区分 環境データサイエンス科目 社会環境科目 社会環境基本科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門性 理解力 実践力
カリキュラム・ポリシーとの関係
専門知識 教養知識 思考力
実行力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
個人・社会・自然が直面する課題に対して専門的な理解を深めると共に、学際的な柔軟性を有し、実践的な能力を有する。企業・地域社会などのあらゆるコミュニティに寄与する組織的な活動能力を有する。
科目の目的
大学生のキャリア教育の基礎いわば社会人としての必須教養として、広く社会経済への関心を促すとともに、企業・産業と経済の問題について考える力を涵養することを意図し、経営学の入門的知識を修得させる。
とりわけ、そのなかでも、将来必ずしも経営に携わることはなくとも、また企業・ビジネスとは無関係な将来であろうとも、人は必ず組織のなかで働き、また企業とは何らかの関係をもって暮らしていくことを考えると、経営学のなかで、持続可能(サステナブル)な組織運営のための組織論や人的資源管理論を学ぶことは有意義であり、経営学で修得した知識は社会人として有用となる。また、SDGsの達成には企業の取組が不可欠なことを考えると、サステナブルな社会を築き上げていくうえで重要な企業経営について学ぶ必要がある。

到達目標
①企業の類型や株式会社の構造の特徴、組織の内部構造について、基本的知識を修得している。
②テーラー、スローン、ファヨールの提唱したそれぞれのマネジメント論の特徴を理解できている。
③人的資源管理の基本的知識が修得できている。
④日本的経営および生産管理におけるトヨタ生産方式の特徴を理解できている。
⑤企業の行動原理としての経営戦略について、その理論的枠組みを理解し、事例を通じて競争戦略の特徴を理解できている。
⑥戦略行動のうち、事業戦略・販売戦略についての基本的知識、および分析手法を理解できている。
⑦企業のあるべき姿をステイクホルダーとの関係性やCSR、サステナビリティ、コンプライアンスといった視点から理解できている。
⑧サステナブルな社会構築のための企業の取組やSDGsへの姿勢を理解し、企業の対応と情報開示について理解できている。

科目の概要
全体として、アップトゥデイトな話題を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成で展開していく。
具体的には、企業やビジネスの現場で働いていない大学生も身近に感じられるように、生活に身近な企業や各自のアルバイト先を想定し、第1部(第1回から第6回)では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際に企業の現場で働く際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していき、サステナブルな企業経営について考察していく。
第2部(第7回から第12回)では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点からサステナブルマネジメントについて解説していく。
第3部(第13回から第15回)では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、サステナブルな社会構築のために必要となる理想的な企業像を理解することができるようにしていく。

科目のキーワード
①企業の概念 ②日本型経営 ③経営管理 ④経営組織 ⑤人的資源管理 ⑥経営戦略 ⑦マーケティング ⑧経営戦略ケースメソッド ⑨ステイクホルダー ⑩サステナブル経営  
授業の展開方法
テキストの解説をPowerPointを使って行う回と、DVDを視聴したのちに解説を行う回に分かれるが、いずれも、配布プリントに沿って講義中に演習問題を解いていく(AL)。
また、組織論や人的資源管理論の解説時には、自らの経験をもとに回答し考察することが求められる(AL)。
さらに企業の行動限について学ぶ経営戦略やマーケティングの解説においては、受講自身に身近な事例を挙げて考察することを求めるため、受講生から積極的な意見が展開されることを期待している。

オフィス・アワー
(岡崎キャンパス)【木曜日】昼休み・3時限目(後期のみ)、4・5時限目、【金曜日】3・4・5時限目(前期のみ)
(大府キャンパス)講義前後、メール(isogai@uhe.ac.jp)にて質問に対応する。なお、メールの場合は大学発行のアドレスからのみとする

科目コード ENS600
学年・期 1年・前期
科目名 サステナブルマネジメント
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 選択
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目 企業会計
関連資格 なし
担当教員名 磯貝明
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 イントロダクション・経営学とは何か 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第1回では、第1部として①ガイダンス ②経営学とは何か について学び、そののち、③経営学について学ぶ意義そしてサステナブルな経営とは 何かについて理解する。

主題細目① 
コマ用オリジナル配布資料

主題細目② 
DVDプライマリ経営学入門
①「経営学とはどんな学問か」

主題細目③ 
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① ガイダンス ② 経営学とは何か ③ 経営学について学ぶ意義
細目レベル ① この講義を受講する上での注意事項、講義方法、評価方法等についてコマシラバスを参照しつつ解説していく。
はじめに、コマシラバスを使って解説していくが、コマシラバスそのものの使い方について説明し、そして、評価方法が試験100%であることをふまえ、履修判定指標をよくみながら履修していく必要があることを理解する。
つぎに、科目の概要や目的、到達目標について解説していくが、学生にとって、経営学がいかなる場面で役立つかに焦点をおき、この科目を履修する意義について理解する。また、受講上の注意点として、私語厳禁、欠席時はコマシラバスを読んで該当箇所を理解したうえで履修判定指標を確認しておくことなどを説明する。

② 経営学の意義と重要性を理解する。経営とは組織のマネジメントであることを理解し、学問としてどのように発展し、社会的に必要とされてきたのか、どういった領域について学んでいくのかを理解する。企業経営、経営感覚など、経営という言葉を正確に理解するために、「経営学とはどんな学問?」と聞かれた際に、これを説明できるようにすることが必要である。
例えば経営という言葉が、会社が持つ《ヒト・モノ・カネ・情報》の資源を、少ない投入量で、最大の結果(収益)を出すための仕組み、という意味であることを理解し、経営学とは企業経営と密接な関わりをもった学問であり、実際の企業経営を観察、検証しながら発展してきた学問であることを学ぶ。
経営学は経済学などと比べても、ずっと新しい学問であるものの、その歴史の中で、ゴーイングコンサーンという使命をもつ企業の組織や管理(マネジメント)の仕組みがどのように生まれ、どのような戦略論が生み出されたのかを、この科目で学んでいくことを理解する。

③ 社会において経営学がどう役立つのかを理解したのちに、経営学という学問を自らの将来に照らし合わせ、どのように経営学を学ぶことが将来実際に働く際に役立つのかを組織論・人的資源管理論といった領域からの理解を深めていく。
まずは、子供のころからの自らの将来の夢と重ね合わせ、成長するにしたがって、将来の夢が変化してきたことを確認し、それが社会の情報を多く得たことで変化したきたことを確認する。そのうえで、大学生の多くが企業に就職し、そしてほぼすべての人々が企業と何らかのかかわりを生活していることから、企業に関する知識を経営学によって得ることの重要性を理解する。
そして、P.F.ドラッカーの『企業とは何か』(1946)に紹介し、そのなかで企業とは「社会を成立させているものは社会組織であり、社会組織の代表的存在が企業である。」 ことを学ぶ。

キーワード ① 経営資源 ② マネジメント ③ ゴーイングコンサーン ④ 組織論 ⑤ 人的資源管理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスを事前に読み、「カリキュラム全体の仲でのこの科目の位置づけ」「科目の目的」「到達目標」「科目の概要」を理解しておく。また、テキストのはしがきを熟読したうえで、経営学のテキストの構成をみて、経営学がどういった学問であり、どのようなことを学ぶのかのイメージを掴むこと。目次を概観して、テキストの概要・構成を理解しておく。
復習:コマシラバスをよく読み、この講義の「カリキュラム全体の仲でのこの科目の位置づけ」「科目の目的」「到達目標」「科目の概要」を再度理解しておく。DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。学生として経営学を学ぶ意義が述べられるようにしておくこと。

2 企業とは何か・企業の概念と類型 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第2回では、第1部のなかの企業の概念の理解をすすめるために、企業の概念、企業の類型、株式会社の構造、産業界の変化について解説していく。

主題細目①
テキスト 第1章 「企業とは何か」pp.1-3

主題細目②
テキスト 第1章 「企業とは何か」pp.3-9
コマ用プリント配布資料

主題細目③
テキスト 第1章 「企業とは何か」pp.9-13
コマ用オリジナル配布資料
日本証券業協会発行リーフレット「株式会社制度と証券市場のしくみ」pp.1-9


