区分 専門科目-基盤看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の中の基盤看護学、基礎看護学に位置づく。本科目は、看護教育課程における最も主要な科目のひとつであり、看護を学ぶ原点として位置づくものである。本科目を根幹として各看護の専門科目が深化・発展し、看護学の学びが進められていく。
科目の目的
看護学の導入として、看護の概念・定義から看護とは何かについて学ぶとともに、看護の歴史的発展過程や主な看護理論から看護の対象、看護の役割・機能について理解することを目的とする。また健康と個人・家族・環境との関わりについて概観し、保健医療福祉チームにおける看護活動について理解する。さらに看護と倫理的側面について理解し、医療従事者と倫理、看護実践と倫理を考察できる。本講義は看護実践科学の基礎となるものであり、看護専門職になるために必要な知識・技術、判断力を修得するために看護学を学習する上での基盤を形成する。
到達目標
1.看護の定義について説明できる。
2.健康の定義が説明できる。
3.社会(環境)の中で、生活する人間について全人的存在であることが説明できる。
4.看護の対象について理解できる。
5.人間の健康問題・課題に対して看護としての関わり(役割・機能)が説明できる。
6.保健医療福祉分野における看護活動が説明できる。
7.生命の尊重や人間の尊厳について看護倫理として説明できる。

科目の概要
看護初学者が「看護とは何か」について学び、看護の基本概念を踏まえて看護学の知識体系を把握し、専門職としての看護の役割・機能について考える。看護活動の対象である人間を、成長・発達、ライフサイクル、生活主体としての側面から理解し、健康上のニードの充足と自立・適応に焦点をあてた看護活動について学ぶ。看護の基本は安全・安楽・自立・その人らしさの保障であり、QOLを追究することにある。生命・人間の尊厳や基本的人権を基盤に看護を展開することの重要性を認識し、看護専門職として看護の対象に向き合うための基本的知識・態度を培う。また、エビデンスを踏まえた看護実践のために、いくつかの看護理論やクリティカルシンキングについても学び、自分の看護観の形成につなげていく。看護の定義・概念、看護専門職、看護の役割・機能、健康の定義、人間と環境、人間のニーズ等について教授する科目である。
科目のキーワード
看護 人間 環境(社会) 健康 ケア/ケアリング キュア 看護行為 専門職 看護の定義 看護理論家
看護理論 保健師助産師看護師法 ヘルスケア活動 チーム医療 医療法 看護の役割・機能 看護の役割拡大
専門看護師 認定看護師 認定看護管理者 特定行為に係る看護師 健康の定義 マズローの欲求理論 
ストレスとコーピング 医療倫理 看護倫理 医療安全 

授業の展開方法
講義にはパワーポイントを使用して講義を展開する。学生にはパワーポイントの講義内容に沿った、穴埋め式の講義資料を配布する。学生はその配布資料を活用し、講義内容の把握だけではなく事後学習にも活用し、知識の定着に努める。講義終了時には前回の講義内容の復習として小テストを実施し、次回の講義内に解説とともに解答する。小テストを繰り返すことで、確実な知識の定着につなげる。また小テストとともにリアクションペーパーを配布し、学生から講義内容の質問があった場合には次回の講義でフィードバックする。
オフィス・アワー
研究室716:月曜5限・火曜5限
Email:n-nakajima@uhe.ac.jp

科目コード ERG01
学年・期 1年・前期
科目名 看護学原論Ⅰ
単位数 2
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】30h
【予習・復習】60h
前提とする科目 本科目は看護学を学修するための基礎をなすものであり、他の科目の履修を前提とはしない。但し看護学は、人間の理解を基本におき、健康・社会(環境)との関連性において、看護の在り方を論じるため、人間・社会・看護・健康を論じた文献等に関心を持つことが求められる。
展開科目 本科目は、専門基礎科目、専門科目を展開するための基礎となるものであるため、すべての科目が本科目の展開科目として位置づけられる。特に看護学概論Ⅱは展開科目の主要科目として位置づく。
関連資格 看護師資格 保健師資格
担当教員名 中島紀子・松山キャンパス教務課
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1  看護とは 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第1回目は看護学の導入として、「看護とは何か」を考え理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学① P2-8.
看護学概論第5版、ヌーベルヒロカワ、p2-11
第1回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P39-45.
第1回講義資料p3

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学① P39-45.
M.メイヤロフ著、田村真・向野宣之訳、ケアの本質ー生きることの意味ー、ゆみる出版、2006、p17-32.
第1回講義資料p4
コマ主題細目 ① 看護という言葉の意味 ② 看護の対象 ③ ケア/ケアリングとキュア
細目レベル ① 看護の初学者にとって看護とは何を差し、看護師はどのような職務を担う存在なのだろうか。看護師は医師に従属する存在ではなく、医師とは異なる「独自の機能を持つ専門職」である。一般的に、人が人に関わってその人の世話をしたり、その人の健康上の問題・課題を考えるとき、その営みを「看護」ということができる。そういった「看護」という言葉の意味を把握することができる。また、看護の原点や看護の語源を学び、看護が意味するものや看護のイメージを膨らませ、自分が思う「看護」とは何か、また「看護師の役割」とは何かを自分の言葉で表現することができる。さらに、それらを通して今後看護に必要な知識や技術、態度を修得するための主体的学習の必要性について理解することができる。
② 看護の対象は①乳幼児・高齢者などの発達段階を示す要素、②傷病者・虚弱者・障害を有する人、死にのぞむ人々などの健康レベルを示す要素、③個人・家族・集団・コミュニティなどの対象の範囲を示す要素とされている。看護の対象を理解するためには、人体の構造と機能を理解することが基本であるが、「病気そのものを理解する」ことだけではなく、「病気を持つ人を理解する」ことが必要となる。また、別の視点として「成長と発達」がある。人間は生を受けてから死に至る一生涯の過程の中で人々によりはぐくまれ、環境との相互作用によって成長する。その継続的な時間の流れにそって人間を理解する。さらに、看護の対象は個人に限定されるものではなく、家族・集団・地域といった広がりを持つ。看護の対象を個人だけではなく家族全体とする必要性は何なのか理解する。
③ ケア/ケアリングとはどのようなものか。ケア/ケアリングは様々な意味でとらえられているが、「看護の本質」であり、臨床看護実践の中心にあることに変わりはない。日常的には明確な区別なく「ケア」「ケアリング」と表現されているが、「ケア」と「ケアリング」の意味する内容は看護理論家によって異なっている。例えば、ワトソンは看護においてケアは行為をさし、ケアリングはむしろその基盤をなす態度や心をさすと述べているのに対し、レイニンガ-はケアは現象であり、ケアリングは行為であるとしている。そこで看護におけるケアあるいはケアリングを探求した看護理論家がケア・ケアリングをどのようにとらえていたか概説し、ケアの本質について理解する。またケア(care)とキュア(cure)の相違について学び、看護実践におけるケアとキュアの違いを理解する。
キーワード ① 看護の概念 ② 看護の対象 ③ ケア ④ キュア ⑤ 全人的医療
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

2  近代看護の歴史的変遷 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第2回目は「近代看護の歴史的変遷」を学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P10-12
基礎看護学①看護学概論、メヂカルフレンド社、2021、p50-51
第2回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P12-13
基礎看護学①看護学概論、メヂカルフレンド社、2021、p52-54
第2回講義資料p2-3

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P13-14
基礎看護学①看護学概論、メヂカルフレンド社、2021、p54-61
第2回講義資料p3

④系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P15-16
基礎看護学①看護学概論、メヂカルフレンド社、2021、p61-64
第2回講義資料p4

