区分 専門科目-基盤看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の「基盤看護学」、さらにその中の「基礎看護学」に位置づく。本科目はあらゆる領域の科目の基礎となる科目であり、1年次より療養上の世話に関する基礎的知識の修得を目指す。また、看護活動の場において、様々な健康レベル・発達段階にある人々の日常生活行動における日常生活援助の実践能力を養っていくための、個別性のある看護技術の根拠(エビデンス)を学修する。さらに、臨地実習へつなげるための基礎的科目として位置づく。そして、卒業時、看護職としての知識・技術・倫理的態度の最も土台となる科目として位置づく。
科目の目的
本科目は、看護学原論Ⅰ、生活援助方法論、看護コミュニケーション論などの知識を活用し、日常生活行動における基本的な実践方法を根拠立てて、アセスメントする視点を理解することを目的とした科目である。また、演習を実施する中で、様々な健康レベル、発達段階にある人々の看護の基盤となる。また、基本的な生活援助技術の方法を理解し、実践できる能力を養うことを目的とする。更に、演習後のリフレクションを通して、安全・安楽・自立を考慮した援助技術の根拠を考えることを目的とする。そして、本科目の社会的意義は、看護専門職者として、看護実践における倫理的姿勢と態度を身につけることや患者の安全安楽を考え、個別性に応じた看護実践ができることにある。
到達目標
1)看護技術の概念と日常生活行動の意義を説明することができる。
2)日常生活援助に必要な基礎知識について述べることができる。
3)日常生活行動における基本的な日常生活援助技術の方法や留意点について説明および実施することができる。
4)看護専門職者として必要な基本的態度を理解し、看護技術を実施することができる。
5)看護専門職者として患者の安全安楽を考え、個別性に応じた看護実践をすることができる。

科目の概要
人々の健康と深くかかわる日常生活行動の意義を理解し、看護におけるアセスメントの視点を養う。また安全・安楽・自立という原理原則を根底に、看護技術の根拠(エビデンス)に基づいた援助方法を探求する。具体的には、「感染予防の援助技術」「環境調整の援助技術」「活動・休息の援助技術」「清潔の援助技術」「食事援助の技術」「排泄の援助技術」といった日常生活援助に関する技術を実践するための基礎知識および援助技術の方法を理解し実施する。この科目は学習課題にそって、実際の場面を想定しグループ活動を通して演習計画に基づいて実施する。そして、グループダイナミクスをいかし、援助技術の根拠を探求する。看護師として実務経験のある教員が、日常生活行動における基本的な実践方法を根拠立てて、アセスメントする視点を理解できるよう指導し、実践する。また、看護の基盤となる基本的な共通援助技術の方法を理解し実践できる能力を培うことができる。
科目担当教員は、一般病院の看護師として、内科・透析センターに勤務していた。また、助産師として病院・クリニックにも勤務していた。生活援助技術の原理原則、治療を受ける人々のニーズ、援助できる実践能力等について教授する科目である。

科目のキーワード
スタンダードプリコーション、衛生学的手洗い、個人防護用具、環境調整、ベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換、ボディメカニクス、ポジショニング、活動と休息、車椅子とストレッチャーの移乗と移送、清潔援助、栄養状態のアセスメント、水分・電解質のアセスメント、摂食・嚥下のアセスメント、口腔ケア、排泄メカニズム、ストーマケア、おむつ交換、陰部洗浄、温罨法、冷罨法
授業の展開方法
4~5名の学生が1グループとなり、グループ内で看護師役、患者役、観察役を体験しながら技術の修得を目指す。看護師役は、患者の安全・安楽を考えながら実施し、倫理的な姿勢や態度で実践する。患者役は、患者体験をすることで援助を受ける患者の思いについても考える機会とする。観察役は、看護師役が実施している状況を観察し、客観的に良い点、改善する点、方法が分からないときは助言する立場となり、グループメンバーでディスカッションしながら、正確な技術の修得を目指す。また、看護師経験がある教員から具体的な方法の説明を実際に実践する(デモストレーション)中で見学し、手順と根拠を押さえることができる。さらに、個別性ある方法を学び、患者に応じた実践方法を修得できる力を培う。さらに、毎回振り返りシートで実施した援助技術の根拠や方法、注意点を振り返り、自己の課題を見出し、技術の修得を図り、看護実践能力を培う。
オフィス・アワー
篠原幸恵:研究室715:火曜5限、木曜5限
E-mail:s-shinohara@uhe.ac.jp
永江真弓:717研究室
(前期)オフィスアワー:水曜日2限と昼休み、金曜日4限
(後期)オフィスアワー:木曜日5限(この授業の開講日の後)、金曜日5限(実習により不在のこともあります)
E-mail:m-nagae@uhe.ac.jp
メールはいつでも受け付けます。

科目コード ERG04
学年・期 1年・後期
科目名 生活援助方法演習
単位数 2
授業形態 演習
必修・選択 必修
学習時間 【講義】60h
【予習・復習】30h
前提とする科目 看護学概論Ⅰ、同時に1年次に開講される専門基礎科目および基礎領域科目、基礎看護学実習Ⅰ
展開科目 生活援助方法演習、基礎看護学実習Ⅱ、および各専門領域科目と各領域実習の展開に必要となる
関連資格 看護師、保健師
担当教員名 篠原幸恵・永江真弓・松山キャンパス教務課
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 オリエンテーション(実習室の使用方法)、衛生学的手洗い(グリッターバグ) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第1回の本時では、実習室の物品の把握用途について学び、演習に対する姿勢や援助技術の実践を理解する。また、看護技術を提供する際に最も必要となる衛生学手洗いの重要性や方法を理解し、グリッダーバグを使用することで正しい衛生学手洗いの方法を習得する。

茂野香おる他著、『専門分野Ⅰ基礎看護技術Ⅰ』、医学書院、2021、p70(表2-1手指衛生の種類)、p72(図2-2、図2-3手洗いについて)、p74~75(図2-4、2-5PPEについて).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p4(標準予防策について)、p9手指衛生の種類、p15(個人防護具について)、p16(サージカルマスクとN95マスクの特徴).
コマ主題細目 ① 看護技術 ② 基本的態度 ③ 実習室の把握 ④ 衛生学的手洗い
細目レベル ① 生活援助方法論で学んだ看護技術とは何か、看護における安全・安楽・自立の原則を想起し、看護技術演習の必要性や目的、実施方法を理解する。生活援助方法論の講義と生活援助方法演習のスケジュールは、講義で学んだ知識を復習したうえで演習に臨む構成になっていることを再度確認する。また、1年次に学んだ看護学原論Ⅰや看護コミュニケーション論などの知識を活用し、日常生活行動におけるアセスメントの視点を理解することが必要である。さらに、様々な健康レベル、発達段階にある人の看護の基盤となることや基本的な共通援助技術の方法を理解し、実践できる能力を養うことも科目の目的であることを確認する。そして、演習後のリフレクションを通して、安全・安楽・自立を考慮した援助技術のあり方を考えることが必要となる。
② 演習に臨む際の医療職としての基本的態度を理解する。実習室は患者の療養生活の場である病室であると考え、清潔な白衣とナースシューズを着用し、演習に適した髪形や髪の色、メイク、爪を短く切ってやすりをかける、アクセサリーは身につけないなど、看護学生としてふさわしい身だしなみに整えて演習に臨む。グループでの演習となり、互いに看護師役、患者役、観察者役を行いながら看護技術の習得を目指すが、看護学生の自覚と責任を持ち、互いを尊重し、安全に留意して主体的かつ真摯な態度で演習に臨む。看護技術は受け身で身につくものではなく、主体的に技術を獲得しようという意欲を持ち、繰り返し練習して身につくものであることを念頭において、実施していく。
③ 実習室の使用方法、物品、実施方法について理解する。更衣室で白衣に更衣した後、実習室前で必ず教員による身だしなみチェックをうけてから実習室に入る。演習にふさわしくない服装や身だしなみの場合、演習に参加できないため、身だしなみを整えてから再度チェックを受ける必要がある。実習室は患者の療養生活の場である病室のように、ベッド、床頭台、カーテン、オーバーテーブルが配置されている。通常の教室とはレイアウトなどが異なるため、実習室内の荷物の置き場所や管理方法を確認する。また、演習は2コマ連続で長時間であり、休憩時間の取り方も通常講義と異なるため、演習中は適宜教員の声をかけたうえでトイレや水分補給を行うなどして健康管理にも留意する。今後、演習にて使用する実習室および準備室にある物品と名称、使用目的を理解する。特に、ベッドおよび周囲の名称と使用方法(電動・手動のベッドアップなど)について理解する。また、演習終了時は必ず片付けと掃除を行い、実習室の清潔を保つ。
④ 衛生学的手洗いの必要性や根拠、方法について理解し、正しく実施する。すべての患者の血液、体液、(汗を除く)分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜は伝播しうる病原体を含んでいるかもしれないとみなして取り扱うことを、標準予防策(スタンダードプリコーション)という。手指衛生は標準予防策の基本であり、患者及び医療従事者を感染から守るための最も重要な方法である。手指衛生は、目的に応じて「日常的手洗い(手洗い)」、「衛生学的手洗い(手指消毒)」「手術的手洗い(手術時手指消毒)」の3つに分類される。このうち日常的に医療現場で用いられるのが衛生学的手洗いである。今回の演習ではグリッダーバグを使用し、各自で日常的に行っている手洗いを行い、洗い残しの多い所を確認する。その後、衛生学的手洗いを行い、グリッターバグで洗い残しを再確認することで、正しい衛生学的手洗いの方法を習得できる。
キーワード ① 看護技術 ② 基本的態度 ③ 身だしなみ ④ 衛生学的手洗い ⑤ グリッターバグ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで身だしなみ、実習室の入り方や注意点、実習室・準備室の物品を使用する目的と使用法、その根拠について再確認し、今後演習を行っていくうえで基礎となる心構えを定着させる。また、衛生学的手洗いについては、グリッターバグを使用して手洗いを行った後の洗い残し部分を振り返りシートに記入して自らの洗い残し部分を確認し、今後衛生学的手洗いを行う際に正しく実施できるようにしておく。再度、教科書P409の動画「B:流水による手洗い、C:手指消毒」の動画を見て正しい手洗いの方法を復習しておく。
予習:第2回生活援助方法論の講義内容を、配布資料、教科書の該当ページを読んで予習する。標準予防策の定義を押さえ、教科書P409の動画「D:マスクの着用、Eの防護用具の着用、Fの防護用具の外し方、G手袋の外し方」の動画を見ておく。

2 感染予防に関する援助技術(手指衛生、個人防護用具の着脱、感染性廃棄物の取り扱い) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第2回の本時では、スタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として個人防護用具の取り扱い、感染性医療廃棄物の取り扱いを理解し、実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅰ』医学書院、2021、p65(図2-1感染成立の条件について)、p19(標準予防策について)、p73(個人防護具について)、p82(表2-3サージカルマスクとN95マスクの特徴)、p95(図2-19感染性廃棄物の取り扱い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p4(標準予防策について)、p9手指衛生の種類、p15(個人防護具について)、p16(サージカルマスクとN95マスクの特徴).
コマ主題細目 ① 手指衛生 ② 個人防護用具 ③ 感染性廃棄物
細目レベル ① すべての患者の血液、体液、(汗を除く)分泌物、排泄物、傷のある皮膚、粘膜は伝播しうる病原体を含んでいるかもしれないとみなして取り扱うことを、標準予防策(スタンダードプリコーション)という。この標準予防策の1つである手指衛生は、患者及び医療従事者を感染から守るための最も重要な方法である。目に見える汚染がある場合は、普通石けんと流水で手洗い後、擦式消毒用アルコール製剤で手指消毒を行う。または抗菌性石けんと流水で手洗いをする。汚れの残りやすい所を意識して洗う。目に見える汚染がない場合は、擦式消毒アルコール製剤を用いて手指消毒をする。第1回目のグリッターバグを用いた衛生学的手洗いの結果をグループ間でディスカッション(気づいた点、学んだ点、注意した点など)し、学びを振り返ることで知識を確認・定着させることができる。
② 個人防護用具は、血液や体液などに含まれる病原体から皮膚、眼・鼻・口の粘膜、着衣を保護するためのもので、手袋、マスク、ガウン、ゴーグル、フェイスシールドなどがあり、単独または組み合わせて用いられる。手袋は医療者の手の汚染を防ぐ目的で使用する。個人防護用具は1回ごとの使い捨て(シングルユース)が基本である。また、正しい装着方法と汚染面に触れず周囲への汚染拡大をしない外し方が重要である。個人防護用具を外したあと、および廃棄したあとには必ず手指衛生を行うことが重要である。演習においては、手袋、マスク、ガウン、ゴーグル、フェイスシールドなどの個人防護用具の正しい装着順序と装着方法、外す順序と外し方、廃棄方法についての根拠を理解して実施する。また、実際に行った後に気づいた点、学んだ点、注意した点などについてグループ間でディスカッションし、学びを振り返ることで知識を確認・定着させることができる。
③ 感染性廃棄物とは、医療機関から排出される廃棄物のうち、人が感染する恐れのある病原体が含まれている、または含まれている可能性がある廃棄物である。感染性廃棄物は他の廃棄物と分別し、梱包した後最終処理される。廃棄物の排出から感染性を失わせる最終処理がなされるまでのすべての過程において、環境汚染防止と廃棄物を取り扱う人々への感染防止に努める必要がある。また、廃棄物の性状に応じて「液状または泥状のもの」、「固形状のもの」、「鋭利なもの」に分別し、性状に応じたバイオハザードマークを表示する必要がある。感染性廃棄物を取り扱う際は、正しく分別し、廃棄物を少なくする、廃棄物の容器が7~8割程度で破棄する、取り扱い時は個人防護用具を着用し、取り扱い後は手洗いをするなどの注意点を守り、正しく分別し、廃棄できる。
キーワード ① スタンダードプリコーション ② 手指衛生 ③ 個人防護用具 ④ 感染性廃棄物 ⑤ バイオハザードマーク
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:手指衛生(衛生学的手洗い、擦式消毒アルコール用製剤を用いた手指消毒)、個人防護用具の正しい順序での着脱と廃棄、感染性廃棄物の取り扱いについて実際に行ったあと、振り返りシートで目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。手指衛生やマスクの着脱については日常においても正しい方法で行う習慣をつける。再度教科書P409の動画「感染防止」B~Gの動画をみて方法を確認すること。
予習:生活援助方法論の第3回の講義内容を復習する。患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキングが行えるためのポイントを確認しておく。

