに記載してある。次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

11 調査するうえで気をつけること 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ。

【細目レベル①】
・ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門』p44-55、春秋社。
・「社会調査工房オンライン」(http://kccn.konan-u.ac.jp/sociology/research/)。

【細目レベル②】
・前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』p86-99、ナカニシヤ出版。

【細目レベル③】
・ウヴェ・フリック著、小田博志監訳(2011)『質的研究入門』p44-55、春秋社。
・「社会調査工房オンライン」(http://kccn.konan-u.ac.jp/sociology/research/)。
・前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』p86-99、ナカニシヤ出版。
コマ主題細目 ① 調査倫理について ② 現場に巻き込まれる ③ 調査上の注意のまとめ
細目レベル ① 社会調査を学ぶ時間のなかで、その多くは調査の技法と論理の習得に費やされる。しかし、どのような調査方法を用いたとしても、実社会において調査活動を行ううえで常に考えておかなければならないことが「社会調査の倫理」である。とくに近年は、プライバシーに関する意識が高まるいっぽうで、個人情報の流出事故がメディアを賑わせており、たとえ純粋な学術目的に基づく調査であっても、調査対象者から信頼と協力を得ることは難しくなってきた。調査をおこなう者ひとりひとりが対象者の立場を理解し、調査の倫理とルールを十分に認識し、遵守することが求められている。以上の内容について、ここでは、社会調査士資格認定機構「社会調査倫理綱領」を確認した後に、実際の例についてみていく。
② 細目レベル①では、調査倫理について、調査をおこなう者が調査対象者に対して、無意識も含めて、ひろく「調査被害」を与えないことを目的に学んできた。いっぽうで、これから学ぶ内容は、「調査被害」というわけではないのだが、フィールドに出た際に、十分に起こりえることである。それは、調査に行った者が調査先で何らかのトラブルに巻き込まれるという種類のものだ。こうした事例について、ここでは「現場の雰囲気を知る」といった目的のためにもいくつか紹介していく。調査先でのトラブルというと、調査倫理違反がもっとも声高に叫ばれている(ひとりの社会調査者の無礼な振る舞いが、他の多くの社会調査者の信頼を失墜させかねないため)が、実際に調査に出向くと、多かれ少なかれ、アクシデントは発生する。以上のことについて、ここでは注意喚起の意味も含めて、学んでいく。
③ 調査上の注意は、調査者から調査対象者への働きかけに関するものと、調査者が現地で巻き込まれるかもしれないアクシデントに関するもののふたつがある。まず、調査者から調査対象者への働きかけに関するものは、調査倫理に抵触することがあるため、かならず遵守するようにする。インフォームド・コンセントや、アンケート調査によって強いる負担、調査者の態度、調査者の義務など、確認すべき事項は多い。つぎに、調査者が現地で巻き込まれるかもしれないアクシデントに関するものは、かならず遭遇するわけではないが、過去の事例として、「こういうことがあった」ということを知り、「だから気をつけよう」という意識を持つのは大事なことである。
キーワード ① 調査倫理 ② インフォームド・コンセント ③ 調査者の態度 ④ 調査者の義務
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、社会調査に関する論文を調べ、調査倫理への配慮のしかた(配慮がされていないというパターンも含めて)を復習する。調べる際には、第5回・第6回の授業内容を参考にすること。そうすることで、第5回・第6回の復習も兼ねることができる。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

12 実際にはどんな社会調査があるのか 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ。第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。

【細目レベル①】
教員が選定した論文(授業に合わせて配布もしくは閲覧を可能とする)

【細目レベル②】
教員が選定した論文(授業に合わせて配布もしくは閲覧を可能とする)