⑤系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P17
基礎看護学①看護学概論、メヂカルフレンド社、2021、p65
第2回講義資料p4
コマ主題細目 ① 看護の起源から中世の看護 ② 中世から近代の看護 ③ ナイチンゲール ④ 現代の看護 ⑤ ブラウンレポート
細目レベル ① 古代ギリシャでは神殿に多くの病者が集まり、神殿に宿泊して祈願すると医神が治療法を暗示するという神殿医学が発展し、病院のような機能をもった施設も現れた。その後、ギリシャ文明が発展するともに多くの科学者があらわれて生命現象の探求が活発になった。この時代、環境を含めた病人全体の観察の重視、自然治癒力の尊重など、現代の看護にも通じる考え方がめばえていたが、病人の看護は家族や召使が担っていたと推測されており、看護が単なる看病以上の特別の意味や専門性を持ったり、それを専業する職業が生まれたりすることはなかった。看護については変化はあまり見られず、看護が特別の意味を持つ活動として発展するのはまだ先である。このように、看護が人間の生活の歴史の中でどのように生まれ、かたちづくられてきたのかその変遷について理解する。
② キリスト教の広まりとともに、キリスト教の精神である「隣人愛」と「弱者の救済」という教えは、看護が発展する土台となった。教会には救療施設がつくられ、女性信者や修道士による看護が行われた。看護中心の組織は、のちのヨーロッパ各地に出現する病院の原型になった。このように中世ヨーロッパは宗教的看護の全盛であり、看護の黄金期とも称されたが、その後教会の力が弱まり、宗教的奉仕の精神も衰えると、看護は一時大きく後退し暗黒時代へとつながった。さらに宗教改革により宗教的看護は縮小し、専門的教育を授ける期間はなく、知識もないまま粗末な看病が行われており、看護の質は低下した。このような看護の歴史を脱したのにはナイチンゲールの存在があることを理解する。
③ 「近代看護の祖」とされているナイチンゲールは、クリミア戦争に従事し戦争で負傷した傷兵の看護にあたった。ナイチンゲールは病院の療養環境が劣悪であり、傷病兵の死亡率の高さは病院の衛生環境の悪さであると訴え、病院の改革にとりかかった。その結果、傷病兵の死亡率は激減したといわれている。ナイチンゲールは衛生管理を中心として負傷兵の死亡率を激減させたが、細菌学が発展途上で病原体という概念すら確立されていない時に衛生改善に目を向け、健康状態の改善に大きく貢献した。そういった考えの根本は現代の看護にもそのまま通じるものであり、ナイチンゲールの代表的な「看護覚え書」は看護初学者が必ず手にする教書である。ナイチンゲールはセントトーマス病院の敷地内に病院とは独立したナイチンゲール看護学校を設立しており、看護教育の礎を築いた功績は大きく、そのナイチンゲールの考えを学び理解する。
④ ナイチンゲール方式の看護教育がアメリカで導入されたのは1873年であり、その後専門養成機関の拡大と近代化がすすめられた。1893年にはジョンズ‐ホプキンス大学で初めて大学を基礎とした教育が開始され、1907年にはアメリカにおける教育近代化の第一人者と言われるナッティングが世界で初めて看護学の教授としてコロンビア大学に就任し、1908年にはコロンビア大学ティーチャーズカレッジに看護教育学科が開設された。1909年には世界初の看護学士課程がミネソタ大学に設置され、高等教育化の伸展の素地がつくられた。中でもコロンビア大学はペプロウ、ヘンダーソン、アブデラ、オーランド、ウィーデンバック、ロジャースなど看護学構築期に活躍した多くの看護理論家を輩出しており、その歴史的流れを理解する。
⑤ 1923年エール大学のゴールドマークとウィンスローが調査報告書「アメリカにおける看護および看護教育」(通称ゴールドマークレポート)を公表した。これにより看護の活躍の場は病院だけではなく、疾病の予防や健康増進のために地域社会にも拡大される必要があること、従来のような病院医療中心の医学的知識や看護技術だけではなく、公衆衛生や社会的側面など、幅広い知識の教育が必要なことなどのさまざまな勧告がなされた。これを機に看護は入院患者のケアだけに限らず、健康な人も対象に含む方向に進んでいくが、第二次世界大戦の勃発と拡大は看護教育の停滞をもたらした。戦後看護教育の債権をはかるため、全米看護委員会の依頼を受けた社会人類学者のブラウンらによる調査報告書「これからの看護」(通称ブラウンレポート)が発表され、客観的な立場で看護にかかる社会的な期待が大きいことを述べた。この報告により看護の重要性が認識されるようになり、看護の高等教育化に拍車がかかった。この近代看護の発展の過程を理解する。
キーワード ① 看護覚え書 ② 看護の基本となるもの ③ ブラウンレポート ④ 専門職基準 ⑤ 看護の定義
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

3 わが国の看護改革と職業としての看護の成立 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」を考え理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P138~140.
田村やよひ著、保健師助産師看護師法 第2版、日本看護協会、2015
第3回講義資料p1-3

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P140-143.
田村やよひ著、保健師助産師看護師法 第2版、日本看護協会、2015
第3回講義資料p4-5

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P143-146.
田村やよひ著、保健師助産師看護師法 第2版、日本看護協会、2015
第3回講義資料p5-6

④系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P147-149.
田村やよひ著、保健師助産師看護師法 第2版、日本看護協会、2015
第3回講義資料p7-8

⑤系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、P165-168.
田村やよひ著、保健師助産師看護師法 第2版、日本看護協会、2015
第3回講義資料p8
コマ主題細目 ① 職業としての看護の始まり ② 職業としての看護の確立 ③ 職業としての看護の充実 ④ 職業としての看護の発展 ⑤ 専門看護師・認定看護師
細目レベル ① わが国において、看護職という職業がどのような社会的背景の中で確立し発展してきたのかについて学ぶ。古来より妊娠や出産に際して助け合ってきた中から産婆が誕生していった。明治時代に入ると産婆と医師の業務を区別し、1899年には「産婆規則」が定められ、産婆の試験・免許・業務・養成教育などが全国で統一された。明治期半ば以降は看護婦学校や看護婦講習所が設立され始めたのに伴い、専門的教育を受けたものが増え始めた。1915年「看護婦規則」を公表し、看護婦に関する試験や免許を統一した。さらに大正期に入る頃から地域を巡回する事業を行うようになり、1937年に「保健所法」、1941年に「保健婦規則」を成立させ、保健衛生行政を確立させた。満州事変以降の戦中期には看護婦は急激に不足したため、「看護婦規則」を改正し増員をはかったが、数多くの命を奪うことになった。このような日本における専門職としての看護の始まりについて理解する。
② 第二次世界大戦後、GHQの占領下におかれた日本は、看護に関する諸制度も改革された。一連の改革において基本になっていたのは、病者に限らずすべての人々の健康保持増進に向けて総合的に看護するという総合看護の考えであった。これらの考えに基づいて、新しい看護教育・看護行政・看護管理などを少しずつ定着させていった。1946年東京看護教育模範学院を誕生させ新しい看護教育のモデルを示した。1948年「保健婦助産婦看護婦法」が制定され、看護職は資質の向上や専門職としての自立を目指した。看護に関する諸制度も整備され、医師の補助から看護ケアへと修正された。また1961年国民皆保険制度に完成し、人々が医療を受けやすくなったことで看護婦不足はますます悪化したが、1人夜勤を廃止する等労働条件の改善がなされた。看護教育制度も変革し、看護職はより確かな専門職へと歩み始めたという日本の看護教育の始まりと確立までの流れを理解する。
③ 戦後、看護教育の高等教育化が進んだ。1952年高知女子大学が誕生し、其の翌年には東京大学においても看護教育が開始された。しかし戦後も看護婦不足は慢性的に続いており、これを改善するために、診療報酬制度が改定され、病院における看護婦の数が改められた。この制度の導入により、看護婦の勤務状況は改善し看護婦の確保も効果をあげた。しかし地域医療計画とともに再び看護婦不足が社会的に問題となり、1992年「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」が策定・施行された。看護の現場において看護婦が確保できても、看護が看護学として学問体系に発展させ普及するためには学術活動が不可欠となる。そのため1967年日本看護学会、1981年日本看護研究学会と日本看護科学学会が設立され、看護学を発展させる大きな推進力となった。看護職は男女共同参画とともに看護婦から看護師へと名称も変更された。このような看護の発展の過程を学び理解する。
④ 看護職の量的確保だけではなく、質的確保が問われるようになり、1995年日本看護協会が、専門看護師と認定看護師を制定した。また1990年代後半から看護教育の大学教育化が急速に進み、1989年にはわずか12校だった看護系大学は、2015年には250校にのぼった。大学院教育も行われるようになり、看護管理者や専門看護師などの役割を担って現場で活躍したり、看護系大学の教員となって看護学の教育と研究に携わるようになった。しかし、根本的に看護師不足は続いており、看護職の確保と定着に向け、潜在看護師の支援や新人看護師の離職対策がなされている。日本は超高齢化と少子化が進展しており、これまでの看護体系だけではなく、今後の課題にも目を向け理解する。
⑤ 専門看護師・認定看護師・認定看護管理者は日本看護協会が認定している資格である。専門看護師と認定看護師はスペシャリストとして、より高度で専門的な看護実践の提供と看護の質向上に寄与している。専門看護師の教育は大学院修士課程で学び、6つの専門的役割が求められていることを理解する。認定看護師は、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識をもち、3つの役割をもつことを理解する。認定看護管理者は管理者として優れた資質を有し、創造的に組織を発展させることができる能力を持つことを理解する。また特定行為に関わる看護師制度も発足し、「診療の補助」業務の拡大が求められていることを理解する。
キーワード ① 保助看法 ② 看護の専門分化 ③ 看護の高等教育化 ④ 高齢化への対応 ⑤ 看護教育の大学教育化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第2回のわが国の発展的変遷について理解できるよう復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