3 環境調整に関する技術(環境整備、ベッドメイキング) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第3回の本時では、環境調整に関する技術として、環境整備の必要性と方法について学ぶ。また、第4回からのベッドメーキングとシーツ交換の技術の導入として、シーツのたたみ方の原則を学び、実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅰ』医学書院、2021、p65(図2-1感染成立の条件について)、p19(標準予防策について)、p73(個人防護具について)、p82(表2-3サージカルマスクとN95マスクの特徴)、p95(図2-19感染性廃棄物の取り扱い方).
任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2020、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について)、p19(図1-4下シーツの敷き方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p4(標準予防策について)、p9手指衛生の種類、p15(個人防護具について)、p16(サージカルマスクとN95マスクの特徴)、p6とp7(病室環境のアセスメント)、p(環境調整)、p15(シーツの角の三角形).
コマ主題細目 ① 病室環境のアセスメント ② 環境整備 ③ ベッドメーキング
細目レベル ① 療養環境としては、感染や事故の原因・誘因がないこと、生活を送る場として快適な環境であることが求められる。患者の重症度や障害の種類・程度により、患者が適切に治療を受けられるように病室・病床を選択する。また、患者の動作や移動がスムーズになるような環境づくりが必要であり、患者のプライバシーを守るための配慮も必要である。患者のニードが充足されることで闘病意欲が高まるため、心理的な面でも、適切な病室・病床の選択は重要である。また、病室内の温度・湿度や光(明るさ)と騒音、壁やカーテンの色彩、空気の清浄性とにおい、同室患者や医療者との関係性などの人的環境についてもアセスメントを行い、患者の状態に合わせた調整が必要となることを理解し、調整できる。
② ベッド周囲は、患者が快適に入院生活を過ごせるように、また看護師などの医療職者が援助しやすいように整備する必要がある。患者にとって快適なベッド周囲の環境とは、患者の安全と心理的安定が確保されている状態である。そのためには、まず清潔で心地よさが保持されていること、移動がスムーズに行えること、物品の位置が適切であること、プライバシーが守られていることなどが重要となる。た、運動障害のある患者では麻痺側に物を置かない、視覚障害のある患者ではあかりや色調に配慮するなど、それぞれの患者の状況に合わせた環境整備が必要である。これらのことを意識し、実習室のベッド周りの環境整備を実践することができる。そして、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
③ ベッドメーキングは、患者が急速・睡眠をとり、多くの時間を過ごすベッドを整えることを目的とする。医療施設によりさまざまな形態の寝具が使用されており、ベッドメーキングの方法や手順はさまざまであるが、ベッドが患者にとって安全で快適な場になるように整えることが原則である。そのための重要なポイントは、シーツにしわをつくらないことである。同時に、使用によってしわができるのを防ぐために、崩れにくいベッドを作る必要がある。シーツにしわがあると、景観や快適性をそこなうだけでなく、長期の臥床を強いられている患者では、褥瘡の原因ともなりうるためである。本時の演習においては、ベッドメーキングの導入として、まずはシーツ、包布、毛布などの寝具がどのようにたたまれているかを確認し、ベッドメーキングを実施する際に、広げやすいシーツのたたみ方を学ぶことができる。
キーワード ① 病室の環境 ② 環境整備 ③ 安全確保 ④ プライバシー ⑤ ベッドメーキング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで環境整備の目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。また、シーツのたたみ方についても確認しておく。さらに、環境の意義、生理的な意味、心理的な意味、社会的な意味、病室環境のアセスメントとして病室・病床の選択、構造設備基準、医療法や医療法施行規則に定められた基準、病室の温度・湿度、光と音、色彩、空気の清浄とにおい、人的環境について押さえておく。患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。
予習: 患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキングが行えるためのポイントを確認しておく。第3回生活方法援助演習で経験した、シーツのたたみ方についても確認しておく。教科書P476の動画1~3を見ておく。

4 環境整備に関する技術(ベッドメーキング・シーツ交換) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第4回の本時では、患者にとってベッドが安全で快適な場になるようなベッドメーキング、シーツ交換の演習を行い、その方法・留意点・根拠を理解し、実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2020、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について)、p19(図1-4下シーツの敷き方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、p(環境調整)、p15(シーツの角の三角形).
コマ主題細目 ① マットレス・枕、リネン類の条件 ② ベッドメーキング ③ 臥床患者のシーツ交換
細目レベル ① マットレスは、患者の身体状況や、寝心地の好みを考えて選ぶことが望ましい。選択基準は寝返りを打てるかどうかを考慮する。自分で寝返りが打てる、または硬めの寝心地が好みである場合は、一般用マットレスを用いることが必要である。リネン類とは、寝具をおおうシーツやカバーなどであり、素材は綿100%のものを用いる。綿は他の繊維より肌さわりがよく、保湿性・吸湿性があり、快適感・清潔感が得られる。また、物理的刺激に強く、消毒や洗濯に耐えうる素材である。ただし、綿のリネン類はしわになりやすいため、しわを伸ばして使用することが大切である。枕の素材は、湿気と熱がこもらず、弾性反発が少なく、肌ざわりが良いものが望ましく、満足が得られやすい。このような条件を理解し、患者に応じた寝具を選択する知識を実践に結び付けることができる。
② ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し実施することができるベッドメーキングの方法や手順はさまざまであるが、ベッドが患者にとって安全で快適な場になるように整えることが原則である。そのための重要なポイントは、シーツにしわをつくらず、崩れにくいベッドを作ることである。実践のポイントとして、下シーツの角を三角形にすることである。また、シーツを伸ばす際、看護師のボディメカニクス、また援助の効率を考慮することである。このポイントを意識し、学生がグループ内で2人1組となってベッドメーキングを実施する。実施中でない学生は観察役として実施中の学生を客観的に観察し、評価する。役割を交代しながら各役割を経験することができる。
③ 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。リネン類は、発汗や皮膚の落屑が多いときや、汚れている時、臥床中の時などにはその都度、あるいは毎日交換することが望ましい。そうでない場合は最低でも1週間に1回は交換する。交換したリネン類は洗濯し、清潔かつ乾燥を保つように保管する。患者の状態によって患者が臥床したままでシーツ交換を行う場合は、患者の体位を変換しながらの実施となるため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する必要がある。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。学生がグループ内で1人が患者役、2人1組が看護師役となって実施していく。実施後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
キーワード ① リネン類 ② ベッドメーキング ③ シーツ交換 ④ ボディメカニクス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。ベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換については演習時間外も含めて、技術の練習を行う。再度教科書P476の動画①~③を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第3回の講義内容を復習する。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキングが行えるためのポイント、臥床患者のシーツ交換の目的や方法、注意点を確認しておく。第3回生活方法援助演習で経験した、シーツのたたみ方についても確認しておく。教科書P476の動画①~③を見ておく。

5 環境整備に関する技術(ベッドメーキング・シーツ交換) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第5回の本時では、第4回に引き続き患者にとってベッドが安全で快適な場になるようなベッドメーキング、シーツ交換の演習を行い、その方法・留意点・根拠を理解し、実践したことを振り返ることができる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2020、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について)、p19(図1-4下シーツの敷き方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、p(環境調整)、p15(シーツの角の三角形).
コマ主題細目 ① マットレス・枕、リネン類の条件 ② ベッドメーキング ③ 臥床患者のシーツ交換
細目レベル ① マットレスは、患者の身体状況や、寝心地の好みを考えて選ぶことが望ましい。特に、自分で寝返りが打てない場合は、早期からの褥瘡予防のため、体圧分散マットレスなどを用いる。枕の素材は、湿気と熱がこもらず、弾性反発が少なく、肌ざわりが良いものが望ましい。ソバがらは肌ざわりがよくないので、パンヤなどを混ぜて使われる。パンヤや羽毛は、肌触りが良いため満足感が得られる。スポンジ類は弾性が強く、反発が大きいため安静が得られない。ほかに筒状のビーズや低反発ウレタンなどもある。リネンの素材は綿100%のものを用いる。綿は他の繊維より肌さわりがよく、保湿性・吸湿性があり、快適感・清潔感が得られる。また、物理的刺激に強く、消毒や洗濯に耐えうる素材である。このような条件を理解し、患者に応じた寝具を選択する知識を実践に結び付けることができる。
② ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し実施する。まず、必要物品(下シーツ、包布、枕カバー)を実施する順に重ね、輪を手前にして準備し、援助の効率性を考えることが必要である。次に、室温・湿度や換気、ワゴンなどの物品配置、ベッドストッパーを確認し、ベッドの高さを調整するなどの環境を整え、実践していく。下シーツは、中心線を合わせ、角を三角に作成し、対角線上にしわを伸ばすことを意識し、作成していく。2名の息を合わせ、声をかけながら、行い。しわを引く時の力加減により、しわがのびなかったりするため、注意する。包布にかけ布団を入れ、紐が縦結びならないようにする。に枕カバーを入れる際は、カバーの輪が入口または床頭台側に来るように正しい位置に置き、布団の輪は、入口または床頭台側になるように実施することができる。
③ 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。リネン類は、発汗や皮膚の落屑が多いときや、汚れている時、臥床中の時などにはその都度、あるいは毎日交換することが望ましい。そうでない場合は最低でも1週間に1回は交換する。交換したリネン類は洗濯し、清潔かつ乾燥を保つように保管する。患者の状態によって患者が臥床したままでシーツ交換を行う場合は、患者の体位を変換しながらの実施となるため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する必要がある。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。学生がグループ内で1人が患者役、2人1組が看護師役となって実施する。臥床患者のシーツ交換の実施目的や実施項目ごとの留意点を意識して実施できたかを振り返りを行いながら、より高い技術が身につくように練習を重ねていくことができる。
キーワード ① リネン類 ② ベッドメーキング ③ シーツ交換 ④ ボディメカ二クス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について再確認する。ベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換については演習時間外も含めて、技術の練習を行う。同じ班のメンバーで協力し合い、練習を重ねる。再度教科書P476の動画①~③を見て手順等確認する。提示された技術練習に積極的に参加し、技術の獲得を行う。
予習:生活援助方法論の第3回の講義内容を復習する。患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換が行えるためのポイントを確認しておく。教科書P476の動画①~③を見ておく。援助する手順や自分の立ち位置、患者への説明などを頭の中でイメージトレーニングをしておく。

6 環境調整に関する技術(ベッドメーキング、シーツ交換) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第6回の本時では、第4回・5回に続き、患者にとってベッドが安全で快適な場になるようなベッドメーキング、シーツ交換の演習を行い、その方法・留意点・根拠を理解しながら実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、(環境調整).
コマ主題細目 ① マットレス・枕、リネン類の条件 ② ベッドメーキング ③ 臥床患者のシーツ交換
細目レベル ① マットレスは、患者の身体状況や、寝心地の好みを考えて選ぶことが望ましい。自分で寝返りが打てる、または硬めの寝心地が好みである場合は、一般用マットレスを用い、自分で寝返りが打てない場合は、早期からの褥瘡予防のため、体圧分散マットレスなどを用いる。枕の素材は、湿気と熱がこもらず、弾性反発が少なく、肌ざわりが良いものが望ましい。リネンの素材は、綿100%のものを用いる。このような条件を理解し、患者に応じた寝具を選択する知識を実践に結び付け、患者に応じたマットレス、枕、リネンを選択することができる。選択後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。また、振り返りシートにその学びを記載することができる。
② ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し実施する。まず、必要物品(下シーツ、包布、枕カバー)を実施する順に重ね、輪を手前にして準備し、援助の効率性を考えることが必要である。次に、室温・湿度や換気、ワゴンなどの物品配置、ベッドストッパーを確認し、ベッドの高さを調整するなどの環境を整え、実践していく。下シーツは、中心線を合わせ、角を三角に作成し、対角線上にしわを伸ばすことを意識し、作成していく。枕カバーを入れる際は、カバーの輪が入口または床頭台側に来るように正しい位置に置き、布団の輪は、入口または床頭台側になるように実施することができる。実施後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
③ 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。リネン類は、発汗や皮膚の落屑が多いときや、汚れている時、臥床中の時などにはその都度、あるいは毎日交換することが望ましい。そうでない場合は最低でも1週間に1回は交換する。交換したリネン類は洗濯し、清潔かつ乾燥を保つように保管する。患者の状態によって患者が臥床したままでシーツ交換を行う場合は、患者の体位を変換しながらの実施となるため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する必要がある。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。学生がグループ内で1人が患者役、2人1組が看護師役となって実施する。実施後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
キーワード ① リネン類 ② ベッドメーキング ③ シーツ交換 ④ ボディメカニクス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。ベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換については演習時間外も含めて、技術の練習を行う。教科書P476の動画①~③を見て手順等確認する。手順や方法がわからないときは、技術練習時を利用し、担当教員と相談しながら理解をしていくこと。技術練習時は、演習の振り返りシートや教科書を持参し、学生間で方法を確認しながら実施すること。
予習:次回は、第1回目の技術試験となる。配布された評価表を元に、技術の練習を行う。第3~6回生活方法援助演習で経験した、シーツのたたみ方、ベッドメーキング、臥床患者のシーツ交換の手順と根拠についても確認しておく。教科書P476の動画①~③を見ておく。

7 【技術試験第1回目】 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第7回の本時では、第1回目の技術試験として、ボディメカニクスの原理に基づき、安全・安楽な方法で、ベッドメーキン、臥床患者のシーツ交換を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、(環境調整).
コマ主題細目 ① ベッドメーキン ② 臥床患者のシーツ交換 ③ 技術の実施における留意点
細目レベル ① ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にてベッドメーキングを行う。教員が評価表に基づき評価を行う。まず、下シーツは、中心線を合わせ、角を三角に作成し、対角線上にしわを伸ばすことを意識し、作成することができる。学生間で息を合わせ、しわを伸ばすことができる。次に、包布を入れる。縦結びにならないように、紐を結ぶことができる。枕カバーを入れる際は、カバーの輪が入口または床頭台側に来るように正しい位置に置き、布団の輪は、入口または床頭台側になるように入れる。また、縫い目が患者の首に当たらないか確認しながら実施していくことができる。
② 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にて臥床患者のシーツ交換の試験を実施する。教員が評価表に基づき評価を行う。患者が臥床しているため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながら体位変換を実施し、シーツを交換をしていく。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うこともできる。患者が臥床しているため、しわができやすい。しっかりと2人の息を合わせ、シーツのしわを伸ばし、褥瘡を予防する行動をとることができる。また、患者の上でなはく、足元を利用し、包布を入れることができる。終了後は、終了したことを患者に伝、ナースコールの位置確認と声掛けを行うことができる。
③ 技術の実践における注意点として、患者の安全安楽に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する。また、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。また、側臥位への体位変換時やシーツの角を作成する際にはボディメカニクスを活用する。そして、動作時にベッドの床にしゃがみこまないようにする。物品を乗せたワゴンは、使用しやすい適切な位置に配置し、ワゴン上の清潔・不潔部分の区分を明確にして使用する。新しいシーツは清潔部分の上の段、古いシーツは不潔部分の下の段に置くようにする。ベッド上においても古いシーツと新しいシーツを重ねないように注意し、古いシーツは皮膚の落屑などの汚染を広げないように内側に小さくまとめてワゴンの下の段に置くなどに注意し、実施できる。
キーワード ① 臥床患者 ② シーツ交換 ③ 体位交換 ④ ボディメカニクス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受け、より高い技術を身に着けるために、まずは、自分の技術を振り返る。その後、積極的に自主練習に参加し、正しい方法で実施できる技術の獲得を目指す。また、ベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。
予習:生活援助方法論の第3回の講義内容を復習する。患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠についての知識を定着させ、実践については技術試験に向けて自主練習を行う。