【細目レベル③】
教員が選定した論文(授業に合わせて配布もしくは閲覧を可能とする)
コマ主題細目 ① どんな調査があるのか ② どのように調査しているのか ③ 調査の具体例のまとめ
細目レベル ① 環境保全や自然保護にかかわる社会調査を紹介し、どんな調査であれば社会調査といえるのかについて、具体例から考察していく。環境保全や自然保護にかかわる社会調査は数多く存在するが、ここでは、一次情報を自分の足で集められるような社会調査をお手本として選ぶ。つまり、グローバルな問題というよりは、ローカルな実地の問題を取り上げる(グローバルな問題よりローカルな問題の方が大事だと考えているわけではない。この授業は社会調査の基本をおさえるための授業なので、社会調査の実例として、まずはローカルな場における情報収集のやり方を学ぶ)。こちらで選んだ論文や研究をいくつか紹介する。この時、漠然と紹介していても、「いろんな研究があるんだな」という納得で終わってしまうため、これまでに学んできた社会調査の知識と合わせて、「どんな調査があるのか」を確認していく。
② 細目レベル①と同様に、環境保全や自然保護にかかわる社会調査を紹介し、どんな調査であれば社会調査といえるのかについて、具体例から考察していく。環境保全や自然保護にかかわる社会調査は数多く存在するが、ここでは、一次情報を自分の足で集められるような社会調査をお手本として選ぶ。このとき、細目レベル②では、データ収集の技法に着目して、「どのように調査をしているのか」ということを取り上げる。これまでに学んできた社会調査の知識と合わせて、データ収集や分析の技法を確認していくが、アカデミックの専門的な論文の場合、この授業では扱いきれなかった高度な分析手法が用いられることも多い(とくにアンケート調査の場合は、統計解析を行うためこうした傾向が強い)。
③ 環境保全や自然保護にかかわる社会調査を紹介し、どんな調査であれば社会調査といえるのかについて、具体例から考察していく。環境保全や自然保護にかかわる社会調査は数多く存在するが、ここでは、一次情報を自分の足で集められるような社会調査をお手本として選ぶ。これまでに学んできた社会調査の知識と合わせて、「どんな調査があるのか」を確認していき、その後、データ収集や分析の技法を確認していく。ここで重要なのは、第1回から第3回で詳しく学んだように、ひとくちに社会調査といっても、アカデミックな問題意識があるかどうかで、研究内容の性質が大きく変わってくるという点である。アカデミックな研究を目指す場合、先行研究との関連性は必須であり、先行研究との関連性を持たせながらも、現場の問題の解決に貢献するような社会的意義も同時に求められる。
キーワード ① 調査事例 ② 環境保全 ③ 自然保護 ④ 質的調査 ⑤ 量的調査
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、どんな社会調査があるのか、自分でも調べてみる。調べる際には、第5回・第6回の授業内容を参考にすること。そうすることで、第5回・第6回の復習も兼ねることができる。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

13 調べたいことを見つけよう:研究編 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ。第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。

【細目レベル①】
・筒井淳也(2020)『社会を知るためには』第1章〜第3章、ちくまプリマー新書。

【細目レベル②】
・佐藤郁哉(2015)『社会調査の考え方 上・下』東京大学出版会。

【細目レベル③】
・前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』p132-143、ナカニシヤ出版。
・佐藤郁哉(2015)『社会調査の考え方 上・下』東京大学出版会。
・大木清弘(2016)「筋が悪いリサーチクエスチョンとは何か?」『赤門マネジメント・レビュー』。
コマ主題細目 ① 社会を調査する学問 ② 問いと仮説 ③ リサーチクエスチョンを立てる
細目レベル ① 社会を調査する学問は幅広く存在する。社会調査というプロセスそのものは、伝統的には社会学から生まれたものではあるが、その後、現在においては、経営学、心理学、医学、保健学、人類学などのさまざまな専門分野で応用されている。また、環境問題への意識が高まってきた1970年代以降には、アカデミックな場だけでなく、実務で得た知見や経験も含めて、環境保全の現場における社会調査も着実に増加してきた。これらの学問や現場の問題意識に通ずるのは、本や論文で読んだ知識だけでなく、実際にその問題にかかわっている人びとの価値観、生活実態、規範といった生のありようを詳しく調べなければ、目の前の問題を解決することができないという現実的な実感である。ここでは、以上のような問題意識を持った学問全般を、「社会を調査する学問」として、社会を調査することにどんな意義があるのかを理解する。
② 社会調査において、「問い」は、問題意識、問題関心、テーマ、課題、トピック、リサーチ・クエスチョンを意味する。社会調査の「問い」は、対応する具体的な仮説または最終的な答えを出せるものとなる。また多くの場合、調査をする前には「仮説」を立てる。調査終了後の考察の中で、仮説が支持されたか否かについて述べることが必要となる。例えば、「女子学生のほうが男子学生よりもLINEの返信が早い」という仮説を立てた場合、調査結果の分析の中で、「女子学生の方が男子学生よりもLINEの返信が早かった」という結果が得られれば、仮説が支持されたということになる。また、佐藤郁哉『社会調査の考え方 上・下』(2015)第6章の仮説をきたえる、筋の良い「仮の答え」の条件を参照して、仮説をめぐるアンビバレンス、仮設の定義、仮説のかたち、仮説のきたえ方や「問い」に関する問いかけから仮説に関する問いかけを、具体例を挙げて解説するので、「仮説」を理解する。
③ リサーチクエスチョンとは、「社会調査において設定されるさまざまな問いの中でも、システマティックな探求のために定式化された問い(佐藤 2015)」のことである。その問いに答えることが研究の目的となる以上、リサーチクエスチョンの設定は、研究の方向性を決める非常に重要なプロセスである。そのため、リサーチクエスチョンの設定において苦しむ学生は少なくない。社会調査の専門家である佐藤は、著書のなかで「筋がよいリサーチクエスチョンの立て方」を書いているが、なかなか「筋がよい」例をたとえられても、そのとおりに実行できないこともある。また、もっと初歩的なことがわからない場合もある。そこで、ここでは、「好きなものを対象とした実際の研究例(多くの学生が、自分の好きなもの、興味のあるものを研究したいと思うだろう)」をあげたり、「筋の悪いリサーチクエスチョン」をみせたりしながら、リサーチクエスチョンの立て方を学ぶ。
キーワード ① 社会のありよう ② 問い ③ 仮説 ④ リサーチクエスチョン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、問いとは何か、仮説とは何か、「筋が悪い」リサーチクエスチョンとはどのようなものなのかについても説明できるようにしておく。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