4 国民の健康・生活全体の把握 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」を考え理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p108-112.
「看護学概論」メヂカルフレンド社 P101~108
第4回講義資料p1-3

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p112-115.
「看護学概論」メヂカルフレンド社 P101~108
第4回講義資料p4-6

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p116-136.
「看護学概論」メヂカルフレンド社 P101~108
第4回講義資料p6-8
コマ主題細目 ① 健康のとらえ方 ② 生活と健康 ③ ヘルスプロモーション
細目レベル ① 看護職者が出会う1人の一人の患者や家族の生活背景は多様であり、その健康レベルもさまざまである。病名は同じでも、個人を取り巻く家族や社会の状況は千差万別であり、私たちは個人の属する社会の全体像を理解した上で、1人ひとりと向き合うことが必要となる。あらためて「健康とは何か」と問われると難しいが、1946年世界保健機構(WHO)は、健康に関する定義を行い健康について定義した。また同年に公布された日本国憲法第25条においても健康に関する文言が盛り込まれた。自分自身の健康のとらえ方(主観的健康観)は本人の生き方や価値観、生活に大きく関連しているが、個々の健康や疾病・障害に対する価値観や受け止め方もさまざまであり、このことを意識して対象を理解することが看護を展開する際に重要となることを理解する。
② 看護学では対象者の生活を理解することが不可欠である。生活を構成する要素の1つに時間がある。この生活時間は、年齢や性別や仕事の種類の影響を大きく受ける。また生活を習慣という個人の行動様式で見ることもできる。この生活習慣は健康と深く関係している。このように生活が健康に与える影響は大きく、日頃の生活に気をつけることによって疾患や障害をある程度予防することができる。リーベルとクラークは健康レベルを5段階に分け、一次予防、二次予防、惨事予防という考え方を提示した。一次予防は健康増進と特異的予防に分けられる。二次予防は早期発見・早期治療が中心であり、三次予防は疾病による傷害を最小限にすること、およびリハビリテーションが含まれる。これらの考え方を学び理解する。
③ 健康は基本的人権であり、最高水準の健康を達成することは、最も重要な社会的目標の1つである。1978年、WHOと国連児童基金(UNICEF)が共催した国際会議で、プライマリヘルスケア(PHC)に関するアルマ-アタ宣言が採択された。宣言の中では「2000年までにすべての人々に健康を」という目標が打ち出され、PHCは目標を達成するカギとされた。またPHCとならんで重要な概念とされるのが、ヘルスプロモーションである。1986年に第1回国際会議でオタワ憲章が採択され、ヘルスプロモーションは「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義された。PHCとヘルスプロモーションは似て非なるものであり、PHCは保健の社会化、ヘルスプロモーションは社会の保健化と言われている活動について理解する。
キーワード ① ヘルスケア ② セルフケア ③ プライマリーケア ④ チーム医療 ⑤ 看護の役割・機能
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。看護の役割・機能が病院でどのように発揮されているかイメージを働かせ、地域における主な看護活動の場を理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

5 保健医療提供システム 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第5回目は「保健医療提供システム」について考え理解する。

①看護学概論第5版、ヌーベルヒロカワ、p124-129
第5回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p219-231
第5回講義資料p3-8

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p231-246
第5回講義資料p9
コマ主題細目 ① 保健医療福祉とは ② 保健医療福祉の現状 ③ 地域包括ケアシステム
細目レベル ① 保健とは「健康を維持し、疾病予防・疾病からの回復・再発予防のために個人および地域社会の健康レベルを向上させること」と第3次国民健康づくり施策;健康日本21で述べられている。また、医療とは「医療は生命の尊厳と個人の尊厳の保持を旨とし、医師・歯科医師・薬剤師・看護師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、および医療を受ける者の心身の状況に応じて行われるとともに、その内容は単に医療のみならず、疾病の予防のための措置およびリハビリテーションを含む、良質かつ適切なものでなければならない」と医療法に定められている。福祉とは「一人ひとりの人間が人間としての尊厳をもって、その人のありたい姿や人生を自ら実現していくこと」である。これらの概念規定について説明できる。
② 医療機関で入院生活を送った患者は、病気や障害を持ったまま住み慣れた地域あるいは家に帰ることが多い。この場合、麻痺や障害を残して退院した場合、本人だけではなく家族に多くの不安が残る。看護職者は入院中から患者が帰る自宅の状況を把握し、そこでの生活を想定したリハビリテーションを実施する。しかし、在宅での看護を経験した看護職者も多く、患者の退院生活を円滑に進めるためには、在宅看護を担う看護職者との連携が欠かせない。このように療養の場やケアの提供者が変わる際に重要になるのが継続看護であるということを理解する。継続看護は1969年カナダのモントリオールで開催された国際看護師協会大会において「その人にとって必要なケアを、必要な場所で適切な人によって受けるシステムである」と定義されており、切れ目のない継続した看護を提供することが必要であるということを理解する。
③ 日本は超高齢社会を迎え、それに伴う疾界病構造の変化、高齢化と少子化がおこり、医療界・看護界ともに大きく変革している。これらの社会情勢の変化に伴う医療提供体制の変革、特に地域包括ケアシステムの構築(病院中心・入院中心の医療から地域・在宅中心の医療)の必要性を理解する。また国民意識も変化しているだけではなく、保険財政も悪化している。これらを解決するために、医療の適正化・効率化、社会福祉施策の変化が起こっているという現状を理解する。またノーマライゼーションについても理解する。厚生労働省が提唱しているノーマライゼーションとは、「障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す」という理念である。
キーワード ① 医療法 ② 看護サービス ③ チーム医療 ④ 継続看護 ⑤ 地域包括ケアシステム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。第2回のわが国の発展的変遷について理解できるよう復習する。看護のスペシャリストについて復習し理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