8 【技術試験第1回目】 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第8回の本時では、第7回に続き、技術試験第1回目として、ボディメカニクスの原理に基づき、安全・安楽な方法で、ベッドメーキン、臥床患者のシーツ交換を実施できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、p(環境調整).
コマ主題細目 ① ベッドメーキン ② 臥床患者のシーツ交換 ③ 技術の実践における注意点
細目レベル ① ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にてベッドメーキングを行う。教員が評価表に基づき評価を行う。まず、下シーツは、中心線を合わせ、角を三角に作成し、対角線上にしわを伸ばすことを意識し、作成することができる。学生間で息を合わせ、しわをしっかりと伸ばすことができる。次に、患者の足元で、包布に入れ、紐を縦結びにならないように結ぶことができる。枕カバーを入れる際は、カバーの輪が入口または床頭台側に来るように正しい位置に置き、布団の輪は、入口または床頭台側になるように実施していくことができる。学生同士で、コミュニケーションを取り、息を合わせて、患者が快適なベッドを作成することが実施できる。
② 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にて臥床患者のシーツ交換の試験を実施する。教員が評価表に基づき評価を行う。患者が臥床しているため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながら体位変換を実施し、シーツを交換することができる。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うこともできる。患者が臥床しているため、しわができやすいため、しっかりと2人の息を合わせ(お互いに声かけ・患者への説明・実施時の患者への配慮等)、シーツのしわを伸ばし、褥瘡を予防する行動をとることができる。終了後、患者に報告し、ナースコールの位置を確認と声掛けができる。
③ 技術の実践における注意点として、患者の安全安楽に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する。また、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。また、患者に挨拶を行い、一般状態を確認した後、目的、方法、時間、排泄などの配慮について説明する。室温・湿度の確認や換気(窓を開ける)を行い、援助しやすいように物品配置などの環境を整える。側臥位への体位変換時やシーツの角を作成する際にはボディメカニクスを活用する。さらに、動作時にベッドの床にしゃがみこまないようにする(膝を床につけない)。物品を乗せたワゴンは、使用しやすい適切な位置に配置し、ワゴン上の清潔・不潔部分の区分を明確にして使用する。新しいシーツは清潔部分の上の段、古いシーツは不潔部分の下の段に置くようにする。ベッド上においても古いシーツと新しいシーツを重ねないように注意し、古いシーツは皮膚の落屑などの汚染を広げないように内側に小さくまとめてワゴンの下の段に置く、などに注意し、実施できる。
キーワード ① 臥床患者 ② シーツ交換 ③ 体位交換 ④ ボディメカニクス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受け、自己の技術を振り返る。そして、できなかったところを意識しながら自主練習を行い、技術の獲得を目指す。また、ベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。そして、ワークシートを元に、技術の根拠を再度、押さえておくこと。
予習:生活援助方法論の第3回の講義内容を復習する。患者が快適に入院生活を過ごせ、医療職者が援助しやすい環境についてのポイントを確認しておく。また、患者にとって安全で快適な場になるようなベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠についての知識を定着させ、実践については技術試験に向けて自主練習を行う。

9 【技術試験第1回目】 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第9回の本時では、第7回・第8回に続き、技術試験第1回目として、ボディメカニクスの原理に基づき、安全・安楽な方法で、ベッドメーキン、臥床患者のシーツ交換を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p12(表1-2医療法施行規則による病床の広さについて)、p15(表1-3標準な温度と湿度の条件)p17(ベッド周囲の環境整備について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p6とp7(病室環境のアセスメント)、p(環境調整).
コマ主題細目 ① ベッドメーキン ② 臥床患者のシーツ交換 ③ 技術の実施における留意点
細目レベル ① ベッドメーキングの必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にてベッドメーキングを行う。教員が評価表に基づき評価を行う。まず、下シーツは、中心線を合わせ、角を三角に作成し、対角線上にしわを伸ばすことを意識し、作成することができる。学生間で息を合わせ、しっかりとしわを伸ばす。次に、患者の足元で包布に入れ、紐を縦結びにならないように結ぶことができる。枕カバーを入れる際は、カバーの輪が入口または床頭台側に来るように正しい位置に置き、布団の輪は、入口または床頭台側になるように実施していくことができる。学生同士で、コミュニケーションを取り、息を合わせて、患者が快適なベッドを作成することが実施できる。実施後は、患者と教員に報告することができる。
② 臥床患者のシーツ交換の必要性、目的、実施方法、根拠を理解し、実施する。教員側であらかじめ決めた2人1組で決められた制限時間内にて臥床患者のシーツ交換の試験を実施する。教員が評価表に基づき評価を行う。患者が臥床しているため、患者の安全に注意し、健康状態を観察しながら体位変換を実施し、シーツを交換することができる。また、技術の実施に集中せず、患者に不安を与えないように声かけを行うこともできる。患者が臥床しているため、しわができやすいため、しっかりと2人の息を合わせ(お互いに声かけ・患者への説明・実施時の患者への配慮等)、シーツのしわを伸ばし、褥瘡を予防する行動をとることができる。終了後は、患者にナースコールの位置を確認し、声をかけることができる。また、教員へ患者の状態を踏まえた報告ができる。
③ 技術の実践における注意点として、患者の安全安楽に注意し、健康状態を観察しながらシーツを交換する。また、患者に不安を与えないように声かけを行うことも重要である。また、患者に挨拶を行い、一般状態を確認した後、目的、方法、時間、排泄などの配慮について説明する。室温・湿度の確認や換気(窓を開ける)を行い、援助しやすいように物品配置などの環境を整える。側臥位への体位変換時やシーツの角を作成する際にはボディメカニクスを活用する。さらに、動作時にベッドの床にしゃがみこまないようにする(膝を床につけない)。物品を乗せたワゴンは、使用しやすい適切な位置に配置し、ワゴン上の清潔・不潔部分の区分を明確にして使用する。新しいシーツは清潔部分の上の段、古いシーツは不潔部分の下の段に置くようにする。ベッド上においても古いシーツと新しいシーツを重ねないように注意し、古いシーツは皮膚の落屑などの汚染を広げないように内側に小さくまとめてワゴンの下の段に置く、などに注意し、実施できる。
キーワード ① 臥床患者 ② シーツ交換 ③ 体位交換 ④ ボディメカニクス ⑤ 作業効率
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受ける。振り返りシートや評価表を用いてできていなかったところをできるように方法を再確認し、自主練習に挑む。また、ベッドメーキングや臥床患者のシーツ交換の目的や方法、その根拠について、教科書を用いて確認し、知識・技術を定着させる。
予習:生活援助方法論の第5回の講義内容のボディメカニクス、体位変換、ポジショニングに関する内容を復習する。ボディメカニクスでの定義や考え方について確認しておく。体位変換では、ボディメカニクスに基づいた体位変換の方法を確認する。ポジショニングの目的や方法について確認する。教科書P479の動画⑫を見ておく。

10 活動・休息に関する援助技術(ボディメカニクス・体位変換・ポジショニング) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第10回の本時では、活動・休息に関する技術として、ボディメカニクス、体位変換、ポジショニングについて学ぶ。基本姿勢や基本体位を理解し、苦痛緩和や安楽確保のための援助技術を実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p141(レム睡眠とノンレム睡眠・サーカディアンリズムについて)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降).
コマ主題細目 ① ボディメカニクス ② 体位変換 ③ ポジショニング
細目レベル ① ボディメカニクスとは、人間の身体構造(骨格・筋肉・神経・内臓など)や機能を力学的視点からとらえた良い姿勢や、無理や無駄のない効率的な動作のことをいう。この動作を行うための身体の使い方をボディメカニクス技術という。看護援助の場面では、患者の体位変換や姿勢の保持、ADLの援助などにおいてボディメカニクスの考え方を理解し、ボディメカニクス技術を活用することが重要である。ボディメカニクスは援助する側の身体の負担を軽減するだけでなく、援助される側の安全・安楽を目指すことにもつながる。そのため、看護師側からみたボディメカニクス技術の基本(1.安定した作業姿勢、2,患者に近づき動作に適した筋群を使用する、3.患者の支持基底面を狭くする、4.てこの原理と力のモーメントの応用がある)を意識して、体位変換などの看護技術を行うことができる。
② グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に体位変換を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察し、チェックする。体位変換を行う際には、ボディメカニクスを意識して行う。実施する体位変換は、左右への移動・上方への移動・仰臥位から側臥位・仰臥位からファウラー位である。患者の安全・安楽を考え、1つ1つ方法を患者に説明し、患者の協力を得ながら実施していくことができる。また、患者の手の位置、足の位置を意識し、患者の指示基底面を狭くする。さらに、てこの原理を利用し、看護師の負担(特に腰部)を軽減することができる。そして、ベッドの高さ、患者の転落、ベッド柵の位置に注意し、ペア同士でコミュニケーションを取りながら、安全に体位変換を実施できる。
③ グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に体位変換を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察し、チェックする。安楽枕などを用いて仰臥位、側臥位、半側臥位、ファウラー位、腹臥位のポジショニングを行うことができる。体位保持(ポジショニング)は、疾患などによって患者が自ら体位を保持することができない場合、局所的に過剰な圧が加わり続け、褥瘡の発生、筋緊張の増加、胸郭や腹腔内臓器への圧迫などを引き起こし足りする可能性があるため、安楽枕などの物品を使用し、患者の状態に合わせて身体的にも精神的にも安楽な体位を保持できるように援助する。ポジショニングを行う際には、麻痺側は脱臼を起こしやすいこと、麻痺による循環障害の増悪を引き起こしやすいため、麻痺側は原則として下側にしないように注意し、安全・安楽ポジショニングを実施することができる。
キーワード ① ボディメカニクス ② 作業姿勢 ③ 体位変換 ④ ポジショニング ⑤ 安楽な体位
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでボディメカニクスの基本技術を意識しながら体位変換が実施できたかを振り返る。また、ボディメカニクスや体位変換、ポジショニングの目的や方法、その根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認する。教科書P479の動画⑫を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第5回の講義内容のボディメカニクス、体位変換、ポジショニングに関する内容を復習する。ボディメカニクスでの定義や考え方について確認しておく。体位変換では、ボディメカニクスに基づいた体位変換の方法を確認する。ポジショニングの目的や方法について確認する。教科書P479の動画⑫みておく。

11 活動・休息に関する援助技術(ボディメカニクス・体位変換・ポジショニング) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第11回の本時では、第10回に引き続き、活動・休息に関する技術として、ボディメカニクス、体位変換、ポジショニングについて学ぶ。基本姿勢や基本体位を理解し、苦痛緩和や安楽確保のための援助技術を実施できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p141(レム睡眠とノンレム睡眠・サーカディアンリズムについて)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降).
コマ主題細目 ① ボディメカニクス ② 体位変換 ③ ポジショニング
細目レベル ① ボディメカニクスとは、人間の身体構造(骨格・筋肉・神経・内臓など)や機能を力学的視点からとらえた良い姿勢や、無理や無駄のない効率的な動作のことをいう。この動作を行うための身体の使い方をボディメカニクス技術という。看護援助の場面では、患者の体位変換や姿勢の保持、ADLの援助などにおいてボディメカニクスの考え方を理解し、ボディメカニクス技術を活用することが重要である。ボディメカニクスは援助する側の身体の負担を軽減するだけでなく、援助される側の安全・安楽を目指すことにもつながる。そのため、看護師側からみたボディメカニクス技術の基本(1.安定した作業姿勢、2,患者に近づき動作に適した筋群を使用する、3.患者の支持基底面を狭くする、4.てこの原理と力のモーメントの応用がある)を意識して、体位変換などの看護技術を行うことができる。観察者の学生より、ボディメカニクスの実践ができていたか評価を受け、技術を定着させる。
② グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に体位変換を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察し、チェックする。体位変換を行う際には、ボディメカニクスを意識して行う。実施する体位変換は、左右への移動・上方への移動・仰臥位から側臥位・仰臥位からファウラー位である。患者の安全・安楽を考え、1つ1つ方法を患者に説明し、患者の協力を得ながら実施していくことができる。また、患者の手の位置、足の位置を意識し、患者の指示基底面を狭くする。さらに、てこの原理を利用し、看護師の負担(特に腰部)を軽減することができる。そして、ベッドの高さ、患者の転落、ベッド柵の位置に注意し、ペア同士でコミュニケーションを取りながら、安全に体位変換を実施できる。実施後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
③ グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に体位変換を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察し、チェックする。安楽枕などを用いて仰臥位、側臥位、半側臥位、ファウラー位、腹臥位のポジショニングを行うことができる。体位保持(ポジショニング)は、疾患などによって患者が自ら体位を保持することができない場合、局所的に過剰な圧が加わり続け、褥瘡の発生、筋緊張の増加、胸郭や腹腔内臓器への圧迫などを引き起こし足りする可能性があるため、安楽枕などの物品を使用し、患者の状態に合わせて身体的にも精神的にも安楽な体位を保持できるように援助する。ポジショニングを行う際には、麻痺側は脱臼を起こしやすいこと、麻痺による循環障害の増悪を引き起こしやすいため、麻痺側は原則として下側にしないように注意し、安全・安楽ポジショニングを実施することができる。実施後は、学生同士で振り返りとディスカッションを行い、学びを共有することができる。
キーワード ① ボディメカニクス ② 作業姿勢 ③ 体位変換 ④ ポジショニング ⑤ 安楽な体位
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでボディメカニクスの基本技術を意識しながら体位変換が実施できたかを振り返る。また、ボディメカニクスや体位変換、ポジショニングの目的や方法、その根拠について、再度教科書の動画を用いて確認し、自主練習する。さらに、ボディメカニクスは普段の生活の中でも意識できることである。普段の生活の中で、ボディメカニクスを意識し、実践する。そして、看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認する。再度教科書P479の動画⑫を見て手順等確認する。
予習: 生活援助方法論の第5回の講義内容のうち、車椅子とストレッチャーの移乗・移送について、第6回の講義内容のうち誤嚥予防、食事介助、口腔ケアについてその目的、方法、根拠、留意点について確認しておく。また、生活援助方法演習の第5回・第6回で実施したボディメカ二クスについても再度確認しておく。教科書P479~480の動画⑫~⑭みておく。