コマ主題細目 ① 企業の概念 ② 企業の類型 ③ 株式会社の構造
細目レベル ① 企業とは何かを考察していくが、それを理解するうえで、まず、日本におけるその分類形態を見ていく。具体的には、はじめに企業形態という視点から、とくに法的形態のそれぞれの特色を解説していく。
企業を定義づけるとすれば、「社会に必要とされる財やサービスを継続的に生産し供給する経済活動をする事業体として位置づけられるが、これが経済学や経営学ではどのように扱われるのかについて、経済学における企業と、経営学における企業の2つの観点から企業の本質を理解する。
また、社会的責任論や企業倫理などの視点から企業をみることもあるが、これは「企業とはなにか」ではなく、「企業とは何のためにあるか」という視点でみるべきであり、ここからステイクホルダー(利害関係者)との関係についても理解することが必要となる。

② 企業の形態を経済学的形態と法的形態の2形態から理解するとともに、経済学形態すなわち企業の所有関係の観点からの企業の分類と、法的形態すなわち出資者と企業または出資者相互の法的関係の観点から、企業の類型を理解する。
はじめに、企業の形態を経済学的形態において分けるとすれば、私企業・公企業・公私混合企業の3つに分類することができ、つぎに法的関係に着目すれば、私企業は、個人企業、合名会社、合資会社、株式会社、協同組合、相互会社などに分けることができ、その特徴を解説していくとともに、株式会社が普及している理由をその特徴から理解する。
また、以前存在した有限会社は現在では設立することはできず、特例有限会社として残るのみとなっていることを理解する。

③ 株式会社における委託受託関係、所有と経営の分離を理解し、資金調達源泉を表した貸借対照表の貸方における他人資本と自己資本の理解によって、株式会社の構造・仕組みを理解する。
はじめに、広く普及している株式会社において、企業活動を行うための資金調達方法について解説し、資本が自己資本と他人資本から成り立っていることを理解する。
そのうえで、自己資本が会社の所有している資本であり、他人資本が債務である負債であることを学び、自己資本の中心が株主の出資した資本金であり、この出資された金額は、株式として出資者の地位を表していること、そして、株式や社債などは有価証券と呼ばれ、証券取引所を通じて株式が売買されるという証券市場についてもり理解する。
また、株式会社の構造として、株主総会、取締役会、監査役についても理解する。

キーワード ① アカウンタビリティ ② 所有と経営の分離 ③ 株式会社 ④ 自己資本と他人資本 ⑤ 株主総会・取締役会・監査役
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第2回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第1章を読んで、企業とは何かを自らの考えとして述べることができるようにしておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。
自らのアルバイト先の企業が企業の分類ではどれにあたるのかについて確認しておくこと。
また、企業の類型を法的関係に基づいて述べることができ、とりわけ株式会社の特徴を理解し、そのうえで、それに関係させて株式会社の普及した理由を明確に述べることができるようにしておくこと、さらには、株式会社の発行する株式の特徴と、その流通市場である証券市場についても、参考資料として配布する日本証券業協会発行リーフレット「株式会社制度と証券市場のしくみ」をみて理解しておくこと。

3 組織とは何か企業組織・内部構造 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第3回では、第1部のなかの企業の組織編制、組織形態、組織の類型について理解をすすめる。

主題細目①
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.19-21
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.22-24
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.24-31
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 組織編成 ② 組織形態 ③ 組織の類型
細目レベル ① 企業の内部構造としての組織構造について理解していくために、幾人かの研究者によって指摘された経験則である組織を編成するうえでの原則について解説し、ファヨールらの研究者によって指摘された経験則
①仕事主義の原則②専門家の原則③例外の原則④管理範囲の原則⑤責任・権限明確化の原則⑥命令一元性の原則
についてその詳細を学び、またサイモンによるそれらへの批判についても理解する。
これらを学ぶことで、今日の組織づくりのための指針として一定の有効性をもつ組織編制原則について理解し、受講生が自らのアルバイト先での組織編制を想定し考察する。
また、こうした理解が、看護の現場で自らが組織の一員として働く際に、また組織の編成を担う対場となった際に、効率的な組織となっているかを考える有効なツールとなることを理解する。

② 組織目的の達成のために果たすべき仕事として位置づけられる職能および職務について理解する。はじめに、経営組織が発展すると同時に、組織目的の達成のために果たすべき仕事である職能が分化することを理解し、この職能を具体的に細かく個々の成員に割り当てた者が職務(課業)であることを学ぶ。
そして、経営組織の発展に伴い、発生する職能の分化が、まず大きく職能の横への分化である水平的分化と、職能の縦への分化である垂直的分化としてあらわれ、水平的分化はさらに、過程的分化(第一次分化)、要素的分化(第二次的分化)、部面的分化(第三次的分化)として現れるため、これをそれぞれの特徴として理解する。
さらに、垂直的分化は、階層化として現れ、トップ・マネジメント、ミドル・マネジメント、ロワー・マネジメントという3層構造で形成されることを学ぶ。

③ 経営組織の基本醸造を職能相互間における(各部門間ないし各職位間)における命令・権限の関係によって区分して理解し、さらに部門編成における部門化について理解する。
はじめに、経営組織の基本構造が、ライン組織(直系組織)やファンクショナル組織(職能的組織)、ライン・アンド・スタッフ組織といった職能相互間における(各部門間ないし各職位間)における命令・権限の関係によって区分されること学び、各組織構造の特徴を短所・長所として理解する。
また、実際の企業組織が、各部門(部および課)の編成を一定の基準にしたがって行っており、この部門編成を部門化と呼び、その部門化が、職能別、製品別、地域別などのいくつかの基準に基づいて行われ、それぞれに対応した組織形態が現れることを理解する。

キーワード ① 水平的分化 ② 垂直的分化 ③ ライン組織 ④ ライン&スタッフ組織 ⑤ マトリックス組織
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第3回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第2章を読んで、企業組織について自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。
また、自らのアルバイト先の組織構造をイメージしておく。
とりわけ、①仕事主義の原則②専門家の原則③例外の原則④管理範囲の原則⑤責任・権限明確化の原則⑥命令一元性の原則を内容を理解し、経営組織の基本構造としてのライン組織(直系組織)やファンクショナル組織(職能的組織)、ライン・アンド・スタッフ組織といった職能相互間における(各部門間ないし各職位間)における命令・権限の関係によって区分される各組織構造の特徴を短所・長所として覚えておくこと。

4 経営管理・マネジメント 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第4回では、第1部のなかのマネジメントや経営管理の手法についての理解を深めるために、DVDを用いて、経営管理という考え方・学問が生起した背景について学ぶ。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
②「マネジメント・経営管理の誕生」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 科学的管理法 ② 事業部制 ③ 管理原則
細目レベル ① 近代企業が成立した早くから、様々な管理手法や組織形態が生まれてきたが、その端緒となったテーラーの提唱した科学的管理法や組織論の特徴を理解し、それが誕生間もないフォード自動車の経営に活かされたことを学ぶ。
具体的には、まず、組織の定義として、役割分担と指揮命令の系統が決められた共通の目的のために働く2人以上の人間の集まりであることを説明し、そのうえで、テーラーの提唱した科学的管理法の詳細を解説する。
テーラーは、まず、課業(TASK)の設定を行い、作業の分割・作業時間の計測を行った。作業を細かく分割し時間を計測した時間研究と、作業を観察し、無駄のない動きを分析した動作研究を行い、標準的課業として無駄がなく、長続きする作業を設定し、それに基づいて標準作業票の作成した。
さらに、それまでの単純出来高払い賃金では、組織的怠業が蔓延するという問題があったため、差異化出来高賃金制の採用をすすめ、これにより、勤労意欲が高まり、生産性がアップするということがわかった。
また、テーラーは職能別組織やライン・アンド・スタッフ組織を提唱したことも理解しておく。

② フォードの衰退の理由を学び、その後、フォードに代わって業界トップに躍り出たGMとその中興の祖と言われたスローンの事業部制の特徴とを比較的観点から理解する。また、このスローン経営手法が現代の自動車開発・生産・販売にも影響していることを学ぶ。
具体的には、ヘンリー・フォードが、職能別組織を取り入れたうえで、それまでの川上・川下といった組立部門の他に製鉄所やガラス工場など材料部門・販売部門など統合するという垂直的統合を成し遂げたこと、さらに、時間研究を行って、移動組立法(コンベアシステム)の採用を成し遂げたことを学ぶ。
また、動作研究によって、標準化による作業の無駄の排除し、フォード社の組織として計画と執行の分離を行ったことを理解する、しかしながら、創業者がT型フォードの生産と販売に固執し、いったんこれが庶民に普及してしまうと、あらたな需要が起こらず、急激に販売台数が低下することになったことを学ぶ。
その後、フォードにとってかわり、GMの中興の祖となったスローンの行った、現代の自動車販売にも取り入れられている、フルライン政策の発案・モデルチェンジ・ローン販売といった政策、そして事業部制の採用をGMの組織図から確認していく。