6 看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第6回目は「看護の主要概念;看護理論」として、ナイチンゲール、ヘンダーソンについて学び理解する。

①ナーシンググラフィカ看護学概論 P70-75
第6回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p23-24.p354-359.
ナーシンググラフィカ看護学概論 P132-134
第6回講義資料p3-4

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p23-31.p354-359.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p20-40、2017
ナーシンググラフィカ看護学概論 P70~75、132~134
第6回講義資料p4

④系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p25-27.p354-359.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p20-29、2017
第6回講義資料p5-6

⑤系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p27-31.p354-359.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p30-40、2017
第6回講義資料p6-8
コマ主題細目 ① 統合体としての人間 ② 看護理論の発展と分類 ③ メタパラダイム ④ ナイチンゲール ⑤ ヘンダーソン
細目レベル ① 人間とは何か、人間は単独で生きる存在ではない。自分以外の人々(環境)との相互作用の中で生き(生活し)、死んでゆく存在である。これを前提として、看護の対象である人間をどう理解し、どうとらえていくべきなのかが考慮されなければならない。看護は、対象の特定の部分に焦点をあてるのではなく、生活するもの(生活者)としてとらえ、身体はもちろん心理的側面、社会的側面および霊的側面から理解しようと試み、その人が生活の場で健康的で自律的に生きることができるように支援するのである。人間には「生きている」という静的生命活動とともに「生きてゆく」という動的な生命活動の両者がある。また人間は教育されうる動物であるといわれるように、人間の発達の特性、ニードをもつ存在、成長・発達する存在であるということを理解する。
② 看護理論とは、看護における知識を体系化し、看護に関連した現象を説明するための枠組みである。看護理論は、看護が学問的専門性を持つために、さらには看護職が専門職として認知されるために不可欠なものであり、看護理論は看護実践にとっても重要な意味を持つ。看護理論は看護職の専門的実践のよりどころとなり、専門職者として欠かせない批判的思考(クリティカルシンキング)や判断力を養うものである。理論の根本には「哲学」がある。哲学はさまざまな理論の礎となり、哲学からさまざまな理論が生まれる。それらを踏まえ、看護理論とはどういうものか、看護を論じるときになぜ理論が必要なのかを理解することができる。また、わが国に導入された主要な看護理論と理論の発展プロセスを認識できる。
看護理論家の業績は、その知識構造レベル(抽象レベル)のタイプとして、おおよそ「看護哲学」「概念モデル」「理論」に分類できる。看護哲学は、根本的な問いについての深い考察であり、概念モデルは独自の焦点をもち、その特徴に従った看護に対する1つ見方を提供するものである。理論は、看護のある側面に限定した説明の枠組みである。例えば、ペプロウ、オーランド、トラベルビーの理論などがあげられ、これらは人間の相互作用の側面に限定されたものである。このうち、特に具体性が高く抽象度が低い理論的知識を中範囲理論とよぶ。中範囲理論は看護状況や看護実践、対象の特徴などを特定して展開される理論で、看護実践に適応しやすい。これらの実践への活用について学び理解する。

③ 看護を学問として体系化するにあたって、先人の理論家は人間・環境・健康・看護の4つのメタパラダイムについて言及してきた。メタパラダイムとはある学問を体系化するための概念枠組みのことである。人間は看護活動の受け手であり、個人・家族・地域や特別な集団として生活している。人は生活を営む存在であり、生活には生物的な生命活動としての生活としての生理的側面、その人らしい日常生活を送るための行動様式として文化的側面、家族や社会においてどのような役割を果たしているのかという社会的背景、暮らしを立てるために必要な生計などに焦点をあてた経済的側面があるということを理解する。人間は全体(Whole)としての統合された生物的・心理的・社会的存在であることを理解する。
④ 看護覚え書きはナイチンゲールの代表的な著書である。ナイチンゲールは看護がどうあるべきか、何を看護とよぶべきかについて明確に定義し、現代もなお、看護の基本として認識されている。これらを学び、看護とは何かを考えることができる。
環境(社会)とは、看護活動が展開されている状況や看護活動の受け手を取り巻く状況である。ナイチンゲールは「病気」ではなく、存在している人そのものに目を向け、その人を取り巻く「環境」に着目し、いまだ細菌学も発展途上の時代に空気の清浄や病床の清潔など、「環境」を整えることの重要性を説いた。これはナイチンゲールの看護論が「環境論」ともいわれるゆえんである。ナイチンゲールは「患者の生命力の消耗を最小にするように整えることが看護である」と定義したが、これは現代の知識にあてはめると感染予防や栄養管理であり、ナイチンゲールの理論の正しさを裏付けている。看護学を学ぶ上で基盤となるナイチンゲールのこの「環境」についての他の理論家の定義も学び理解する。

⑤ ヘンダーソンは、看護がそのアイデンティティの確立に苦しんでいた時代に、医学とは違った「看護独自の機能」を明らかにした。ヘンダーソンの著書「看護の基本となるもの」は世界各国で翻訳され、ICN看護の定義にも引用されるほどの普遍性を持ち、その後の看護学発展の大きな礎となった。その著書の中でヘンダーソンは、看護の対象を健康人・病人・終末期とあらゆる健康レベルの人も含むと定義し、看護師の援助を必要とする人は「体力・意思力・知識」のいずれかが不足しているために適切な行動がとれないと考え、「その足りていない部分の担い手」になることが看護援助であるということを明確に表現した。その上で看護を必要とする人の基本的ニードとして14の要素をあげている。ヘンダーソンの理論は患者理解の基本であり、看護過程を学習する基盤となる考え方であるため、ヘンダーソンの述べた看護理論について理解する。
キーワード ① 人間 ② 環境 ③ 健康 ④ 看護 ⑤ メタパラダイム
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。看護のメタパラダイムについて、理解できるよう復習する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

7 看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第7回目は「看護理論」として、ウィーデンバック、オレム、ロイについて学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2018、p31、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p41-50、76-86、183-191、2017
第7回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2018、p32-34、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p41-50、76-86、183-191、2017
第7回講義資料p3-4

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2018、p34-36、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p183-191、2017
第7回講義資料p5
コマ主題細目 ① ウィーデンバック ② オレム ③ ロイ
細目レベル ① ウィーデンバックは看護の理論化がはじまったばかりの時代に活躍した初期の理論家であり、看護とは何かを系統的に記述しようとした。ウィーデンバックは著書「臨床看護の本質-患者援助の技術」において「臨床看護は目的志向的な援助技術である」とした哲学的な理論を展開した。ウィーデンバックは看護師の直接的な実務を、患者の「援助へのニード」を確認し、援助を行った後に成果を確認することと分析した。この理論の大きな特徴は、看護師が看護の目的を果たす、つまり「援助へのニードを満たす」ことができるよう、訓練された「思考と感情」を持っていると考えたことである。臨床看護は欠くことのできない「目的性」「熟慮」「患者中心」という3つの特性によりそれ以外の活動と明確に区別した。この理論を実際の看護場面を通し学び理解する。
② オレムは「セルフケア」の観点から看護を説明した。オレムの説明するセルフケアとは、「人や生命や健康、そして幸福を維持していくうえで自分のために活動をおこし、やりとげること」である。健康な人はセルフケアができ、自分に援助が必要な時が分かり、実際に情報を探すことができて、それに基づいて進んで行動できるが、健康逸脱などによってセルフケアを行う能力に不足を生じた場合、その程度(セルフケア要件)をアセスメントし、必要な援助を行うのが看護実践であると説明している。そのため、オレムの看護理論は「セルフケア不足看護理論」と呼ばれている。セルフケア要件には「普遍的セルフケア要件」「発達上のセルフケア要件」「健康逸脱によるセルフケア要件」の3つがあることを理解する。
③ ロイは精神物理学者のヘルソンの「適応レベル理論」とさまざまな減少をシステムととらえる生物学者ベルタランフィの「一般システム理論」の影響を受け、人間とその集団を「全体的な適応システム」ととらえた。つまり、人間とその集団は「生理的‐物理的様式」「自己概念‐集団アイデンティティ様式」「役割機能様式」「相互依存様式」の4つの適応様式を持つ適応システムであるとする。ロイは看護の目標とは、4つの適応様式における個人・集団の適応を促進することがと考えた。ロイの理論は「ロイ適応モデル」と呼ばれ、今日いう施設や医療施設で用いられているが、用語が難しく構造が理解しにくいため、事例を用いて用語を説明しながら理論を学び、その看護に対する考え方を理解する。
キーワード ① 看護理論 ② 援助へのニード ③ セルフケア ④ 適応レベル ⑤ 健康の逸脱
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。ナイチンゲールの看護覚え書を熟読し、ナイチンゲールの看護の考え方を理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