12 活動・休息に関する技術1(車椅子・ストレッチャーの移乗・移送)   食事に関する援助(口腔ケア) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第12回の本時では、活動・休息に関する技術として車椅子・ストレッチャーの移乗・移送、食事に関する援助として口腔ケアについて学ぶ。車椅子・ストレッチャーの移乗・移送では、第10回・11回で学んだボディメカニクスの原理に基づき、また安全安楽な方法で実施する。そして、口腔ケアについては、安全安楽な食事セッティングおよび口腔ケアを実践する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p141(レム睡眠とノンレム睡眠・サーカディアンリズムについて)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送)、p35(図2-2摂食・嚥下のメカニズム)、p41(図2-4食事の姿勢)、p215(口腔ケア).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降)、p70(食事意義)、p71(食べるために必要な機能)、p73(摂食・嚥下)、81(食事時の姿勢).
コマ主題細目 ① 車椅子・ストレッチャーの点検 ② 車椅子の移乗・移送 ③ ストレッチャーの移乗・移送 ④ 口腔ケア
細目レベル ① 車椅子やストレッチャーなどへの移乗・移送動作の前に、必ず点検を行う。各グループの学生間で以下の点について点検を行う。車椅子は、シート・背もたれの破損の有無、ハンドルのグリップのゆるみがないか、大車輪・キャスターの動きの不具合、タイヤの空気圧、ブレーキの利き具合、フットレストの高さ、開き具合について点検することができる。ストレッチャーは、点滴をしているかどうか、酸素吸入をしているかどうかなどの患者の状態に応じたストレッチャーを選び、使用可能かどうかを確認することができる。また、安全ベルトや側板は使用可能か、高さ調整は適切にできるか、キャスターの動き、ブレーキの利き具合について点検することができる。
② グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に車椅子移乗・移送を実施する。一部介助と全介助の両方を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察する。まず介助に必要なスペースを確保し、車椅子を配置する。特に、片麻痺患者の車椅子の配置は、麻痺側と健側を意識し、正しく車椅子を配置することができる。注意点として、転倒・転落がないように常に注意する。患者の自然な動きを妨げず、患者が持つ力をいかすことを考えて実施していくことができる。移送時、段差がある場合は、段差の手前まで車椅子を寄せ、グリップを両手で握る。ティッピングレバーを踏み、患者の体重を後方に移動させながら、前輪を上げて段に乗せる。後輪が段に当たるまで前進し、背もたれを押し前進する。移送中は、患者の手の位置に注意する。
③ グループ内で患者役、看護師役を決め、2人ずつ順番にストレッチャー移乗・移送を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察する。まず、介助に必要なスペースを確保し、ストレッチャーとベッドを同じ高さにする。患者の背中にスライディングシートを入れ込み、患者の体をシートに乗せ、ストレッチャー側の看護師がシートを手前に引く。反対側の看護師は、ストレッチャーの中心に、患者を移動させ、サイドレールをする。シート移動時の皮膚の摩擦や四肢の巻き込みに注意し、実施できる。移送は、原則2人以上で実施する。患者の足側を進行方向に向け走行する。曲がり角では頭側を支点として、足側をゆっくり回転する。移送中、患者に異常がないか観察する。
④ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に食事のセッティングと口腔ケアを実施する。食事のセッティングでは、まず、プライバシー保護、食事にふさわしい環境にするよう環境整備を行い、患者の体位を整える。ファウラー位にする場合、頸部を前屈できるようにポジショニングする。必要時エプロンを着用し、テーブルの高さを調整し、食事全体が視界に入るようにする。口腔ケアでは、ブラッシングする前に、口腔内を含嗽する。うがい水を排出する際は、顔を横向きにし、ガーグルベースンを頬から下顎に密着させ、水が口角・頬を伝わるようにする。ブラッシングをする際は圧が強すぎないように、スポンジをペングリップで持つ。スポンジを水で濡らし、スポンジの水を絞る。上顎→下顎ごとに咬合面→頬側→舌側をまんべんなくブラッシングする。また、粘膜の清掃(舌苔の除去、舌、舌下、口蓋、頬内側)も実施する。ブラッシング後は十分な水で洗浄し、実施できる。
キーワード ① 車椅子 ② ストレッチャー ③ 移乗・移送 ④ 口腔ケア ⑤ ハミングッド
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで車椅子・ストレッチャーの移乗前の観察項目、食事介助・口腔ケア時の観察項目を整理し、また実施時には注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。また、車椅子・ストレッチャーの移乗・移送の目的や方法、その根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認する。再度教科書P479~480の動画⑫~⑭を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第5回の講義内容のうち、車椅子とストレッチャーの移乗・移送について、第6回の講義内容のうち誤嚥予防、食事介助、口腔ケアについてその目的、方法、根拠、留意点について確認しておく。また、生活援助方法演習の第5回・第6回で実施したボディメカ二クスについても再度確認しておく。教科書P479~480の動画⑫~⑭を見ておく。

13 活動・休息に関する技術2(車椅子・ストレッチャーの移乗・移送)   食事に関する援助(口腔ケア) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第13回の本時では、第12回に引き続き、活動・休息に関する技術として車椅子・ストレッチャーの移乗・移送、食事に関する援助として口腔ケアについて学ぶ。車椅子・ストレッチャーの移乗・移送では、第10回・11回で学んだボディメカニクスの原理に基づき、また安全安楽な方法で実施する。また、口腔ケアについては、安全安楽な食事セッティングおよび口腔ケアの必要性を理解し、実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p141(レム睡眠とノンレム睡眠・サーカディアンリズムについて)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送)、p35(図2-2摂食・嚥下のメカニズム)、p41(図2-4食事の姿勢)、p215(口腔ケア).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降)、p70(食事意義)、p71(食べるために必要な機能)、p73(摂食・嚥下)、81(食事時の姿勢).
コマ主題細目 ① 車椅子・ストレッチャーの点検 ② 車椅子の移乗・移送 ③ ストレッチャーの移乗・移送 ④ 口腔ケア
細目レベル ① 車椅子やストレッチャーなどへの移乗・移送動作の前に、必ず点検を行う。各グループの学生間で以下の点について点検を行う。車椅子は、シート・背もたれの破損の有無、ハンドルのグリップのゆるみがないか、大車輪・キャスターの動きの不具合、タイヤの空気圧、ブレーキの利き具合、フットレストの高さ、開き具合について点検することができる。ストレッチャーは、点滴をしているかどうか、酸素吸入をしているかどうかなどの患者の状態に応じたストレッチャーを選び、使用可能かどうかを確認することができる。また、安全ベルトや側板は使用可能か、高さ調整は適切にできるか、キャスターの動き、ブレーキの利き具合について点検することができる。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
② グループ内で患者役、看護師役を決め、1人ずつ順番に車椅子移乗・移送を実施する。一部介助と全介助の両方を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察する。まず介助に必要なスペースを確保し、車椅子を配置する。特に、片麻痺患者の車椅子の配置は、麻痺側と健側を意識し、正しく車椅子を配置することができる。注意点として、転倒・転落がないように常に注意する。患者の自然な動きを妨げず、患者が持つ力をいかすことを考えて実施していくことができる。移送時、段差がある場合は、段差の手前まで車椅子を寄せ、グリップを両手で握る。ティッピングレバーを踏み、患者の体重を後方に移動させながら、前輪を上げて段に乗せる。後輪が段に当たるまで前進し、背もたれを押し前進する。移送中は、患者の手の位置に注意する。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
③ グループ内で患者役、看護師役を決め、2人ずつ順番にストレッチャー移乗・移送を実施する。他のメンバーは実施の様子を観察する。まず、介助に必要なスペースを確保し、ストレッチャーとベッドを同じ高さにする。患者の背中にスライディングシートを入れ込み、患者の体をシートに乗せ、ストレッチャー側の看護師がシートを手前に引く。反対側の看護師は、ストレッチャーの中心に、患者を移動させる。シート移動時の皮膚の摩擦や四肢の巻き込みに注意し、実施できる。移送は、原則2人以上で実施する。患者の足側を進行方向に向け走行する。曲がり角では頭側を支点として、足側をゆっくり回転する。移送中、患者に異常がないか観察する。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
④ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に食事のセッティングと口腔ケアを実施する。食事のセッティングでは、まず、プライバシー保護、食事にふさわしい環境にするよう環境整備を行い、患者の体位を整える。ファウラー位にする場合、頸部を前屈できるようにポジショニングする。必要時エプロンを着用し、テーブルの高さを調整し、食事全体が視界に入るようにする。口腔ケアでは、ブラッシングする前に、口腔内を含嗽する。うがい水を排出する際は、顔を横向きにし、ガーグルベースンを頬から下顎に密着させ、水が口角・頬を伝わるようにする。ブラッシングをする際は圧が強すぎないように、スポンジをペングリップで持つ。スポンジを水で濡らし、スポンジの水を絞る。ブラッシング後は十分な水で洗浄し、実施できる。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
キーワード ① 車椅子 ② ストレッチャー ③ 移乗・移送 ④ 口腔ケア ⑤ ハミングッド
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで車椅子・ストレッチャーの移乗前の観察項目、食事介助・口腔ケア時の観察項目を整理し、また実施時には注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。また、足りないところは、教科書P479~480の動画⑫~⑭や生活援助方法論の第4~5回の講義資料を見直し、できるように自主練習しておくこと。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても、振り返りシートに記載し、再確認できるようにしておくこと。
予習: 生活援助方法論の第7回の講義内容のうち、全身清拭と寝衣交換について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、生活援助方法演習の第5回・第6回で実施したボディメカ二クスについても再度確認し、清拭や寝衣交換時にも活用できるようにしておく。教科書P480~481の動画⑮~⑯とP483の動画㉒を見ておく。

14 清潔援助に関する技術1(全身清拭、寝衣交換) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第14回の本時では、清潔に関する技術として全身清拭・寝衣交換の技術を学ぶ。清潔援助の必要性を踏まえ、患者にとって安全・安楽な方法で、根拠に基づいた清潔援を実践する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱).
コマ主題細目 ① 清拭の準備 ② 清拭の方法 ③ 寝衣交換
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、看護師役の学生が準備を行う。全身清拭は、入浴やシャワー浴に比べて呼吸・循環に及ぼす影響が少ないため、呼吸・循環障害があるなど入浴による不可に耐えられない場合、入浴に代わる清潔方法として適用される。まず、実施前にセルフケア能力、適切な体位、皮膚の状態をアセスメントして実施することを確認する。食直後は避け、排泄をすませて、全身を観察し、変化がないことを確認する。患者の同意を得て説明し、患者の状態に合わせて実施時の体位を選択し、看護師のボディメカニクスを考慮してベッドの高さや患者との位置を調整することができる。準備段階での湯の温度(70~80度)、およびベースン内に入れる際の湯の温度に注意する。また、室温を22~24度に調整し、気流が生じないように窓を閉め、空調風量のコントロールを行う。プライバシーが保てるようにドアやカーテンを閉めるなどの環境の準備を行うことができる。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に清潔ケアを行う。実施の際は、患者の安全・安楽な方法を考えて実践することができる。全身清拭では、ウォッシュクロスを使用する。ベースンに湯を注ぎ、温度を調整し、ウォッシュクロスの作成をする。ウォッシュクロスは、看護者の前腕内側で適温であることを確認してから患者の皮膚に当てる。拭き方は、筋肉の走行に沿って、関節を支え、拭くスピードや拭くときの圧に注意しながら実施する。拭いた後は、乾いたタオルで、押さえるように水分をふき取る。患者の寝衣を整え、片付けをすることができる。また、清拭車を使用して蒸しタオルを準備する方法もあり、演習においても実際に清拭車の使用法を学ぶ。背部清拭の際の拭き方、拭き圧に注意する。実施の際には適宜声かけや皮膚の観察を行う。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の寝衣交換を行う。実施の際は、患者の安全・安楽な方法で援助を行う。患者の準備として、排泄を済ませてから実施する。患者の状態にあったタイプの新しい寝衣や毛布などを用意する。患者が寒くないように室温・気流の調整をし、冷感を感じないように看護師の手をあたためておく。また、カーテンで仕切るなどプライバシーの保護に努め、援助する環境を整えて物品を効率的に配置する。寝衣は、手関節→肘関節→肩の順に袖を通し、襟元にゆとりをもたせながら、見ごろを合わせ、寝衣のひもを結ぶ。この時、縦結びにならないように注意する。寝衣のしわをのばす。最後に環境を整え、片付けを行うことができる。また、片麻痺患者を想定し、着患脱健を意識して、実施できる。
キーワード ① 石けん清拭 ② ウォッシュクロス ③ 熱布清拭 ④ 清拭車 ⑤ 寝衣交換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで全身清拭と寝衣交換前の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。全身清拭や寝衣交換の目的や方法、その根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認する。再度教科書P480~481の動画⑮~⑯とP483の動画㉒を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第7回の講義内容のうち、全身清拭と寝衣交換について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、生活援助方法演習の第5回・第6回で実施したボディメカ二クスについても再度確認し、清拭や寝衣交換時にも活用できるようにしておく。教科書P480~481の動画⑮~⑯とP483の動画㉒を見ておく。

15 清潔援助に関する技術1(全身清拭、寝衣交換) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第15回の本時では、第14回に続き、清潔に関する技術として全身清拭・寝衣交換の技術を学ぶ。清潔援助の必要性を踏まえ、患者にとって安全・安楽な方法で、根拠に基づいた清潔援助を実践する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱).
コマ主題細目 ① 清拭の準備 ② 清拭の方法 ③ 寝衣交換
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、看護師役の学生が準備を行う。全身清拭は、入浴やシャワー浴に比べて呼吸・循環に及ぼす影響が少ないため、呼吸・循環障害があるなど入浴による不可に耐えられない場合、入浴に代わる清潔方法として適用される。まず、実施前にセルフケア能力、適切な体位、皮膚の状態をアセスメントして実施することを確認する。食直後は避け、排泄をすませて、全身を観察し、変化がないことを確認する。患者の同意を得て説明し、患者の状態に合わせて実施時の体位を選択し、看護師のボディメカニクスを考慮してベッドの高さや患者との位置を調整することができる。準備段階での湯の温度(70~80度)、およびベースン内に入れる際の湯の温度に注意する。また、室温を22~24度に調整し、気流が生じないように窓を閉め、空調風量のコントロールを行う。プライバシーが保てるようにドアやカーテンを閉めるなどの環境の準備を行うことができる。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に清潔ケアを行う。実施の際は、患者の安全・安楽な方法を考えて実践することができる。全身清拭では、ウォッシュクロスを使用する。ベースンに湯を注ぎ、温度を調整し、ウォッシュクロスの作成をする。ウォッシュクロスは、看護者の前腕内側で適温であることを確認してから患者の皮膚に当てる。拭き方は、筋肉の走行に沿って、関節を支え、拭くスピードや拭くときの圧に注意しながら実施する。拭いた後は、乾いたタオルで、押さえるように水分をふき取る。患者の寝衣を整え、片付けをすることができる。また、清拭車を使用して蒸しタオルを準備する方法もあり、演習においても実際に清拭車の使用法を学ぶ。背部清拭の際の拭き方、拭き圧に注意する。実施の際には適宜声かけや皮膚の観察を行う。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の寝衣交換を行う。実施の際は、患者の安全・安楽な方法で援助を行う。患者の準備として、排泄を済ませてから実施する。患者の状態にあったタイプの新しい寝衣や毛布などを用意する。患者が寒くないように室温・気流の調整をし、冷感を感じないように看護師の手をあたためておく。また、カーテンで仕切るなどプライバシーの保護に努め、援助する環境を整えて物品を効率的に配置する。寝衣は、手関節→肘関節→肩の順に袖を通し、襟元にゆとりをもたせながら、見ごろを合わせ、寝衣のひもを結ぶ。この時、縦結びにならないように注意する。寝衣のしわをのばす。最後に環境を整え、片付けを行うことができる。また、片麻痺患者を想定し、着患脱健を意識して、実施できる。実施後は振り返りを行い、学生同士でよかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
キーワード ① 石けん清拭 ② ウォッシュクロス ③ 熱布清拭 ④ 清拭車 ⑤ 寝衣交換
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで全身清拭と寝衣交換前の観察項目を整理する。また、実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行いながら、振り返りシートに学びを記載する。再度教科書P480~481の動画⑮~⑯とP483の動画㉒の手順や生活援助方法論の第7あ~8回の講義資料を見直し、全身清拭や寝衣交換の目的や方法、その根拠と留意点について再確認する。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についてもリフレクッションする。再度教科書P480~481の動画⑮~⑯とP483の動画㉒の手順等確認する。
予習: 生活援助方法論の第8回の講義内容のうち、洗髪について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、洗髪に用いるケリーパッド、さっぱりさん、洗髪車、洗髪台を用いた洗髪にはどのような違いがあるのかを押さえておく。教科書P481の動画の⑰を見ておく。