③ アメリカでの科学的なマネジメントの理論が発展していく一方で、同時期にヨーロッパでもフランスのファヨールが近代企業をモデルに経営についての検証を重ね、管理原則として、「分業」や「権限と責任」という、今日の経営に通じる管理論を提唱したことを理解する。
具体的には、まず、
①管理活動の分離として、管理活動とその他の活動(技術活動・商業活動・財務活動・保全活動・会計活動)を分け、
②管理課程として、予測→組織化→指令→調整→統制というPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を確立し、
③管理原則として、1.分業、2.権限と責任、3.規律、4.指令の統一、5.指揮の統一、6.全体利益の優越、7.従業員の報酬、8.集権化、9.階層連鎖、10.秩序、11.公平、12.職位の安定、13.創意、14.団結を明確に打ち出し、管理活動の分離・管理課程の検証・管理原則の明文化という一連の活動から、管理(マネジメント)としての組織内の決まりごととして、《職務権限》 権限を誰に、どこまで与えるか《権利委譲(集権化・分権化)》 権限を集中するか、分散するか《指揮命令の系統》 指示を誰が、どのようにするか《統制の範囲(スパン・オブ・コントロール)》 何人の部下を管理するかという視点が必要であることを理解する。

キーワード ① 科学的管理法 ② 課業 ③ 時間研究と動作研究 ④ 事業部制組織 ⑤ フルライン政策
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第4回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。 具体的には、テーラーの提唱した科学的管理法の詳細を理解し、時間研究や動作研究、差異化出来高賃金制の内容を理解しておく。また、フォードが躍進した背景として採用した生産方式、そして、衰退した理由をT型フォードの普及とあわせて理解し、その後、GMが急速に成長し、現代の自動車販売においても用いられているスローンが採った政策を理解しておく。

5 人的資源管理 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第5回では、第1部のなかのマネジメントや経営管理の手法についての理解を深めるために、DVDを用いて、人的資源管理の発展の経緯とその重要性について学び、実際に受講生が看護の現場で働く際に必要となるであろう人的資源管理の理論的枠組みについて学ぶ。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
③「人的資源管理の重要性」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 労働者観 ② 人間関係論 ③ 行動科学
細目レベル ① 様々な労働者観を軸に、人をいかに企業経営に生かすかという視点から人的資源管理論を理解する。まずはその段階として、インストール(雇用管理)、メンテナンス(作業条件管理・報酬管理・福利厚生・労使関係管理)、バージョンアップ(教育・人材開発)の3段階で理解し、自らが企業の現場で働く際に、どのようにこの人的資源管理が役立ち、影響してくるかを学ぶことで、その重要性を理解する。
これまでに学んできテーラーが提唱した科学的管理法は、人を経済人として捉え、元来、人は打算的・合理的であり、賃金」などの経済的動機によって働いており、公式組織に基づいて管理すべきであるという考え方であり、これは労働強化であるとか搾取であるとして批判されてきたことも事実であるが、ここで学ぶ人間関係論は、人を社会人として位置づけ、人は元来、連帯的・献身的・感情的であり、それゆえ、「連帯感」や「一体感」などの社会的動機が働くモチベーションとなり、非公式組織も考慮した配置が必要であることを提唱していることを学ぶ。

② メイヨーやレスリスバーガーの提唱した人間関係論について従業員同士の人間関係や士気(モラール)といった視点から理解し、マズローの欲求5段階説について学ぶ。
具体的には、マズローの欲求5段階説が、食欲・睡眠などといった生理的欲求から始まり、それが満たされると、次には、身を守るといった安全の欲求へと移行し、それが満たされると、次には、集団への帰属といった社会的欲求へと移行し、さらにそれが昇華すると、その組織の中で他者から認められたいといった自我の欲求へと変わり、最終的にはそれらがすべて見たされると、自己実現の欲求として自分らしく生きたいと願うようになることを自らの欲求の位置づけで確認し、組織における人的資源管理には、このことを理解しておく必要があることを学ぶ。 

③ マクレガーのX理論・Y理論、ハーズバーグの心理学や行動科学を使った労働の検証としての労働者観である衛生要因や動機付け要因について理解し、自らが労働者であった場合も想定しつつ、こうした理論の妥当性について考察してみる。
具体的には、マクレガーのX論は人間観として、(生来仕事が嫌い・命令されないと動かない)であるなら、管理手法としては、・生理的欲求、安全の欲求には科学的管理法、・社会的欲求には人間関係論、・自我の欲求、自己実現の欲求には従来の方法では満たされないということになるが、マクレガーの提唱するY理論では、人間観として(生来仕事が好き・命令がなくてもすすんで働く・創意工夫して問題を解決する)というものであれば、管理手法としては、≪目標による管理≫(・自主的な目標設定・自主的な評価・目標実現のための自己啓発)が有効であるとする。また、衛生要因と動機付け要因として、≪衛生要因≫ (満たされないと不満を感じ、満たされても満足を感じない)としては、作業条件・対人関係・給与・監督技術・会社の経営があり、≪動機付け要因≫ (満たされると高い満足を感じ、満たされなくても不満を感じない)としては、昇進・責任・仕事そのもの・承認・達成があるため、人的資源管理にはこうした事項をよく理解しておく必要があることを学ぶ。

キーワード ① 公式組織と非公式組織 ② 人間関係論 ③ 行動科学 ④ 欲求5段階説 ⑤ 動機づけ要因
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第5回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。 具体的には、人的資源管理論の段階として、インストール(雇用管理)、メンテナンス(作業条件管理・報酬管理・福利厚生・労使関係管理)、バージョンアップ(教育・人材開発)の3段階で理解し、科学的管理法と人間関係論の違いをその特徴から明確に述べることができるようにしておく必要がある。また、マクレガーのX論やY理論の特徴や衛生要因と動機付け要因として、≪衛生要因≫ (満たされないと不満を感じ、満たされても満足を感じない)ものや≪動機付け要因≫ (満たされると高い満足を感じ、満たされなくても不満を感じない)ものが分けられるようにしておくこと。

6 日本的経営・日本企業の組織特性 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第6回では、第1部のなかの企業の特徴として、日本的経営の特徴を学び、身近な企業とりわけアルバイト先企業での実態を考察しながら、日本企業の特性を理解していく。

主題細目①
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.31-35
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.36-38
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
テキスト 第2章 「企業組織とその日本的変質」pp.38-44
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 日本的経営 ② 日本企業の組織特性 ③ 変わる日本企業
細目レベル ① 日本的経営が形成された背景を戦後から概観し、人事制度として永らく機能してきた終身雇用制度について新卒一括採用・OJTとともに理解する。
終身雇用制度の利点と問題点、これが崩壊しつつある現状について説明し、欧米での転職・キャリアップ事情も紹介する。
新卒一括採用については、その長所と短所を理解しつつ、通年採用の増加というトレンドをも理解し、OJTについては、OffJTとも比較して学ぶ。
つぎに終身雇用制度を支える賃金制度としての年功序列型賃金について成果型報酬制度と比較しつつ理解し、俸給表を説明し、年俸制との違いを学ぶ。
そして企業内福祉・企業内組合について欧米の職能型・業種別組合と比較して理解し、日本の労働組合の特徴や実態について理解する。

② 日本企業の経営組織が欧米と異なり、集団主義的性格が強いことを挙げ、個人の職務権限が曖昧なことが、逆に生産現場の職務構造を柔軟にさせ、集団的作業遂行を可能としていることを学ぶ。
また日本の経営においては、インフォーマルなコミュニケーションが重視され、意思決定の方法として稟議制度が採用さえていること、そしてこの意思決定方法の長所・短所を理解していく。
さらに生産現場での特徴としては、日本の労働者は何種類も仕事ができる多能工であり、工場においてはチームワークが重視され、そうした背景によって発達したQCサークルなどの小集団活動について理解する。また多くの製造業に採り入れられているトヨタ生産方式のかんばん方式についてもその仕組みを学ぶ。

③ 企業を取り巻く社会経済的環境の変化、とりわけ、経済成長の鈍化、IT産業の成長、少子高齢化という労働市場の変化、女性の社会進出、ライフスタイルや価値観の変化などにより、これまでの終身雇用制度や年功序列型賃金制度の維持は困難になってきており、新卒一括採用制度も通年採用・中途採用の増加へと変わりつつあることを学び、雇用形態も非正規職員・従業員が増加し、採用方法も職種別採用も増えてきていることを理解する。
また、評価方法も能力主義へと移行しつつあり、就業形態についても、フレックスタイム制や在宅勤務、サテライトオフィスへと変化がみられることについて学ぶとともに、こうした実態について、身近な企業であるアルバイト先での実例を想定しつつ理解する。

