区分 (環)環境データサイエンス科目 環境データサイエンス共通科目 (生)環境データサイエンス科目 (心・犯)学部共通科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
(心)専門的知識と実践的能力 (心)分析力と理解力 (心)地域貢献性
(環)専門性 (環)理解力 (環)実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
(心)課題分析力 (心)課題解決力 (心)課題対応力
(環)専門知識 (環)教養知識 (環)思考力 (環)実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
・個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。
・企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。

科目の目的
近年の高度情報化により、社会における生活様式や環境問題への取組が大きく移り変わろうとしている。このような情報化社会において、地球的規模の環境問題から身近な地域課題に至るまでを、データというエビデンスに基づいて客観的に捉えるための素養を身に付けることを目的としている。環境と情報、社会がどのように繋がっているのか、情報技術によって社会が、環境がどう変わっていくのか、様々な分野の関連技術や最新の動向を多面的に解説し、これから環境・情報・社会について深く学習するためのベースとなる知識を身に付ける。
到達目標
環境問題や社会課題をデータサイエンスと情報通信技術を活用して捉え、解決に取り組むための素養を修得する。
科目の概要
本科目は、高齢化社会や地球温暖化、エネルギー問題、食料・農業問題、森林破壊、貧困、パンデミックなど、情報化社会において環境に結びつく課題を「データ」という切り口から捉え、様々な自然・社会環境問題に関する幅広い知識を修得することを目的とする。環境分野と情報分野の基礎的な素養を身に着けるとともに、データを解析することで環境の何が見えてくるのか、データを捉えることで社会をどう変えられるのか、農学、気象学、地政学、都市・土木・交通工学、医学、環境学、情報学分野における事例を交えながら、幅広く学習する。第1回目の講義では、情報化社会について学ぶ。第2回目の講義では、環境問題とその変遷を俯瞰する。第3回目の講義では、新しいライフスタイルと環境問題を考える。第4回目の講義では、地球上での活動を持続可能なものとする開発目標SDGsに着目する。第5回目と第6回目の講義では、情報化社会を取り巻く新たな情報技術に触れる。第7回目の講義では、環境問題を顕在化する、あるいは解決するためのデータサイエンスについて学ぶ。第8回目から第11回目の講義では主要な環境問題である、高齢化社会、地球温暖化、エネルギーや資源の枯渇とその再生、食料問題や森林破壊を理解する。第12回目の講義では、民間や行政の環境問題への取り組みを確認する。第13回目の講義では、それらの解決に向けて実現されつつあるスマート社会を知る。第14回目の講義では、環境庁が発行している環境白書を概観する。第15回目の講義では、全ての講義内容をまとめ、復習する。
科目のキーワード
環境問題、高齢化社会、地球温暖化、エネルギー問題、食料問題、情報化社会、データサイエンス、超スマート社会
授業の展開方法
教員が作成した資料を配布し、その配布資料を主に用いる。配布資料は、パワーポイントによって作成された資料で、教員がスクリーンに投影しながら内容を解説する。データサイエンスについて学ぶ第7回目から第11回目において、データを共有する場合は、それにアクセスすることができるURLを提示する。データを様々な方法や様々な視点から見る場合には,教員が可視化ツールを用いて、データをスクリーンに投影して処理を加えながら解説する。
オフィス・アワー
【火曜日】2時限目~5時限目、【金曜日】2時限目・5時限目
科目コード ENS403
学年・期 1年・後期
科目名 環境情報と社会
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 環境情報リテラシー
展開科目 データサイエンス概論、情報メディア論
関連資格 ITパスポート
担当教員名 平山高嗣
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 情報化社会 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第1回目の講義では、そもそも情報とは何かを理解し、これまでの情報化社会とこれからの情報化社会について学ぶ。
【コマ主題細目①】
第1回コマ用オリジナル配布資料,pp.21-23.

【コマ主題細目②】
第1回コマ用オリジナル配布資料,pp.9-11.

【コマ主題細目③】
第1回コマ用オリジナル配布資料,pp.12-20, 24-25.

*参考*
【コマ主題細目①】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.27-39.

【コマ主題細目②】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.54-68.

【コマ主題細目③】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.14-27.
コマ主題細目 ① データと情報 ② 情報化社会 ③ Society 5.0
細目レベル ① 本科目では、環境を計測し、そのデータの分類や予測といった分析により情報を抽出し、その情報に基づいて状態や状況を理解することで環境問題を捉える方法を学ぶ。さらには、環境問題を解決するために技術や政策を設計し、データや情報を制御したり、生成することによって社会を望ましい状態に遷移させる仕組みを学ぶ。その主役はデータと情報であり、まず、それらの違いを理解する必要がある。データとは、一般的に現実世界に存在する物事を記述した数値や名称などを指す。一方で、情報とは、収集されたデータをある目的に応じて分類したり、傾向や他との差異を認識し、意味付けしたものを指す。本講義では、データから情報を抽出する意義を学び、その感覚を掴む。
② 世界は、この半世紀で、ものづくりを中心とした工業社会から、コンピュータの進化に支えられ、情報に価値を見出してきた情報化社会へと移行した。情報化社会とは、情報が諸資源と同等の価値を有し、それらを中心として機能する社会であり、情報関連産業や関連技術が他の分野と比べて顕著な成長を見せている、労働者、企業、国家の経済的繁栄のために情報通信技術の活用が重要な鍵となりつつある、政治、文化、教育、日常生活など様々な場面に情報通信技術が浸透し、大きな変化をもたらしているという特徴がある。情報化社会が進展するにつれ、急激に悪化する環境問題や新たな環境問題が顕在化してきている。本講義では、第2回目の講義以降への布石として、情報化社会における環境問題を概観する。
③ 狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報化社会に続き、新しい科学技術が牽引する来たるべき次の時代の社会像として、Society 5.0という概念が提唱されている。その意図するところは、情報通信技術を最大限に活用し、サイバー空間と現実世界とを融合させた取り組みにより、人々に豊かさをもたらす超スマート社会を実現していくことである。Society 5.0は、データ駆動型社会であるとも言われる。データ駆動型社会とは、現実世界から集めたデータが情報に変換され、さらにはそれらから知識が生み出され、現実世界に循環されて現実世界を動かす社会のことであり、価値の源泉がデータである。Society 5.0では、このような仕組みをもって、人間中心の社会を実現することに狙いがある。本講義では、Society 5.0を理解し、その動向を把握する。
キーワード ① データ ② 情報 ③ 情報化社会 ④ サイバー空間 ⑤ Society 5.0
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りで情報化されているものを調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、①身近にあるデータと情報の違いを確認すること。②創造されると良い価値を想像すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

2 環境問題とその変遷 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第2回目の講義では、人口に関わる社会問題、自然環境問題、生活環境問題に着目し、その変遷を俯瞰する。
【コマ主題細目①】
第2回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-21.

【コマ主題細目②】
第2回コマ用オリジナル配布資料,pp.41-48.

【コマ主題細目③】
第2回コマ用オリジナル配布資料,pp.22-40.

*参考*
【コマ主題細目①】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.16-17, 20-21, 24-27, 36-39, 70-71, 90-91, 96-97, 152-155, 172-173, 182-183, 186-187.ハンス・ロスリング:FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP社),pp.34-38, 71, 103, 106-108, 115, 119-122.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.33-108.

【コマ主題細目②】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.60-63, 106-117, 120-121.ハンス・ロスリング:FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP社),pp.79-81, 124.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.197-278.