16 清潔援助に関する技術2(洗髪) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第16回の本時では、清潔に関する技術として洗髪の技術を学ぶ。ケリーパッドあるいはさっぱりさんを用いて、臥床患者の洗髪を患者の状況に合わせて実施する。実施の際の患者の体位や注意点についてグループで話し合い、安全・安楽な方法を理解し、実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① ケリーパッドとさっぱりさんを用いた洗髪 ② 洗髪車を用いた洗髪 ③ 洗髪台での洗髪
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の洗髪を行うことができる。洗髪にはケリーパッドまたはさっぱりさんを用いる。事前に空気圧の確認をしておく。患者の湯の好みを確認し、湯温の調整を行う。室温・気流の調整をし、ベッドの高さや物品配置など援助しやすい環境を整えて配置する。ケリーパッドまたはさっぱりさんの位置を調整し、ケープとタオルを適切な位置に巻き、排水路を確保し、患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。
② 洗髪者は、実際の洗髪車を見て使用方法を学ぶ事を目的とする。洗髪車は、洗髪台まで移動できない安静臥床患者を対象に、仰臥位のまま洗髪するときに用いる。電動式であるため電源のある場所でないと使用できないが、設定した温度で湯の保温が可能である。洗髪車の動作確認を行った後に、洗髪に使用する湯(38~41度)を湯タンクに入れが、前もって患者の好みの温度を確認しておく。タンク内の入る湯の量は決まっているため、使用する湯の量に注意し、節約することが必要である。また、終了後は、排水タンクの清掃が必要であることを理解することができる。希望時、洗髪車での洗髪は可能であり、ペアで協力し、実施する。実施する際は、安楽な体位や湯の温度、排水に注意しながら実施できる。
③ 患者が洗髪台へ移動できる場合は、日常生活の清潔習慣を考慮して頸部を前屈した座位で行うことを検討する必要がある。洗髪方法の基本は、ケリーパッドまたはさっぱりさんを使用した方法と同様である。洗髪台までの移動には独歩、車椅子などの方法があり、患者の状況をアセスメントして選択する。座位が不安定な場合や、身長が低く洗髪台に頭が届かない場合は、椅子を変える、または枕やバスタオルを用いるなどして座位を安定させることが必要である。洗髪用ケープの全面部分は洗髪台の中に入れ、患者の頭にかけた湯が洗髪台の中に流れるようにする。後頭部をすすぐ場合は、片手で土手をつくりながらシャワーをあて、背部に湯が流れ込まないように注意し、実施できる。洗髪終了後はタオルで毛髪の水分をふき取ってから患者の体を起こし、顔を拭くことを行い、整容することができる。
キーワード ① ケリーパッド ② さっぱりさん ③ 臥床患者 ④ 洗髪車 ⑤ 洗髪台
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで洗髪時の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。洗髪の目的や各物品(ケリーパッド、さっぱりさん)を用いた方法、その根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。再度教科書P481の動画⑰を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第8回の講義内容のうち、洗髪について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、洗髪に用いるケリーパッド、さっぱりさん、洗髪車、洗髪台を用いた洗髪にはどのような違いがあるのかを押さえておく。教科書P481の動画の⑰を見ておく。

17 清潔援助に関する技術2(洗髪) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第17回の本時では、第16回に続き清潔に関する技術として洗髪の技術を学ぶ。ケリーパッドあるいはさっぱりさんをもちいて、臥床患者に対する洗髪を素早くかつ丁寧に実施する。実施の際の患者の体位や注意点についてグループで話し合い、安全・安楽な方法を理解し、実践する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① ケリーパッドとさっぱりさんを用いた洗髪 ② 洗髪車を用いた洗髪 ③ 洗髪台での洗髪
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の洗髪を行うことができる。事前に空気圧の確認をしておく。患者の湯の好みを確認し、湯温の調整を行う。室温・気流の調整をし、ベッドの高さや物品配置など援助しやすい環境を整えて配置する。ケリーパッドまたはさっぱりさんの位置を調整し、ケープとタオルを適切な位置に巻き、排水路を確保し、患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
② 洗髪者は、実際の洗髪車を見て使用方法を学ぶ事を目的とする。洗髪車は、洗髪台まで移動できない安静臥床患者を対象に、仰臥位のまま洗髪するときに用いる。電動式であるため電源のある場所でないと使用できないが、設定した温度で湯の保温が可能である。洗髪車の動作確認を行った後に、洗髪に使用する湯(38~41度)を湯タンクに入れが、前もって患者の好みの温度を確認しておく。タンク内の入る湯の量は決まっているため、使用する湯の量に注意し、節約することが必要である。また、終了後は、排水タンクの清掃が必要であることを理解することができる。希望時、洗髪車での洗髪は可能であり、ペアで協力し、実施する。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
③ 患者が洗髪台へ移動できる場合は、日常生活の清潔習慣を考慮して頸部を前屈した座位で行うことを検討する必要がある。洗髪方法の基本は、ケリーパッドまたはさっぱりさんを使用した方法と同様である。洗髪台までの移動には独歩、車椅子などの方法があり、患者の状況をアセスメントして選択する。座位が不安定な場合や、身長が低く洗髪台に頭が届かない場合は、椅子を変える、または枕やバスタオルを用いるなどして座位を安定させることが必要である。洗髪用ケープの全面部分は洗髪台の中に入れ、患者の頭にかけた湯が洗髪台の中に流れるようにする。後頭部をすすぐ場合は、片手で土手をつくりながらシャワーをあて、背部に湯が流れ込まないように注意し、実施できる。洗髪終了後はタオルで毛髪の水分をふき取ってから患者の体を起こし、顔を拭くことを行い、整容することができる。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
キーワード ① ケリーパッド ② さっぱりさん ③ 臥床患者 ④ 洗髪車 ⑤ 洗髪台
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで洗髪時の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。洗髪の目的や各物品(ケリーパッド、さっぱりさん)を用いた方法、その根拠と留意点について教科書p481の動画⑰や生活援助方法論の第7~8回の講義資料を見直し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認することと、実施できてない箇所は、次回時に積極的に看護師役を実施すること。
予習:次回、第2回目の技術試験である。生活援助方法演習の第14回~17回の内容を振り返り、全身清拭、寝衣交換、洗髪の目的、方法、留意点、根拠について確認しておくこと教科書P480~481の動画の⑮~⑰とP483の動画㉒を見ておく。

18 【技術試験2回目】  科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第18回の本時は、技術試験の第2回目として清潔ケア・寝衣交換・洗髪を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① 清潔ケア ② 寝衣交換 ③ 洗髪
細目レベル ① 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。湯の温度を注意し、背部清拭と上肢の清拭を行う。背部は熱布清拭、上肢はウォッシュクロスを使用する。自分の前腕で確認し、患者に当てる。ウォッシュクロスは、すばやく15秒以内で正しく巻き付け、手関節や肘関節を正しく固定し、末梢から中枢に向かって拭く。拭くスピードは、30㎝を1秒間で往復する程度とし、適切な強さで拭く。拭く際にはウォッシュクロスを肌から離さずに拭く。終了後はバスタオルで素早く押し拭きをすることを丁寧に行うことができる。
② 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。脱衣・着衣の際には、関節を支え、安楽な体位を保つ。露出を避け、バスタオルを患者にかける。襟元にゆとりを持たせながら、見ごろを合わせる。脇縫い部分を左右に引き、背部のしわをのばす。最後に寝衣のひもを結ぶ。終了したことを患者に告げ、綿毛布を取り除き布団をかける。患者の環境(ベッド柵、床頭台、カーテン、ナースコールの位置)をもとに戻す。古い寝衣は清潔・不潔の区別をしてワゴンにのせる。患者に適切な声かけや観察しながら、実施できる。
③ 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。
キーワード ① 湯温清拭 ② ウォッシュクロス ③ 熱布清拭 ④ 寝衣交換 ⑤ 洗髪
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで清潔ケア・寝衣交換・洗髪の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。各援助の目的や物品、方法、その根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。ペアの学生どこができていなかったのかリフレクッションを行い、自主練習に積極的に参加する。教科書P481の動画の⑰を見て手順等確認し、正しい方法を押さえておくこと。そして、ワークシートから手順の根拠を再度確認しておくこと。
予習:次回、第2回目の技術試験である。生活援助方法演習の第14回~17回の内容を振り返り、全身清拭、寝衣交換、洗髪の目的、方法、留意点、根拠について確認しておくこと教科書P480~481の動画の⑮~⑰とP483の動画㉒を見ておく。

19 【技術試験2回目】  科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第19回の本時では、第18回に続き、技術試験の2回目として、清潔ケア・寝衣交換・洗髪を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① 清潔ケアの ② 寝衣交換 ③ 洗髪
細目レベル ① 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。湯の温度を注意し、背部清拭と上肢の清拭を行う。背部は熱布清拭、上肢はウォッシュクロスを使用する。自分の前腕で確認し、患者に当てる。ウォッシュクロスは、すばやく15秒以内で正しく巻き付け、手関節や肘関節を正しく固定し、末梢から中枢に向かって拭く。拭くスピードは、30㎝を1秒間で往復する程度とし、適切な強さで拭く。拭く際にはウォッシュクロスを肌から離さずに拭く。終了後はバスタオルで素早く押し拭きをすることを丁寧に行うことができる。
② 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。脱衣・着衣の際には、関節を支え、安楽な体位を保つ。露出を避け、バスタオルを患者にかける。襟元にゆとりを持たせながら、見ごろを合わせる。脇縫い部分を左右に引き、背部のしわをのばす。最後に寝衣のひもを結ぶ。終了したことを患者に告げ、綿毛布を取り除き布団をかける。患者の環境(ベッド柵、床頭台、カーテン、ナースコールの位置)をもとに戻す。古い寝衣は清潔・不潔の区別をしてワゴンにのせる。患者に適切な声かけや観察しながら、実施できる。
③ 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。
キーワード ① 温湯清拭 ② ウォッシュクロス ③ 熱布清拭 ④ 寝衣交換 ⑤ 洗髪
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受け、より高い技術を身に着けるために、自己の技術を振り返る。その後、積極的に自主練習を行う。また、臥床患者の全身清拭と寝衣交換の目的や方法、その根拠について教科書やワークシート、振り返りシートを用いて、再度確認し、知識と技術を関連させて、技術の修得を目指すこと。
予習:生活援助方法演習の第14回~17回の内容を振り返り、全身清拭、寝衣交換、洗髪の目的、方法、留意点、根拠について確認しておくこと教科書P480~481の動画の⑮~⑰とP483の動画㉒を見て、頭の中で、イメージトレーニングをする。さらに、患者への説明方法やメンバー間で協力してできるように話し合っておくこと。

20 【技術試験2回目】 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第20回の本時では、第18回・第19回に続き、技術試験の第2回目として、清潔ケア・寝衣交換・洗髪を実施する。実施した技術の振り返りを行い、技術の定着を図る。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① 清潔ケア ② 寝衣交換 ③ 洗髪
細目レベル ① 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。湯の温度を注意し、背部清拭と上肢の清拭を行う。背部は熱布清拭、上肢はウォッシュクロスを使用する。自分の前腕で確認し、患者に当てる。ウォッシュクロスは、すばやく15秒以内で正しく巻き付け、手関節や肘関節を正しく固定し、末梢から中枢に向かって拭く。拭くスピードは、30㎝を1秒間で往復する程度とし、適切な強さで拭く。拭く際にはウォッシュクロスを肌から離さずに拭く。終了後はバスタオルで素早く押し拭きをすることを丁寧に行うことができる。学生同士で、声掛けしながら、協力して実施できる。終了時は、教員へ報告することや実施できた箇所、できなかった箇所をペアでディスカッションし、技術を振り返ることができる。
② 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。脱衣・着衣の際には、関節を支え、安楽な体位を保つ。露出を避け、バスタオルを患者にかける。襟元にゆとりを持たせながら、見ごろを合わせる。脇縫い部分を左右に引き、背部のしわをのばす。最後に寝衣のひもを結ぶ。終了したことを患者に告げ、綿毛布を取り除き布団をかける。患者の環境(ベッド柵、床頭台、カーテン、ナースコールの位置)をもとに戻す。古い寝衣は清潔・不潔の区別をしてワゴンにのせる。患者に適切な声かけや観察しながら、実施できる。学生同士で、声掛けしながら、協力して実施できる。終了時は、教員へ報告することや実施できた箇所、できなかった箇所をペアでディスカッションし、技術を振り返ることができる。
③ 患者役1名と看護師役2名を配置し、1組ずつ教員が評価表に基づきチェックを行う。実施者は、看護者としてふさわしい身だしなみに整え、時間内終了することができる。ベッドの柵の取り扱い(患者の体の上を通さない)に注意する。患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。学生同士で、声掛けしながら、協力して実施できる。終了時は、教員へ報告することや実施できた箇所、できなかった箇所をペアでディスカッションし、技術を振り返ることができる。
キーワード ① 湯温清拭 ② ウォッシュクロス ③ 熱布清拭 ④ 寝衣交換 ⑤ 洗髪
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受る。技術試験の項目の振り返りシートや評価表を見直し、できていなかったところを再度理解し、自主練習を行う。また、メンバー間で、足りなかった点、注意していく点なども話し合いし、同じところを間違えないようにしておくこと。そして、援助の目的や方法、その根拠について、教科書やワークシートを用いて確認し、正しい知識(根拠)・技術を定着させる。
予習:生活援助方法論の第8回の講義内容のうち、洗髪について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、洗髪に用いるケリーパッド、さっぱりさん、洗髪車、洗髪台を用いた洗髪にはどのような違いがあるのかを押さえておく。教科書P481の動画の⑰を見ておく。第16回・17回の振り返りシートを見直し、できていないところがないか確認し、看護師役や患者役を積極的に体験すること。