8 看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第8回目は「看護理論」として、ペプロウ、オーランド、トラベルビーについて学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p36-37、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p51-60、2017
第8回講義資料p1-3

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p37、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p135-144、2017
第8回講義資料p3-4

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p37-38、p340-345.
看護理論-看護理論20の理解と実践への応用、南江堂、p145-156、2017
第8回講義資料p5-6
コマ主題細目 ① ペプロウ ② オーランド ③ トラベルビー
細目レベル ① ペプロウは精神看護学の研究者であり、精神看護領域の看護師と患者の対人関係に焦点を当てた対人関係理論を構築した。ペプロウの著書「人間関係の看護論」の中で、「看護とは、創造的、建設的、生産的な個人生活や社会生活を目指すパーソナリティの前進を助長することを目的とした教育的手立てであり、成熟を促す力である」と定義されている。患者のパーソナリティの発達を促し成熟へと導き育てていくのは看護師の役割だと述べており、看護師‐患者関係には「方向づけ」「同一化」「開拓利用」「問題解決」の4つの段階があり、患者の自立を促進するために一緒に問題解決方法を検討していくことが重要であると述べている。この理論を学び、その看護に対する考え方を理解する。
② オーランドは著書「看護の探求-ダイナミックな人間関係をもとにした方法」の中で、看護は患者と看護師の力学関係の上に成り立っていると論じている。つまり、患者の行為が看護師に影響し、看護師の行為が患者に影響を与えるという相互関係によって看護が成立するというものである。オーランドは看護を「患者の言動」「看護師の反応」「看護師の活動」の3つの要素に分け、これらの要素が互いにからみあっている関係を看護過程と呼び、患者との相互作用を振り返るためのプロセスレコードへの記録を重視した。オーランドの提唱する看護過程記録(プロセスレコード)は、確かめの過程を意識的に身につけることによって、患者の反応も自然に引き出されて、患者がその場その場のニードを表出で消えるようにするためのものであり、実習場面での使用も多いため、理論とともに理解する。
③ 「専門実務看護師は、『病気の兆候を観察する』のではなく、特定の病気の症状を体験しつつあるかもしれないような、病気の人間を観察するのであり、その人がこうむっている主観的体験を観察するのである」と述べ、人間の観察の重要性を強調し、病気や苦難の中に意味を見出すように患者を援助するという人間関係論を中心に理論を展開した。トラベルビーの理論の中心概念は「人間対人間の看護」であり、看護における人間対人間の関係は、看護師という1人の人間と、看護ケアを必要としている個人との間の1つの体験または一連の体験を意味する。トラベルビーは人間対人間の関係が確立されるまでに4つの相互関連的な位相を明らかにした。その中では最終的にラポールという関係性が確立されると説明しており、この理論についても実際の看護場面を通して理解する。
キーワード ① 看護における人間関係 ② 看護概論ー適応モデル ③ 実践の概念 ④ セルフケア ⑤ システム理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。それぞれの看護理論家の看護理論について理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

9 環境と健康 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第9回目は「環境と健康」について考え理解する。

①社会・環境と健康第2版、医歯薬出版株式会社、p2-15
第9回講義資料p1-2

②社会・環境と健康第2版、医歯薬出版株式会社、p16-20
第9回講義資料p3-4

③社会・環境と健康第2版、医歯薬出版株式会社、p21-34
第9回講義資料p5-7
コマ主題細目 ① 環境に関連する環境事例 ② 健康や生活環境を守るための環境 ③ 地球環境を守るための国際的な取り組み
細目レベル ① 人間を取り巻く環境として、個人、家族、地域社会、自然、文化、生活状況について、グループディスカッションをして、健康に関連する環境事例を考えることができる。グループワークは4~5人を1グループとし、「人間を取り巻く環境」として、健康に関連する事例をあげ、ディスカッションする。ディスカッションの内容は提出用の記録にまとめ、ディスカッションの内容を2~3分にまとめ発表し、各グループの検討内容を共有する。また、「狼に育てられた子」を紹介し、人間の成長発達に必要な環境とはどのような環境か、また成長発達に必要な教育とはどのような教育か、また成長発達に影響を与える要因にはどのようなものがあるかについても考える。
② 人間を取り巻く自然環境における環境問題として、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音などがあげられている。看護を考える上で、環境を整えることの必要性はナイチンゲールの著書「看護覚え書」にも記されており、それらの環境問題が個人の健康状態にどのような影響を与えるのか、どのように環境を考え看護にむすびつけていけばいいのかということを学び考える。また、歴史的にそれらの環境が人々の健康にどのような影響を与え、どのような健康被害をもたらしたのか、歴史的背景についても理解する。さらに、それら自然環境だけではなく、生活に直接的、間接的影響を与える社会的諸条件(組織、制度、階級、構造、慣習)や、心理的環境も学び、健康との関連について考える。
③ 私たちが暮らす地球は、経済的に豊かになっている反面、さまざまな種類の環境問題を抱えている。それらはいずれも緊急性を要する問題であり、目を背けることはできない問題となっている。現在世界は25の環境問題(地球温暖化、気候変動、オゾン層の破壊、酸性雨、森林破壊、人口爆発、エネルギー問題、二酸化炭素の排出問題、食糧問題など)を抱えており、それらの原因や影響、現状について学び考え、自分の考えをまとめることができる。また、環境基本法(平成5年)による環境基準を理解し、生活に密着した環境問題を理解できる。さらに、先の地球規模におけるさまざまな環境問題について、原因や影響を考えるだけではなく、世界的にどのような取り組みが行われているかを理解する。
キーワード ① 自然環境 ② 社会環境 ③ 地球規模の環境問題 ④ グループワーク ⑤ ディスカッション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。自然環境と社会環境について理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

10 人間のニーズ;ストレスコーピング 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第10回目は「人間のニーズ」として、ストレスコーピングについて学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p78-84.
第10回講義資料p1-3
②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p85-87.
第10回講義資料p4-5