【コマ主題細目③】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.36-51, 64-65, 174-177.ハンス・ロスリング:FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP社),pp.68, 78-79, 81, 140-141, 146.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.133-189.
コマ主題細目 ① 人口に関わる社会問題 ② 自然環境問題 ③ 生活環境問題
細目レベル ① 先進国、特に日本においては少子高齢化、人口減少が深刻な問題となっている。一方で、新興国を主として地球規模では人口が増加し続けることが予想されている。豊かな人口がもたらす労働力と消費は、市場経済を動かして、巨大な利潤を生み出し、国家や社会を成長させうるが、人口に対する高齢者の割合が増加し、労働者の割合が低下している場合は、その逆で衰退に陥らせうる。本講義では、人口に関わる社会問題とその要因を捉えるために、国別での人口の分布、年齢の分布、性別の割合といった基本的な統計を主に、平均寿命、生存率、出生率、乳幼児の死亡率の他、過疎化、飢餓の規模や頻度、戦争や紛争による犠牲者数、災害による死者数などの推移と予測を確認する。
② 地球規模で共通の環境問題としては温暖化が挙げられる。気温上昇による自然環境や人々の生活への直接的な影響だけではなく、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、干ばつを頻発する気候変動を引き起こす。その影響に対して安定した生活を維持するためにはエネルギーの生産と消費が必要であり、その異常が原因となって森林や真水資源の減少など自然破壊も引き起こし、温暖化の主要因である二酸化炭素などの温室効果ガスが増加するという悪循環が起こる。温暖化は環境問題の中核であり、様々な環境問題と相互作用している。このことを理解する。本講義では、世界の年平均気温の変化や自然災害による社会的影響、近年における熱中症の増加などを確認し、次回以降で大気中の二酸化炭素濃度、大気汚染度、森林面積、水質や水資源量、エネルギー消費量などの推移に触れ、それらの関係を認識する。また、生物の多様性と存続、農作物の収穫、漁獲などへの影響に触れる。
③ 生活や社会の豊かさに関する問題は多様化し、データの解析によって顕在化している。従来からの社会課題である貧困、戦争、紛争、難民、生活習慣病や感染症は縮小あるいは減少しているのか、従来から予測されていた高齢化やインフラの老朽化による問題や食料不足は実態化しているのか、情報通信技術の進展に伴う新しいライフスタイルになくてはならないインターネットおよび携帯電話はどれくらい普及しているのか、社会的な価値観の変化により、ダイバーシティ(多様性)が重要視され、コミュニケーションや世帯構成、働き方が変化しているが、日常生活環境、教育環境、就業環境にどのような影響があるのかなど、生活環境問題を統計情報から俯瞰的に把握する。本講義では、主に貧困に着目し、他のトピックについては次回以降で触れる。
キーワード ① 少子化 ② 高齢化 ③ 温暖化 ④ 自然破壊 ⑤ 多様性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りにある社会課題や環境問題を調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、今夏の地球温暖化による影響を確認すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

3 新しいライフスタイルと環境問題 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第3回目の講義では、第2回目の講義における3つ目の細目として取り上げている新しいライフスタイルに関して、高度情報化、モビリティの変化、価値観の変化と環境問題を掘り下げる。
【コマ主題細目①】
第3回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-16.

【コマ主題細目②】
第3回コマ用オリジナル配布資料,pp.17-26.

【コマ主題細目③】
第3回コマ用オリジナル配布資料,pp.27-36.

*参考*
【コマ主題細目①】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.57-66.日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.135-138, 158.総務省:情報通信白書.

【コマ主題細目②】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.66-67.二宮 芳樹,武田 一哉:モビリティイノベーションシリーズ5自動運転(コロナ社).国土交通省:国土交通白書.

【コマ主題細目③】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.36-51, 64-65, 70-73, 86-87, 94-95.日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.202-251.総務省:情報通信白書.
コマ主題細目 ① 高度情報化 ② モビリティの変化 ③ 価値観の変化
細目レベル ① 第1回目の講義を通じて学んでいる情報化社会はますます高度化している。その高度情報化を牽引しているものは、5G(第5世代移動通信システム)が話題となっているインターネットの発展やパーソナルコンピュータやスマートフォンに代表される情報通信機器の高性能化、高機能化、小型化を主として、情報検索技術やセンシング技術、データ圧縮技術、情報表現技術の高度化である。利便性が向上する一方で、個人情報の保護など倫理的な観点での課題がつきまとう。ディジタル化によって衰退する産業や文化が存在する。ペーパーレス化の反面ではエネルギー消費の増加が懸念される。本講義では、情報通信技術の進展とそれに伴う環境問題の変化を概観する。
② モビリティ(移動の能力、移動の形態)の変化はライフスタイルに大きく影響する。移動は人類の原初的な活動であり、交流や交易を通じて、文化や技術などが豊かになり、社会は繁栄してきた。移動の形態は、歩行や動物の利用にはじまり、船、自転車、自動車、飛行機などが開発され、現在は自動車業界において百年に一度の大変革期と言われている。エンジンやモーターの進化に伴い、移動範囲が拡大し、移動速度が向上した一方で、エネルギー消費や大気汚染の問題が深刻化しているため、ゼロ・エミッション(環境に影響する廃棄物のゼロ化)の実現が急務となっている。また、実用化が進む自動運転は渋滞の緩和、交通事故の減少、移動困難者の支援や物流の促進など社会課題の解決やイノベーションの中核として期待される。本講義では、モビリティの変遷とそれに伴う環境問題の変化を概観する。
③ 時代とともに社会の価値観が変わってきている。グローバリズムによってダイバーシティへの重視が促進され、男女共同参画や雇用の多国籍化などにより、家庭や職場の環境が急激に変化し、出生率の向上と男性の育児参加の促進や待機児童の解消との両立、異文化の受容などが社会課題となっている。また、高度情報化によってモノの価値がなくなりつつある。ヴァーチャルが浸透し、コミュニケーションの形態も変化している。資本主義の象徴である貨幣価値社会は、非貨幣価値社会に置き換わる可能性がある。それは物理的貨幣がディジタル貨幣に置き換わるだけではなく、モノからコトに、所有から共有に価値が見出されるキャッシュレス化である。本講義では、新しい価値観の台頭とそれに伴う環境問題の変化を概観する。
キーワード ① ディジタル ② インターネット ③ イノベーション ④ 自動運転 ⑤ キャッスレス化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】高度情報化の以前から現在のライフスタイルへの変化を調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、利用しているインターネットサービスを調査すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

4 地球上での活動を持続可能なものとする開発目標SDGs 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第4回目の講義では、持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)に着目し、環境問題に対する世界の動向を把握する。
【コマ主題細目①】
第4回コマ用オリジナル配布資料,pp.7-10.

【コマ主題細目②】
第4回コマ用オリジナル配布資料,pp.12-30.

【コマ主題細目③】
第4回コマ用オリジナル配布資料,pp.31-39.

*参考*
【コマ主題細目①】
浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),p.6.https://ja.wikipedia.org/wiki/持続可能な開発目標

【コマ主題細目②】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版).落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.9-21.