21 清潔援助に関する技術2(洗髪) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第21回の本時では、第16回・第17回に続いて清潔に関する技術として洗髪の技術を学ぶ。ケリーパッドあるいはさっぱりさんをもちいて、床上患者に対する洗髪を素早くかつ丁寧に行う。実施の際の患者の体位や注意点についてグループで話し合い、安全・安楽な方法を理解し、実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① ケリーパッドとさっぱりさんを用いた洗髪 ② 洗髪車を用いた洗髪 ③ 洗髪台での洗髪
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の洗髪を行うことができる。第17回で、患者役・看護師役を実施していない人から実施する。また、前回、できていなかったところを意識し、実施することができる。患者の湯の好みを確認し、湯温の調整を行う。室温・気流の調整をし、ベッドの高さや物品配置など援助しやすい環境を整えて配置する。ケリーパッドまたはさっぱりさんの位置を調整し、ケープとタオルを適切な位置に巻き、排水路を確保し、患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。
② 洗髪者は、実際の洗髪車を見て使用方法を学ぶ事を目的とする。洗髪車は、洗髪台まで移動できない安静臥床患者を対象に、仰臥位のまま洗髪するときに用いる。電動式であるため電源のある場所でないと使用できないが、設定した温度で湯の保温が可能である。洗髪車の動作確認を行った後に、洗髪に使用する湯(38~41度)を湯タンクに入れが、前もって患者の好みの温度を確認しておく。タンク内の入る湯の量は決まっているため、使用する湯の量に注意し、節約することが必要である。また、終了後は、排水タンクの清掃が必要であることを理解することができる。希望時、洗髪車での洗髪は可能であり、ペアで協力し、実施する。ただし、前回使用していないグループを優先に行う。続けて行うときは、湯タンクの湯の量や排水タンク内の汚水を排水しながら行う。
③ 第17回で、洗髪台で洗髪を実施できていないグループから実施する。また、前回できていなかったところを意識し、実施することができる。患者が洗髪台へ移動できる場合は、日常生活の清潔習慣を考慮して、移動する。頸部を前屈した座位で行う場合は、車椅子を利用する。頚部を後屈する場合は、洗髪専用の椅子を使用する。洗髪方法の基本は、ケリーパッドまたはさっぱりさんを使用した方法と同様である。注意事項として、洗髪用ケープの全面部分は洗髪台の中に入れ、患者の頭にかけた湯が洗髪台の中に流れるようにし、衣服や床が濡れないようにする。そして、後頭部をすすぐ場合は、片手で土手をつくりながらシャワーをあて、背部に湯が流れ込まないように注意し、実施できる。洗髪終了後はタオルで毛髪の水分をふき取ってから患者の体を起こし、顔を拭くことを行い、整容することができる。
キーワード ① ケリーパッド ② さっぱりさん ③ 臥床患者 ④ 洗髪車 ⑤ 洗髪台
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:実施できていないところ、わからないところを意識して、実施したことをリフレクッションする。その際は、振り返りシートで洗髪時の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。洗髪の目的や各物品(ケリーパッド、さっぱりさん)を用いた方法、その根拠と留意点について再確認する。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、学びを振り返りシートに記載し、技術向上に努める。教科書P481の動画の⑰を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第8回の講義内容のうち、洗髪について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、洗髪に用いるケリーパッド、さっぱりさん、洗髪車、洗髪台を用いた洗髪にはどのような違いがあるのかを押さえておく。教科書P481の動画の⑰を見ておく。

22 清潔援助に関する技術2(洗髪) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第22回の本時では、第16回・第17回・第21回に続いて清潔に関する技術として洗髪の技術を学ぶ。ケリーパッドあるいはさっぱりさんをもちいて、臥床患者に対する洗髪を素早くかつ丁寧に実施する。実施の際の患者の体位や注意点についてグループで話し合い、安全・安楽な方法で実践できる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について)、p193(図6-11と12ケリーパッドの体位と頭皮の洗い方).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、、p153(ピッチャーの持ち方と洗い方).
コマ主題細目 ① ケリーパッドとさっぱりさんを用いた洗髪 ② 洗髪車を用いた洗髪 ③ 洗髪台での洗髪
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に臥床患者の洗髪を行うことができる。第17回で、患者役・看護師役を実施していない人から実施する。また、前回、できていなかったところを意識し、実施することができる。患者の湯の好みを確認し、湯温の調整を行う。室温・気流の調整をし、ベッドの高さや物品配置など援助しやすい環境を整えて配置する。ケリーパッドまたはさっぱりさんの位置を調整し、ケープとタオルを適切な位置に巻き、排水路を確保し、患者のリネンや寝衣を濡らさないように注意する。ピッチャーを用いるため、ピッチャーの扱い方(患者に当てない)に注意する。お湯の温度について必ず患者に確認する。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗う。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗う。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、洗い流す。終了後はバスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないよう気をつけ、患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
② 洗髪者は、実際の洗髪車を見て使用方法を学ぶ事を目的とする。洗髪車は、洗髪台まで移動できない安静臥床患者を対象に、仰臥位のまま洗髪するときに用いる。電動式であるため電源のある場所でないと使用できないが、設定した温度で湯の保温が可能である。洗髪車の動作確認を行った後に、洗髪に使用する湯(38~41度)を湯タンクに入れが、前もって患者の好みの温度を確認しておく。タンク内の入る湯の量は決まっているため、使用する湯の量に注意し、節約することが必要である。また、終了後は、排水タンクの清掃が必要であることを理解することができる。希望時、洗髪車での洗髪は可能であり、ペアで協力し、実施する。ただし、前回使用していないグループを優先に行う。続けて行うときは、湯タンクの湯の量や排水タンク内の汚水を排水しながら行う。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
③ 第17回で、洗髪台で洗髪を実施できていないグループから実施する。また、前回できていなかったところを意識し、実施することができる。患者が洗髪台へ移動できる場合は、日常生活の清潔習慣を考慮して、移動する。頸部を前屈した座位で行う場合は、車椅子を利用する。頚部を後屈する場合は、洗髪専用の椅子を使用する。洗髪方法の基本は、ケリーパッドまたはさっぱりさんを使用した方法と同様である。注意事項として、洗髪用ケープの全面部分は洗髪台の中に入れ、患者の頭にかけた湯が洗髪台の中に流れるようにし、衣服や床が濡れないようにする。そして、後頭部をすすぐ場合は、片手で土手をつくりながらシャワーをあて、背部に湯が流れ込まないように注意し、実施できる。洗髪終了後はタオルで毛髪の水分をふき取ってから患者の体を起こし、顔を拭くことを行い、整容することができる。実施後は振り返りを行い、安全安楽な体位や注意点、よかった点や改善点についてディスカッションし、学びを共有する。
キーワード ① ケリーパッド ② さっぱりさん ③ 臥床患者 ④ 洗髪車 ⑤ 洗髪台
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:観察役の学生より、実施した洗髪の満足度を聞き、評価を受ける。できていないところは、再度教科書p481の動画⑰をみて、振り返る。振り返りシートで洗髪時の観察項目、目的や各物品(ケリーパッド、さっぱりさん)を用いた方法、その根拠と留意点について見直し、知識の定着を図る。また、グループで、ディスカッションした内容や学びを振り返りシートに記載すること。
予習:生活援助方法論の11回の講義内容で、清潔に関する技術の手浴・足浴ついて、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。教科書P482の動画⑱を見ておく。また、湯の温度は、正確に覚え、準備できるようにしておくこと。さらに、実施前評価を押さえることや患者に説明する方法(患者がわかりやすい言葉)を考えておくこと。

23 清潔援助に関する技術(手浴、足浴) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第23回の本時では、清潔に関する技術として手浴・足浴の技術を学ぶ。手浴・足浴の必要性、方法、留意点、根拠を理解し、安全・安楽の原則に則って実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、p129(足浴時湯の温度)、p134とp135(手浴時湯の温度).
コマ主題細目 ① 実施前評価 ② 手浴 ③ 足浴
細目レベル ① 実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行うことができるように、実施前評価を行う。まず、患者に実施できるかどうか患者の状態を観察し、判断(バイタルサイン測定の値、症状の有無等)することができる。次に、方法を検討する。ベッド上で臥床したままするのか、ベッドアップするのか、端座位にするのか、洗面台に移動するのか等患者の状態に合わせた体位調整を考えることができる。また、患者の自立度や麻痺や拘縮の有無を確認し、患者にできるところは協力して頂く。さらにに、患者への説明を行い、同意を得て、湯の温度の好みを確認する。室温22~24度に調整し、保温対策に努めることができる。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に手浴を行う。手浴とは、指先から手首までを温湯につけて洗う一連の行為である。手浴の目的は、手指を清潔にすることで、爽快感を得、二次感染を防ぐことである。また、長期臥床をしている患者では、食事前後や排泄後に手浴をすることが、日常生活のリズムを取り戻す良い機会となる。温熱刺激による手指の運動機能の改善、局所循環の亢進によるリラックス効果も得られる。実施の際には、湯の温度は38~41度に調整する。本時の演習においては、側臥位と座位にて実施する。寝衣を濡れないように配慮し、ベースンあるいは洗面器に湯を入れる。手を2分程度湯につけた後、ボディソープで手を洗う。洗う際には指間は念入りに洗う。かけ湯にて洗い残しがないように、泡を洗い流す。水分を押さえるように意識して拭く。寝衣、体位、環境をもとに戻し、片付けを行い記録する。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に足浴を行う。足浴とは、足先から足首あるいは下腿までを温湯に浸して洗う一連の行為である。疾病や障害があるために入浴やシャワー浴ができない患者の足部の清潔を保つため、ベッド再度で一連の行為を助けたり、かわって洗ったりする援助のことをいう。足浴の目的は、足部の清潔をと持ち、爽快感を得ることである。また、温熱刺激による、血液循環の促進、不眠や疼痛の緩和、足部の圧迫・外相による感染や壊死の予防などを目的行われる。本時の演習では、仰臥位と座位にて実施する。寝衣を濡れないように配慮し、ベースンあるいは洗面器に湯を入れる。足を湯に片方ずつつけ、足底はベースンの底につける。5分程度つけたあと、ボディソープで足を洗う。このとき、足趾間は念入りに洗い、マッサージを意識する。かけ湯にて足についた泡を洗い流す。水分をふき取り、その際には押さえ拭きを意識する。寝衣・体位・環境をもとに戻し、整える。実施後は片付けをし、記録する。
キーワード ① 手浴 ② 足浴 ③ 車椅子 ④ 移乗・移送 ⑤ ポジショニング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで手浴・足浴の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。手浴・足浴の目的や体位によって異なる実施方法、根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。再度教科書P482の動画⑱を見ておく。
予習:生活援助方法論の11回の講義内容で、清潔に関する技術の手浴・足浴ついて、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。教科書P482の動画⑱を見ておく。これまで演習を行った援助技術について振り返り、自己の課題を明確にしておく。

24 清潔援助に関する技術(手浴、足浴) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第24回の本時では、第23回に続いて清潔に関する技術として手浴・足浴の技術を学ぶ。手浴・足浴の必要性、方法、留意点、根拠を理解し、安全・安楽の原則に則って実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p171とp172(表6-1、図6-1皮膚の構造と機能)、p174(清潔援助の効果)、p178(表6-2入浴について).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p105(皮膚の構造)、p107(入浴の作用)、p115(全身清拭)p158(寝衣交換の着脱)、p129(足浴時湯の温度)、p134とp135(手浴時湯の温度).
コマ主題細目 ① 実施前評価 ② 手浴 ③ 足浴
細目レベル ① 実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行うことができるように、実施前評価を行う。まず、患者に実施できるかどうか患者の状態を観察し、判断(バイタルサイン測定の値、症状の有無等)することができる。次に、方法を検討する。ベッド上で臥床したままするのか、ベッドアップするのか、端座位にするのか、洗面台に移動するのか等患者の状態に合わせた体位調整を考えることができる。また、患者の自立度や麻痺や拘縮の有無を確認し、患者にできるところは協力して頂く。さらにに、患者への説明を行い、同意を得て、湯の温度の好みを確認する。室温22~24度に調整し、保温対策に努めることができる。患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、実施につなげることができる。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に手浴を行う。手浴とは、指先から手首までを温湯につけて洗う一連の行為である。手浴の目的は、手指を清潔にすることで、爽快感を得、二次感染を防ぐことである。また、長期臥床をしている患者では、食事前後や排泄後に手浴をすることが、日常生活のリズムを取り戻す良い機会となる。温熱刺激による手指の運動機能の改善、局所循環の亢進によるリラックス効果も得られる。実施の際には、湯の温度は38~41度に調整する。本時の演習においては、側臥位と座位にて実施する。寝衣を濡れないように配慮し、ベースンあるいは洗面器に湯を入れる。手を2分程度湯につけた後、ボディソープで手を洗う。洗う際には指間は念入りに洗う。かけ湯にて洗い残しがないように、泡を洗い流す。水分を押さえるように意識して拭く。寝衣、体位、環境をもとに戻し、片付けを行い記録する。実施後は患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、学びを共有する。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に足浴を行う。足浴とは、足先から足首あるいは下腿までを温湯に浸して洗う一連の行為である。疾病や障害があるために入浴やシャワー浴ができない患者の足部の清潔を保つため、ベッド再度で一連の行為を助けたり、かわって洗ったりする援助のことをいう。足浴の目的は、足部の清潔をと持ち、爽快感を得ることである。また、温熱刺激による、血液循環の促進、不眠や疼痛の緩和、足部の圧迫・外相による感染や壊死の予防などを目的行われる。本時の演習では、仰臥位と座位にて実施する。寝衣を濡れないように配慮し、ベースンあるいは洗面器に湯を入れる。足を湯に片方ずつつけ、足底はベースンの底につける。5分程度つけたあと、ボディソープで足を洗う。このとき、足趾間は念入りに洗い、マッサージを意識する。かけ湯にて足についた泡を洗い流す。水分をふき取り、その際には押さえ拭きを意識する。寝衣・体位・環境をもとに戻し、整える。実施後は片付けをし、記録する。実施後は患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、学びを共有する。
キーワード ① 手浴 ② 足浴 ③ 車椅子 ④ 移送・移乗 ⑤ ポジショニング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:患者役の学生より、手浴・足浴を実施した評価を受ける。よかった点、悪かった点を整理するために、自分自身が行った援助の内容を振り返る。手浴・足浴の目的や体位によって異なる実施方法、根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。再度教科書P482の動画⑲を見ておく。
予習:生活援助方法論の第12回の排泄に関する技術についての講義内容のうち、おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。教科書P477の動画⑦と482の動画⑲を見ておく。特に、男性と女性の洗浄方法の根拠(解剖を押さえる)の違いを理解しておくこと。

