区分 専門科目-基盤看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の中の「基盤看護学」、さらにその中の「基礎看護学」に位置づく。本科目は看護に必要なコミュニケーション技法の知識と技術の習得を目指す。コミュニケーションは看護を形成する上での対人関係能力や信頼関係の構築のためには必須であり、看護専門職者として重要なスキルである。1年次からコミュニケーションの必要性を理解し、看護専門職者としてのコミュニケーション能力の向上を目指す基礎的科目として位置づく。
科目の目的
看護専門職者として、なぜコミュニケーションを学ぶ必要があるのか、看護師は、なぜコミュニケーションを求められるのか、という社会的背景を理解し、良好なコミュニケーションに必要な技法について学ぶ。また、看護の対象を生物医学モデルではなく、生物心理社会的モデルでとらえるための面接技法を、グループワークやロールプレイを通して理解する。さらに、患者中心の看護に必要な患者自身の解釈モデルを聴くことの重要性を学び、患者-看護師における信頼関係構築のための基本的な態度を培う。
到達目標
1)看護におけるコミュニケーションの必要性、重要性について説明することができる。
2)良好な患者-看護師関係を考えることができ、様々な場面におけるコミュニケーションの取り方について考え、理解することができる。

科目の概要
看護コミュニケーション論の学習は、『看護専門職者としての対人関係を築くために必要なコミュニケーション技法』『看護の対象を生物心理社会モデルでとらえるための面接技法』から構成される。これらのコミュニケーション技法、あるいは面接技法、患者自身の解釈モデルを聴くことの重要性を学習するために、講義だけではなく、グループワークやロールプレイを通して、患者-看護師の信頼関係構築のためのコミュニケーションについて学習を深める。また、毎回演習を取り入れ、コミュニケーション場面を設定し、それぞれの役を演じて状況を考えることで、コミュニケーションにおける感情の動きやその時に取るべき対応についてもグループで考えることができる。場面設定は、最初は日常のコミュニケーション場面から始まり、少しずつ患者とのやり取りを入れていくことで、より専門的な思考を養うことができる。この科目は、医療現場におけるコミュニケーションの意味と必要性について理解しながらコミュニケーション能力を培う科目である。
科目のキーワード
コミュニケーション、質問技法、関係構築技法、積極的傾聴、共感、看護面接、解釈モデル、生物心理社会モデル
授業の展開方法
講義にはパワーポイントを使用して講義を展開する。学生にはパワーポイントの講義内容に沿った、穴埋め式の講義資料を配布する。学生はその配布資料を活用し、講義内容の把握だけではなく事後学習にも活用し、知識の定着に努める。講義終了時には前回の講義内容の復習として小テストを実施し、次回の講義内に解説とともに解答する。小テストを繰り返すことで、確実な知識の定着につなげる。また小テストとともにリアクションペーパーを配布し、学生から講義内容の質問があった場合には次回の講義でフィードバックする。
オフィス・アワー
研究室716:月曜5限・火曜5限
Email:n-nakajima@uhe.ac.jp

科目コード ERG08
学年・期 1年・後期
科目名 看護コミュニケーション論
単位数 1
授業形態 講義
必修・選択 必修
学習時間 【講義】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 看護学概論Ⅰ、基礎看護学実習Ⅰ
展開科目 生活援助方法演習、診療援助方法演習、ヘルスアセスメントⅠ、基礎看護学実習Ⅱ、および専門領域科目と各領域実習の展開に必要となる
関連資格 看護師、保健師
担当教員名 中島紀子・松山キャンパス教務課
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第1回目は「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かについて考え理解する。

①篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p12-18.
第1回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p1-9.
第1回目講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p3-10.
第1回目講義資料

④篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p20-25.
第1回目講義資料

⑤篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p26-28.
第1回目講義資料
コマ主題細目 ① コミュニケーションとは ② コミュニケーションが注目されるようになった背景 ③ 医療者のコミュニケーション ④ コミュニケーションの種類 ⑤ 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーション
細目レベル ① 知識、理解、意味、感情などを伝達したり、交換する過程をコミュニケーションという。コミュニケーションとは、伝える側と伝えられる側の双方向のプロセスであり、相互に情報を交換しつつ、意味を与えていくものである。共有するのは単なる情報だけではなく、意味や感情を含むものとして考える。人間の持つ伝達手段の最大のものがことばであり、言葉が増えるにつれ鮮明になり、正確な言語的コミュニケーションが成立する。また、人間は社会的動物といわれており、他者と関わることなく生きていくことはできない。一人ひとり、家庭、職場、地域といったコミュニティに属し、その社会で役割をもち役割を果たしている。このコミュニケーションとはなにかということを学び理解し、今後のコミュニケーションスキルの習得につなげる。
② 医療者のコミュニケーションが注目されるようになってきた背景には、1990年代後半より人口の高齢化に伴う疾病構造の変化、診断・治療方法の多様化・高度化が進み、限られた医療資源の効率的な活用が求められた。また、2003年には医療提供体制の改革ビジョンの提供や、個人情報保護法が成立した。これらは国民が医療に対して、エビデンスに基づく医療、患者の求めに応じた情報提供、入念な医療安全対策、患者の視点を尊重した医療、医療機関の機能分化などを求めた結果でもある。さらに、同時期には頻発する医療事故・医療訴訟の増加も社会問題化し、国民の医療に対する信頼が低下する状況となった。これらのことから、社会が医療者に求めている専門職としての知識・技術などは、ますます高度になり、期待される内容も広がってきた。この期待される内容に対応するためには、医療者としてコミュニケーションスキルの強化が必要となった。このような背景を理解できる。
③ 医療者のコミュニケーションは、一般社会の中で行われるコミュニケーションとは違う。まず、医療が人間の「生命」に直接かかわっているという点である。ほとんどの人にとって「生命」に対する価値観は最も重要な価値である。医療現場では、「誕生」の瞬間や、「生と死」の狭間、「死」の瞬間など、一般社会では非日常的な場面に遭遇することが多い。次に、医療現場では、患者は感情的に負の状態にあるという点である。負の状態とは、怒り、悲しみ、不安、恐怖、絶望、恨み、不満といった感情が湧きおこっている状態のことである。コミュニケーションは患者と医療者の双方で形成されるものであるため、一方が日常でその一方が非日常であることは十分認識しておくべきことである。3つ目は、医療は人が直接触れ合う、人中心の現場であるということである。患者も医療者も人間であるから、感情を持っているため、無感情ではいられない。患者の負の状態が感情で影響することがあるということを常に考えておく必要がある。
④ コミュニケーションの種類は、意思疎通に関与する人数で種類分けをして、1対1の2者間、もしくは3者での「対人コミュニケーション」、数人での「小集団コミュニケーション」、講義や講演のような「1対多数のコミュニケーション」、職場や学校と行った「組織内コミュニケーション」、テレビやラジオなどの機器を使用して大規模に行う「マスコミュニケーション」といった種類がある。このほかにも、意思疎通の対象によって分類することができる。自分以外の人との「対人コミュニケーション」、自分自身との「セルフコミュニケーション」である。コミュニケーションといわれるものは、その多くが対人コミュニケーションをさしているが、自分自身の感情と向き合うセリフコミュニケーションも重要であることを理解する。
⑤ コミュニケーションの目的や手段でも分類することができる。1つは「言葉による言語的コミュニケーション verbal communication」、もう1つは「言葉以外のものによる非言語的コミュニケーション non-verbal communication」である。言語的コミュニケーションとは、話し言葉、書き言葉や手話といった言葉を伝達手段としたメッセージのやり取りをいう。非言語的コミュニケーションとは、言語的コミュニケーション以外の方法、つまり文字以外の伝達手段を用いたメッセージのやり取りの総称である。これらの違いを理解する。また、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの相補性として、メラビアンの法則がある。話し手が聞き手に与える印象としては言語情報が7%であるのに対し、視覚情報は55%である。言語的メッセージを正確かつ効率的に伝達するためには、非言語的コミュニケーションが重要であることを理解することができる。
キーワード ① コミュニケーション ② 満足度の高い医療 ③ 双方向のプロセス ④ 言語的コミュニケーション ⑤ 非言語的コミュニケーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第1回のコマシラバスの内容を熟読する。コミュニケーションとは何か、コミュニケーションの必要性、コミュニケーションで重要なことについて考えてくる。また、コミュニケーションの種類や言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの違いを考え、日常生活のコミュニケーションの中から、それらの違いを考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、コミュニケーションとはなにか、コミュニケーションが注目されるようになった背景、医療者にとってのコミュニケーションとはなにか、その特徴についても理解する。またコミュニケーションの成立過程についても理解する。配布資料は穴埋め形式になっているため、講義内で書ききれなかったところは、次回の講義までに確認しておく。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

2 医療におけるコミュニケーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、看護におけるコミュニケーションの場を述べることができる。また行動でみがくコミュニケーションとして、「聴く」と「聞く」の違いを理解することができる。

①大森武子著「仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス」、医歯薬出版株式会社、2014、p8-13.
篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p38-47.
第2回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p38-41.
第2回目講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p41-42.
第2回目講義資料

④篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p42-47.
第2回目講義資料
コマ主題細目 ① 「聴く」と「聞く」とは ② 看護におけるコミュニケーション ③ 患者中心の看護面接 ④ 生物心理釈迦モデルと生物医学モデル
細目レベル ① 「聴く」とは、相手が表現した心の内を受け取る行動のことで、聞き手は話し手に対して「あなたの話を聞いている」というメッセージを送る必要がある。「聴く」という行動は、相手の話を耳で聴き、聴いているということ、もしくは聞く意志があるという姿勢を相手に分かるように表現することである。「話す」という行動は、話し手が相手に対して自分の心のうちや知ってもらいたいこと、一緒に考えてもらいたいことなどを伝えるための行動である。相手に確実に伝えるために、相手には自分の話をちゃんときいてもらいたいのである。つまり、コミュニケーションにおける「きく」は「聞く」ではなくて「聴く」でなくてはならない。聞く姿勢を表現するには、どのように表現したら相手に伝わるのか、演習を通して理解する。
② 看護におけるコミュニケーションの場はいくつかある。患者さんに必要な看護を提供するための情報を収集する場面がある。看護師が入院患者さんからさまざまな情報収集をすることを「アナムネーゼ聴取」という。患者さんに必要なケアを提供する場面でもコミュニケーションをとる。ケアを実施する時もコミュニケーションをとり、体調の変化がないかなど情報収集しケアの評価をする。また、患者さんを対象としたコミュニケーションだけではなく、患者さんによい医療・看護を提供するために、医療チーム内での協働の場面でもコミュニケーションをとる。患者さんを中心としたチームは多職種連携といって、看護師だけではなく、医師、栄養士、理学療法士、薬剤師など多くの職種で構成しており、よい医療を提供するためには、多職種とも良好なコミュニケーションを取る必要があることを理解する。
③ 看護面接とは、対象となる人の話に耳を傾け、良好なコミュニケーションをはかりながら、対象と一緒に看護問題について考えていくことである。より良い看護を提供するためには、いかに有用な情報を得ることができるかが重要となる。つまり看護面接が重要となる。看護面接には3つの意義がある。1つ目は診断的意義で、看護に必要な情報の収集と看護問題の道程である。2つ目はケア的意義である。共感的態度で患者さんの話を聞いていると、相手は「聴いてもらえた」という肯定的な感情を持つことができる。3つ目は教育的意義である。患者さんから情報を得るだけではなく、看護師も患者に対してさまざまな情報を提供する。これらの看護面接の意義について理解する。
④ 生物医学モデルとは、患者さんを疾患からとらえるモデルであり、身体面の情報は得られるが、心理・社会面の情報が不足し、医療者中心の面接になるという欠点があった。医療の対象である人間は、生物・心理・社会的な要素を分離してとらえることは難しく、それぞれの要素が相互に作用し成り立っている。つまり、人間の不調や病気は、生物・心理・社会の複合的な問題からなり、それぞれの側面における対処を試みるだけではなく、総合的に人間を見る必要がある。そこで、生物医学モデルではなく、人間を生物的・心理的・社会的要素の統合された混合物としてとらえる、つまり全人的にとらえるために提唱されたのが、生物心理社会モデルであり、この違いについて理解することができる。
キーワード ① 聴く ② 看護過程 ③ アナムネーゼ ④ 生物心理社会モデル ⑤ 看護面接
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第2回のコマシラバスの内容を熟読する。「聴く」と「聴く」の違いは何か、日々のコミュニケーションを振り返り考えてくる。また、看護におけるコミュニケーションとは日常生活でのコミュニケーションと何が違うのか、考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「聴く」と「聞く」の違いを理解し、これからの講義や演習時のコミュニケーションの中で実行できる。また、看護におけるコミュニケーションの場面や必要性を理解する。看護面接とは何か、生物心理社会モデルと生物医学モデルの違いも理解し、今後の患者理解に役立てる。さらに、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

3 良好なコミュニケーションに必要な技法;質問法 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問法」として、質問法について説明し、述べることができる。また、行動で磨くコミュニケーションとして、「話す」ということについて、演習を通して考えることができる。

①大森武子著「仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス」、医歯薬出版株式会社、2014、p18-28.
第3回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p48-51.
第3回目講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p41-56.
第3回目講義資料
コマ主題細目 ① 「話す」とは ② 効果的な質問の仕方 ③ オープンエンドクエスチョンとクローズドクエスチョン
細目レベル ① コミュニケーションにおける「話す」という行動は、「聴く」に相対する行動であり、目の前の相手に自分のメッセージ(気持ち、考え、行動)を伝えるための行動である。「話す」ための3つのポイントは、まず、相手が聴く気になっているか、聴ける状態であるかを確認すること、2つ目は相手がメッセージを受け取ったか確認すること、3つ目は相手に分かりやすい表現で内容を伝えることである。話すための3つのポイントを実現するには、観察力と表現力が必要となる。話し手の観察力が不足していては実現できない。さらに、話の要素を簡潔にまとめて表現するセンスや相手に通じる言葉を選択するセンスも必要となる。これらを事例を通して演習の中で理解することができる。
② 効果的な質問の仕方としては、効果的な質問のスキルを身につけぬくもりを示して問いかけるスキルが必要であり、これらは看護師の基本的スキルである。患者には尋問ではなく気持ちによりそう質問をすることで、アセスメントに必要な情報収集ができるだけではなく、患者との信頼関係の構築にも役立つ。また、5W1Hを使った質問をすることも必要である。本当に必要な情報化確認したうえで質問をする。質問する時に注意すべきことは、質問は短く簡潔にすること、一方的に話さず、相手に話す機会を与えること、医療用語は使わないといったことがある。また、修辞疑問文は使ってはいけない。これは形は質問文だが、相手に質問するためではなく、自分の主張を強めるために使う技法である。これらの効果的な質問の仕方を学び、事例を通して理解する。
③ オープンエンドクエスチョンとは「開かれた質問」ともいい、対象が自由に答えることができる質問である。クローズドクエスチョンは「閉ざされた質問」ともいい、「はい」「いいえ」で答えることができる質問である。オープンエンドクエスチョンの長所は、豊富で重要な情報が得られ、相手の考えや感情なども返ってくることがある。また正直な言葉や感情を引き出すことができ、対話も可能である。ただし端緒としては、質問の要点から避けてしまうことがある。またクローの長所は、時間が節約できる、端的に情報が得られる、特定の情報に集中して聞くのに役立つというものがあるが、短所としては、得られる情報が限られる、何が問題の核心なのかが分からないといったことがある。これらを理解したうえで、コミュニケーションを取る際に、どのように用いるのか理解することができる。
キーワード ① 質問法 ② オープンエンドクエスチョン ③ クローズドクエスチョン ④ 5W1H ⑤ 医療用語とは
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第3回のコマシラバスの内容を熟読する。「話す」とはどういうことか、日常生活のコミュニケーション場面を思い出し考えてくる。また、「質問法」とはどのようなことか、コマシラバスを参考に考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「話す」とはどのようなことか理解し、日々のコミュニケーションでも実行できる。効果的なコミュニケーションの方法について理解し、今後の臨地実習に役立てる。さらにオープンエンドクエスチョンとクローズドクエスチョンの違いを確実に理解する。最後に国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

4 良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」として、積極的傾聴と共感について説明し、述べることができる。また、行動で磨くコミュニケーションとし「相手のメッセージを受け止める」ということについて、演習を通して考えることができる。