【コマ主題細目③】
村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.28-29.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.279-315.https://ja.wikipedia.org/wiki/持続可能な開発目標
コマ主題細目 ① SDGsの趣旨 ② 17の目標 ③ SDGsに関わる取り組み
細目レベル ① 持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)は、国連が掲げる持続可能な開発のための国際目標であり、17の目標と169のターゲット(達成基準)からなる。2015年までの達成を目指していたミレニアム開発目標を継承し、2030アジェンダ(2030年に向けた具体的行動指針)として2015年9月の国連総会で採択された。基本的な理念は、「誰ひとり取り残さない」社会創りである。地球規模での取り組みであり、全ての国に対応が求められる。各国の政府は、地球規模での目標を踏まえつつ、各国に置かれた状況を念頭にターゲットを定め、具体的な国家計画や政策、戦略に反映する。そして、世界的な連帯、特に、貧しい人々や脆弱な状況下にある人々に対する連帯の精神の下で機能するグローバル・パートナーシップが必要とされる。本講義では、まず、SDGsの狙いを押さえる。
② 17の目標とは、 「貧困をなくそう (No Poverty)」「飢餓をゼロに (Zero Hunger)」「人々に保健と福祉を (Good Health and Well-Being)」「人々に質の高い教育を (Quality Education)」「ジェンダー平等を実現しよう (Gender Equality)」「世界中に安全な水とトイレを (Clean Water and Sanitation)」「人々にクリーンなエネルギーを (Affordable and Clean Energy)」「人々の働きがいと経済成長を (Decent Work and Economic Growth)」「産業と技術革新の基盤をつくろう (Industry, Innovation and Infrastructure)」「不平等を減らそう (Reduced Inequalities)」「住み続けられるまちづくりを (Sustainable Cities and Communities)」「責任のある生産と消費を (Responsible Consumption and Production)」「気候変動に対策を (Climate Action)」「海の豊かさを守ろう (Life Below Water)」「陸の豊かさも守ろう (Life on Land)」「すべての人に平和と公正を (Peace, Justice and Strong Institutions)」「パートナーシップで目標を達成しよう (Partnership)」であり、それぞれの意義を確認する。
③ 日本においては、2030アジェンダに掲げられている5つのP、すなわちPeople(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8つの優先課題として「あらゆる人々の活躍の推進」「健康・長寿の達成」「成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション」「持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備」「省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会」「生物多様性、森林、海洋等の環境の保全」「平和と安全・安心社会の実現」「SDGs実施推進の体制と手段」を挙げ、それぞれと17の目標との関係を示している。本講義では、主要国の取り組みを比較し、SDGsに関連する活動が活発な都市、公共団体、企業などの取り組みを把握する。
キーワード ① 2030年 ② 持続可能 ③ 開発目標 ④ 地球規模 ⑤ グローバル・パートナーシップ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】SDGsを書籍やウェブで確認し、どの目標が身の回りで設定されているか調査する。

【本コマの復習】本講義の復習として、①興味があるSDGs未来都市のSDGsを確認すること。②興味がある企業のSDGsを確認すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

5 情報化社会を取り巻く新たな情報通信技術(基礎技術編) 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第5回目の講義では、高度情報化を牽引する基礎技術であるAI(人工知能)、IoT(Internet-of-Things)、5G(第5世代移動通信システム)を学ぶ。
【コマ主題細目①】
第5回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-26.

【コマ主題細目②】
第5回コマ用オリジナル配布資料,pp.27-37.

【コマ主題細目③】
第5回コマ用オリジナル配布資料,pp.38-42.

*参考*
【コマ主題細目①】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.57-66.総務省:情報通信白書.

【コマ主題細目②】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.57-66.総務省:情報通信白書.

【コマ主題細目③】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.57-66.総務省:情報通信白書.
コマ主題細目 ① AI(人工知能) ② IoT(Internet-of-Things) ③ 5G(第5世代移動通信システム)
細目レベル ① AI(Artificial Intelligence, 人工知能)とは、学習や推論、言語や視聴覚情報の理解などの知的行動を人間に代わってコンピュータに行なわせる技術である。人工知能の研究には、人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場と人間が知能を使って行なうことを機械に行なわせようとする立場があり、多くは後者の立場で取り組まれている。人工知能研究の歴史は古く、1950年ごろから始まり、コンピュータが迷路の解を探索するような単純な課題を扱った第一次ブーム、人間が設計したルールや知識に基づいて課題の解を導き出すエキスパートシステムが主役を担った第二次ブームを経て、現在は、コンピュータがデータからパターンを学習し、その知見に基づいて未学習のデータのパターンを推論、予測する機械学習および深層学習(ディープラーニング)によって、特に翻訳や音声認識、画像認識の性能が飛躍的に向上したことで、第三次ブームの中にあるとされている。本講義では、AIの進展を追い、データサイエンスの脳といえる基盤技術について概観する。また、AIの倫理的課題についても触れる。
② IoT(Internet-of-Things)とは、センサーやデバイスといったモノがインターネットを通じて接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組みである。スマートフォンもそのデバイスの一つであり、世界中の多くの人が日常的にIoTに含まれていることになる。インターネットに接続されるデバイスは家電製品などにも広がっている。直接はインターネットに接続されていないモノについても、カメラなどのセンサを介して、何がどこに存在し、どんな状態や状況にあるかがシステムによって認識されている。この仕組みは、日々、膨大なデータ(ビッグデータ)を生み出し、人工知能はそれを学習し、性能を向上させている。IoTは、第1回目の講義で取り上げたSociety 5.0の基盤技術でもある。本講義では、データサイエンスの感覚器官といえるIoTの具体例を概観する。
③ 5G(5th Generation, 第5世代移動通信システム)は、現行の多くのスマートフォンで採用されている4Gに代わる無線通信システムである。5Gの特徴は、高速大容量、低遅延、多数同時接続であり、4Gに比べると、通信速度は約10倍、遅延は50分の1程度、接続端末数は100倍以上ということである。インターネット上での高精細な動画の共有やVR(仮想現実)、多視点映像などの大容量コンテンツのリアルタイムでの利用が容易になる。また、低遅延のため、自動運転車の制御やロボットなどの遠隔操作への活用や、多数同時接続が可能なため、IoTへの応用が期待されている。本講義では、データサイエンスの神経系といえる5Gをはじめとした通信技術と想定されているその応用例について概観する。
キーワード ① AI ② ディープラーニング ③ IoT ④ ビッグデータ ⑤ 5G
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りにある人工知能、IoT、5Gサービスを調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、①興味を持った人工知能の技術・サービスを詳しく調査すること。②興味を持ったIoTの技術・サービスを詳しく調査すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

6 情報化社会を取り巻く新たな情報通信技術(応用技術編) 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第6回目の講義では、高度情報化を牽引する応用技術である自動運転やヒューマンインタラクション技術を学ぶ。
【コマ主題細目①】
第6回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-18.

【コマ主題細目②】
第6回コマ用オリジナル配布資料,pp.19-31.

【コマ主題細目③】
第6回コマ用オリジナル配布資料,pp.32-46.

*参考*
【コマ主題細目①】
二宮 芳樹,武田 一哉:モビリティイノベーションシリーズ5自動運転(コロナ社).

【コマ主題細目②】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.139-148.総務省:情報通信白書.