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p87-90.
第10回講義資料p6-7
コマ主題細目 ① ストレス ② ストレスと生体反応 ③ コーピング
細目レベル ① アメリカの生理学者キャノンはホメオスタシスという言葉を使って、人体の恒常性について説明した。カナダの生理学者セリエは、病気が異なっても患者に同じような症状が生じていることに着目し、それらを引き起こすメカニズムを新しい視点で解明した。セリエは、ストレスについて「1つのありさま、1つの状態であり、それ自身ははかることはできないが、体内諸器官に変化があらわれてその存在が分かる」「警告反応を起こすものはストレッサーであり、ストレス自体が反応を起こしているのではない」と説明している。また、「ストレスは単純な精神性緊張ではない」「ストレスは必ずしも身体によくないものとは限らない」と説明している。このセリエのストレス学説に基づき、看護の対象となる人々のストレスについて考える。
② 人は生活していくうえで、本人が意識せずとも絶えず何らかのストレッサーにさらされている。ストレッサーの種類はさまざまであり、特に現代社会においては人間関係や社会経済情勢(災害やリストラなども含む)などが大きなストレッサーになる。受療する患者は身体の異変だけではなく、治療や予後の不安、環境の変化、仕事や家庭内役割などの社会的役割の変化といった何重ものストレッサーにさらされることになる。そのような緊張状態が、原疾患以外に高血圧や胃潰瘍などの病気を引き起こし、さらにストレッサーを受け続けると抵抗力を使い果たし、疲弊して心身の機能が衰えた状態となる。このように人の「こころ」と「からだ」は密接に連携しており、人を対象とする看護では、身体的疾患だけではなく、同時にその人のこころの状態を見る必要があることを理解する。
③ 心理学者ラザルスは、日常生活上のできごとによって生じるストレスの影響と主観的認知の果たすはたらきの重要性に着目した。つまり、ストレスフルな状況かどうかは個人の主観的な解釈(認知的評価)によるという。感受性や傷つきやすさには個人差があり、また自分自身に危険(有害・脅威)が迫ったとき、どのようにその状況を切り抜けるのかという「対処(コーピング)」も異なる。ラザルスは、このストレスの認知・対処の過程には信念(個人的に形成された認知的形態)、コミットメント(何か強くかかわること)といった個人的要因や、社会的支援の有無などの環境的背景要因が大きく影響する、と述べている。このラザルスのストレスへの対処について事例とともに理解する。
キーワード ① ストレス ② ストレスと生体反応 ③ 適正規則 ④ 認知的ストラテジー ⑤ 情動的ストラテジー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。ホメオスタシス、ストレス、コーピングについて理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

11 人間のニーズ;基本的欲求 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第11回目は「人間のニーズ」として、基本的欲求について学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p91-92.
第11回講義資料p1

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p92-93.
第11回講義資料p2-3

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p94-100.
第11回講義資料p4-6
コマ主題細目 ① 人間のニードに関する理論 ② 危機理論 ③ 生涯発達し続ける存在としての人間
細目レベル ① 心理学者マズローは、人間の基本的なニード(欲求)を「生理的ニード」「安全のニード」「所属と愛のニード」「承認のニード」「自己実現のニード」の5つに分類し断層化した。最も低位の第一段階には「生理的ニード(食事、排泄、睡眠などの本能的な欲求)」をおき、それが比較的よく満たされると、第二階層である「安全のニード(安全、安定、依存、保護などを求める欲求)」があらわれ、これら両方がある程度満たされると、第三段階である「所属と愛のニード」があらわれてくる。続く第四断層の「承認のニード」は安定し、しっかりとした根拠を持つ「自己に対する高い評価」と「他者からの評価」に対する欲求・願望である。そしてすべてのニードが満たされると、「自己実現のニード」を持つことになると考えた。これらのニード論は今後の看護過程の基本ともなる考え方であるため理解する。
② 危機とは「たいへんなことになるかもしれないあやうい時や場合、危険な状態(広辞苑)」をいう。医療・看護場面における危機とは、人が病気や外傷によって死に至るかもしれない状況や、重大な喪失などの困難な状況に直面し、これまでの問題解決方法では克服できないときに発生する強い不安や緊張・混乱を伴う状態をいう。このような危機にある人が、それをどのように乗り越え、受け入れるかという分析が、さまざまな理論化によってなされ、そのモデルが示されている。ここでは、キューブラー・ロスの死にゆく人の心理過程と、フィンクの危機モデル(障害受容のプロセス)、ションツの危機モデル、コーンの危機モデル、アギュララとメズイックの危機モデル(問題解決過程)を紹介する。
③ 看護の対象である人間は、からだの構造と機能や心身の関連、心の動きのほかに重要な視点として、「成長・発達」がある。人間は一般的に生を受けてから両親をはじめとする周囲の人々によりはぐくまれ、環境との相互作用によって成長し、職業につき、配偶者を得て子供を育て、その後老年期を迎え、やがて死に至るという一生涯の過程を踏む。ハヴィガーストは人間の発達段階を幼児期・自動機・青年期・壮年初期・中年期・老年期に区分し、それぞれの段階における課題を挙げている。また、エリクソンは人生段階の全体をライフサイクルという言葉で表現し、人間の発達を8段階で示した。これらの理論を通して理解し、各段階において獲得すべき課題があることを把握できる。また人間の欲求と行動について把握し、人間のニーズについて理解できる。
キーワード ① 対象理解の側面 ② 人間の発達の臨界期と連続性 ③ 人間のニード ④ 欲求理論 ⑤ 危機理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。人間の基本的欲求、成長発達について理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

12 看護倫理と看護実践 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第12回目は「看護倫理と看護実践」について学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p186-188.
第12回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p188-209.
第12回講義資料p3-6

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p209-218.
第12回講義資料p7-8
コマ主題細目 ① 道徳・倫理・法 ② 看護倫理 ③ インフォームドコンセント
細目レベル ① 看護における「倫理」について考えるということは、患者・利用者にとって何が本当に「よい(善い)こと」であるのか、つまり、「よい看護とはなにか」を考えることである。倫理を学ぶ目的は、看護職者や看護職を目指す学生が、患者・利用者にとってなにが本当によいことであるのか、あるいは悪いことを避けるためにはどうすればよいのかを考えるための手がかりを得ることにある。なかなか答えの見つからないつらさに耐えながら、それでも患者・利用者にとって「よいこと」とは何かをねばり強く考え抜く姿勢こそが、看護と倫理を学ぶにあたって最も必要な態度であることを理解する。倫理(ethics)とは「人間の行いのよしあし」であり、言いかえれば「よいことはなにか」についての知識の体系である。道徳(moral)とはある一定の文化を持つ社会のまとまり、国や民族といったより広い範囲に共通するものである。
② 看護職は公的な資格免許のもとでの職業であり、倫理以前にさまざまな法的規制もある。保健師・助産師・看護師・准看護師については「保健師助産師看護師法」(第42条の2)に定められている。さまざまな職業倫理の中でも、看護職者をはじめとする医療従事者の職業倫理は社会的にとりわけ重要である。治療や看護といった医療サービスは、国民のだれもが利用する、きわめて公共性の高いサービスであり、選択の余地の少ないサービスであるという特徴を持つ。それゆえ、提供する職業集団の倫理が社会的にもより重要になる。看護職者が守秘義務を守るのは、患者の個人情報を不用意に漏らして患者に不利益を与えてはならない、あるいは患者と信頼関係を築くためにも守秘義務を順守することが不可欠であるということを理解する。
③ 1947年「ニュルンベルク綱領」の中で倫理的原則として新たに誕生したのが、インフォームドコンセントである。インフォームドコンセントとは、患者の「真実を知る権利」すなわち、説明を求める権利と医師の説明義務、および医療に対する患者の選択権(同意もしくは拒否)、すなわち「患者の自己決定権」を原則とする考え方である。わが国では1970年代に、医事法学者や生命倫理学者によってインフォームドコンセントの考え方が紹介された。看護職者に関しては、インフォームドコンセントにおける看護職者の役割は、医師が行う診療をめぐるインフォームドコンセントを援助するだけではなく、看護行為を患者に正しく説明し、看護援助そのものの過程に患者の参加を促すことが、看護職者独自の役割として重要であると述べている。これらの看護職者の役割について理解する。
キーワード ① 医療倫理学の4原則 ② リスボン宣言 ③ 守秘義務と保助看法 ④ ニュルンベルク綱領 ⑤ インフォームドコンセント
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。医療倫理学の4原則を確実に覚える。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