①大森武子著「仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス」、医歯薬出版株式会社、2014、p29-38.
第4回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p57-58.
第4回目講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p59-60.
第4回目講義資料

④篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p61-64.
第4回目講義資料
コマ主題細目 ① 「相手のメッセージを受けとめる」とは ② 積極的傾聴 ③ 共感と同情の違い ④ 共感を相手に伝える6ステップ
細目レベル ① コミュニケーションで送られてくるのは相手のメッセージである。伝えたい気持ちや考えであったり、自分が送ったメッセージに対する相手の気持ちや考えだったりする。同じ言葉が使われていても、その時々、その人その人によって言葉の背後にあるものは違う。言葉の背後にあるメッセージ(気持ちや考え)をいかに受け止めるかが、コミュニケーションを展開する上では重要である。相手の心を受け止めるためには、相手の言葉から相手の心(気持ちや考え)を推測し、それを理解し認めることが必要である。心は開かれたかどうかによって、次の展開が変わってくる。心が開かれていない場合は、否定せず批判せず、相手の心をとらえる努力を重ねることが重要である。日々の経験、そのt期の感情、そのすべてが相手の心を受け止めるための貴重なデータとなり、心に痛みを持つ人の気持ちを受け止める力になることを、演習を通して学ぶ。
② 患者と話をするときは、「じっくり聴くこと」が大前提である。傾聴とは看護行為の1つであり、相手の感情や思考にそって、相手の話に耳を傾けることである。看護介入として期待される効果としては、相手が気持ちや感情を表出する、相手が気持ちや考えが整理できたという、相手の感じるつらさが軽減するといったことがある。ただ熱心に聴くだけではなく、対象者が感じているつらさを軽減できる介入であり、その人自身の気持ちや考えが整理できるように自然と導いていけるようなかかわりである。傾聴の技術としては、聴くための条件を整え、相手の話に集中して聞く、話すきっかけを与える、非言語的メッセージを読み解くというものがある。積極的傾聴とはじっくり患者の話を聴くということであり、ケア的な意義が大きいことを理解する。
③ 共感とは、客観性を保ちながら他者が感じることを自分のこととして感じる(または感じようとする)ことである。同情は、よくない状況にある他人に対して、自分自身がその他者のことを気に病み、その他者の行動を自分のもののように感じることである。Rogersのカウンセリング論では、無条件の肯定的な配慮として、対象者の体験のすべての側面を対象者の一部としてあたたかく受容することであり、対象者に心を配ることと述べられている。それはつまり、対象者の言葉に対しあて、肯定も否定もせず判断もくださないということである。共感的理解とは、対象者がその瞬間に経験している感情や主体的な意味を感じることである。共感は効果的なコミュニケーションの重要かつ複雑な要因の1つであり、共感がなければコミュニケーションの本質的な理解を欠くということを理解する。
④ 共感を伝達するのに有効な6つのステップとは、注意を集中させるために、個人的な問題を自分の頭の中から排除すること、相手の話を聴くことに集中すること、言語的メッセージだけではなく、非言語的メッセージに注意すること、相手が私に伝えたいことはなにかを考えること、共感の言葉を態度とともに伝えること、共感の結果、相手の反応を確認することである。平田は、無心に患者の話を聴くということではなく、聴きだす姿勢が必要である。患者の苦しみをじかに触れて悩みを聞き出していくことが必要であると述べている。共感を示すことで、患者は「理解された」と感じることができる。さらに患者に好ましい治療効果をもたらすということを理解する。
キーワード ① 積極的傾聴 ② 共感 ③ 同情 ④ 共感を相手に伝えるステップ ⑤ 効果的なコミュニケーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第4回のコマシラバスの内容を熟読する。「相手のメッセージを受けとめる」とはどういうことか、日常生活のコミュニケーションを振り返り考えてくる。また、積極的傾聴とは何か、共感とは何か考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「相手のメッセージを受けとめる」とはどういうことか理解し、日々のコミュニケーションの中で活用することができる。また、積極的傾聴と共感について理解し、今後の臨地実習で実践できる。最後に、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

5 良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」として、良好なコミュニケーションのために関係構築が必要な理由を述べることができる。また、行動で磨くコミュニケーションとして、「読み取ることと表現すること」ということについて、演習を通して考えることができる。