【コマ主題細目③】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.57-73.総務省:情報通信白書.
コマ主題細目 ① 自動運転 ② ヒューマンインタラクション ③ その他の革新的テクノロジー
細目レベル ① 自動運転は、自動車の運転を構成する情報処理である認知・判断・操作を車両システムが担当することにより、人の関与なしでも運転を可能とする技術である。近年の人工知能技術の進展に伴い、認知に関する性能の向上が著しい。運転自動化レベルが定義されていて、レベル0〜2が運転支援、レベル3〜5が自動運転に大別される。レベル3は、高速道路等の限定条件下で認知・判断・操作の全てをシステムが担当するが、緊急時はドライバが対応する。レベル4は、緊急時もシステムが対応する。レベル5は走行条件が限定されない。自動運転は、車両単体の技術進展だけでは成り立たず、車と車が連携する技術や、環境側に知能を持たせて車と連携する技術の導入も重要である。また、自動運転を行ないやすい環境の整備や事故が起きた際の責任の所在などについての法整備も必要である。本講義では自動運転に関する国内外の動向を把握する。
② ヒューマンインタラクションは、人と人のコミュニケーションを分析、支援する技術、人の活動をコンピュータやロボットがインタラクティブに支援する技術を扱う研究領域である。人工知能やIoTが支えるが、ヒューマンインタラクション技術が扱う対象として特徴的なところは、人の外見からは捉えにくい感情や意図などの潜在的な状態や場の空気といった定量化しにくい状況をも対象とするところである。そのため、多様な感覚情報や生体情報を複合的に処理するマルチモーダルセンシングが重要である。また、人へ情報を提示したり、人の状態や場の状況を誘導するために、可視化などの情報伝達や情報表現に高度な技術が必要になる。本講義では人を対象とする学際的な研究の動向を把握する。
③ 人が活動する環境において、あらゆる部分が高度に情報化され、サイバー空間の進化も著しい。本講義では、人工知能やIoTを基盤として応用した次に挙げる革新的テクノロジーから特に注目されているものを取り上げる。マルチメディア情報検索、マルチリンガル自動翻訳、ドローン、VR(Virtual Reality、仮想現実)、AR(Augmented Reality、拡張現実)、MR(Mixed Reality、複合現実)、多視点映像、テレプレゼンス、スマートグラス、ライフログ、3Dプリンタ、クラウドコンピューティング、量子コンピューティング、スマートグリッド、HEMS、マテリアルズインフォマティックス、MaaS(Mobility as a Service)、フィンテック、ブロックチェーン、エドテック、スマート農業、フードテック、ゲノム編集、メディテック、予防医療、再生医療、遠隔医療、介護ロボット、宅内見守りセンシング。
キーワード ① 自動運転 ② インタラクション ③ マルチ ④ スマート ⑤ ディープテック
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りにある革新的な情報通信技術を調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、興味を持った革新的技術を詳しく調査すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

7 データサイエンスと環境問題 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第7回目の講義では、環境問題を顕在化する、あるいは解決するためのデータサイエンスについて学ぶ。
【コマ主題細目①】
第7回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-12.

【コマ主題細目②】
第7回コマ用オリジナル配布資料,pp.13-24.

【コマ主題細目③】
第7回コマ用オリジナル配布資料,pp.25-31.

*参考*
【コマ主題細目①】
総務省:情報通信白書.

【コマ主題細目②】
ハンス・ロスリング:FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP社),pp.59-60, 127-128, 185-186, 213-214, 259-260.

【コマ主題細目③】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.118-120, 141-143, 197-198, 208-210, 219-250.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.214-215.
コマ主題細目 ① データサイエンスとは ② 正しくデータを見る心得 ③ 環境問題への適用例
細目レベル ① データサイエンスは、数学、統計学、計算機科学、情報学などの複数の学問を横断的に駆使してデータから科学的および社会的な価値を引き出すことである。統計的視点、計算的視点、人間的視点がデータサイエンスを構成する本質的な側面であり、これらの3つの視点の有機的結合こそがデータサイエンスという学問の神髄であると言われている。データサイエンス自体は20世紀中盤に登場した概念であるが、高度情報化社会においては、学術分野だけではなく、産業分野、行政分野などのあらゆる分野においても高度なデータ分析とデータ処理のスキルが必須であり、人工知能技術の基盤である機械学習や深層学習を活用することができる人材が求められている。本講義では、データサイエンスの感覚を掴む。
② 本講義では、データの具体的な分析方法を学ばず、それは他の科目に譲り、正しくデータを見る心得を押さえる。基本的には、データを自分で良く見て、仮説を立てることである。その際、数字を見るだけではなく、グラフやマップなどを用いて可視化することが重要である。ビッグデータを扱う場合は、全体を俯瞰することができるように可視化を行なう。そして、先入観を捨てて、客観的にデータを見ることである。例えば、人間には世の中を2つに分断して考える本能やデータが直線的に変化しているように見える本能、元の数字そのものを重要視する本能、1つの視点に拘る本能などがある。本講義では、これらの本能を抑え、データを多様な観点から見る方法を学ぶ。
③ データサイエンスにおける主なデータ処理には、データからの特徴抽出、データの分類、データの予測、データ間の相関や因果関係の抽出、データの異常検出、データの可視化などがある。本講義では、環境問題に関係するデータに対して、これらの処理を適用した例を学ぶ。表面的には見えなかった環境問題がデータの分析によって顕在化された例としては、ヴァーチャルウォーター(食料を輸入している国が、自国でそれを生産すると仮定した場合に必要となる水の量)の推定などが代表的である。また、環境問題の解決に向けた数値目標を達成するために、目標指標(例えば、二酸化炭素排出量)を複数の指標に分解する因数分解が解決案の設計に有効であると考えられている。その具体例にも触れる。
キーワード ① データサイエンス ② 客観的視点 ③ 可視化 ④ 機械学習 ⑤ 因数分解
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りにあるデータやウェブで入手することができるビッグデータを調査する。

【本コマの復習】本講義の復習として、ニュース記事、書籍、雑誌におけるデータの解釈が正しいか考えてみること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

8 高齢化社会 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第8回目の講義では、高齢化社会が進行する要因と、高齢化社会から連鎖的に引き起こされる環境問題を理解する。
【コマ主題細目①】
第8回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-18.

【コマ主題細目②】
第8回コマ用オリジナル配布資料,pp.20-37.

【コマ主題細目③】
第8回コマ用オリジナル配布資料,pp.40-46.

*参考*
【コマ主題細目①】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.98-102.浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),p.4.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.40-45, 48-51.内閣府:高齢社会白書.

【コマ主題細目②】
内閣府:高齢社会白書.内閣府:少子化社会対策白書.

【コマ主題細目③】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.53-87.内閣府:高齢社会白書.
コマ主題細目 ① 年齢分布の推移と予測 ② 高齢化社会が進行する要因 ③ 高齢化社会が引き起こす環境問題
細目レベル ① 世界の総人口は20世紀後半から1年に1億人ほど増加していて、現在は78億人にまで増加し、21世紀末には110億人に達することが予測されているが、各国における人口が必ずしも増加しているわけではなく、日本やヨーロッパの一部の国では減少傾向に転じている。また、人口ピラミッドとして可視化される年齢の分布については各国に3つのタイプを当てはめることが多い。富士山タイプ(出生率も死亡率も高く、乳幼児が多く、高齢者が少ない分布)、釣り鐘タイプ(出生率も死亡率も低く、社会的にバランスが取れた分布)、壺タイプ(出生率も死亡率も極めて低い少子高齢化の分布)である。年齢分布は経済状況との関係が強く、本講義では、地域別での年齢分布の推移と予測を把握する。
② 日本の年齢分布は世界的に見て壺タイプであることが顕著であり、少子高齢化の深刻なレベルである超高齢社会の先行事例とされている。老年人口(65歳以上人口)の比率が7%以上14%未満の社会を高齢化社会、14%以上を高齢社会、21%を超える場合を超高齢社会と分類されている。少子高齢化が進行する要因として、出生率の低下と平均寿命の伸長が挙げられる。前者は経済格差と価値観の変化による晩婚化、未婚化、核家族化、出産年齢の高齢化などの社会現象の影響がある。一方で、後者は、栄養状態の改善、公衆衛生の発展、医学・医療の進化、保険制度の発達、健康への配慮の高まりの効果が表れている。本講義では、データに基づいて、高齢化社会の進行を理解する。
③ 経済の発展が生み出しているといえる高齢化社会は、様々な環境問題と社会課題を引き起こしている。まず、労働者人口が減少し、生産力の低下により経済成長が鈍化する。これは国や地方自治体の税収の低下を招く。地方への影響は過疎化という形で表れ、独居高齢者が増加する。一方で、都市に人が流れるが、低労働賃金や非正規雇用による若年貧困者が増加する。高密集地においては、大災害や感染病の大流行のリスクがある。AIやロボットによる業務の自動化が労働者不足の解消に期待されているが、雇用が大幅に失われる可能性がある。これらは少子化を加速する。高齢化による社会保障費の増加は、労働者年齢層に負担をかける。本講義では、この負のスパイラルを認識し、断ち切る方法に触れる。
キーワード ① 超高齢社会 ② 人口ピラミッド ③ 小子高齢化 ④ 労働者人口 ⑤ 経済格差
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】ウェブで人口や年齢分布のデータを調査し、それらの変化を確認する。

【本コマの復習】本講義の復習として、AIなどのICTを導入した少子高齢化対策を調べてみること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

9 地球温暖化 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第9回目の講義では、地球温暖化に陥る要因と、地球温暖化から連鎖的に引き起こされる環境問題を理解する。
【コマ主題細目①】
第9回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-11.