キーワード ① 終身雇用制度 ② 年功序列型賃金 ③ 企業内組合 ④ 能力主義 ⑤ フレックスタイム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第6回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第2章2.(1)(2)(3)を読んで、日本型の企業システムについて自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。 また、自らのアルバイト先をイメージして日本型の企業システムとして当てはまる点があるかについて考えておく。
とくに、年功序列制や終身雇用制度、新卒一括採用の特徴として利点と問題点をあげ、それに変わる能力型賃金制度や通年・中途採用の長所と短所を述べられるようにし、さらに非正規雇用の増加や就業形態の変化が社会にもたらす影響について考えをまとめておくこと。

7 経営の意思決定と生産管理 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第7回では、第2部として考察する企業の行動原理について、生産管理における意思決定やオペレーションマネジメントについてトヨタ生産方式を中心に学ぶ。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
④「経営の意思決定と生産管理」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 意思決定システム ② トヨタ生産方式 ③ 近代管理論
細目レベル ① 戦後から1960年代の高度経済成長期を経て世界でも有数の経済大国へと発展した成長の背後にある日本型経営について、その特徴である意思決定システムについて理解する。
具体的には、1960年代に起きた日本の高度経済成長については、当時を知らなくとも、多くの人が耳にしたことはあるはずであり、第二次大戦で焼け野原になった国土から再出発し、わずか20数年後には世界第2位のGDPを生み出す経済大国 になるなど、世界から東洋の奇跡と呼ばれた経済成長であったことを理解し、その成長の裏には、終身雇用や年功序列、企業内労働組合等に代表される、日本型経営があったこと、そして、そうした日本型経営については、権限と責任との関係や、意思決定のシステムについて、特有の形態があったことを経営学的視点に立って検証することができることを学ぶ。

② 日本の経済・製造業をリードし、世界で1,2位を争うトヨタ自動車が生み出した生産方式であるリーン生産方式が無駄のない、効率的な生産システムとして世界の製造会社が目指すモデルになっており、また、かんばん方式や自働化によって世界を席巻するようになった特徴をオペレーションマネジメントの観点から理解する。
具体的には、トヨタ生産方式(TPS)がかんばん方式によるジャストインタイムの考え方と自働化の2つの考え方を柱とし、かんばん方式は、各工程が必要なものを、必要な量だけ、必要な時に調達し、淀みなく生産する考え方であり、これは、部品在庫を極限まで最小限にすることを意図するものであることを学ぶ。
自働化は、単に人手を機械に置き換えるのではなく、人間の知恵を活かす工夫であり、機械による生産性を高めると同時に、異常が発生したら機械を直ちに停止させ不良品を作らないという考えのもと生み出された生産方式であることを理解する。

③ トヨタ自動車のカバン方式や自働化といったトヨタ生産方式や日本型経営が脚光を浴びる一方で、アメリカでは、C.L.バーナードやH.A.サイモンといった研究者が意思決定システムを中心に、伝統的なマネジメント論をさらに発展させた近代管理論を提唱しており、これを紹介し、その特徴について学び、意思決定や生産管理など、企業を動かすオペレーションマネジメントについて学ぶ。近代管理論は、企業組織の行動を、企業全体を貫く意思決定という観点から理解することで、管理現場に対する実践的な指針を導き出しており、近代管理論が想定する、意思決定とは、基本的な意思決定過程として、
1.問題の発見、環境分析、情報収集をする情報段階、
2.問題設定のための代替案の把握、発見作成を行う企画(デザイン)段階、
3.各代替案の結果を予測し、比較、評価し、一定の目的水準を満たす代替案の選択を行う選択段階、
4.選択された選択肢を実施段階で実行し、最初の目的と実行過程での逸脱を統制するコントロール段階、
があることを理解する。

キーワード ① ジャストインタイム ② かんばん方式 ③ QCサークル ④ 自働化 ⑤ コンティンジェンシー理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第7回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。 具体的には、日本的経営の特徴として代表的な3つを挙げ、日本企業の人材開発の特徴として、長期にわたる職場での訓練 =On the Job Trainingと、企業内におけるさまざまな部署の異動=ジョブローテーションを覚え、さらには、トヨタ生産方式の2つのかんばん方式および自働化の特徴を説明できるようにしておく。

8 企業の戦略行動 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第8回では、第2部として考察する企業の行動原理について、 経営戦略の基本構造や戦略策定プロセスを理解し、企業の戦略行動の原理を学ぶ。とくに近年では、消費者の多様化や情報の進展などによって、企業をとりまく外部環境が著しく変化し、それらへの素早い対応が企業の成長・存続に大きく影響している。そのため、企業の意思決定を行う際の経営戦略について学ぶことは、企業の成長・存続のための重要な視点となることを理解する。

主題細目①
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」pp.45-47
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」pp.47-48
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」pp.49-54
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 経営戦略 ② 戦略策定プロセス ③ 企業戦略の類型 ④ ⑤
細目レベル ① 戦略(Strategy)と戦術(Tactics)の違いを理解し、企業の成長・存続に必要不可欠な経営戦略について、まず、アルフレッドD.チャンドラーの『経営と組織』(1962)を紹介し、彼がゼネラルモータース、スタンダード石油、シアーズ、デュポンといったアメリカの巨大企業の成長過程を例にとり、これらの企業が多角化による発展過程で中央集権的な組織構造から分権的な組織構造へと移行してきたことを指摘したことを紹介する。
そして、イゴール・アンゾフの経営戦略の定義を紹介し、それによって、企業を取り巻いている環境とのかかわりにおいて、企業が存続し、発展するために、経営資源をどのように活用していくかを示したものが経営戦略であり、これが企業に関与する人々への指針となるべきものであることを学ぶ。

② 経営戦略は、企業経営全体にかかわる戦略の総称として使用される概念であり、経営戦略の基本的構造を、範囲や職能、組織階層により、全社(全体)戦略、事業戦略、職能(機能)戦略の3つの階層から理解し、その階層がそれぞれ体系的につながりながら企業戦略全体を構成していることを学ぶ。
また、企業活動の存続や発展に重要な意味合いを持つ経営戦略の策定方法は、戦略研究の主要な位置づけであることを学び、戦略策定のプロセスについて、アンドリュースらの策定モデルを軸に、戦略策定のプロセス①戦略策定の識別②環境分析③資源分析④ギャップ分析⑤戦略的代替案の作成⑥戦略的代替案の評価⑦戦略の選択として、実際に、人間環境大学人間環境学部の戦略策定を行うとしたら・・・として各自で考え、それを発表する。

③ 企業戦略の類型を、製品・市場マトリックスから①市場浸透戦略②市場開発(開拓)戦略③新製品開発戦略④多角化戦略の4分類として理解する。さらに、このうちのや多角化戦略について、①水平的多角化②垂直的多角化③集中(同心円)的多角化④コングロマリット(集成)的多角化といった4分類として理解し、実際に企業名や事例・ケースを挙げて紹介する。
また、多角化するための方法として、①研究開発②スピンアウト③M&Aのそれぞれの内容を詳細に理解し、このうち、M&A(企業買収と企業合併)については、身近な企業の事例を紹介し、その方法を学ぶとともに、被買収側企業の敵対的買収への対応方法についても、そのいくつかを詳細に説明する。



キーワード ① 市場マトリックス ② 多角化戦略 ③ R&D ④ スピンアウト ⑤ M&A
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第8回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第3章1.2.3.4.を読んで、企業の戦略行動について自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。 また、自らのアルバイト先の戦略行動はあるのかについて考えておく。また、授業中に行う戦略策定のプロセスの実践として、①戦略策定の識別②環境分析③資源分析④ギャップ分析⑤戦略的代替案の作成⑥戦略的代替案の評価⑦戦略の選択として、人間環境大学人間環境学部の戦略策定を行うとしたらとして解説したが、これを自らのアルバイト先や想定企業でもできるようにしておくこと。