①大森武子著「仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス」、医歯薬出版株式会社、2014、p39-45.
第5回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p65-67.
第5回目講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p67-73.
第5回目講義資料
コマ主題細目 ① 「読みとることと表現すること」とは ② 関係構築技法の必要性 ③ 感情探索の技法
細目レベル ① メッセージを送られた側、つまり受け手はそのメッセージ内容を聞いて、それに応える。 送られたメッセージを受け止めた表現とともに、自分の思うことや自分の持っている関連情報などを言葉で表現し、その時の思い出などを表現、しぐさで表現する。この時点で受け手はメッセージの送り手に変化する。つまり、お互いがメッセージの送り手であると同時に、受け手なのである。読み取る力と表現する力をみがくためには、読み取ろうという姿勢をもって一生懸命に相手に対応する、楽な気持ちで練習する、友達同士で話し合うのはいろいろな考えが出てきて理解が深まり効果的である、表現してみてその結果を評価し話し合う、毎日心がけて行動するということが必要である。お互いの気持ちや考えを理解し、認め合うための会話を展開する基本は、1回1回の対応(読み取りと表現)を大切にすることが重要であることを理解する。
② 関係構築技法とは、患者とよりよい関係、患者‐看護師の信頼関係を構築するために必要な技法である。人間の基本的な感情は、喜び、怒り、悲しみ、恐れといったものがあり、基本的感情は、言語化、非言語化、行動化という形で表現される。多くの患者は自発的に感情を表出しない。看護師は積極的傾聴をしながら、サインや非言語的メッセージに気付き、患者の感情を把握することで、患者との良好な関係を構築することができる。患者の感情、特にネガティブな感情が表出された時こそ、よい関係を構築するチャンスである。患者が表出した感情を飲み込んでしまったら、それは患者の心のうちにためられて、どんどん深刻な状況となる。ネガティブな感情はため込むことがないように、その都度表出してもらい、早めの対応が必要となることを理解する。
③ 感情探索の技法は、患者が感情を表出しない時や、感情が十分に表出されていない時に、感情を積極的に探る技法である。感情探索の技法には、直接的な探索と間接的な探索がある。直接的な探索は、患者に対し特定の感情を持っているかの確認をするために直接的な質問をして感情を引き出す方法である。間接的な探索は、直接的な探索で引きだされなかった場合、間接的な探索を行う。その状況や疾患などが、患者自身の生活に与えた影響を問うたり、周りの人に与えた影響を問う。このようにして表出された感情に対応する技法として、NURSEがある。患者の感情に寄り添い、その感情に対応するためのコミュニケーションスキルであることを理解する。
キーワード ① 基本的感情 ② 関係構築技法 ③ 感情探索技法 ④ NURSE ⑤ 信頼関係の構築
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第5回のコマシラバスの内容を熟読する。「読みとることと表現すること」とはどのようなことか、日常生活のコミュニケーション場面を振り返り考えてくる。また、関係構築技法とはどのようなものか、なぜ必要なのか考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「読みとることと表現すること」はどのようなことか理解し、日々のコミュニケーションの中で活用することができる。また、関係構築技法について理解し、今後の臨地実習で実践できる。最後に国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

6 看護面接の13STEP 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として、看護面接のプロセスを述べることができる。また、行動で磨くコミュニケーションとして、「自分を出す‐相手を受け止めつつ自分を主張する」ということについて、演習を通して考えることができる。

①大森武子著「仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス」、医歯薬出版株式会社、2014、p51-60.
第6回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p74-80.
第6回目講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p80-85.
第6回目講義資料
コマ主題細目 ① 「自分を出す-相手を受けとめつつ自分を主張する」とは ② 患者中心の面接 ③ 医療者中心の面接への移行
細目レベル ① コミュニケーションにおいて相手の心を受け止めることは最も重要である。お互いの心を伝えあい、認め合って、対等の権利を持った人間同士として、より良い関係を作っていくことが真の目的である。自分の主張と相手の主張がぶつかり合うとき、相手が自分の主張を受け入れてくれるかどうかは、相手の心が自分に対して開かれているかどうかである。いったん相手の心が閉ざしてしまうと、届くまでにたいへんな努力が必要となる。自分を主張するには、まず相手の心を開くことが大事である。次に相手の心は、相手の気持ちや考えを受け入れることで開くということである。自分はなぜそう思うのか、どうしてそう考えるのか、それを見つめなおし、しっかりとした理論を持つことが、自分を主張する姿勢と力を生み出すということを演習を通して理解する。
② 看護面接の準備として、患者の安らぎとプライバシーが守られるように配慮する、面接の中断や気が散るような状況を最小限にする、個人的な問題・価値観・先入観を排除する、患者情報の見直しをする、手洗いや看護師自身の身だしなみを整えることが大切である。オープニングとしては、患者を主体とする雰囲気づくりをして、第一印象を良くして、患者が「話しやすそう」と感じるように配慮する。面接開始から患者の情報収集を始め、患者が抱えている解決すべき課題を聴く。患者に自由に語ってもらい積極的に傾聴をする。こうすることで、患者‐看護師関係の構築が可能となり、患者の解釈モデルを聴くことが可能になるということを理解する。
③ 解釈モデルとは、患者が自分の状態をどのように理解し、解釈し、どのような見通しを持っているかという患者自身の視点である。解釈モデルを明らかにするには、何を一番問題に思っているか、何か思い当たる原因があるのか、どのくらいの期間問題を抱えているのかなど、患者から聞き出す。さらに、患者の身体的側面だけを見るのではなく、心理的側面、社会的側面といったあらゆる側面から全体像を把握する。患者が語った内容の要約をして医療者中心の面接へ移行する。クローズドクエスチョンを用いて、現病歴の続きとほかに困っている問題について聴く。患者独自の表現で話されたことは、医学的視点から何を意味するのか考え、個々の症状や問題を正確に把握する。さらに、社会問題や既往歴、社会歴や家族歴を聴き、クロージングする。
キーワード ① 看護面接 ② オープニング ③ 13STEP ④ 解釈モデル ⑤ 全体像の把握
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第6回のコマシラバスの内容を熟読する。「自分を出す-相手を受けとめつつ自分を主張する」とはどういうことか、日々のコミュニケーションを振り返り考えてくる。また、看護面接とはどのようなことかイメージしてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「自分を出す-相手を受けとめつつ自分を主張する」とはどういうことか理解し、日々のコミュニケーションの中で活用することができる。また、看護面接のプロセスについて理解し、今後の臨地実習で実践できる。最後に国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

7 プロセスレコードとは 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第7回目は「プロセスレコードとは」として、プロセスレコードについて説明し、プロセスレコードとは何かが説明でき、実際に記述する。