【コマ主題細目②】
第9回コマ用オリジナル配布資料,pp.12-28.

【コマ主題細目③】
第9回コマ用オリジナル配布資料,pp.29-39.

*参考*
【コマ主題細目①】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.33-45.

【コマ主題細目②】
浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),pp.10-27.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.200-203.環境省:2019年度温室効果ガス排出量,2021.

【コマ主題細目③】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.45-80.文部科学省気象庁:日本の気候変動2020 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書,2020.
コマ主題細目 ① 気温の変動と予測 ② 地球温暖化に陥る要因 ③ 地球温暖化が引き起こす環境問題
細目レベル ① 温暖化は、地球全体で共通する環境問題であり、地球の気候系の平均気温が長期的に上昇することである。地球温暖化は有史以前から起きていたが、20世紀半ば以降の変化は、かつてない速度と規模で推移している。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告によると、産業革命以前からの約150年間で世界の平均気温は約1.0度上昇した。日本においては過去100年間で1.26度、北極においては他の地域の2倍近くも上昇している傾向がある。100年後の予測としては、現在の状況が続けば、4度上昇するという数値が出ている。そこで、2015年にパリ協定で、産業革命以前を基準に、平均気温の上昇を2度より十分に低く抑えるという目標が合意された。本講義では、データに基づいて地球温暖化を把握する。
② 地球温暖化は、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなど)が主因となって引き起こされているとする分析が主流である。温室効果ガスは、もともと大気中に含まれ、太陽から降り注いだ熱を吸収して保持する役割を担っている。人為起源の温室効果ガス増加の中で、最も影響が大きいものが二酸化炭素である。その増加は、産業革命以降における化石燃料の消費量の爆発的増加が原因である。現在の大気中の二酸化炭素濃度は、地球誕生から人類が現れるまでの80万年間に比べ、2倍程度に上昇していると言われている。そこで、パリ協定において、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標が合意された。本講義では、データに基づいて地球温暖化と二酸化炭素濃度の関係を確認する。
③ 温暖化は、気温や水温を変化させ、氷床や氷河の融解と海水の膨張による海面水位の上昇や、偏西風の蛇行などによる降水量の変化を引き起こし、洪水、干ばつ、猛暑、猛烈なハリケーンなどの激しい異常気象を増加、増強させ、生物種の大規模な絶滅を引き起こす可能性などが指摘されている。付随する影響としては、真水資源の枯渇、森林火災、不作、不漁、熱中症の増加、感染症の拡大などがあり、社会の不安定化が懸念される。地球温暖化は、第11回目の講義で学ぶ食料問題と密接に関わる。本講義では、地球温暖化が引き起こす環境問題を俯瞰し、第10回目の講義で学ぶ地球温暖化への対策である脱炭素化(エネルギー供給の化石燃料への依存からの脱却)の必要性を理解する。
キーワード ① 平均気温 ② 温室効果ガス ③ 産業革命 ④ 化石燃料 ⑤ 気候変動
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】ウェブで平均気温や二酸化炭素濃度のデータを調査し、それらの変化を確認する。

【本コマの復習】本講義の復習として、気候変動によるさらなる環境問題を検討すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

10 エネルギー・資源問題 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第10回目の講義では、エネルギーおよび資源の消費増加が引き起こしている環境問題と、その解決に貢献する再生技術や取り組みを学ぶ。
【コマ主題細目①】
第10回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-14.

【コマ主題細目②】
第10回コマ用オリジナル配布資料,pp.16-23.

【コマ主題細目③】
第10回コマ用オリジナル配布資料,pp.25-34.

*参考*
【コマ主題細目①】
浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),pp.16, 30.経済産業省:エネルギー白書.

【コマ主題細目②】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.183-191.浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),pp.46-67, 122.経済産業省:エネルギー白書.

【コマ主題細目③】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.68-78.浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),pp.17-19, 127-131, 159-160.経済産業省:エネルギー白書.
コマ主題細目 ① エネルギー・資源消費の推移と予測 ② エネルギー・資源消費が引き起こす環境問題 ③ 再生可能エネルギーと資源再生
細目レベル ① 経済成長と人口増加により、世界のエネルギー消費量は増加の一途を辿っている。特に、アジアの発展途上国を中心に、化石燃料の利用が増え、世界のエネルギー需要量は2040年には2014年の約1.2倍になると言われ、限りある資源をめぐって世界で資源獲得競争が激化すると懸念されている。日本は、この10年間は発電電力量が減少傾向にあるが、エネルギー自給率が約10%であり、深刻な問題である。東日本大震災以降、原子力発電の長期停止により、石炭と天然ガスを用いた火力発電による発電量が一時的に増加し、二酸化炭素排出量の増加を招いた。輸入燃料費は不安定に増減している。また、鉱物資源についても、ほとんど全てを輸入に頼っている。本講義では、データに基づいてエネルギーおよび資源消費の推移と予測を確認する。
② エネルギーおよび資源の消費がこのまま増加した場合、近い将来に枯渇することがまず懸念される。そして、大気汚染、海洋汚染、河川汚染、土壌汚染、森林破壊などが拡大、進行することが予想される。これらの汚染は、人間の活動で膨大に生み出される排気ガスや排水、ごみの問題でもある。大気汚染については、地球温暖化の要因である温室効果ガスだけではなく、イオウ酸化物ガスやオキシダント、PM2.5の濃度の上昇が挙げられ、酸性雨による自然環境への影響や呼吸器系のガンの増加が問題視されている。近年、深刻化している問題は、プラスチックごみである。特に、海に流れ込んでいる大量のプラスチックごみが生態系に影響を及ぼし始めている。さらに、5ミリ以下に分解されたマイクロプラスチックが食物連鎖を通じて、最終的に人体を害することが指摘されている。本講義では、エネルギーおよび資源の消費増加が引き起こしている環境問題を俯瞰する。
③ 第9回目の講義から通じて、脱炭素化が急務となっていることを確認したが、その要件の一つが再生可能エネルギーへの代替である。再生可能エネルギーとは、絶えず資源が補充されて枯渇することがなく、利用する以上の速度で自然に再生し、二酸化炭素を排出しないエネルギーのことであり、太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力、バイオマスなどが挙げられる。現在、世界的に実用化が進んでいるものは太陽光発電と風力発電である。プラスチックごみについては、再生利用や燃やして熱に変換(サーマルリサイクル)する形での有効利用が進められている。その他には、スチール缶とアルミ缶は非常に高いリサイクル率を達成していて、レアメタルなどの鉱物資源のリサイクル技術も発展している。本講義では、5R(Refuse、Reduce、Reuse、Repair、Recycle)の取り組みについて学ぶ。なお、エネルギーの供給側の改善とともに、エネルギーや資源の消費量を削減することも重要であり、その技術や仕組みについては、第13回目の講義で学ぶ。
キーワード ① 大気汚染 ② 脱炭素化 ③ 再生可能エネルギー ④ マイクロプラスチック ⑤ 5R
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】ウェブでエネルギーやごみに関するデータを調査する。また、身の回りのリサイクル活動を調査する。

【本コマの復習】本講義の復習として、日常生活におけるエネルギー消費量や排出するごみの量を確認すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

11 食料問題 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第11回目の講義では、食料問題とそれが起因となって連鎖的に引き起こされる環境問題を理解し、その解決に向けた新しいテクノロジーを学ぶ。
【コマ主題細目①】
第11回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-15.