25 排泄に関する援助技術(おむつ交換、陰部洗浄) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第25回の本時では、排泄に関する技術としておむつ交換・便器の取り扱い・陰部洗浄の技術を学ぶ。おむつ交換・陰部洗浄の必要性、方法、留意点、根拠を理解し、安全・安楽の原則に則って実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p67(図3-1排尿のメカニズム)、p68(図3-2排便のメカニズム)、p70(表3-3排尿障害).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p180(排泄)、p333(便秘について)、p334(便のアセスメント).
コマ主題細目 ① おむつ交換 ② 陰部洗浄 ③ 便器の取り扱い
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に床上患者のおむつ交換を実施する。また、男性・女性の陰部モデルを使用し、おむつ交換時の清拭方法などを学ぶ。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行い、同意を得る。手袋を装着し、清潔・不潔を意識しながらオムツ交換をする。また、新しいおむつの中心と正中線を合わせてあて、皮膚接触面にしわがないかを確認し、テープでとめる。ギャザーが内側に入らないように引き出す。側臥位の場合、患者を仰臥位にし、新しいおむつを引き出す。最後に、寝衣を整え、環境を整えて片付けを行う。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に床上患者の陰部洗浄を実施する。また、男性・女性の陰部モデルを使用し、実際に洗浄を行う。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させる。看護師の利き手側に使用物品を準備し、効率性を考え、配置する。タオルを下腹部及び両鼠径部にあてる。手袋を2枚重ねて装着する。陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗う。女性の場合は恥丘から肛門にかけて洗い、男性の場合は亀頭部から円を描くように陰茎を洗う。陰嚢はしわが多いため、陰茎を挙上して別々に洗う。便汚染予防のため、肛門は最後に洗う。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行うことができる。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に便器を当てる。仰臥位で実施する場合、膝を立て、臀部を挙上してもらい、防水シーツを臀部に敷き、便器を挿入する。臀部の挙上ができない場合は側臥位にして便器がずれないように下方に押し込み、手前側の腸骨を上方に引き上げる要領で仰臥位に戻す。便器は和式用と洋式用がある。女性の場合は、洋式用を用いる。挿入する方向に注意する。便器挿入後、股関節を開脚する。排泄する場合は、ファウラー位で行う。女性の場合はトイレットペーパーを重ねて折り、幅5cm程度にして陰部に置き、端を便器内に入れて用を誘導する。バスタオルを使用し、下肢の保温を行う。排泄後は、陰部洗浄を行う。便器を外し、寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行う。本時の演習では、便器を当て方、挿入方法を学ぶことができる。
キーワード ① おむつ交換 ② 陰部洗浄 ③ 差し込み便器 ④ 車椅子移乗・移送 ⑤ ポジショニング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでおむつ交換・陰部洗浄の観察項目を整理し、また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。おむつ交換・陰部洗浄の目的や体位によって異なる実施方法、根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。再度教科書P477の動画⑦と482の動画⑲を見て手順等確認する。
予習:生活援助方法論の第12回の排泄に関する技術についての講義内容のうち、おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄について、その目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。教科書P477の動画⑦と482の動画⑲を見ておく。

26 排泄に関する援助技術(おむつ交換、陰部洗浄) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第26回の本時では、第25回に続き、排泄に関する技術としておむつ交換・便器の取り扱い・陰部洗浄の技術を学ぶ。おむつ交換・陰部洗浄の必要性、方法、留意点、根拠を理解し、安全・安楽の原則に則って実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p67(図3-1排尿のメカニズム)、p68(図3-2排便のメカニズム)、p70(表3-3排尿障害).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p180(排泄)、p333(便秘について)、p334(便のアセスメント).
コマ主題細目 ① おむつ交換 ② 陰部洗浄 ③ 便器の取り扱い
細目レベル ① グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に床上患者のおむつ交換を実施する。また、男性・女性の陰部モデルを使用し、おむつ交換時の清拭方法などを学ぶ。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行い、同意を得る。手袋を装着し、清潔・不潔を意識しながらオムツ交換をする。また、新しいおむつの中心と正中線を合わせてあて、皮膚接触面にしわがないかを確認し、テープでとめる。ギャザーが内側に入らないように引き出す。側臥位の場合、患者を仰臥位にし、新しいおむつを引き出す。最後に、寝衣を整え、環境を整えて片付けを行う。実施後は患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、学びを共有する。
② グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に床上患者の陰部洗浄を実施する。また、男性・女性の陰部モデルを使用し、実際に洗浄を行う。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させる。看護師の利き手側に使用物品を準備し、効率性を考え、配置する。タオルを下腹部及び両鼠径部にあてる。手袋を2枚重ねて装着する。陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗う。女性の場合は恥丘から肛門にかけて洗い、男性の場合は亀頭部から円を描くように陰茎を洗う。陰嚢はしわが多いため、陰茎を挙上して別々に洗う。便汚染予防のため、肛門は最後に洗う。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行うことができる。実施後は患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、学びを共有する。
③ グループ内で患者役、看護師役、観察役を決め、1人ずつ順番に便器を当てる。仰臥位で実施する場合、膝を立て、臀部を挙上してもらい、防水シーツを臀部に敷き、便器を挿入する。臀部の挙上ができない場合は側臥位にして便器がずれないように下方に押し込み、手前側の腸骨を上方に引き上げる要領で仰臥位に戻す。便器は和式用と洋式用がある。女性の場合は、洋式用を用いる。挿入する方向に注意する。便器挿入後、股関節を開脚する。排泄する場合は、ファウラー位で行う。女性の場合はトイレットペーパーを重ねて折り、幅5cm程度にして陰部に置き、端を便器内に入れて用を誘導する。バスタオルを使用し、下肢の保温を行う。排泄後は、陰部洗浄を行う。便器を外し、寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行う。本時の演習では、便器を当て方、挿入方法を学ぶことができる。実施後は患者の体位や注意点をグループで話し合いながら、安全・安楽な方法を考え、学びを共有する。
キーワード ① おむつ交換 ② 差し込み便器 ③ 陰部洗浄 ④ 車椅子移乗・移送 ⑤ ポジショニング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートでおむつ交換・陰部洗浄の観察項目を整理する。わからない場合は、教科書や生活援助方法論の第12~13回の講義資料を見直す。また実施時には手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。おむつ交換・陰部洗浄の目的や体位によって異なる実施方法、根拠と留意点について再確認する。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。再度教科書P477の動画⑦と482の動画⑲を見て手順等確認する。
予習:次回、第3回目の技術試験である。提示された技術の目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。これまで演習を行った援助技術について振り返り、自己の課題を明確にしておく。実施している技術練習に積極的に参加し、技術の習得を目指す。

27 【技術試験3回目】  科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第27回の本時では、技術試験の第3回目を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送)、p67(図3-1排尿のメカニズム)、p68(図3-2排便のメカニズム)、p70(表3-3排尿障害).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降)、p180(排泄)、p333(便秘について)、p334(便のアセスメント).
コマ主題細目 ① 事前準備 ② 陰部洗浄 ③ 片麻痺患者の車椅子の移乗と移送
細目レベル ① 教員がついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。実施前に、看護者としてふさわしい身だしなみに整える。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行い、同意を得る。陰部洗浄の場合は、手袋を装着し、清潔・不潔を意識する。車椅子の移送と移乗の場合は、車椅子を準備し、空気圧・ブレーキ、破損の有無を点検する。また、看護師側からみたボディメカニクス技術の基本(1.安定した作業姿勢、2,患者に近づき動作に適した筋群を使用する、3.患者の支持基底面を狭くする、4.てこの原理と力のモーメントの応用がある)を意識して、看護技術を行うことができる。
② 教員がついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。男性・女性の陰部モデルを使用し、実際に洗浄を行う。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させる。看護師の利き手側に使用物品を準備し、効率性を考え、配置する。タオルを下腹部及び両鼠径部にあてる。手袋を2枚重ねて装着する。陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗う。女性の場合は恥丘から肛門にかけて洗い、男性の場合は亀頭部から円を描くように陰茎を洗う。陰嚢はしわが多いため、陰茎を挙上して別々に洗う。便汚染予防のため、肛門は最後に洗う。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行うことができる。
③ 教員がついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。患者のベッドサイド右(左)頭元45度の位置に車椅子を設置する。臥床状態で、患者を右(左)に水平移動する。この時ベッドの高さを上げない。次に、患者を長座位にする。患者の麻痺側の上肢を健側で保持することを忘れない。長座位から端座位、立位とし、車椅子に移乗する。座位の姿勢を整え(後ろから支え、シッティング姿勢にする)、フットレストを下げて、患者の足を乗せる。次に、患者を移送する。まずブレーキを外し、適切なスピードで走行する。段差はティッピングレバーを踏んで乗り越える。次に、車椅子からベッド上に端座位に戻る。患者にベッド上に戻ることを説明し、車椅子を左(右)足元に配置する。端座位の臀部の位置が臥床時の臀部の位置となるように、車椅子からベッドへ移動する。靴を脱がせ、端座位から臥床に戻し、枕に頭を乗せ、体位を整える。患者の状況設定合わせ、麻痺側を下にしないなどの原則を守り、ポジショニングを行う。終了後、ベッド周りの環境を整える。患者に掛け物をかけ、整える。ベッド柵をつける(患者の上を通さないようにする)。ナースコール、床頭台、オーバーテーブルを適切な位置に配置することができる。
キーワード ① 準備準備 ② 陰部洗浄 ③ 車椅子移乗と移送 ④ ポジショニング ⑤ ボディメカニクス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受け、より高い技術を身に着けるために、更に自主練習を行う。また、車椅子の移乗・移送、体位変換、ポジショニングの目的や方法、陰部洗浄の方法とその根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。
予習:生活援助方法論の第4回、第5回の講義内容のうち体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング、車椅子の移乗・移送について、その目的や方法、留意点とその根拠についての知識を定着させ、実践については生活援助方法演習の第10回~13回、第25回と26回を復習し、演習時の振り返りにて明らかになった改善すべき点があれば技術試験に向けて意識して改善できるように自主練習を行う。

28 【技術試験3回目】  科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第28回の本時では、第27回に続いて、技術試験の3回目を実施する。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送)、p67(図3-1排尿のメカニズム)、p68(図3-2排便のメカニズム)、p70(表3-3排尿障害).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降)、p180(排泄)、p333(便秘について)、p334(便のアセスメント).
コマ主題細目 ① 事前準備 ② 陰部洗浄 ③ 片麻痺患者の車椅子の移乗と移送
細目レベル ① 教員がついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。実施前に、看護者としてふさわしい身だしなみに整える。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行い、同意を得る。陰部洗浄の場合は、手袋を装着し、清潔・不潔を意識する。車椅子の移送と移乗の場合は、車椅子を準備し、空気圧・ブレーキ、破損の有無を点検する。また、看護師側からみたボディメカニクス技術の基本(1.安定した作業姿勢、2,患者に近づき動作に適した筋群を使用する、3.患者の支持基底面を狭くする、4.てこの原理と力のモーメントの応用がある)を意識して、看護技術を行うことができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。
② 教員が1人ずつついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。男性・女性の陰部モデルを使用し、実際に洗浄を行う。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させる。看護師の利き手側に使用物品を準備し、効率性を考え、配置する。タオルを下腹部及び両鼠径部にあてる。手袋を2枚重ねて装着する。陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗う。女性の場合は恥丘から肛門にかけて洗い、男性の場合は亀頭部から円を描くように陰茎を洗う。陰嚢はしわが多いため、陰茎を挙上して別々に洗う。便汚染予防のため、肛門は最後に洗う。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行うことができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。
③ 教員が1人ずつついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。患者のベッドサイド右(左)頭元45度の位置に車椅子を設置する。臥床状態で、患者を右(左)に水平移動する。この時ベッドの高さを上げない。次に、患者を長座位にする。患者の麻痺側の上肢を健側で保持することを忘れない。長座位から端座位、立位とし、車椅子に移乗する。座位の姿勢を整え(後ろから支え、シッティング姿勢にする)、フットレストを下げて、患者の足を乗せる。次に、患者を移送する。まずブレーキを外し、適切なスピードで走行する。段差はティッピングレバーを踏んで乗り越える。次に、車椅子からベッド上に端座位に戻る。患者にベッド上に戻ることを説明し、車椅子を左(右)足元に配置する。端座位の臀部の位置が臥床時の臀部の位置となるように、車椅子からベッドへ移動する。靴を脱がせ、端座位から臥床に戻し、枕に頭を乗せ、体位を整える。患者の状況設定合わせ、麻痺側を下にしないなどの原則を守り、ポジショニングを行う。終了後、ベッド周りの環境を整える。患者に掛け物をかけ、整える。ベッド柵をつける(患者の上を通さないようにする)。ナースコール、床頭台、オーバーテーブルを適切な位置に配置することができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。
キーワード ① 事前準備 ② 陰部洗浄 ③ 車椅子の移送と移乗 ④ ポジショニング ⑤ ボディメカニクス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受ける。その後、技術試験の内容の振り返りシートや教科書、講義資料を見直し、正しい手順を押さえ、自主練習に挑む。また、車椅子の移乗・移送、体位変換、ポジショニングの目的や方法、陰部洗浄の方法とその根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。
予習:生活援助方法論の第4回、第5回の講義内容のうち体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング、車椅子の移乗・移送について、その目的や方法、留意点とその根拠についての知識を定着させ、実践については生活援助方法演習の第10回~13回、第25回と26回を復習し、演習時の振り返りにて明らかになった改善すべき点があれば技術試験に向けて意識して改善できるように自主練習を行う。