9 経営戦略 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第9回では、第2部として考察する企業の行動原理のうち、 前回学んだ経営戦略の基本構造や戦略策定プロセスについて、米国における事例を概観し、その後、日本での実践事例を学ぶことで、 企業の経営戦略の理論的枠組みおよび適用事例から経営戦略とは何かを再確認する。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
⑤「企業の経営戦略とは」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① チャンドラーの経営戦略 ② 米国における事例 ③ 日本の事例
細目レベル ① マーケティング戦略、財務戦略、ブランド戦略など、今では様々な経営課題にごく普通に使われている「戦略」という言葉は、本来は軍事用語であり、この戦略を経営学に持ち込んだのはアルフレッドD.チャンドラーであり、「組織は戦略に従う」との考えのもと、彼は、市場において勝つか負けるかという競争に向き合う企業を、戦争に見立て、経営戦略という言葉を使い、その理論を提唱したことを学ぶ。彼は、〈企業の経営組織の変化〉を、「事業拡大にともなう経営資源の増加」→「資源活用の合理化」→「資源を活かすための新市場進出(多角化)」→「短期・長期の視点にたった組織改革」として位置付け説明した。
これを理解し、戦略の良し悪しが企業の収益を左右するため、多くの経営者が、この戦略に知略をこらしており、経営戦略なき企業は市場において敗退し存続すら危ぶまれることを学ぶ。

② 実際に米国において、多くの経営者が知略をめぐらし、自社の成長性をどこに見出すのか、自社の強みと弱みを経営環境の中でどのように位置づけるのかについて、様々な分析手法を用いながら自社の経営戦略を構築してきたが、イゴール・アンゾフは、市場を既存市場と新規市場に分け、製品を既存製品と新規製品に分けたうえで、採るべき戦略を、市場浸透(商品使用量の拡大・シェア拡大)、製品開発(新機能の追加・モデルチェンジ)、市場開発(若者製品をシルバー世代に導入)、多角化(新製品の開発・新市場に導入)といったマトリックスで説明しており、これを理解したうえで、そうした事例として、デュポン、GM、ロッキード、GEといった米国企業における経営戦略の適用事例を理解する。
③ 米国と同様に、高度経済成長以降の日本において、現在に至るまでに多くの日本企業が生き残りをかけた経営戦略を策定し、目まぐるしく変化する経営の外部環境に対応させてきた。この対応には、自社のおかれた状況を的確に分析する必要があり、そうした分析方法としてSWOT分析があること学び、Strength(強み)、Weekness(弱み)、Oportunity(機会)、Threat(脅威)を理解し、こうした戦略の目を持たない会社は、例えば、デジタルカメラなどに見られる、それまでの市場動向を一気に変える、破壊的技術が登場した時に、的確に対応し、経営危機を回避することができないことを学び、こうした日本における経営戦略の適用事例として、富士フイルムの事例を学び、環境への適応について理解する。
キーワード ① 経験曲線 ② 成長ベクトルモデル ③ 選択と集中 ④ イノベーション ⑤ 経営戦略
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第9回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。また、履修判定指標に基づき、SWOT分析や市場マトリックスについて理解しておく必要がある。
具体的には、市場マトッリクスを理解し、市場を既存市場と新規市場に、製品を既存製品と新規製品に分けたうえで、採るべき戦略を、市場浸透、製品開発、市場開発、多角化のいずれとなるかを述べられるようにしておくこと。

10 競争戦略ゲーム理論 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第10回では、第2部として考察する企業の行動原理のうち、 前回までに学んだ経営戦略のうち、企業が他社に打ち勝つ立つために、自社と競合他社との位置関係を認識し、企業を取り巻く外部環境と、自社の強みと弱みを認識したうえで競争に打ちかつ戦略=競争戦略を策定している。こうした 競争戦略の理論的枠組みを理解し、企業の競争戦略がどのように生まれるのかについて学ぶ。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
⑥「競争戦略のいろいろ」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① ポジショニングアプローチ ② コストリーダーシップ戦略 ③ 差異化戦略・集中戦略
細目レベル ① 企業は様々な競争戦略を練りながら、市場での勝ち残りのために努力し、その結果として、消費者にとって望ましい商品やサービスがうまれ、市場において淘汰がなされていく。こうした競争戦略の立案法の一つである企業の外部環境と企業の強みを考慮したポジショニングアプローチの採用を理解する。
そもそも企業の存続条件である収益を生み出していくためには、市場のニーズを開拓し、優れた製品を開発していく必要がある。
もしもそうした製品をひとつの企業が供給し、複数のユーザーが買い求めるのであれば、その企業は自社の都合のいいように価格を設定することができ、高い収益をあげられることができるであろう。
しかしながら、実際には市場には競争相手が存在しており、市場内において複数の企業と競争をするという条件があるため、この条件下で企業は存続を果たしていかなければならない。ポジショニングアプローチでは、このような企業の生き残りをかけた戦略策定のなかから、企業外の要因(競争相手や産業構造などの企業を取り巻く要因)に焦点を当てて、企業の優位性を築く施策を検討するものであることを理解する。とりわけ、ファイブフォースとして、業界を、「ライバル」「新規参入」「代替品」「売り手」「お客さん」の5つの視点から分析し、それぞれ「同業他社の脅威」「新規参入の脅威」「買い手との交渉力」「売り手との交渉力」
「代替品の脅威」として分析することを理解する。

② 原材料・人件費・流通費の削減、作業改善などで商品コストを下げ、業界のリーダーを目指すコストパフォーマンス・リーダーシップ戦略について学び、市場・業界でのトップ企業たるマーケット・リーダーが選択する戦略として理解し、実際にトヨタの取り入れたコストリーダーシップ戦略について事例を通じてその特徴を理解する。
具体的には、コストリーダーシップ戦略が、業界全体の幅広い顧客をターゲットとして、競合他社よりも安価に商品を販売し、サービスの提供を実現することで競争優位を築こうとする戦略であることを理解し、そのために、安価な商品、サービスの提供を実現するための低コストでのモノづくり、サービスづくりが必要となることを理解する。
そして、コストリーダーシップ戦略が事業の経済的コストを、他の競合企業を下回る水準に引き下げることで、優先順位を確保する戦略であることを学ぶ。

③ M.ポーター(1947~)の考える、障壁を築き、競争を寄せ付けないようにするという競争戦略について理解する。とりわけ、そのなかでも、他社にない製品やサービスを提供し業界で特別なポジションを占める戦略である差異化戦略について、市場のトップに近い規模の企業であるマーケット・チャレンジャーが選択する戦略であることを学び、実際にホンダの取り入れた差異化戦略について事例を通じてその特徴を理解する。
また、差別化戦略は、幅広いターゲットを対象とし、「他の企業が持たない特徴」を生かすことにより、業界で特異な地位を占める戦略であることを理解し、顧客が「魅力的」と感じるブランド力を追求することにより、高くても売れる仕組みを作りだすことが重要であり、その例として、差別化戦略を採用している企業として、モスバーガーやオリエンタルランド、任天堂、ドン・キホーテ、スターバックスなどを紹介する。
次に、特定の地域や消費者などに経営資源を集中させることにより競争優位を図る集中戦略について学ぶ。
集中戦略は、資本や規模が比較的小さな会社でも、特定の顧客層に対しては大企業にも対抗できるようになることを理解し、集中戦略を採用している企業として、スズキやシャープ、オリンパス、しまむらなどを紹介する。

キーワード ① ポジショニングアプローチ ② ファイブフォース ③ コストリーダーシップ戦略 ④ 差異化戦略 ⑤ 集中戦略
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第10回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。
そして、履修判定指標を確認し、ポジショニングアプローチの内容を述べ、それぞれのポジションの企業が採るべき競争戦略を理解し、さらに、コストリーダーシップ戦略の特徴やその代表的企業、差異化戦略の特徴やその代表的企業、集中戦略の特徴やその代表的企業、を述べられるようにしておく。
また、授業で紹介した企業の他に、コストリーダーシップ戦略・差異化戦略・集中戦略を採っている企業を知っている企業で挙げてみる。

11 マーケティング 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第11回では、第2部として考察する企業の行動原理のうち、 前回までに学んだ経営戦略、競争戦略に続き、より細分化された、事業戦略・販売戦略について学ぶ。

主題細目①
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」pp.55-59
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」p.59
-63
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
テキスト 第3章 「企業の戦略行動」pp.63-65
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① PPM ② 3C分析・SWOT分析 ③ 競争地位戦略
細目レベル ① 戦略を策定し、限られた自社資源をどのように配分するかということが企業の成長や発展にとって極めて重要である。したがって、資産の組み合わせをあらわすポートフォリオによって、市場の成長率と自社の市場占有率のマトリックスから自社の製品や事業の特徴を明らかにし、取るべき戦略を認識する必要がある。
そのために戦略コンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ(BCG)が1970年代に提唱した戦略フレームワークであるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの理論的枠組みを理解し、それが、企業戦略における経営資源の最適な分配を知るための分析フレームワークであり、「市場成長性」と「市場における自社のシェア」の2つに軸に、各事業の事業規模の大きさを示す円でプロットし、事業利益創出の難易度、追加投資の必要性を明らかにしていることを学ぶ。
そのうえで、花形・問題児・金のなる木・負け犬といったセルにあてはまる製品・事業のとるべき戦略を理解する。