①長谷川雅美編「自己理解・対象理解を深めるプロセスレコード」日総研出版、2016、p8-11.
第7回目講義資料

②長谷川雅美編「自己理解・対象理解を深めるプロセスレコード」日総研出版、2016、p11-17.
第7回目講義資料

③長谷川雅美編「自己理解・対象理解を深めるプロセスレコード」日総研出版、2016、p38-41.
第7回目講義資料
コマ主題細目 ① プロセスレコードとは ② 再構成 ③ プロセスレコードと看護記録との関係
細目レベル ① プロセスレコードとは、患者と看護者の相互作用過程を明らかにし、実践に役立たせるために活用されている記録のことである。相互作用を明らかにするためには、看護場面を再構成する方法がある。この再構成について、目的や枠組みを提唱したのが、E.ウィーデンバックである。一方で、再構成された相互作用過程を成り立たせている要素がどんな働きをしているのかを明らかにしたのが、E.ペプロウである。どちらの理論も、「看護実践は患者と看護者との相互作用である」という共通の考え方が土台にある。相互作用という概念がどのようなものなのかを理解していくことが、プロセスレコードを理解していくために大きな意味があると考える。このプロセスレコードについて理解する。
② 看護場面で繰り返される気づきが生じたとき、私たちは自分自身の経験の振り返りという作業をする。この場合の振り返りとは、自分自身の言動と感情を振り返り、熟考することをいう。再構成とは、この「振り返り」を目的として、経験されたことを言語化することである。E.ウィーデンバックは、時間的にも精力的にも客観的にも見直す余地のないような、その時その状況にあっては、いったんその状況から離れて、その出来事について反省してみるためにも再構成が必要である。場面を振り返ることは、客観的に自分自身の言動を想起することによって、動機や動作について洞察することができると述べている。この再構成について目的を理解する。
③ 看護実践は、患者と看護者との相互作用によって成立する。この相互に影響しあった関係(作用)は、時間的に持続している。つまり、看護記録は、患者と看護者との相互作用を時間的な持続の中で表現したものをいう。患者と看護者との相互作用は、共有の時間軸の上で、二重らせん構造によって交錯しつつ、変化しながら持続している。時間的に、過去と未来は相互に浸透し、同一な瞬間は二度とない。また、一方通行に進行するだけの時間ではなく、過去にもさかのぼることが可能な時間を共有している。このように患者の時間的な持続全体をとらえて表されるのが看護記録である。再構成される場面は、患者と看護者との相互作用における部分を取り出したものである。取り出された看護場面は、場面の流れとして、時間的に持続していながらも原型である持続した相互作用を切り取ったものである。この看護記録とプロセスレコードとの違いを理解する。
キーワード ① プロセスレコード ② 再構成 ③ 看護記録との関係 ④ 振り返り ⑤ 相互作用
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第7回のコマシラバスの内容を熟読する。そのうえで、プロセスレコードとはどのようなものか、どのような時にプロセスレコードを書き、その場面を振り返る必要があるのかを考えてくる。また、看護過程とは何が違うのか、看護記録とは何が違うのか、自分なりに考えてくる。さらに、自分の臨地実習での体験の中から、プロセスレコードで再構成できそうな場面があったかどうか考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、プロセスレコードとは何か、再構成するとはどのようなことか、看護記録との違いはどのようなものということについて理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

8 高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション 科目の中での位置付け 本科目では、対人関係を構築するために必要な看護技術として、演習を取り入れながら具体的なコミュニケーションスキルを展開する。第1回目の講義の導入として「コミュニケーションとは;コミュニケーションの種類と影響するもの」として、コミュニケーションとは何かを考える。第2回目は「医療におけるコミュニケーション」として、医療におけるコミュニケーションの必要性を考える。第3回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;質問技法」、第4回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;積極的傾聴と共感」、第5回目は「良好なコミュニケーションに必要な技法;関係構築技法」を学ぶ。第6回目は「看護面接のプロセスの13STEP」として看護面接の13STEPを理解する。第7回目は「プロセスレコード」として、プロセスレコードとは何か説明し、実際にプロセスレコードを記述する。第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。
このような流れで、第8回目は「高度なコミュニケーション;多職種連携とコミュニケーション」として、コミュニケーションが困難な場合における対応を考え、多職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何かを理解する。