【コマ主題細目②】
第11回コマ用オリジナル配布資料,pp.17-28.

【コマ主題細目③】
第11回コマ用オリジナル配布資料,pp.29-39.

*参考*
【コマ主題細目①】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.81-117.農林水産省:食料・農業・農村白書.

【コマ主題細目②】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.129-156.農林水産省:食料・農業・農村白書.

【コマ主題細目③】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),118-122.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.71-73.佐藤 光泰,石井 佑基:2030年のフード&アグリテック(同文舘出版),pp.193-243.
コマ主題細目 ① 食料生産・消費の推移と予測 ② 食料生産・消費が引き起こす環境問題 ③ フードテック
細目レベル ① 飽食の国と言われる日本で暮らしていると、将来、世界的に食料難に陥る可能性があることを実感しにくい。実際にアフリカにおける飢餓は増加している。食料の生産量は、20世紀中盤における緑の革命(トウモロコシ、小麦、米、大豆などの高収量品種の改良や化学肥料と農薬の大量投入)による穀物の大量増産の達成後も堅調に増加し、世界の全人口を賄える規模に達しているにも関わらず、なぜ、食料難が頻発し、将来的に予測されているのか?そこには、食料の大量生産から連鎖的に引き起こされる環境問題の循環による食料供給の不安定化への危惧と食品ロスの問題がある。本講義では、まず、食料に関するデータの推移と将来予測について確認する。
② 食料問題は、少子高齢化、温暖化、エネルギー・資源の枯渇化のように長い年月をかけて滑らかに悪化するとは限らず、突如として危機的状況に陥る可能性がある。それは食料問題が他の環境問題に敏感に反応し、それらの間に複合的な関係があるためである。食料の大量生産は、森林の農地化を促進する。化学肥料と農薬の大量投入は土地の荒廃を促進する。これらは温室効果ガスの増加、真水資源の減少、そして、温暖化に繋がり、洪水、干ばつなどの異常気象を引き起こす。その結果、不作、蝗害、病害、不漁が不確定的に生じ、社会や経済が不安定になる。これが食料の大量生産から飢饉への連鎖の道筋である。また、肉食文化は、家畜が大量の飼料(穀物や水)を消費することから、上記の連鎖の起点にもなっている。本講義では、この仕組みを理解する。
③ 食料の大量生産は、食品ロスの増加を助長する。日本における食品ロスは年間600万トンを超え、社会問題になっている。日々の食品ロスを減らすように、人々の努力と行動変容が必要であるが、フードテックと呼ばれる食の情報化、食のIT革命が鍵を握っている。例えば、人工知能を活用した食料需要予測による必要十分な食料生産やソーシャルメディアなどを活用した売れ残り食品や訳あり食料の食資源循環などである。また、世界的な人口増加による将来的なたんぱく質不足、畜産の拡大による環境負荷の懸念、食に対する健康意識の高まりから代替肉や昆虫食の開発が盛んになっている。本講義では、食品ロス問題の解決に期待される情報通信技術を学ぶ。遺伝子組み替えや革新的な農業技術であるアグリテック、スマート農業については第13回目の講義で学ぶ。
キーワード ① 大量生産 ② 飢餓 ③ 肉食文化 ④ 食品ロス ⑤ フードテック
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りの食品ロス問題やフードテックを調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、好きな食べ物や飲み物の環境負荷を検討すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

12 行政や民間の環境問題への取り組み 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第12回目の講義では、行政による環境政策や民間による環境問題への取り組みを俯瞰する。また、環境や社会を評価する方法を学ぶ。
【コマ主題細目①】
第12回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-16.

【コマ主題細目②】
第12回コマ用オリジナル配布資料,pp.17-23.

【コマ主題細目③】
第12回コマ用オリジナル配布資料,pp.24-29.

*参考*
【コマ主題細目①】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.120-121.村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.132-133.浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),pp.171-173.

【コマ主題細目②】
夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),pp.70-71.村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),pp.130-131.

【コマ主題細目③】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.272-284.
コマ主題細目 ① 環境政策 ② 民間の取り組み例 ③ 環境や社会の評価指標
細目レベル ① 環境汚染や環境破壊などの課題に対して、公共政策学、環境法、環境経済学、環境工学、国際協力学、環境倫理学などの知見に基づいて、規制をかける法律や、課税、デポジット制度、公正取引(フェアトレード)、債券(例えば、グリーンボンド)といった経済的方策、基準認証などを行なう情報的方策、持続可能な社会構築のための計画など、様々な環境政策が立てられている。第4回目の講義の主題としたSDGsや第9回目の講義で触れたパリ協定は代表的なものであり、本講義では、少し遡って、1992年に地球サミットで採択されたアジェンダ21からの世界の動向を把握する。また、経済開発協力機構(OECD)の活動を通じた環境政策や国際標準化機構(ISO)が発行した環境マネジメントシステムに関する国際規格についても概観する。
② 事業運営のために必要な全てのエネルギーを再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際ビジネスイニシアチブとしてRE100(Renewable Energy 100%)が存在し、世界的に影響力がある大企業が参加している。企業を動かす原動力の一つがESG投資である。ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)に配慮している企業を重視して行なわれる投資である。近年は、エシカル消費(倫理的消費)を推進する企業が投資を集めている。エシカル消費とは、人の健康や社会、環境に配慮した消費行動のことである。本講義では、RE100を中心とした民間の環境問題への取り組みの論理と代表的な企業による取り組み例を学ぶ。
③ 個々の環境問題への取り組みを評価するために、問題を顕在化したデータや客観的指標の改善を直接的に測る方法が取られるが、社会や生活が良好な状態にあるかどうかを評価する指標が提案されている。Inclusive Wealth Index(IWI:包括的富指標)は国連大学や国連環境計画による提案で、人的資本(教育や寿命など)、自然資本(農地、森林、天然資源など)、人工資本(インフラなど)を含めた国単位の資産を評価するものである。また、Better Life Index(BLI:よりよい暮らし指標)は経済協力開発機構(OECD)による提案で、環境、健康、教育、コミュニティ、仕事、収入、住宅、ワークライフバランス、安全、満足度、市民参加のスコア分布を評価するものである。近年は、ウェルビーイング(Well-Being)という身体的、精神的、社会的に良好な状態(幸福)にあることを意味する概念が注目されていて、心理学者によって指標やその向上に関する理論が提案されている。本講義では、環境や社会の評価指標について把握する。
キーワード ① ISO ② ESG投資 ③ エシカル投資 ④ フェアトレード ⑤ ウェルビーイング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りのエシカル消費活動やフェアトレード商品などの環境政策を調査する。

【本コマの復習】本講義の復習として、エシカル消費を意識して年末年始を行動してみること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

13 超スマート社会 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第13回目の講義では、超スマート社会を把握し、住民の視点から人間中心の社会について考える。
【コマ主題細目①】
第13回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-19.

【コマ主題細目②】
第13回コマ用オリジナル配布資料,pp.20-26.

【コマ主題細目③】
第13回コマ用オリジナル配布資料,pp.27-32.

*参考*
【コマ主題細目①】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.82-120.佐藤 光泰,石井 佑基:2030年のフード&アグリテック(同文舘出版),pp.193-243.

【コマ主題細目②】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.18-19, 63-80, 286-289.