② 経営戦略の立案をする際に用いられる環境分析の代表的なフレームワークのひとつとして、自社(Corporation)、顧客(Customer)、競合相手(Competitor)の3つの観点から分析を行う3C分析の詳細を理解する。また、企業が事業戦略等を策定する際に使用する代表的な分析手法の一つであるSWOT分析の詳細を理解し、SWOT分析を使うことにより、マーケティング戦略立案における環境分析ステップで、自社の環境要因を考える視点を提供できることを学ぶ。
そして、SWOT分析のやり方として、SWOT=強み、弱み、機会、脅威の4つを組み合わせて分析することで、自社にとっての、市場機会や事業課題を発見できることを理解し、実際に本学看護学部のSWOT分析を試みる。

③ 競争地位戦略とは、米国の経営学者フィリップ・コトラーが提案した競争戦略理論であり、「同業界内における競争上の地位により、取るべき戦略の定石が異なる」という考え方を提唱していることを学ぶ。
そして、マーケットシェアの観点から企業をリーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーの4つに類型化し、競争地位に応じた戦略目標を提示していることを理解する。
そのうえで、リーダーは、業界の市場シェアがトップの企業であり、経営資源が豊富にあり、その質も良質な企業を指し、競合企業が新たに市場に参入してこないように参入障壁を作る戦略をとること、チャレンジャーは、市場で2番手のシェアを持つ企業群に位置づけられ、リーダー企業を追い抜こうとシェアの拡大を目標にしている企業であり、リーダーが強化することが難しい分野(新規分野など)で競争力を高めてリーダーの座を狙うことを目標にしていること、フォロワーは、リーダーの動向に追随する市場シェア下位の企業となり、チャレンジャーのような動きもできず、ニッチャーのように特定市場での立ち位置を確保できていない企業群がフォロワーとなること、ニッチャーは、同業界内の市場シェアが上位の企業群(リーダー企業やチャレンジャー企業群)とは一線を画しており、特定領域に絞り込んで事業を推進している企業となり、リーダーやチャレンジャー企業群が参入してこない(参入できない)規模の市場で独自の立ち位置を構築し、競合の参入障壁を築くという特徴を理解する。そのうえで、これらをコンビニ業界にあてはめて考えてみる。

キーワード ① PPM ② 3C分析 ③ SWOT分析 ④ 競争戦略 ⑤ マーケットポジション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第11回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第3章5.6.を読んで、企業の戦略行動としての製品・事業の分類および事業戦略の類型について自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。 また、自らのアルバイト先のSWOT分析および人間環境大学看護学部のSWOT分析を試みておくこと。さらには、授業後半で行った、競争地位戦略を思い起こし、紹介したコンビニ業界を例にして、再度、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーとなりうる企業を想定すするとともに、可能であれば、自らで、その他業界におけるリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーとなる企業を挙げてみること。

12 マーケティング戦略の事例 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第12回では、第2部として考察する企業の行動原理のうち、 前回までに学んだ経営戦略、競争戦略、事業戦略・販売戦略に続き、 マーケティング戦略の基本的事項を事例を通じて学ぶ。

主題細目①から③
DVDプライマリ経営学入門
⑦「市場で勝ち残るマーケティング戦略」
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① マーケティングミックス・4P ② 製品戦略・価格戦略・流通戦略・販売促進戦戦略 ③ ソーシャルマーケティング
細目レベル ① 製品(Product),価格(Price),流通(Place),販売促進(Promotion)の分野で展開するマーケティングミックスについて、その特徴を理解する。
マーケティングの意味を、「いかにして商品を販売するか」と理解しがちであるが、確かにマーケティングは20世紀の初め、製造技術の進歩で大量生産が可能となり、商品が市場にあふれた時に生まれた概念で、販売の手段として登場した。
しかしながら、マーケティングの語源がマーケットにあることでも分かるように、この問題をマーケットの当事者である供給者の視点、プロダクトアウトだけで考えず、もう一方の当事者である消費者の視点、マーケットインで考えることが重要であることを学ぶ。
また、この二つの視点に立ちながら、Product(製品)、Price(価格)、Place(販路)、Promotion(販売促進)の4つのPの分野で様々な 施策を立てるマーケティングミックスがマーケティングの基本になることを理解する。

② ドライビールの開発でキリンビールのシェアを切り崩し、業界トップに躍り出たアサヒビールや洗濯石鹸や入浴剤などでヒット商品を立て続けに市場に投入している花王の事例を通じて、マーケティングミックスによる企業の成長の特徴を理解する。
また、マーケティングミックスとして学んだ、製品・価格・流通・販売促進について、それぞれの戦略となる製品戦略、価格戦略、流通戦略、販売促進戦略について、様々な事例を通じて、その特徴を理解する。具体的には、製品戦略に関する2つのポイントはニーズ志向とシーズ志向があること、価格戦略は、4つの価格設定方法があること、流通戦略は販売チャネルが重要となること、販売促進戦略はさまざまな奨励金・クーポンや景品・イベント・宣伝・広告が重要となることを理解する。

③ ツイッターやフェイスブックなどで、企業やブランドのアカウントを作成し、顧客とコミュニケーションを図ったり、キャンペーンを展開したりしてソーシャルメディアを活用したマーケティング手法であるソーシャルマーケティングについて、その特徴を理解する。
また、特定の顧客に1対1 (ワン・ツー・ワン) で対応し,客に合せた商品やサービスを提供し、顧客一人一人のニーズに個別的に対応することで持続的な関係を保ち顧客シェアを獲得しようとする市場戦略法であるワン・トゥ・ワン・マーケティングについてその特徴を理解する。
これは、不特定多数の消費者を相手に市場シェアの拡大を目指す従来のマス・マーケティングに対抗するものとして、双方向的なパソコン・ネットの拡大など、情報技術の発達によって1対1の対応が可能になったことから生れた手法であることを理解する。

キーワード ① 4P ② マーケティングミックス ③ 製品戦略 ④ 価格戦略 ⑤ 流通戦略
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第12回該当部分を読み、講義内容を把握し、DVDで紹介される内容の予告編としてコマシラバスを利用しておく。
復習課題:コマシラバスを再度よく読み、DVDの内容を反芻し、DVDを視聴しながら記録したメモに基づいて、DVD確認用配布プリントを完成させ、内容を再確認しておく。 身近な製品のマーケティング手法で、今回の講義で学んだ手法を生かしている事例を考えてみること。
とくに、授業で紹介したキリンビールや花王の事例のほかに、自らで身近な企業の製品戦略、価格戦略、流通戦略、販売促進戦略となるものを想定して挙げておくこと。その際には、製品戦略としてニーズ志向とシーズ志向の例を挙げ、価格戦略は、浸透価格やスキミング価格など4つの例を探しておけるとなおよい。

13 経営戦略ケーススタディ 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第13回では、これまで学んできた経営戦略の手法をつかって、ケースメソッドによりケース検討を行う。
具体的には、ケースとしてコンビニを取り上げ、これまで学んだ手法で各自が自分なりの戦略をまとめ、それを報告しつつ、企業環境の分析をこれまで学んだ分析手法で確認しながら、採るべき戦略はなにであるかを実際に考えていくことで、これまで学んだ経営戦略の実践を試みる。

主題細目①
コマ用オリジナル配布資料
小山龍介『ケースメソッドMBA実況中継3 ビジネスモデル』pp.67-69


主題細目②・③
コマ用オリジナル配布資料
小山龍介『ケースメソッドMBA実況中継3 ビジネスモデル』pp.76-81
コマ用オリジナルPPT
コマ主題細目 ① ビジネスモデル ② ポジショニング戦略 ③ 企業の経営戦略事例
細目レベル ① 競争優位を築くためのビジネスモデル構築を考えるにあたり、ケースとして、まずセブンイレブンとローソンの経営戦略を読み解き、それぞれのビジネスモデルを描き、経営戦略の違いを理解する。
そして、ケースとしてコンビニエンスストア業界全体が飽和状態に近づきつつあり、新規出店により売り上げは伸びているものの、既存店の売り上げは伸び悩んでいるといった状況下で仮想の中堅コンビニ会社を想定し、セブンイレブンやローソンとの差別化を図り、規模の経済による競争ではない新たな競争軸を模索し、生き残るための戦略はなにであるかを考えることとする。その際には、これまで学んできた分析手法を考え、それらを活用して、企業環境の分析に基づいた根拠のある説得力ある採るべき戦略を描けるように考察をすすめていく。

