区分 専門科目-基盤看護学-基礎看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
専門科目の統合看護に位置付けられており、基礎看護学実習Ⅱの知識技術の基盤となる科目の一つである。全領域の看護実践の基盤でもある。
科目の目的
看護過程とは看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。本科目では、疾患や障害を持つ人々の健康上の問題や生活上のニーズ及び諸問題を明らかにし、解決に向けた援助を提供するための問題解決方法を学ぶ。ヘンダーソンの看護理論を用いて、基本的欲求の14の構成因子の枠組みにそって、情報を分類しアセスメントの過程を学ぶ。また看護過程に必要な知識と技術とはどのようなものか理解し、正しい看護問題が導けるようにクリティカルな思考を培う。これらは、将来個別的な看護が提供でき、質の高い看護実践を可能とするために必要な思考である。
到達目標
1.看護過程を学習する意味とその必要性が理解できる。
2.ヘンダーソンの看護理論を把握し、14の基本的欲求の構成因子の枠組みを活用することができる。
3.アセスメントの過程を理解し、対象となる患者の全体像をとらえ、看護問題を抽出することができる。
4.看護問題に優先順位をつけ、看護計画を立案することができる。
5.看護記録の書き方について理解することができる。
6.看護過程の展開がどのような思考過程か、全体を通して理解することができる。

科目の概要
看護過程は、看護実践の要である問題解決型思考を基盤とした看護の展開技術である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでは、実際にヘンダーソンの枠組みを用いて受持ち患者の看護過程を展開するため、臨地実習における実践を目指し、看護過程展開のための基礎的能力を身につける。看護過程のプロセスには、アセスメント、看護問題の明確化(看護診断)、看護計画の立案、看護計画の実施、看護計画の評価という段階があることを学び、それぞれの段階を理解することができる。本科目では看護過程の基礎を学ぶために、ヘンダーソンの理論を用いて看護過程を展開する。まず、ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子を理解し、その枠組みを活用して、事例を用いて看護過程を展開する。事例は自然気胸の事例を用い、アセスメントに必要な知識とはどういうものか、ということについて理解した上でアセスメントを行う。一連の看護過程の流れを理解するために、講義とグループワークを組み合わせ理解に努める。
科目のキーワード
看護過程の展開、ヘンダーソンの看護理論、基本的看護の構成因子14項目、アセスメント、総合アセスメント(情報の統合)、看護上の問題の抽出、看護計画の立案、実施、評価
授業の展開方法
基本的には講義を通して、看護過程の考え方を理解するために講義形式で行う。まずはガイダンスとして授業の進め方について説明する。その際に看護過程を学ぶ上で、なぜ看護過程を学ぶ必要があるのかという必要性を理解し、看護師の役割や看護過程の基盤となる考え方について復習したうえで講義を進める。看護過程の展開前に、まず看護過程を学ぶ理由を明らかにし、今後の学習につなげる。看護過程の展開は、事例を用いてアセスメントシートに記入する形で進めるが、まず講義で知識を得て、そのあと個人ワークで実施する。さらにグループワークで共有し、理解度を確認しながら進める。
オフィス・アワー
研究室716:月曜5限・火曜5限
Email:n-nakajima@uhe.ac.jp

科目コード ERG09
学年・期 2年・前期
科目名 看護過程
単位数 1
授業形態 演習
必修・選択 必修
学習時間 【講義】30h
【予習・復習】15h
前提とする科目 看護学概論Ⅰ、生活援助方法論、生活援助方法演習、解剖生理学Ⅰ,Ⅱ、Ⅲ、基礎看護学実習Ⅰ、看護コミュニケーション論
展開科目 基礎看護学実習Ⅱ・各領域看護援助論Ⅱ・看護学実習
関連資格 看護師・保健師
担当教員名 中島紀子・松山キャンパス教務課
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 ガイダンス 看護過程を学ぶ理由 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
このような流れで、第1回目は看護過程の導入として「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」について学び理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p2-9
第1回講義資料p1