【コマ主題細目③】
日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),pp.103-118, 289-303.
コマ主題細目 ① スマート化 ② 人間中心社会 ③ 住民主導型イノベーション
細目レベル ① 第1回目の講義で取り上げたSociety 5.0は、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technologies)を最大限に活用し、サイバー空間と現実世界とを融合させた取り組みにより、人々に豊かさをもたらす超スマート社会を実現していくことが意図されている。近年、スマート化という言葉が世の中に広まっている。スマート化とは、ICTを駆使して、状況に応じて運用を最適化する情報処理能力または管理・制御能力を持ったインテリジェントなシステムを構築することである。本講義では、都市のスマート化、エネルギーマネジメントのスマート化、農業のスマート化、工場のスマート化、住宅のスマート化、台所のスマート化、家電のスマート化、決済のスマート化などに触れる。
② 環境保全を第一に考え、日々の生活を制約し、人々に我慢を強いることで環境問題を解決することができるかもしれない。しかし、それはQoL(Quality of Life:ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているかを尺度として捉える概念)を低下させ、Society 5.0の基本理念に反している。環境問題や社会課題を解決するだけではなく、経済が成長し、人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができる人間中心の社会を実現することが重要である。本講義では、第8回目から第11回目で学んだ環境問題や社会課題の解決と人間中心社会の実現の両立について考える。
③ 第12回目の講義で学んだように、政策や技術イノベーションによる環境問題の対策や社会のスマート化は、政府や企業が主体となって行なってきたことであるが、第1回目の講義で取り上げたデータ駆動型社会の狙いは、住民がデータを活用することで起こす住民主導型あるいは住民基点のイノベーションである。オープンデータ(機械判読に適したデータ形式で、誰でも許可されたルールの範囲内で自由に複製、加工、頒布などができる公開されたデータ)の時代において、住民が自らデータや新しい技術に関心を持ち、自身もデータを提供し、活用することで、あるべき人間中心の社会を考え、議論、発信し、その実現に貢献することが重要である。本講義では、実例から住民主導型イノベーションのフレームワークを学ぶ。
キーワード ① スマートシティ ② スマート農業 ③ オープンデータ ④ QoL ⑤ 人間中心社会
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】身の回りでスマート化しているものを調査し、ノートにまとめておく。

【本コマの復習】本講義の復習として、縁や興味がある土地や組織のオープンデータを調査すること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

14 環境白書 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第14回目の講義では、これまでの講義で得た知識を活用して、環境白書の内容を分析する。環境の最新状況を分析する上で、地球危機の基準を認識しておくことが重要であるため、プラネタリー・バウンダリーを把握する。
【コマ主題細目①】
第14回コマ用オリジナル配布資料,pp.5-10.

【コマ主題細目②】
第14回コマ用オリジナル配布資料,pp.12-18.

【コマ主題細目③】
第14回コマ用オリジナル配布資料,pp.19-20.

*参考*
【コマ主題細目①】
環境省:環境・循環型社会・生物多様性白書.

【コマ主題細目②】
環境省:環境・循環型社会・生物多様性白書.

【コマ主題細目③】
落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),pp.240-244.
コマ主題細目 ① 環境の最新状況 ② 環境の保全に関する施策 ③ プラネタリー・バウンダリー
細目レベル ① 環境庁が毎年発行する環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書を参照し、国内外における環境の最新状況と日本が環境の保全に関して講じた施策および今後に講じる施策を把握する。令和2年版の環境白書では、テーマに気候変動時代における私たちの役割が設定されている。地球環境の最新状況として、国内外で深刻な気象災害が多発したと報告、地球温暖化で気象災害のリスクがさらに高まると予測されている。また、世界の温室効果ガスの排出量は増加した一方で、日本は5年連続で削減し、経済成長も達成したと報告されている。海洋プラスチックごみ汚染などによる生物多様性の損失への懸念が特筆され、経済・社会システムや日常生活の在り方を大きく変える社会変革が不可欠であると提言されている。
② 環境の保全に関する施策については、政府、自治体、企業などによる社会変革として、まず、災害大国日本のノウハウを活かし、気候変動に防災の視点を掛け合わせた社会変革を推進している。脱炭素化に向けては、エアコンや冷蔵庫などで使用されているフルオロカーボン(フロン類)の排出削減策を世界に展開している。2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロ化を目指す自治体が日本の人口分布の約半分にまで広がり、企業数も世界トップレベルに増加している。また、国民の一人一人から始まる社会変革として、住まいへの再生可能エネルギーの導入、地産地消の推奨、電気自動車への乗換の促進、ワーケーションやエコツーリズムの提案などがある。個々人が快適で利便性の高い脱炭素型のライフスタイルを選択できる社会に向けた行政や企業の施策が重要であるとしている。本講義では、これらの施策の現状についても把握するために、令和3年版の環境白書も確認する。
③ 環境白書や環境に関するデータを見る際に、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)を把握しておくことが重要である。プラネタリー・バウンダリーは、人間の活動が、それを超えると許容できない環境変化を引き起こす可能性がある項目として、気候変動、生物圏の一体性(絶滅の速度、生態系機能の消失)、土地利用変化、生物地球化学循環(リン、窒素)、淡水利用、海洋酸性化、大気エアロゾルの負荷、成層圏オゾンの破壊、新規化学物質の9つを挙げ、それぞれの安全なレベルと、それを超えると不確実な状態に陥る可能性のあるレベルを示す。2015年の時点で、すでに最初の4つの項目が限界を超えていると警鐘が鳴らされている。本講義では、環境白書を読み解く観点としてプラネタリー・バウンダリーをおさえる。
キーワード ① 環境白書 ② 循環型社会白書 ③ 生物多様性白書 ④ 社会変容 ⑤ プラネタリー・バウンダリー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの予習】環境庁のウェブサイトにアクセスして、環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書を読んでおく。

【本コマの復習】本講義の復習として、令和4年版環境白書(概要)をプラネタリー・バウンダリーを意識して読んでみること。本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。