14 フィールドワークの進め方 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ。第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。

【細目レベル①】
・谷富夫・山本努編著(2009)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』p100-110。
【細目レベル②】
・谷富夫・山本努編著(2009)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』p110-120。
【細目レベル③】
前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』p86-99「暴走族のパシリになる」「『ホステス』をやってみた」の頁、ナカニシヤ出版。
コマ主題細目 ① フィールドに入る ② 対象者との出会い ③ 調査協力を得られるか
細目レベル ① 第13回までの授業で、フィールドワークを行うための基礎的な事項は学び終えた。そこで、いよいよフィールドに入ることの醍醐味に触れていくが、この〈醍醐味〉とは、実際上の現場レベルでのさまざまな面白さや大変さの総体であり、事前の予想が大きく裏切られたりする。たとえば、「限界集落」の惨状を調査するために現地に赴いたにもかかわらず、元気な高齢者ばかりに出会い、それまで丹念に育て上げてきたはずの問題意識があっけなく瓦解することもある。また、フィールドには何回も足を運ぶことが重要であるが、地理的にあまりにも遠いフィールドを選ぶと、それが調査の足枷となってしまう場合もある(もちろんそうでない場合もある)。以上のように、①ではフィールドに入ることで初めて直面する〈醍醐味〉と、フィールド選びに関する実際上の制約(アクセシビリティ)について学ぶ。ここでは、フィールドに入ることの面白さとフィールド選びの重要性について、以上のレベルまで理解する。
② 対象者と関係性を構築していくにあたって、調査者が直面するのが「身元を明かすかどうか」という問題である。身元、つまり自分は調査のためにここに来た、ということを明かせば、その後の展開として、調査者の多くは〈よそ者〉として扱われることになる。いっぽう、身元を明かさなければ、偶然同じ場に集った同士として信頼関係を構築できるかもしれないが、それは相手をだましていることにならないだろうか。これを誠実さの問題と考えるならば、フィールドの情報を事前にできるだけ収集しておくという態度も、相手の貴重な時間を割いてもらって調査に協力してもらっているのだから、当然重要となってくる。ここでは、身元を明かすことの倫理性と事前の情報収集の大切さについて、以上のレベルまで理解する。
③ 社会調査では、相手の生活時間(場合によっては職務中の時間)を割いてもらうのだから、基本的には相手の時間の都合に合わせて調査を依頼するように心がける。ただ、調査対象者がいつなら時間の都合がよいのかは、フィールドについてある程度の知識がなければ予想できない。たとえば、農業者だと田植えの時期と収穫の時期は特に多忙であるため、調査を断られる可能性が高い。こうした予想を立てる上でも、②で学んだ事前の情報収集は大切である。また、調査の時期を調査対象者に合わせられるようになるためにも、フィールドワークの流れを自身で把握できるようになっていなければならない。ここでは、フィールドワークの流れと調査時期について、以上のレベルまで理解する。
キーワード ① 意外な現実 ② 身元を明かす ③ 調査の時期 ④ フィールドワークの流れ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、実際にフィールドワークに行くとどんな発見がありえるのか、調査対象者に対して身元を明かすかべきかという迷いにどう対処するか、調査協力を得られた場合にはどのようにふるまうべきかについても説明できるようにしておく。
【予習】次回のコマシラバスをよく読み、今もっている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。ペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱うため、参考文献等を用いて事前に用語の意味をおおまかに把握しておく。インターネット上の情報は十分に注意して扱うべきだが、あくまでも予習の一環として、多くの情報を広く概観するといった利用のしかたであれば認める。