①黒田裕子「重要なところだけ、短時間でわかりやすく読む看護理論」、日総研、2020、p106-119.
第8回講義資料

②篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p106-110.
第8回講義資料

③篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p110-113.
第8回講義資料

④篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p115-118.
第8回講義資料

⑤篠崎惠美子、藤井徹也「看護コミュニケーション-基礎から学ぶスキルとトレーニング」医学書院、2016、p118-119.
第8回講義資料
コマ主題細目 ① ラポールとは ② 実習で遭遇するコミュニケーションが困難な状況 ③ 実習で遭遇するコミュニケーション強化が必要な状況 ④ 多職種連携とコミュニケーション ⑤ アサーティブ
細目レベル ① ラポールとは、アメリカの看護学者のトラベルビーの代表的な著書「人間対人間の看護」の中に記載されている。トラベルビーは看護の目的を、個人や家族、地域社会から、病や痛みの体験を予防し、病や痛みの体験においては、その体験に立ち向かえるように個人や家族を支援することであり、そのためには「対人関係のプロセス(ラポール:信頼関係の成立)が重要であると述べている。トラベルビーは看護をする側と患者は、4つの位相を経てラポールが成立するとしている。1つ目は初期の出会い、2つ目は同一性の出現、3つ目は共感、感情移入、4つ目は同情である。これらを経たうえで、打てば響くような親密な関係(ラポールが成立)になれると述べている。
② 実習で遭遇するコミュニケーションが困難な状況として、「ネガティブな発言」「見てはいけないものを見てしまった状況」「患者からの申し出を断る状況」「患者のペースに引き込まれてしまった状況」が考えられる。ネガティブな発言に対しては、患者とじっくり向き合い、患者に「じっくり話を聴く」というメッセージを伝える。ネガティブな発言も受け入れ、抱えている問題や不安・恐怖などの感情を共有してほしいという患者の思いを受け止め、一緒に問題について考えていこうという支持を示す。見てはいけないものを見てしまった状況では、いつもと同じ態度で接する。患者はよくないことをしていることを承知している。善し悪しの判断をせずに、患者の気持ちを受け入れる。その際に共感の言葉を活用する。患者からの申し出を断る状況では、自分を信頼し認めてくれたことを喜び、感謝の気持ちを伝える。しかし、ルールとして受け取れないことを説明する。患者のペースに引き込まれてしまう状況では、何のために、どのような話を聞きたいのか、こちらの目的を伝える。丁寧に話を中断させたり、焦点をしぼり直す。このような状況を事前に理解しておくことで、臨地実習で同じような状況が起こったときの対処方法を考えることができる。
③ 実習で遭遇するコミュニケーション強化が必要な状況とは、患者が言語障害、視力障碍、聴覚障害、認知障害の場合である。言語障害や構音障害がある患者とのコミュニケーションとは、患者から言葉が出てこない状況や相手の内容が理解できない状態である。患者は疎外感や孤独感、いら立ちや焦りを感じることが多いことを理解する。視覚障害のある患者とのコミュニケーションは言語でのコミュニケーションが可能である。患者は気配を敏感に感じることができるので、どのように感じているのか、指導者から情報を得ておくのもよい。聴覚障害のある患者とのコミュニケーションは、できるだけ静かな場所へ移動してコミュニケーションをとる。高齢者の場合、聞こえていなくてもあいづちをする場合があるので、重要なメッセージは理解されたか確認する。認知障害のある患者とのコミュニケーションは、人間性を尊重し、患者自身を理解することがコミュニケーションのきっかけとなることがある。これらのことを理解し、臨地実習での患者とのかかわりに役立てる。
④ 患者により良い医療を提供するためには、看護師だけではなく、医師、薬剤師、栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーなど多様な専門職の関わりが必要である。このように多様な専門職が患者に関する情報を共有し、各自の役割に基づいて適切にケアを提供することを多職種連携という。多職種連携では、多様な専門職が他職の専門性を理解して連携し、チームとして医療を提供する。また、チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、おのおのの高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と厚生労働省は定義している。このチーム医療が機能しなければ、質の高い医療を提供することができない。そのために、さまざまな専門職とのコミュニケーションが重要であることを理解する。
⑤ 看護師にとって最も関わりが強い専門職は医師である。看護師と医師の良いコミュニケーションは、看護師と医師の両方の満足度を増加させることや、看護師と医師の協働の重要性などが報告されている。看護師と医師が協働するためには、看護師のアサーティブネスと自律性が重要であるとも言われている。アサーティブネスとは「自己主張」を意味するが、相手の権利を侵害せずに、誠実に、率直に対等に自分の意見や要求を述べることである。つまり、アサーティブなかかわりのためには、自分と他者の権利を守りながら、自分の要求や考えを表現するためにさまざまなコミュニケーションスキルを修得する。さらに、前向きな態度であり、不安や緊張、恐れといった感情をコントロールでき、気持ちが安定しており、他者を尊重しつつも、自分も慎重できるということが必要であるのを理解する。
キーワード ① ラポール ② 人間対人間の看護 ③ チーム医療 ④ 多職種連携 ⑤ アサーティブ
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第8回のコマシラバスの内容を熟読する。看護場面において、コミュニケーションが困難な状況とはどのような状況か、日常生活においてもコミュニケーションが困難な場面はあるか、これまでにそのような経験があったか考えてくる。また、多職種とは何か復習し、多職種間でコミュニケーションが必要な場面について考えてくる。さらに、基礎看護学実習Ⅰの中で、どのような職種が病棟で働いていたのか、どのような場面でコミュニケーションをとっていたか、考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、「ラポール」とは何か、確実に理解する。トラベルビーの人間対人間の看護の中で記載されている看護の目的についても理解する。また、実習で遭遇するコミュニケーションが困難な場面の対応について理解し、今後の臨地実習で活用できる。職種間のコミュニケーションにおいて重要なことは何か理解することができる。また、アサーティブなコミュニケーションとはどのようなコミュニケーションか、ローリプレイとはどのようなもので、その目的は何かということについて理解する。さらに、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