13 医療安全と医療の質保証 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第13回目は「医療安全と医療の質保証」について学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p292-294.
第13回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p294-295.
第13回講義資料p3-4

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p295-303.
第13回講義資料p5-6
コマ主題細目 ① 医療事故 ② アクシデントとインシデント ③ ヒューマンエラーと医療事故
細目レベル ① 医療事故に対して社会的関心が向けられる大きなきっかけとなった医療事故の事例について説明する。医療事故の全発生件数についての公式な調査・統計は存在しないが、医療訴訟件数は1995年(平成7年)には約500件だったが、2004年(平成16年)には1,110件と2倍以上に増加した。それ以降はやや減少したが、ほぼ年間800件で推移している。2004年(平成16年)からは、医療事故の発生予防・再発予防のため、財団法人日本医療機能評価機構が「医療事故情報収集事業」を開始した。これは、医療機関から幅広く事故に関する情報を収集し分析するという画期的な取り組みである。2014年(平成26年)の「医療法」改正において、新たに医療事故調査制度が新設されたことを把握する。また、労働災害発生率の推計方法として、ハインリッヒの法則を理解する。
② アクシデントは事故と同義で用いられているが、インシデントはニアミス、ヒヤリハットとも呼ばれ、事故になる可能性はあったけれども未然に(偶然または意識的に)回避・防止され、結果的に患者に被害が及ばなかったできごと全般をさす。ただし、アクシデントとインシデントは、看護業務の範囲の広さにも起因して、現実にはなかなか明確に区別しにくい。看護学生の実習の場においても、アクシデントおよびインシデントは起こりうることである。それらを未然に防ぐために、アクシデントおよびインシデントの概念を理解する。さらに、看護師の法的責任には、民事上の責任(民事責任)、刑事上の責任(刑事責任)、行政上の責任(行政処分)があることを把握する。
③ 医療従事者の過失による事故であっても、当事者は決して過失をおかそうと思っていたわけではない。医療従事者は多くの場合、一生懸命に仕事をしているにもかかわらず、不幸にして事故に至るのである。人はある状況下におかれると、その心理的特性により、特定の過失をおかしやすくなる。このようにして発生する過失をヒューマンエラーという。ヒューマンエラーを防ぐためには、ある特定の状況を修正する必要がある。事故防止対策を考える際に問題にすべきは、ヒューマンエラーそのものではなく、これを誘発させるような状況、すなわち仕事のシステムや環境だといえる。ヒューマンエラーの防止のために最も大切なのは、業務のシステムや過程の改善である。これらの内容を踏まえ、ヒューマンエラー対策について考えることができる。
キーワード ① 医療事故 ② ハインリッヒの法則 ③ インシデント ④ 事故予防・安全対策と医療の質保証 ⑤ ヒューマンエラー
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。インシデントとアクシデントについて理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

14 クリティカルシンキング 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第14回目は「クリティカルシンキング」について学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p50-51.
第14回講義資料p1-2

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p52-53.
第14回講義資料p1-2

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p52-53.
第14回講義資料p1-2
コマ主題細目 ① クリティカルシンキング ② EBN ③ 看護過程
細目レベル ① ナイチンゲールが「看護は看護観察から始まる」と考え、ヘンダーソンが「基本的看護は人間の欲求の分析から引き出される」といい、ウィーデンバックが看護師には「訓練された“思考と感情”」が必要と指摘し、ベナーが「思考することなしに看護は成立しない」と断じているように、看護活動には「知識に基づく思考」が必須である。思い付きで看護を行ったのでは、効果がないばかりか対象者にとって害にさえなりえる。適切な看護を実践するには、看護過程のプロセスを踏まなければならない。この看護過程を展開する基盤となる思考方法がクリティカルシンキングである。クリティカルシンキングは「批判的思考」とも訳されるが、つまりは「適切な基準や根拠に基づく論理的でかたよりのない思考」のことである。何事にも関心を向け、注意深く観察することなど、自らの行動に根拠を求め、徹底的に考えようとする習慣を持つことでクリティカルシンキングの能力向上に結び付くことを把握する。
② EBN、EBPはEBM(evidence based medicine;科学的根拠に基づく医学)が広がる中、その影響を受けて1990年代の終わりごろから盛んに提唱されるようになった。EBMとは、「個人の患者のマネジメントにおいて、現在の臨床研究から得ることのできる最新・最善の医学知見を良心的に、思慮深く、明確に使った医療のあり方」という概念である。看護においては、科学的知識に基づく説明がまだなされていない看護実践、有効性が統計学的に証明されていなくても経験的に効果を実感している看護実践が多数あり、今後、科学的裏付けが可能なものについて、研究による科学的根拠の明確化を進めていくことが重要である。それらを踏まえ、日々の看護実践における科学的根拠の重要性について考え理解することができる。
③ 看護過程とは、5つの相互に関連しあうステップによる系統的でダイナミックな看護ケアの問題解決法である。適切な看護を実践するためには、看護過程のプロセスをふまなければならない。看護過程とは「独自の知識体系に基づき、対象者の必要に的確にこたえるために、看護により解決できる問題を効果的に取り上げ、解決していくために系統的、組織的に行う活動」である。この看護過程を展開する基盤となる思考方法がクリティカルシンキングである。看護過程の展開においても、ものごとを注意深く観察し、熟考し、主観や思い込みを廃して論理的に探究・推論しなければならない。そのための理論的知識も獲得し活用する。これが適切な援助の提供に結びつくことを理解する。
キーワード ① クリティカルシンキング ② 科学的根拠 ③ EBN ④ 看護過程 ⑤ 論理的推論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。クリティカルシンキングの思考過程を理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

15 広がる看護の活動領域 科目の中での位置付け 本科目は、看護の概念・定義を主軸として、看護現象・事象を人間、健康、環境、看護の視点から把握し、看護活動が実践できるための知識体系を考えるものである。第1回目は看護の導入として「看護とは」について考える。第2回目は「看護の歴史的変遷」、第3回目は「わが国の看護改革と職業としての看護の成立」、第4回目は「国民の健康・生活全体の把握」、第5回目は「保健医療提供システム」、第6回目は「看護の主要概念、看護理論;ナイチンゲール、ヘンダーソン」としてメタパラダイムについて説明する。第7回目は「看護理論;ウィーデンバック、オレム、ロイ」、第8回目は「看護理論;ペプロウ、オーランド、トラベルビー」といった看護理論について触れ、看護理論の実践的適用について考える。第9回目は「環境と健康」として人間を取り巻く環境について考える。第10回目は「人間のニーズ;ストレスとコーピング」、第11回目は「人間のニーズ;人間の基本的欲求」として人間のニーズとしての基本的欲求とストレスの対処適応について学ぶ。第12回目は「看護倫理と看護実践」第13回目は「医療安全と医療の質保証」、第14回目は「クリティカルシンキング」、第15回目は「広がる看護の活動領域」について考える。
このような本科目全体の流れの中で、第15回目は「広がる看護の活動領域」について学び理解する。