15 まとめ② 科目の中での位置付け  本講義では、社会調査の歴史や政府・企業・市民による社会調査のあり方を概観したのちに、自分で調べる技術を養う。具体的には、第1回では、この授業で何を学ぶか、社会調査とは何か、社会調査の歴史について学ぶ。第2回では、調べたいことを見つけるために、政府による社会調査について学ぶ。第3回でも、調べたいことを見つけるために、企業による社会調査について学ぶ。第4回でも、調べたいことを見つけるために、市民・住民による社会調査について学ぶ。第5回では、文献や資料の検索手法について学ぶ。第6回では、文献調査を中心とするデータ収集の技法について学ぶ。第7回では、集めたデータの整理・発表手法を学ぶ。第8回は、まとめの回として、前半で学んできた内容をふりかえる。第9回では、フィールドワークを中心とする一次情報の集め方を学ぶ。第10回では、質的調査と量的調査について、それぞれの特徴や両者の違いを学ぶ。第11回では、調査倫理を中心とする、調査するうえで気をつけるべき点を学ぶ。第12回では、アカデミックな社会調査について学ぶ。第13回では、問いや仮説の作り方など、アカデミックな社会調査に必要な技法について学ぶ。第14回では、フィールドワークを実際におこなっていくうえで、重要になることを学ぶ。第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。
 以上のような流れの中で、第15回では、後半の授業内容を総括し、履修内容の定着を図る。

第9回〜第14回までのコマシラバス・配布プリント
コマ主題細目 ① 第9回・第10回の復習 ② 第11回・第12回の復習 ③ 第13回・第14回の復習
細目レベル ① 聞き取り調査を始めようと思った時、1番最初に考えなければならないのは、この問題は誰に聞いたら良いのか、と言う問題である。この点について、教科書の例に沿って考えてみる。
最も容易に思いつく相手は、行政の農政担当の人である。しかしこの時行政職員が話してくれる情報がどの角度からの情報なのか、と言うことに注意しなければならない。つまり、話す側の認知枠組みを意識すると言うことだ。また、テーマのキーパーソンに聞いてみると言う作戦もあり得る。自分の調査にぴったりくるキーパーソンを探し出す事は、調査の中心の1つになる。
社会調査における質的調査とは、聞き取り調査のようなもの(細目レベル②で詳細を説明する)で、量的調査とは、アンケート調査のことである。数値化されたデータを扱う量的調査とくらべ、質的調査では会話、動画、写真、インタビュー、手記、新聞記事、行政文書といったありとあらゆるものがデータとして扱われる。このように、量的調査と質的調査のあいだにはデータが量的か質的かといった違いがあるが、両者のもっとも重大な違いは「問いの立て方」にある。

② 社会調査を学ぶ時間のなかで、その多くは調査の技法と論理の習得に費やされる。しかし、どのような調査方法を用いたとしても、実社会において調査活動を行ううえで常に考えておかなければならないことが「社会調査の倫理」である。とくに近年は、プライバシーに関する意識が高まるいっぽうで、個人情報の流出事故がメディアを賑わせており、たとえ純粋な学術目的に基づく調査であっても、調査対象者から信頼と協力を得ることは難しくなってきた。調査をおこなう者ひとりひとりが対象者の立場を理解し、調査の倫理とルールを十分に認識し、遵守することが求められている。
環境保全や自然保護にかかわる社会調査を紹介し、どんな調査であれば社会調査といえるのかについて、具体例から考察していく。環境保全や自然保護にかかわる社会調査は数多く存在するが、ここでは、一次情報を自分の足で集められるような社会調査をお手本として選ぶ。

③ リサーチクエスチョンとは、「社会調査において設定されるさまざまな問いの中でも、システマティックな探求のために定式化された問い(佐藤 2015)」のことである。その問いに答えることが研究の目的となる以上、リサーチクエスチョンの設定は、研究の方向性を決める非常に重要なプロセスである。そのため、リサーチクエスチョンの設定において苦しむ学生は少なくない。
フィールドに入ることの〈醍醐味〉とは、実際上の現場レベルでのさまざまな面白さや大変さの総体であり、事前の予想が大きく裏切られたりする。たとえば、「限界集落」の惨状を調査するために現地に赴いたにもかかわらず、元気な高齢者ばかりに出会い、それまで丹念に育て上げてきたはずの問題意識があっけなく瓦解することもある。