コミュニケーションの必要性 コミュニケーションとは何か、コミュニケーションは伝える側と伝えられる側の双方向のプロセスであることを理解する。また、看護専門職者として、なぜコミュニケーションが求められるのか、コミュニケーションの必要性や医療におけるコミュニケーションの特徴について理解し、医療におけるコミュニケーションが注目されるようになった社会的背景を理解する。さらに、医療におけるコミュニケーションの目的を理解し、信頼関係の構築が患者に満足度の高い医療を提供することにつながることを理解することができる。 コミュニケーション、双方向のプロセス、医療におけるコミュニケーションの目的 10 第1回
コミュニケーションの種類と影響するもの コミュニケーションの種類には、人数で種類分けするものと、意思疎通の対象によって分類するものがあることを理解する。また、コミュニケーションの特徴について理解することができる。さらに、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションとはどのようなものか、その違いや特徴について理解することができる。他に、コミュニケーションにおける4つの交流やコミュニケーションに影響する要因は何か、これらを踏まえてコミュニケーションをとることが必要であり、医療の質、患者の満足度に大きな影響を与えるということについてを理解することができる。 言語的コミュニケーション、非言語的コミュニケーション 10 第1回
医療におけるコミュニケーション 看護師が入院患者から必要な情報を収集することを「アナムネーゼ聴取」ということを理解する。看護師が患者から情報収集する場面は、ケア前、ケア中、ケアの後とさまざまな場面かあるということを理解することができる。また、患者中心の看護面接とは何か、看護面接の意義を理解することができる。また、生物心理社会モデルと生物医学モデルとはどのようなものか、その違いを理解し解釈モデルを聴くことの必要性を理解することができる。さらに看護面接のプロセスについて理解することができる。 生物医学モデル、生物心理社会モデル、解釈モデル、看護面接 10 第2回
コミュニケーション技法(質問技法) 効果的な質問の仕方としては、効果的な質問のスキルを身につけ、ぬくもりを示して問いかけるスキルが必要であり、これは看護師の基本的スキルであることを理解する。また、5W1Hなど、患者に質問する時に注意すべきこととは何か、コミュニケーション技法とはどのようなものか理解できる。具体的には開かれた質問、閉ざされた質問、焦点を絞らない技法(沈黙、非言語的促進、中立的発言)、焦点を絞った技法(反映、開かれた促し、要約)について区別することができる。積極的傾聴と共感と同情の違いについて説明することができる。 開かれた質問、閉ざされた質問、積極的傾聴、共感、同情 20 第3回、第4回
コミュニケーション技法(関係構築技法) 関係構築技法とは、患者とよりよい関係を構築するために必要な技法である。看護師として、コミュニケーションにおいて、なぜ関係構築技法が必要なのか、人間の基本的感情を学び、必要性について理解することができる。また、感情探索技法として直接的な探索と間接的な探索、感情に対応する技法としてNURSEについて説明することができる。NURSEは患者の感情に寄り添い、その感情に対応するためのコミュニケーションスキルであることを理解する。さらに、それぞれの技法を統合して活用する方法を理解することができる。 看護面接、オープニング、クロージング 10 第5回
看護面接の13STEP 看護面接の13STEPとして、患者主体の心理社会的データと身体症状データの収集、患者の主訴、現病歴や健康問題といった生物心理社会的問題、医療者主体の身体症状と心理社会的データの収集といった看護面接の流れについて理解することができる。また、看護面接を実施することで、患者の解釈モデルを聴くことが可能となる。解釈モデルとは、患者が自分の状態をどのように理解し、解釈し、どのような見通しをもっているかという、患者自身の視点であることを理解することができ、患者から情報収集し患者を理解するということの意味を理解することができる。 看護面接、、患者中心の面接、医療者中心の面接、統合された看護面接 10 第6回
プロセスレコードとは プロセスレコードとは、患者と看護者の相互作用過程を明らかにし、実践に役立たせるために活用されている記録のことである。相互作用を明らかにするためには、看護場面を再構成する方法がある。この再構成とは何か、再構成について目的や枠組みを提唱した理論家はだれか、再構成された相互作用過程を成り立たせている要素がどんな働きをしているのかを明らかにした理論家はだれか、説明することができる。さらに、相互作用という概念がどのようなものなのかを理解することができる。 プロセスレコード、再構成、相互作用 5 第7回
高度なコミュニケーション 「ラポール」とはどのようなものか、トラベルビーの人間対人間の看護の中に記載されている、看護の目的について理解する。また、実習で遭遇するコミュニケーションが困難な状況とはどのような状況か、具体的事例から、コミュニケーションの取り方やその時の対応について考え、理解することができる。さらに、実習で遭遇するコミュニケーションスキルを強化しなければならない状況として、言語障害、視覚障害、聴覚障害、認知障害といった状況でのコミュニケーションがあることを理解することができる。 ラポール、言語障害、聴覚障害、認知障害 5 第8回
多職種連携とコミュニケーション、ロールプレイ 患者により良い医療を提供するためには、多様な専門職の関わりが必要であることを理解する。このように多様な専門職が患者に関する情報を共有し、各自の役割に基づいて適切にケアを提供することを多職種連携ということも理解する。他には、チーム医療とはどのように定義されているのか、多職種連携とはどのようなことか、またそれらの必要性について説明することができる。さらに、アサーティブなかかわりとはどのような関わりか、3つのコミュニケーションスタイルの特徴を比べ、違いを理解することができる。さらに、ロールプレイとはどのようなことか、その目的や進め方について理解することができる。 チーム医療、多職種連携、アサーティブ、ロールプレイ 20 第8回
評価方法 期末試験(100%)によって評価する
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 茂野香おる著、『系統看護学講座 専門分野Ⅰ 基礎看護学②』、医学書院、2019、2,860円
参考文献 篠崎恵美子著、『看護コミュニケーション 基礎から学ぶスキルとトレーニング』、医学書院、2016、1,980円
大森武子著、『仲間とみがく看護のコミュニケーション・センス』、医歯薬出版株式会社、2014、3,080円
長谷川雅美編、『自己理解・対象理解を深めるプロセスレコード』、日総研出版、2017、2,090円
石川ふみよ編、『看護過程の解体新書』、学研メディカル秀潤社、2018、2,200円
実験・実習・教材費 なし