② これまでに学んだ1980年代にマイケル・ポーターが提唱した「儲かる市場のなかでのポジショニングで収益性が決まる」という説により、顧客セグメントを絞りこむ「集中戦略」、全方位の顧客に対して低価格を訴求する「コストリーダーシップ戦略」、他者と異なる製品で差別化する「差別化戦略」の3つの戦略のうち、どれが適切であるかを検討していく。
前提として、セブンイレブンとローソンのポジショニング戦略を考え、それぞれが「集中戦略」、「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」のいずれを採っているかを明確にしたうえで、今回のケースにおける売り上げの伸び悩む中堅コンビニ会社の採るべき戦略を考えていく。
実際には、これを考えていくにあたっては、実現可能性、市場性、持続可能性も重要となることも理解していく。

③ 身近な事例として企業の経営戦略を考察するため、携帯電話会社のシェアを紹介し、国内での新規契約者数が飽和状態にあるなかでの、シェア獲得のための各社の戦略を考察する。続いて、シェアが一定の状態で売り上げ増が見込めない状況下での利益獲得のためには、原価を下げる工夫が必要となり、こうした原価に着目した戦略を外食産業やアパレル業界に着目し、紹介する。また、相手がいる状況での互いの行動を数値化し、客観的に分析する「ゲーム理論」について、経済・政治・ビジネスなどのあらゆる分野で使われ、人と人との関係から、企業や国家といった組織の関係にまで応用されているため、現在では、経済学だけでなく、政治学や社会学、経営学として研究対象となっている。したがって、企業の経営戦略としてケーススタディで実際にゲーム理論を使って考察してみる。
キーワード ① ケースメソッド ② 経営戦略 ③ ビジネスモデル ④ ドミナント戦略 ⑤ ゲーム理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第13回該当部分を読み、講義内容を把握するとともに、第13回はケースメソッドによる経営戦略の事例検討となるので、事前に配布されるコンビニストアのケースを読んで、ケースの事前学習ならびに自らの考えるこの企業がとるべき戦略を述べることができるようにまとめておくこと。詳細は、第12回講義の最後に講義中に説明する。
復習課題:授業中の他者の考えた戦略を再度思い起こし、自らの考えの他に選択しうる戦略のあったことを確認し、とるべき戦略はなにであったかを状況の再分析をしつつ考えを再構築しておくこと。その際、第12回までに学んだ内容を活かし、さまざまな分析方法を想定して説明することができればなおよい。

14 企業の社会的責任(CSR)理想的企業像 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第14回では、第3部として考察する企業が直面している課題・問題とその対応のうち、新たな環境を意識したステイクホルダーの登場により、企業が環境に意識した経営活動を行わなくてはならず、また、社会を構成する一員として、企業に求められるのは伝統的なステイクホルダ―による営利追求だけではなく、社会的責任を求められるようになってきていることを学ぶ。そして、企業の社会的責任と、期待される企業像について、ステイクホルダーとの関係性の視点から学ぶ。

主題細目①
テキスト 第5章 「現代の理想的企業像」pp.94-104
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第5章 「現代の理想的企業像」pp.105-109
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① ステイクホルダー ② CSR・コンプライアンス ③ SDGs
細目レベル ① ステイクホルダーの概念と、株式会社における、株主・債権者・取引先・従業員・消費者顧客、政府地方自治体、地域住民といった、それぞれのステイクホルダーとの関係性や利害対立・情報提供について理解する。
そして、従来の消費者はより安くよりよい品質といった商品選択志向をもっていたが、そこから新たによい環境にやさしい商品を選択しようとする、環境に特化した新たなステイクホルダーである、グリーンコンシューマーが現れ、同様に、より環境にやさしい企業に投資しようとするグリーンインベスターやより環境にやさしい企業と取引しようとするグリーン購入・グリーン調達が現れ、こうした動きに対しての企業の対応について環境経営の視点から理解する。

② 企業には営利追求だけでなく、社会の構成員として果たすべき責任として、企業の社会的責任(CSR)があることを理解し、こうした考えが生起した経緯や背景を軸に、その特徴を現状とともに理解する。
また、企業の社会的責任(CSR)については、公害問題のような社会に対する企業の責任を求める声がその始まりであったが、これとは異なり企業の不祥事を契機として普及したコンプライアンスについて、それが企業の法令遵守として定義され、法令違反などによる企業の不祥事を背景として、企業に徹底した法令遵守を迫り、それによる安全性の高い、健全な経営活動を求めるものであることを学び、企業の法令遵守について、様々な事件・事故を通じて、失敗例から企業の本来あるべき姿を理解する。

③ 環境・経済・社会というトリプルボトムラインの観点から、企業と社会との持続可能性の考え方を理解し、つぎにSDGsの考え方を学ぶ。
SDGs が2016 年から2030 年までに達成すべき国際的な目標であり、その達成のために、17 項目と169 のターゲットが構成され、国連に加盟する全ての国が環境問題や貧困問題、世界平和などの持続可能な開発に向けた目標を達成するために様々な取り組みを行っていることを学ぶ。
また、世界的にESG 投資が行われており、企業がESG に配慮することで、環境や社会、経済が継続的により良い状態になっていくため、国だけではなく企業も目標達成に向けて参加をしていることを理解するとともに、達成状況について、国際的および日本の状況を理解する。

キーワード ① ステイクホルダー ② CSR ③ コンプライアンス ④ サステナビリティ ⑤ SDGs
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第14回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第5章を読んで、現代の理想的企業像について自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。
また、現代の理想的企業像として挙げられた条件から身近な実存の企業で模範例となる事例を想定してみたり、逆に授業で紹介した他にコンプライアンスが問題となった不祥事発生企業の例を考えたりしてみること。
さらに、身近な企業や地方自治体でのSDGsへの取り組み例を考え、よりいっそう達成度があげるためにはなにが必要かを考えてみると良い。

15 環境問題への対応・サステナブル経営 科目の中での位置付け 多くの身近な事例を紹介しつつ、企業論的視点から、企業行動に関する基礎知識を修得させるとともに、経済主体の一つである企業行動の影響を理解させ、産業の動向や日本経済の実際を広く理解させるよう3部構成として展開していく。
具体的には、受講者が経営学を身近に感じられるように、アルバイト先企業や生活の中で身近な企業を想定し、第1部では、企業の概念、組織構造、特徴について、実際にアルバイト先企業や受講生が将来働く企業を意識して、その際のマネジメントや組織管理の手法などを事例としてあげながら解説していく。
第2部では、企業の行動原理について多くの事例を紹介しつつ、受講生自身に身近な事例の想定を促し、経営学的視点から解説していく。
第3部では、企業が直面している課題・問題とその対応について理解し、理想的な企業像を理解することができるようにしていく。
第15回では、第3部として考察する企業が直面している課題・問題とその対応のうち、 環境問題を概観し、日本経済や産業・企業が環境問題にどのように対応し、いかに環境への対応をビジネスチャンスとして捉えてきたかについて学ぶ。

主題細目①
テキスト 第9章 「日本経済と環境問題―環境経営の時代へ」pp.179-184
コマ用オリジナル配布資料

主題細目②
テキスト 第9章 「日本経済と環境問題―環境経営の時代へ」pp.184-188
コマ用オリジナル配布資料

主題細目③
テキスト第9章 「日本経済と環境問題―環境経営の時代へ」pp.189-197
コマ用オリジナル配布資料
コマ主題細目 ① 経済成長と環境問題 ② 環境債務 ③ サステナブル経営
細目レベル ① 日本経済が急速に拡大した高度成長期には、エネルギー消費が飛躍的に増大し、産業構造の変化とともに企業の利益追求が優先され、その結果、環境への配慮が疎かにされ、各地で環境問題が発生したことを学ぶ。
また、経済成長とともに発生した公害に対して政府や産業・企業がいかに対応してきたかについて、現在に至るまでに発生した環境問題の変遷を理解し、そうした環境問題に企業がいかなる対応してきかを時系列的に学ぶことで、日本経済・産業・企業にとっての新たな課題といえる環境問題への対応と、環境を意識した経営活動、すなわち環境経営が重視されてきていることについて理解する。
さらに、環境に配慮した企業活動が企業存続のための必須課題となるなかで、増加しつつある企業の環境情報開示の現状についても理解していく。