キーワード ① 質的調査 ② 量的調査 ③ 調査倫理 ④ 問いと仮説 ⑤ リサーチクエスチョン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】社会調査とはどんな目的をもって、どのように行われる調査のことを指すのか説明できるようにしておく。また、これまでのコマシラバスや授業資料をよく読み、今覚えている知識では理解しきれない部分がどこなのか整理する。そして、その点について自分で調べてみる。「自分で調べる技術」を養うことが、この授業の目的である。もちろん、自分で調べたけどわからない、調べ方がわからないというときはいつでも質問してもらって構わない。このとき、わからなかった部分にペンやマーカーを用いて印をつけておくと、授業中や授業後に確認しやすい。専門用語は授業内でキーワードとして重点的に扱ってきたため、参考文献等を用いて用語の意味をおおまかに把握しておく。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
1. 社会調査史や調査手法の理解 「社会調査史」とは何か、意味や定義を理解し説明ができる。例えば、政府による調査、企業による調査、市民による調査にはどんな目的や特徴、種類があるのかを理解している。また、「質的調査」と「量的調査」とはそれぞれどのような調査であり、どのような違いがあるのか、その違いはどのような目的や意義のもとで分けられているのか、2つの調査の調査動機や理由、問い、調査方法などをきちんと理解し、専門用語などを用いて説明ができることが求められる。社会調査を学び、実践調査を実施する上で基本的な概要を理解することが必要である。 社会調査史、政府による調査、企業による調査、市民による調査、質的調査、量的調査 30 1,2,3,4,8,9,10
2. 仮説・リサーチクエスチョンの立て方、調査の設計 社会調査の実施においては、その調査の「仮説」や「リサーチクエスチョン」を明確にする必要がある。つまり、調査の「目的」や「意義」を説明することができることが求められる。このために、問いと仮説が何なのかが理解できているか、「筋の悪いリサーチクエスチョン」とはどのようなものであるかを、具体例に沿って判断できるかを確認する。また、自分の好きなものを研究対象として、問いや仮説、リサーチクエスチョンの設定、調査設計ができるかを確認する。 問い、仮説、リサーチクエスチョン、好きな対象を研究する 20 12,13,15
3. データ収集・分析の技法 社会調査において、どのようにデータを収集すればよいかが理解できている。具体的な調査事例にしたがって、「どんな人に聞き取り調査を行なえばよいか」を提案できる。先行研究の収集において、本と論文のそれぞれの長所、短所を理解できている。質的調査・量的調査のデータの分析のしかたを理解できている。とくに、質的調査における「キーワード化」、KJ法のやりかたなどを把握できている。 誰に聞くか、本か論文か、地元の情報、一次情報、キーワード化、KJ法 25 5,6,7,8,9
4. 調査倫理・フィールドワークの意義 社会調査者としてフィールドに出向いたときに、調査倫理との兼ね合いから、遵守しなければならないことを具体的に理解できている。たとえば、特定の調査事例にしたがって、調査倫理上、適切な対応のしかたを提案することができる。また、フィールドワークに出ることの必要性を、具体例を提案できるかたちで理解している。そして、フィールドワーク中にはどんなことに気をつけなければならないかを、調査対象者との関係性の構築のしかたや、聞き取り調査の基本から理解している。 フィールドワーク、調査倫理、インフォームド・コンセント、調査者の態度、調査者の義務 25 9,10,11,14,15
評価方法 期末テスト
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 宮内泰介・上田昌文, 2020, 『実践 自分で調べる技術』岩波新書。
参考文献 小林多寿子(2018)『系譜から学ぶ社会調査』嵯峨野書院。 大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋・永野武編(2005)『社会調査へのアプローチ第2版』ミネルヴァ書房。 平松貞実(2006)『社会調査で何が見えるか』新曜社。 佐藤正広(2015)『国勢調査 日本社会の百年』岩波現代全書。 谷岡一郎・仁田道夫・岩井紀子編(2008)『日本人の意識と行動』東京大学出版会。 星野崇宏・上田雅夫(2018)『マーケティング・リサーチ入門』有斐閣アルマ。 蔵治光一郎・洲崎燈子・丹羽健司編(2006)『森の健康診断』築地書館。 ウヴェ・フリック著、小田博志監訳『質的研究入門』春秋社。 前田拓也・秋谷直矩・朴沙羅・木下衆編(2016)『最強の社会調査入門』ナカニシヤ出版。 筒井淳也(2020)『社会を知るためには』ちくまプリマー新書。 大木清弘(2016)「筋が悪いリサーチクエスチョンとは何か?」『赤門マネジメント・レビュー』。 谷富夫・山本努編著(2009)『よくわかる質的社会調査 プロセス編』ミネルヴァ書房。佐藤郁哉(2015)『社会調査の考え方 上・下』東京大学出版会。
実験・実習・教材費 なし