29 【技術試験3回目】  科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第29回の本時は、第27回と28回に引き続き、技術試験の3回目を実施する。実施した技術の振り返りを行い、技術の定着を図る。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p104(よい姿勢)、p107(ボディメカニクスについて)、p299(図8-14褥瘡の好発部位)、p133(図4-26車椅子の移送)、p138(図4-30ストレッチャーの移送)、p67(図3-1排尿のメカニズム)、p68(図3-2排便のメカニズム)、p70(表3-3排尿障害).
医療情報科学研究所編、『看護がみえるvol.1基礎看護技術』、メディックメディア、2018、p32(ADLについて)、p33とp34(ボディメカニクス)、p35(廃用症候群)、p44(ポジショニング)、p51(片麻痺患者の車椅子の配置方法)、p68(杖使用時の階段昇降)、p180(排泄)、p333(便秘について)、p334(便のアセスメント).
コマ主題細目 ① 事前準備 ② 陰部洗浄 ③ 片麻痺患者の車椅子の移乗と移送
細目レベル ① 教員がついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。実施前に、看護者としてふさわしい身だしなみに整える。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行い、同意を得る。陰部洗浄の場合は、手袋を装着し、清潔・不潔を意識する。車椅子の移送と移乗の場合は、車椅子を準備し、空気圧・ブレーキ、破損の有無を点検する。また、看護師側からみたボディメカニクス技術の基本(1.安定した作業姿勢、2,患者に近づき動作に適した筋群を使用する、3.患者の支持基底面を狭くする、4.てこの原理と力のモーメントの応用がある)を意識して、看護技術を行うことができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。また、自己の技術を振り返り、技術の習得を目指す。
② 教員が1人ずつついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。男性・女性の陰部モデルを使用し、実際に洗浄を行う。実施の際は、安全・安楽な方法で援助を行う。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させる。看護師の利き手側に使用物品を準備し、効率性を考え、配置する。タオルを下腹部及び両鼠径部にあてる。手袋を2枚重ねて装着する。陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗う。女性の場合は恥丘から肛門にかけて洗い、男性の場合は亀頭部から円を描くように陰茎を洗う。陰嚢はしわが多いため、陰茎を挙上して別々に洗う。便汚染予防のため、肛門は最後に洗う。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。寝衣を元通りにして環境を整え、片付けを行うことができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。また、自己の技術を振り返り、技術の習得を目指す。
③ 教員が1人ずつついて評価表に基づきチェックする。患者の状況設定は当日指示する。患者のベッドサイド右(左)頭元45度の位置に車椅子を設置する。臥床状態で、患者を右(左)に水平移動する。この時ベッドの高さを上げない。次に、患者を長座位にする。患者の麻痺側の上肢を健側で保持することを忘れない。長座位から端座位、立位とし、車椅子に移乗する。座位の姿勢を整え(後ろから支え、シッティング姿勢にする)、フットレストを下げて、患者の足を乗せる。次に、患者を移送する。まずブレーキを外し、適切なスピードで走行する。段差はティッピングレバーを踏んで乗り越える。次に、車椅子からベッド上に端座位に戻る。患者にベッド上に戻ることを説明し、車椅子を左(右)足元に配置する。端座位の臀部の位置が臥床時の臀部の位置となるように、車椅子からベッドへ移動する。靴を脱がせ、端座位から臥床に戻し、枕に頭を乗せ、体位を整える。患者の状況設定合わせ、麻痺側を下にしないなどの原則を守り、ポジショニングを行う。終了後、ベッド周りの環境を整える。患者に掛け物をかけ、整える。ベッド柵をつける(患者の上を通さないようにする)。ナースコール、床頭台、オーバーテーブルを適切な位置に配置することができる。実施後は実施内容や患者の状態について教員に報告することができる。また、自己の技術を振り返り、技術の習得を目指す。
キーワード ① 事前準備 ② 陰部洗浄 ③ 車椅子移乗と移送 ④ ポジショニング ⑤ ボディメカニクス
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:技術試験終了後、自己の振り返りを行うとともに、技術試験の担当教員に具体的にできていたところ、できていなかったところについて評価を受ける。できていないところは、教科書の動画や講義資料を見直し、積極的に自主練習に参加する。この練習時に、担当教員にできていないところを確認して頂き、正しい方法を押さえる。また、車椅子の移乗・移送、体位変換、ポジショニングの目的や方法、陰部洗浄の方法とその根拠について再確認し、知識・技術を定着させる。そして、ワークシートを活用し、方法の根拠を押さえておくこと。
予習:生活援助方法論の第14回の体温調整の技術の講義内容のうち、温罨法の種類、目的、方法、留意点、根拠について確認しておく。また、これまで演習を行った援助技術の全体について振り返り、自己の課題を明確にしておく。

30 体温調節の援助技術(温罨法) 科目の中での位置付け 本科目では保健師助産師看護師法第5条にある「療養上の世話」を中心に、エビデンスを踏まえて看護実践するための具体的な援助方法を展開する。第1回は看護技術の基本である「衛生学的手洗い」について、グリッターバグを用いて体験する。第2回はスタンダードプリコーションを基本とした感染予防に関する技術として「個人防護用具の着脱、医療廃棄物の処理」、第3回は環境調整に関する技術として「環境整備、シーツのたたみ方」第4回、第5回、第6回は療養者の環境調整の必要性を理解した上で環境調整に関する技術として「ベッドメーキング・シーツ交換」、第7回から第9回は第1回目の技術試験とし、第10回、第11回は活動・休息に関する技術として「体位変換、ボディメカニクス、ポジショニング」第12回、第13回は「車椅子・ストレッチャーの移乗・移送」、食事に関する援助として「口腔ケア」、第14回、第15回は清潔に関する技術として「全身清拭・寝衣交換」、第16回、第17回は「洗髪」、第18回から第20回は第2回目の技術試験とし、第21回、第22回「洗髪」、第23回、第24回「手浴、足浴」、第25回、第26回は排泄に関する技術として「おむつ交換、便器の取り扱い、陰部洗浄」、第27回から第29回は第3回目の技術試験とし、第30回は体温調節に関する技術として「温罨法」を展開する。
第30回の本時では、体温調節に関する技術のうち、温罨法の技術を学ぶ。温罨法の目的について理解し、様々な患者の状況に合わせて実施する。また、さまざまな状況の患者を想定し、温罨法の注意点について考えることができる。

任和子他編、『専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ』医学書院、2021、p157(図5-3罨法の種類)、p159(湯たんぽについて)、p160(冷罨法について).
コマ主題細目 ① 温罨法の準備 ② 温罨法の実施 ③ 技術の評価
細目レベル ① 罨法には温熱刺激を与える温罨法と、寒冷刺激を与える冷罨法がある。本時の演習においては、温罨法の技術について学ぶ。温罨法は湿性罨法(ぬれた状態)と、乾性罨法(ぬれていない状態)に分けられる。湿性温罨法には温湿布、温パップ、ホットパックなどがあり、乾性温罨法には湯たんぽ、電気あんか、電気毛布、CMC製品、熱気浴などがある。罨法の実施においては、適切な方法を選択し、適温を保ち、熱傷、循環器障害に注意しながら適切な貼用部位を決定する。そして、苦痛の緩和、安楽の程度について評価するとともに、局所の状態を観察し、皮膚損傷を未然に防ぐ必要がある。様々な状況の患者を想定し、グループ内で温罨法の方法や注意点について考え、ディスカッションする。
② グループ内で協力し、実施の目的や実施前評価の項目を整理する。看護師役の学生は、患者役の学生に湯たんぽの目的、必要性、方法を伝え、同意を得る。必要物品(ゴム製の湯たんぽと湯たんぽカバー)を適切にそろえ、熱傷に注意して60度の湯を湯たんぽに入れる。湯の量は湯たんぽの2/3~4/5程度とする。湯たんぽを平らにして空気を抜く。空気を抜いておかないと、熱伝導が下がるほか、温められた空気が膨張し、漏れやすくなる。また、湯が冷めると水蒸気が水になり、空気の体積が小さくなり、陰圧となって、栓が開けにくくなる。蓋をして、湯の漏れがないか確認する。湯たんぽカバーに入れる。患者に説明し、湯たんぽを置く。患者への熱傷を防ぐため、湯たんぽの場所は、体から10㎝以上離す。湯たんぽを実施する際には、必ず皮膚の観察(発赤の有無、熱傷の有無、冷感の改善、皮膚の色など)を行う。湯たんぽを使用した後は、吊るして乾かす。
③ まず、本時の演習で行った、湯たんぽを用いた温罨法について安全、安楽に実施できたかを振り返る。実施の目的や実施前評価の項目をまとめ、看護師側、患者側で実施にあたって気づいたこと、感じたこと、学びを共有し、互いに注意事項などを確認する。その内容を各自ワークシートに記入する。また各グループでディスカッションした内容を全体で共有する。さらに、本時は生活援助方法演習の最終日であるため、演習全体を通しての自らの振り返りと、グループでの振り返りを行い、全体を通しての学びをワークシートに記載する。最後に、物品の片づけを行った後、学生全員で協力して実習室の大掃除を行う。カーテンや各ベッドのシーツを外し、周囲の環境整備を行う。
キーワード ① 温罨法 ② 湿性罨法 ③ 乾性罨法 ④ 湯たんぽ ⑤ 熱伝導
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:振り返りシートで温罨法の目的や観察項目、注意点を整理し、また実施時に手順や注意点を意識しながら実施できたかどうか、振り返りを行う。目的や患者の状況によって異なる実施方法、根拠と留意点について再確認し、知識・技術を定着させる。また看護師役、患者役、観察役の経験を通してよくできた点や改善点についてグループ内でディスカッションして共有した点についても再確認し、技術向上に努める。また、これまで演習を行った援助技術の全体について再度振り返り、自己の課題を明確にする。
予習:第1~30回の演習時に書いた振り返りシート、技術試験時のワークシートを見直し、整理し、ファイルに閉じていくこと。この生活援助方法演習は、看護技術の基盤となる。臨地実習の際に、いつでも見直すことができるようにしておくこと。方法が不安な技術は、教科書の動画を活用し、見直す。また、わからないところは、教員へいつでも相談にくること。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
ベッドメーキング・臥床患者のシーツ交換
(2人1組)
【詳細な評価表は別にあり、試験前には学生に提示】まず、身だしなみを整え、必要物品を準備することができる。次に、環境を確認し環境を整え、患者に説明し、患者とベッドの準備をすることができる。次は、患者を右に引き寄せ左側臥位にする。この時、患者を押さないように気を付ける。次に、古いシーツを患者の背中に入れ込み、新しいシーツを広げ、頭元と足元の角を三角にすることができる。患者を仰臥位にし古いシーツを引きやすいよう患者の体位を工夫することができる。古いシーツと新しいシーツを引き出し、新しい下シーツを広げ、頭元と足元の角を三角にすることができる。ペアで協力し、枕カバーを交換、包布を開き布団を包布に入れる。患者に綿毛布を取り除くことを伝え、環境を整える。実施中の患者への配慮ができる、ボディメカニクスの活用ができる。実技試験であるため、制限時間を守ることできる。 臥床患者、シーツ交換、体位交換、ボディメカニクス、作業効率 100 第3回、第4回~6回、第7回~9回
車椅子移乗・移送、ポジショニング 【詳細な評価表は別にあり、試験前には学生に提示】まず、 身だしなみを整え、車椅子の点検をし、準備をすることができる。次に、 患者に車椅子移乗、移送の目的や方法を説明することができる。 患者を右(左)に水平移動→長座位→端座位→立位→車椅子移乗することができる。次は、 患者を移送し、段差はティッピングレバーを踏んで乗り越えることができる。その後、 患者を車椅子から端座位から仰臥位に戻し、安楽な体位を整える(ポジションニング)、環境を整えることができる。実技試験であるため、 制限時間内に終了することができる。 片麻痺患者、車椅子移乗・移送、体位変換、ポジショニング、ボディメカイクス 100 第10回、第11回、第12回、第13回、第27回~第29回
清潔ケア(2人1組) 【詳細な評価表は別にあり、試験前には学生に提示】まずは、身だしなみを整え、必要物品を準備することができる。次に、環境を確認し整え、患者に説明し、ベッドの準備をすることができる。片袖を抜いて背部清拭の準備(保温対策と羞恥心への配慮)を行い、蒸しタオルの温度を確認し、患者の背部を温めすばやく手に巻き付けることができる。拭き方と拭き終わった後にすばやく押え拭きをし、新しい寝衣に片袖を通し患者を仰臥位に戻すことができる。 次は、湯温で清拭するための患者の準備をすることができる。ウォッシュクロスを用いて湯温で清拭するための温度調整等準備をすることができる。拭き方と拭き終わった後にすばやく押しふきすることができる。新しい寝衣に袖を通し、衣服を整えることができる。 環境を整え患者の状態を確認し片付けすることができる。技術試験のため、 制限時間が守ることができる。 臥床患者、湯温清拭、ウォッシュクロス、熱布清拭、寝衣交換、体位変換、ボディメカニクス 100 第10回、第11回、第14回、第15回、第18回~第20回
臥床患者の洗髪(2人1組) 【詳細な評価表は別にあり、試験前には学生に提示】まず、 身だしなみを整え、必要物品を適切に準備することができる。患者に洗髪を行う目的や方法を説明し、同意を得る。患者の湯の好みを確認し、湯温の調整を行うことができる。室温・気流の調整をし、ベッドの高さや物品を配置できる。安楽枕の位置を調整して体位を整える。ケリーパッドの位置を調整し、ケープとタオルを適切な位置に巻き、排水路を確保することができる。ピッチャーを用いてお湯をかけ、その際にお湯の温度について必ず患者に確認することができる。生え際も含め髪全体を濡らし、前頭部生え際を円を描くように洗い、続いて頭頂部、左右側頭部、後頭下部を洗うことができる。頭皮は指腹を使ってマッサージしながら洗うことができる。患者に掻痒感や洗い残しがないか声をかけて必要時対応し、髪全体、ケリーパッド内の泡を除去し、洗い流すことができることができる。終了後は安全にケリーパッドを取り除く。バスタオルで頭髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。ドライヤーは頭皮から10㎝以上離して使用し、熱風が顔にあたらないようにすることができる。患者に終了を告げ、体位と環境を整えて片付けを行うことができる。技術試験のため、制限時間内に終了することができる。 臥床患者、洗髪、ケリーパッド、さっぱりさん、洗髪車、洗髪台、体位変換、ボディメカニクス 100 第10回、第11回、第16回、第17回、第21回、第22回
臥床患者のおむつ交換・陰部洗浄(2人1組) 【詳細な評価表は別にあり、試験前には学生に提示】まずは、身だしなみを整え、必要物品を適切に準備することができる。室温・湿度やライバシーの保護の配慮をした環境調整を行うことができる。患者におむつ交換の説明をして同意を得ることができる。手袋を装着し、おむつと尿取りパッドを外し、差し込み便器を挿入して陰部洗浄を行う。便器挿入後、股関節を開脚する。安楽な体位保持のため、膝を曲げて膝窩に枕を入れ、身体を安定させることができる。バスタオルを使用し、下肢の保温を行うことができる。手袋を2枚重ねて装着し、陰部に温湯をかけた後、石けんをつけて洗浄する。石けんが残らないように十分に洗うことができる。手袋を1枚外し、ガーゼで軽く水分をふき取る。便器を外し、新しい尿取りパッド、おむつを敷くことができる。新しいおむつの中心と正中線を合わせてあてることができる。皮膚接触面にしわがないかを確認し、テープでとめることができる。ギャザーが内側に入らないように引き出すことができる。最後に、寝衣を整え、環境を整えて片付けを行うことができる。技術試験のため、制限時間内に終了することができる。
臥床患者、おむつ交換、陰部洗浄、差し込み便器、プライバシー保護、体位変換、ボディメカニクス 100 第10回、第11回、第25回、第26回
評価方法 5つの履修判定指標のうち、3つの項目の技術試験(100点/回)の平均点で評価する。技術試験内にて、各看護技術に関する知識を確認し、毎回20点程度の配点とする。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 茂野香おる著、『系統看護学講座 専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅰ 基礎看護学②』、医学書院、2021、2,860円任和子著、『系統看護学講座 専門分野Ⅰ 基礎看護技術Ⅱ 基礎看護学③』、医学書院、2021、3,190円』
参考文献 医療情報科学研究所、『看護がみえるvol.1 基礎看護技術』、メディックメディア、2018、3,630円医療情報科学研究所、『看護がみえるvol.2 臨床看護技術』、メディックメディア、2018、3,630円医療情報科学研究所、『看護がみえるvol.1 基礎看護技術』、メディックメディア、2019、3,630円
実験・実習・教材費 なし