② 環境債務とは、企業の過去及び現在の活動により、企業の有形固定資産や周辺の環境に対して何らかの影響を及ぼしているか、あるいは将来及ぼしそうな、損失、費用のことであることを学び、この環境債務は、企業の社会的責任(CSR)、とりわけ企業行動が環境に与える影響が論じられる以前は、クローズアップされることもなく、企業が自らの所有地に環境負荷を与えるような汚染物質を廃棄しても、法的にも倫理的にも問題とならないこともあったが、しかしながら、環境問題が社会の大きな関心事となり、法規制の強化とともに企業の社会的責任(CSR)やコンプライアンスが重要視されるなかで、環境に負荷を与える汚染物質や廃棄物を適切に処理するための企業の費用負担は増加していることを学ぶ。
そして、環境汚染物質の規制に伴い発生した環境債務、つまり、以前は問題とならずに使用されてきたものの、その後環境汚染物質として規制されるようになり、その除去などの適切な処理のための支出が見込まれる例を理解し、これらが、経済成長の「負の遺産」であり、現在の日本経済が抱える環境問題であることを理解する。

③ 近年、現代企業をとりまく状況が大きく変化し、この変化が企業の経営姿勢を大きく変貌させており、個々の企業の利益追求のみの経営姿勢ではなく、環境に配慮した企業行動によって地球環境との共生を図り、自らの企業と社会全体との持続可能な発展を目指すという経営姿勢に変化してきていることを学ぶ。
そして、環境に配慮した企業行動が企業経営における不可欠の要素となりつつあるなかで、企業は環境問題への組織的対応をはかり、環境戦略として積極的に環境問題に取り組むことによって競争力を獲得しようとしており、こうした企業の環境問題への取り組みについて、環境省が企業の環境保全に向けた取り組みを継続的に把握し、その成果を普及させていくことを目的として、平成3年度より実施している「環境にやさしい企業行動調査」の調査結果を詳細に分析・考察し、日本企業が環境問題にいかに対応し、環境を意識し、持続可能な経営、つまりはサステナブル経営に取り組んでいるかを理解する。

キーワード ① PPP ② PRTR ③ 環境情報開示 ④ 環境マネジメントシステム ⑤ サステナブル経営
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習課題:コマシラバスの第15回該当部分を読み、講義内容を把握し、テキスト第9章を読んで、日本における環境問題に対してどのように日本企業が対応してきたのか、また、進展してきた環境経営の実態について自らの理解をまとめておく。
復習課題:コマ用オリジナル配布資料を講義中のノートの記録から完成させておくとともに、履修判定指標を確認して、今回講義での重要ポイントを再確認しておく。
また、公害の定義、7大公害、4大公害訴訟についてその詳細を覚えること。そして、授業中に紹介した平成3年度より実施している「環境にやさしい企業行動調査」の調査結果にもとづいて、そこから読み取れることとして、日本企業が環境問題にいかに対応し、環境を意識した経営活動である環境経営に取り組んでいるかを自ら述べることができるようにしておくこと。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
企業の概要・組織構造 企業の形態を経済学的形態と法的形態の2形態から理解し、私企業を、個人企業、合名会社、合資会社、株式会社、協同組合、相互会社などに分けることができ、その特徴を解説でき、株式会社が普及している理由をその特徴から理解して、企業の類型や株式会社の構造の特徴を、述べることができる。
また、組織を編成する上での原則を列挙でき、職能がなにかを理解し、組織の内部構造について、その特徴を短所・長所として理解できている。
所有と経営の分離、職能、水平的分化、垂直的分化、ライン組織、ライン&スタッフ組織、マトリックス組織、事業部制 15 2.3
経営管理・マネジメント テーラー、スローン、ファヨールの提唱したそれぞれのマネジメント論の特徴を理解できている。テーラーの提唱した科学的管理法の詳細を理解し、その特徴を述べることができ、時間研究や動作研究、差異化出来高賃金制の内容を理解できている。
また、フォードが躍進した背景として採用した生産方式、そして、衰退した理由をT型フォードの普及とあわせて理解し、その後、GMが急速に成長し、現代の自動車販売においても用いられているスローンが採った政策を述べることができるとともに、ファヨールの提唱した管理原則も列挙できる。
科学的管理法、課業、時間研究、動作研究、事業部制 5 4
人的資源管理 人的資源管理の基本的知識として、インストール(雇用管理)、メンテナンス(作業条件管理・報酬管理・福利厚生・労使関係管理)、バージョンアップ(教育・人材開発)の3段階で理解し、科学的管理法と人間関係論の違いをその特徴から明確に述べることができる。
また、マクレガーのX論やY理論の特徴や衛生要因と動機付け要因として、≪衛生要因≫ (満たされないと不満を感じ、満たされても満足を感じない)ものや≪動機付け要因≫ (満たされると高い満足を感じ、満たされなくても不満を感じない)ものが分けられる。また、年功序列制や終身雇用制度、新卒一括採用の特徴として利点と問題点をあげ、それに変わる能力型賃金制度や通年・中途採用の長所と短所を述べられる。
終身雇用制度、年功序列型賃金。企業内組合 15 5.6
日本的経営 日本的経営および生産管理におけるトヨタ生産方式の特徴を理解できている。具体的には、日本的経営の特徴となる代表的な3つを挙げることができ、日本企業の人材開発の特徴として、長期にわたる職場での訓練 =On the Job Trainingと、企業内におけるさまざまな部署の異動=ジョブローテーションの特徴と長所・短所を理解しており、さらには、トヨタ生産方式の2つのかんばん方式および自働化の特徴を説明できる。 QCサークル、トヨタ生産方式、かんばん方式、ジャストインタイム、自働化 10 7
経営戦略 企業の行動原理としての経営戦略について、その理論的枠組みを理解し、事例を通じて競争戦略の特徴を理解できている。
具体的には、戦略策定のプロセスの実践として、①戦略策定の識別②環境分析③資源分析④ギャップ分析⑤戦略的代替案の作成⑥戦略的代替案の評価⑦戦略の選択があること、そして、市場マトッリクスを理解し、そこから採るべき戦略を、市場浸透、製品開発、市場開発、多角化のいずれとなるかを述べられるようにしておくこと。
さらに、ポジショニングアプローチの内容を述べ、それぞれのポジションの企業が採るべき競争戦略を理解し、さらに、コストリーダーシップ戦略の特徴やその代表的企業、差異化戦略の特徴やその代表的企業、集中戦略の特徴やその代表的企業、を述べられるようにしておく。また、授業で紹介した企業をコストリーダーシップ戦略・差異化戦略・集中戦略の例として挙げられる。
多角化、M&A、コストリーダーシップ戦略、差異化戦略、選択と集中 20 8.9.10
マーケティング 戦略行動のうち、事業戦略・販売戦略についての基本的知識、および分析手法を理解できている。具体的には、4Pを挙げられ、SWOT分析がどのようなものかを説明でき、競争地位戦略から、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの説明やそれぞれが採るべき戦略が述べられ、製品戦略、価格戦略、流通戦略、販売促進戦略について、それぞれの特徴を述べることができる。
また、PPMの詳細を説明でき、花形・負け犬・金のなる木・問題児として位置づけられた事業がどのような選択をすべきかを答えることができる。
PPM、3C分析、SWOT分析、競争戦略、競争地位戦略、4P 20 11.12.13
CSR・コンプライアンス・SDGs 企業のあるべき姿をステイクホルダーとの関係性として、株主、債権者、従業員、取引先、顧客、地域住民、国・地方自治体との関係から説明することができ、また、CSR、サステナビリティ、コンプライアンスといった視点から理解できる。
具体的には、CSR、サステナビリティ、コンプライアンスとはなにかを説明でき、つぎに、さらに、身近な企業や地方自治体でのSDGsへの取り組み例を考え、よりいっそう達成度があげるためにはなにが必要かを述べることができる。
CSR、ステイクホルダー、サステナビリティ、コンプライアンス、SDGs 5 14
環境問題への対応・サステナブル経営 企業の環境問題への対応と情報開示について理解できてきている。具体的には、公害の発生した原因を当時の経済状況に照らし合わせて説明することができ、公害の定義、7大公害、4大公害訴訟についてその詳細を述べることができ、その後の環境への政策を時系列での理解できている。
また、「環境にやさしい企業行動調査」の調査結果にもとづいて、そこから読み取れることとして、日本企業が環境問題にいかに対応し、環境を意識したサステナブル経営に取り組んでいるかを述べることができる。
7大公害、4大公害、公害対策基本法、PPP、環境債務、環境情報開示 10 15
評価方法 試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 釜賀雅史・岡本純編著『現代日本の企業・経済・社会 第2版』学文社、2019年、¥2,640(税込)
参考文献 北中英明『プレステップ経営学』弘文堂、2009年、¥1,980(税込)
実験・実習・教材費 なし