①系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p306-322.
第15回講義資料p1-5

②系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p323-332.
第15回講義資料p6-7

③系統看護学講座 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2021、p333-351.
第15回講義資料p7-8
コマ主題細目 ① 国際看護とはなにか ② 国際看護活動の展開 ③ 災害時における看護
細目レベル ① 国際看護学とは、国や地域、民族間の保健医療・健康・看護の格差是正と、多様な文化・価値観の共存とを究極の目的として、一国の看護職者だけでは解決できない看護や保健上の問題、および世界共通の看護課題に取り組む学問である。世界の健康問題を論じるとき、先進国と開発途上国とを同一に扱うことはできない。そこには大きな健康格差が存在するからである。そのため、開発途上国の定義や先進国と開発途上国の格差を把握し、健康と保健医療の世界的課題を理解し、国際協力の仕組みを理解する。国際協力にかかわる機関は、国際機関・政府機関・非政府機関の3つに分類されることを理解する。また、国際保健の基本理念、プライマリヘルスケアとヘルスプロモーションについて学び理解する。
② 国際看護活動の展開は、看護過程の応用である。認知と活動内容、対象となる患者・住民や疾患に関する情報を収集し、優先順位を決めて活動焦点をしぼり、目標を設定し、活動内容を決定し、実践し、活動をモニタリングし、修正を加えながら目標達成に向けて活動を進める。また、わが国の在留外国人は1990年代から急速に増加し、2015年には200万人を超えている。在留外国人の保健医療においては、地域特性を考慮する必要があることを理解する。看護においても、言語、法律、医療制度、社会文化的背景に注意する必要があることも把握する。さらに外国人の中には不法滞在の者もいる。法制度や医療制度に関する課題も把握する。
③ わが国の災害時における保健医療活動への具体的取り組みは、1995年(平成7年)におこった阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件を契機としている。その甚大な被害から、災害医療のあり方や危機管理の立ち遅れが問題となり、具体的な取り組みの必要性が認識された。災害についてはさまざまな定義がされているが、おおむね特定された個人に及んだ災難や事故とは区別されている。事故が驚異にさらされる事態であるのに対し、災害はさらに二次的な脅威へと深刻化していくものである。災害看護とは、災害が人々の健康と生活に及ぼす被害を可能な限り少なくするための看護活動であり、平常時の備えから、災害発生時の援助、被災者がコミュニティでの新たな生活を再開できるまで継続的に展開される活動であり、さまざまな専門分野との協力体制が不可欠で、広域的な連携と協働が求められることを把握する。
キーワード ① 国際看護 ② 開発途上国 ③ プライマリヘルスケア ④ ヘルスプロモーション ⑤ 災害看護
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 【復習】講義内で配布した資料が講義内容のPPTをもとにした、穴埋め形式の資料となっているため復習にも活用する。講義内容に該当する教科書の頁を熟読し、講義内で書ききれなかった部分を調べたり、講義内容について理解できなかった箇所を調べて配布資料に記載する。配布資料は、講義時間に内容を記載するだけではなく、講義内で理解できなかった箇所、自分で調べた内容等を自分自身が覚えやすい記載方法を用いて自由に活用する。プライマリヘルスケアとヘルスプロモーションについて理解する。
【予習】次回の講義内容についてコマシラバスを熟読し、何が講義されるのか事前に全体の流れを把握しておく。看護学の基本となる科目であるため、常に看護とは何かを問い続け、積極的に学習する姿勢を形成する。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
看護の定義 看護とは何かについて、看護理論家(ナイチンゲール、ヘンダーソン、ペプロー、ロイ、オレム)の理論をもとに、理解することができる。看護職能団体(国際看護師協会、アメリカ看護師協会、日本看護協会)、保健師助産師看護師法の側面から、看護とは何か理解することができる。また看護学を形成する主要概念は、人間、健康、環境、看護であることを理解することができる。さらに、看護の対象を個人だけではなく、家族全体とする必要性について理解することができる。ケアとキュアの違い、ケアとケアリングの概念の違いを理解することができる。 ナイチンゲール、ヘンダーソン、オレム、オーランド、ペプロウ等の看護理論家やその著書、国際看護師協会、アメリカ看護師協会、日本看護協会、保健師助産師看護師法, ケアとキュア、 20 第1回目、第6回、第7回、第8回、第14回
保健師助産師看護師法 看護の歴史的変遷について理解し、1948(昭和23)年に保健師助産師看護師法が制定された背景や看護が抱えている課題について理解することができる。また、この保健師助産師看護師法制定によって看護職は資質の向上や専門職としての自律を目指していくことになったことを把握し、保健師助産師看護師法の定義、看護師免許、保健師、助産師、看護師の業務、守秘義務について理解することができる。特に第5条に明記されている看護師の業務;療養上の世話、診療の補助については理解し、具体的に説明することができる。 看護職の定義、看護の歴史的変遷、受験資格、免許の交付、業務独占、名称独占、特定行為に係る看護師の研修制度、守秘義務、 20 第2回目、第3回
健康の定義 WHO(世界保健機構)が定義する、健康の定義を述べることができる。またリーベルとクラークの疾病予防の5段階について記述・説明できる。また障害とは何かについて、国際生活機能分類の構造(健康状態は心身機能・構造、活動、参加、環境因子、個人因子から構成されること)について理解することができる。また、環境問題が人々に与える影響にはどのような影響があるのかということを理解することができる。さらに、ADLとIADL、健康寿命と平均寿命について説明することができる。 健康の定義、アルマアタ宣言、プライマリヘルスケア、ヘルスプロモーション、オタワ宣言、健康レベル、一次予防・二次予防・三次予防、ICF 20 第4回、第9回
人間の基本的欲求 心理学者マズローは、人間の基本的ニードを5つに分類した。その基本的ニード(欲求)の5つの欲求段階説について、特徴を説明できるとともに、モデル図を書くことができる。また、各欲求段階(生理的欲求、安全の欲求、愛と所属の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求)について、具体的に説明することができる。さらに、ストレス、ストレッサー、コーピングの概念を理解し、その対処・適応について理解することができる。さらに、ホメオスタシスとはどのようなものか、理解し説明することができる。 マズローの欲求理論、ストレッサー、コーピング、問題志向と情動志向、認知と対処、セリエ、キャノン、ラザルス、フィンク等 20 第10回、第11回
看護活動と看護の機能 看護活動の場の広がりとともに、保健医療福祉分野における看護の機能(看護独自の機能;療養上の世話、医師の指示を受ける補助的機能;診療の補助、教育的機能、相談機能、調整・マネージメント機能)が重要視されていることを理解し説明することができる。また継続看護やチーム医療について説明することができる。わらに、ノーマライゼーションとはどのような理念か説明することができる。看護のスペシャリストとして、専門看護師・認定看護師について説明することができる。国際保健として、プライマリヘルスケアとヘルスプロモーションの理念を説明することができる。

看護活動の場、地域包括ケアシステム、チーム医療、継続看護、看護の役割・機能、ノーマライゼーション 10 第5回、第15回
医療倫理と医療安全 看護における倫理について、患者の権利と擁護、倫理綱領を理解することができる。医療倫理学の4原則について説明・記述でき、看護者の倫理綱領(15の条文)について説明することができる。患者主体の概念;インフォームドコンセント、自己決定、守秘義務、個人情報の保護、アドボカシーについて説明・記述することができる。また、患者主体の医療や医療の質向上に向けた医療安全への取り組みの重要性が説明・記述することができる。さらに、インシデントとアクシデントについて説明することができる。さらに、広がる看護の活動領域として、国際看護と災害看護について述べることができる。 自律尊重の原則、善行の原則、無危害の原則、正義・公正の原則、日本看護協会(看護者の倫理綱領)、患者主体の医療、SDGs、NGO,燃え尽き症候群(バーンアウト)、DMAT, 10 第12回、第13回
評価方法 期末試験(100%)によって評価する。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 ・茂野香おる他著、系統看護学講座 専門分野Ⅰ 看護学概論 基礎看護学①、医学書院、2400円   ・フローレンス・ナイチンゲール著、湯槇ます他訳、「看護覚え書ー看護であること看護でないことー」、現代社、1700円   ・ヴァージニア・ヘンダーソン著、湯槇ます・小玉香津子訳、「看護の基本となるもの」、日本看護協会出版会、1200円
参考文献 参考文献等は講義時にその都度提示します。
実験・実習・教材費