15 まとめ 科目の中での位置付け 本科目は、情報化社会において環境に結びつく様々な問題と課題をデータや情報に基づいて客観的に捉えるための素養を修得することを目的とし、5部構成で開講される。第1部では、第1回目と第2回目において、情報化社会における環境問題とその変遷を俯瞰する。第2部では、第3回目から第6回目までを通じて、新しい環境問題にも目を向け、地球上で活動し続けるために解決が必要な環境問題や社会課題を確認し、その解決に向けた情報通信技術を知る。第3部は、第7回目から第11回目までであり、主要な環境問題および社会課題を事例として、それらを分析するためのデータサイエンスについて学ぶ。第4部では、第12回目と第13回目において、将来における社会のあるべき姿を議論し、政策や民間による環境問題への取り組みを把握する。第5部では、第14回目と第15回目において、本科目で得た知識に基づいて、日本が網羅的に公表している環境状況とその保全に関する施策を読み取り、全ての講義内容の復習も行なうことで素養を身に付ける。今回の第15回目の講義では、これまでの講義内容を環境問題、情報化社会、データサイエンスの観点でまとめる。
【コマ主題細目①〜③】
第1回目から第14回目までで担当教員が配布した資料
コマ主題細目 ① 環境問題 ② 情報化社会 ③ データサイエンス
細目レベル ① 第2回目の講義において、人口に関わる社会問題として、少子高齢化について、自然環境問題として、地球温暖化と様々な自然破壊との相互作用について、生活環境問題として、多様化する日常生活環境、教育環境、就業環境などに関する諸問題を学んだ。また、第3回目の講義において、高度情報化とともに変化したライフスタイルに着目しながら、モビリティの変化や価値観の変化とそれに伴う環境問題の変化を概観した。そして、第4回目の講義において、地球上での活動を持続可能なものとする開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)を確認し、世界および日本における取り組みを理解した。行政による政策や民間による取り組み、それらの最新動向については第12回目と第14回目の講義で理解した。
② 第1回目の講義において、データおよび情報とは何かを理解し、データから情報を抽出する意義を学んだ。そして、これまでの情報化社会を振り返り、これからの情報化社会として超スマート社会に着目した。また、第5回目と第6回目の講義において、情報化社会を取り巻く新たな情報通信技術として、高度情報化を牽引するAI(人工知能)、IoT(Internet-of-Things)、5G(第5世代移動通信システム)、その応用技術である自動運転やヒューマンインタラクション技術をはじめとする革新的テクノロジーを学んだ。さらには、第13回目の講義において、超スマート社会を構成する個々のスマート化技術や、本質的課題である環境問題の解決と人間中心社会の実現の両立について理解した。
③ 第7回目の講義において、データサイエンスの概念と基本要素を学び、その感覚を掴んだ。正しくデータを見る心得を押さえ、データを多様な観点から客観的に見る方法も学んだ。そして、データサイエンスの貢献によって顕在化している主要な環境問題および社会課題の事例として、第8回目の講義において、高齢化社会が進行する要因と、高齢化社会から連鎖的に引き起こされる環境問題、第9回目の講義において、地球温暖化に陥る要因と、地球温暖化から連鎖的に引き起こされる環境問題、第10回目の講義において、エネルギーおよび資源の消費増加が引き起こしている環境問題、第11回目の講義において、食料問題とそれが起因となって連鎖的に引き起こされる環境問題を理解した。さらには、それぞれの解決に向けた政策や技術を学んだ。
キーワード ① 環境問題 ② 持続可能な開発目標 ③ 情報化社会 ④ データサイエンス ⑤ 超スマート社会
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【本コマの復習】本科目において、情報化社会と環境、そして、それらに結びつく様々な問題や課題に関心を持つことが重要である。日常生活環境に多様な情報が満ち溢れていて、ウェブには膨大なデータが存在している。情報機器や情報サービスを駆使して、安全に正しい情報を獲得する技能を身につけること。身近なところに環境問題や社会課題が存在している。学んだことを実感し、新しい問題や課題を見つけ、情報やデータを活用して自分なりに解決策を考え、家族や友達、知人と話し合うと良い。その方法の一つとして、自治体の施策や企業の取り組み、ボランティア活動などへの参加がある。自己の今後の活動について、SDGsから目標を設定し、その達成に向けて取り組むこと。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
高齢化社会と環境問題の理解 高齢化社会が進行する要因と、高齢化社会から連鎖的に引き起こされる環境問題を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.世界の総人口の推移と予測、2.年齢の分布を可視化する人口ピラミッドのタイプと経済状況との関係、3.日本の少子高齢化のレベル、4.少子化に影響する社会現象、5.長寿化が進行する要因、6.高齢化社会が経済成長を鈍化する仕組み、7.労働者年齢層に負担がかかる仕組み。 超高齢社会、人口ピラミッド、少子高齢化、労働者人口 15 2, 7, 8
地球温暖化と環境問題の理解 地球温暖化に陥る要因と、地球温暖化から連鎖的に引き起こされる環境問題を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.平均気温の推移と100年後の予測、2.地球温暖化を引き起こす要因とその推移、3.地球温暖化が引き起こす自然災害とその特徴、4.地球温暖化が及ぼす自然環境への影響、5.地球温暖化が及ぼす生活や社会への影響、6.地球温暖化を防ぐための国際的な目標、7.地球温暖化への対策。 平均気温、温室効果ガス、化石燃料、気候変動 15 2, 7, 9
エネルギー・資源消費と環境問題の理解 エネルギーおよび資源の消費増加が引き起こしている環境問題とその対策を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.エネルギー消費量の推移と予測、2.エネルギー消費量が増加し続けた場合の懸念、3.日本のエネルギー生産への東日本大震災の影響、4.エネルギーの消費増加が及ぼす自然環境への影響、5.エネルギーの消費増加が及ぼす人体への影響、6.脱炭素化の方法、7.エネルギーの消費量削減の方法、8.深刻化しているごみ問題、9.ごみを削減する方法。 大気汚染、脱炭素化、再生可能エネルギー 15 2, 7, 10, 13
食料生産・消費と環境問題の理解 食料生産の増大が起因して連鎖的に引き起こされている環境問題とその対策を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.食料の生産量および消費量の推移と予測、2.飢餓に陥っている人の数の推移、3.食料の大量生産が及ぼす自然環境への影響、4.食料の大量生産が食料難を引き起こす仕組み、5.肉食文化が引き起こす問題、6.食品ロスを削減する情報通信技術、7.食料生産を持続可能なものとする情報技術。 大量生産、食品ロス、飢餓 15 2, 7, 11, 13
持続可能な開発目標と行政や民間による取り組みの理解 持続可能な開発目標と、それに対する行政や民間による取り組みを理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.SDGs(Sustainable Development Goals)の趣旨、2.17の目標、3.日本におけるSDGsに関連する行政、公共団体、企業などの取り組み、4.プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)と地球の現状、5.地球規模の環境政策、6.エシカル消費とそれを促進するESG投資、7.社会や生活が良好な状態にあるかどうかを評価する指標としてのウェルビーイングという概念。 SDGs、ESG投資、エシカル消費 15 4, 12, 14
情報化社会を取り巻く情報通信技術の理解 情報化社会を取り巻く情報通信技術を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.情報化社会の特徴、2.データと情報の違いと、データから情報を抽出する意義、3.情報通信技術の進展とそれに伴う価値観の変化と環境問題の変化、4.高度情報化を牽引する基礎技術であるAI(人工知能)、IoT(Internet-of-Things)、5G(第5世代移動通信システム)と、それらを基盤とした環境問題の解決のための革新的な応用技術。 ディジタル、インターネット、AI(人工知能) 10 1, 3, 5, 6
データサイエンスが寄与する超スマート社会の理解 データサイエンスが寄与する超スマート社会を理解することができているかどうかを次の項目に基づいて確認する。1.データサイエンスに要求されるアウトプットとスキル、2.データサイエンスによる環境問題の顕在化、3.データサイエンスによる環境問題の解決案の設計、4.日本における超スマート社会の具象であるデータ駆動型社会とSociety 5.0、5.超スマート社会を構成する個々のスマート化技術、6.環境問題の解決との両立が本質的課題である人間中心社会の実現方法。 データサイエンス、スマート化、人間中心社会 15 1, 7, 13
評価方法 期末試験(100%)により行なう。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 特に既成の教科書を使わない。資料を配布する。
参考文献 1.日立東大ラボ:Society 5.0 人間中心の超スマート社会(日本経済新聞出版),2.夫馬 賢治:データでわかる2030年 地球のすがた(日経プレミアシリーズ),3.浦野 紘平,浦野 真弥:地球環境問題がよくわかる本(オーム社),4.村上 芽:図解SDGs入門(日本経済新聞出版),5.ハンス・ロスリング:FACT FULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(日経BP社),6.落合 陽一:2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望(SBクリエイティブ株式会社),7.二宮 芳樹,武田 一哉:モビリティイノベーションシリーズ5自動運転(コロナ社),8.佐藤 光泰,石井 佑基:2030年のフード&アグリテック(同文舘出版),9.環境省:環境・循環型社会・生物多様性白書,10.内閣府:高齢社会白書,11.内閣府:少子化社会対策白書,12.農林水産省:食料・農業・農村白書,13.経済産業省:エネルギー白書,14.総務省:情報通信白書,15.国土交通省:国土交通白書,16.環境省:2019年度温室効果ガス排出量,2021,17.文部科学省気象庁:日本の気候変動2020 大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書,2020.
実験・実習・教材費 特になし。