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p10-11
第1回講義資料p2

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p12-16
第1回講義資料p2-3

④看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p18-35
第1回講義資料p3
コマ主題細目 ① 看護の対象 ② 看護師の役割 ③ 人間の反応と個別性 ④ 看護過程の基盤になる考え方
細目レベル ① 看護の対象はただ疾患や障害を抱えた「患者」としてとらえるのではなく、様々な思いや考えをもち、家族や友人との人間関係、職場や地域など社会の中で生活を送る「生活者」としてとらえる。対象者はあらゆるレベルの健康状態にある。この健康状態は身体的に健康であるか否かというだけではなく、身体的・精神的・社会的な側面を持つ人間としての全体的な健康状態のことをいう。また、対象者は個々の人生において、あらゆる変化や経験、他者との関係やつながりといったライフプロセスをもつ。このライフプロセスの中で、対象者は自身の価値観や信念を構築し、習慣や嗜好などを含む現在の生活を構築しており、これらは現在の健康状態や行動に大きく影響を与えていることを理解する。
② 看護の対象者は、健康状態の変化やライフプロセスの中のできごとに影響を受けて、様々な「健康上の問題」を抱える。医療の目的は、これらの問題に介入し、人々の健康状態を改善、あるいは維持・促進していくことにある。看護師は、対象者が健康状態の変化やライフプロセスにおけるできごとに対して、どのような「人間の反応」を示すかに焦点をあて看護診断を行うことで、看護師独自の問題として介入する。医師は、疾患に焦点をあて医学診断を行い、それに対する治療や予防などの医学的な介入をする。保健師助産師看護師法に定められた看護師の業務には、「診療の補助」と「療養上の世話」の2つがある・看護師独自の介入は、日常生活の支援などの「療養上の世話」に含まれることを理解する。
③ 看護の対象者が示す「人間の反応」には、呼吸苦、便秘、歩行困難などの身体的反応のほか、治療への意欲、意思決定、不安などの精神的反応、家族や職場における役割の変化、孤立などの社会的反応がある。これらの「人間の反応」はライフプロセスや現在の健康状態の影響を受け、一人ひとり異なる。看護師は、看護過程を通してこのような「人間の反応」を理解し、健康増進につながる「人間の反応」を維持・促進し健康状態を悪化させる「人間の反応」が改善されるように介入を行うということを理解する。対象者が示す「人間の反応」は多岐にわたり、手術に対する不安といった一時的な反応もあれば、食習慣など長期にわたって現れる反応もある。また、対象者本人が反応を自覚していない場合もある。このような多様な「人間の反応」を理解するために、看護過程ではアセスメントの枠組みを活用する。そのために看護過程の基本的考え方を理解する必要があることを理解する。
④ 看護過程の基盤となる考え方の一つに問題解決過程がある。問題解決過程とは、現実に生じている問題を解決するために組み立てられた一連の流れを示すものである。また、看護過程の基盤となる考え方の一つに、クリティカルシンキングがある。クリティカルシンキングは、適切な基準や根拠に基づく理論的な思考、意識的に自分音考え方を省みる思考をいう。クリティカルシンキングに必要な要素には、よく観察し問題を考える態度、専門性に通じる知識、論理的な推論の技術、対人関係のスキルがある。この4つの要素のうち、よく観察し問題を考える態度は重要である。知識や方法を知っていても、注意深く観察し徹底的に考えようとする態度がなければ、クリティカルな考え方はできない。これらの要素を意識して、徹底的に考える訓練をすることで、クリティカルシンキングを基盤とした看護過程を展開できるようになることを理解する。
キーワード ① 看護過程 ② 問題解決型思考 ③ 看護師の役割 ④ 看護過程のステップ ⑤ クリティカルシンキング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第1回のコマシラバスの内容を熟読する。看護過程とは何かについて考えてくる。また1年次に学習している、看護の対象、看護師の役割について復習し説明できるようにしてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、なぜ看護過程を学ぶ必要があるのか、看護過程を展開するという一連の流れについて理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

2 看護過程の展開 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第2回目は「看護過程の展開」として、看護過程を学ぶ理由、アセスメントについて学ぶ。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p36-37
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p8-17
第2回講義資料p1

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディアp40-43
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p8-17
第2回講義資料p2

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p44-69
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p8-17
第2回講義資料p3

④看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p70-75
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p8-17
第2回講義資料p4-5

⑤看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p84-86
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p8-17
第2回講義資料p6
コマ主題細目 ① 看護過程を学ぶ理由 ② アセスメントとは ③ アセスメントの枠組み ④ データの収集方法 ⑤ 人間の反応の理解
細目レベル ① 看護師国家試験の受験資格を得るためには、所定のカリキュラムを修める必要がある。その中に、臨地実習という教育内容があり、保健師助産師看護師学校養成所指定規則では全部で23単位の修得が必要とされている。臨地実習は、講義や演習で学んだ知識や技術をもとに、より実際的で個別的な看護を学習するものである。臨地実習時には、対象者をよく理解し、対象者の抱えている問題や課題を探り、解決や目標達成に向けて支援していく過程を踏むという学習方法が用いられる。この方法を「看護過程の展開」という。「看護過程を展開できる」ということが、実習目的や実習目標に示されていることもある。「看護過程」を学習する目的は、卒業後に、看護職として現場で求められる能力の育成にほかならず、将来臨床で看護を行う能力を身につけるために必須であることを理解して学習にのぞむ。
② 看護過程は、看護師が患者の看護問題を解決していくために行う思考と行動の過程である。看護師は看護を行う際、頭の中で「看護の思考」を展開しながら、「看護の行動(看護介入)」を行っている。この思考と行動の過程を看護過程という。看護過程を展開することで、患者さん一人ひとりに焦点をあて、看護問題を的確に把握して介入することができる。また、それを正確な記録として共有することで統一した医療サービスを提供でき、看護の質や患者の満足度を高めることができる。「アセスメント」とは、患者がどのような「人間の反応」を示しているかを理解し、看護介入の必要性を明らかにするために行う。その過程は、「データ収集」と「人間の反応」の理解の2つに分けられる。その結果、どの「人間の反応」が看護問題を含む健康上の問題なのかを把握することができる。
③ アセスメントの枠組みとは、多様な「人間の反応」を効率よくとらえるための看護の視点である。この枠組みを利用することで、「人間の反応」理論的に分類したいくつかのクラスターに分けて考えることができる。そのためにアセスメントに必要なデータを確実に収集できるほか、「人間の反応」を関連する領域ごとに系統立てて理解することができる。アセスメントの枠組みには、看護理論に基づくもの、看護診断を導くために開発されたものなどがあることを理解する。代表的なアセスメントの枠組みには、ヘンダーソンの14の基本的欲求、オレムの3領域のセルフケア、ロイの4つの適応様式などがあり、これらは看護理論に基づく枠組みである。ゴードンの11の機能的健康パターンは看護診断を導くための枠組みである。本科目では、ヘンダーソンの枠組みを使ってアセスメントを展開するが、なぜアセスメントの枠組みを利用するのかということも理解する。
④ アセスメントの最初のステップは「データ収集」である。アセスメントにおけるデータとは、看護師の解釈が加えられていない事実そのものや数値を示す。データの種類には、主観的データと客観的データがある。データの多くは、患者本人から得ることができる。また、患者の家族あるいは支援者、医師などほかの医療職、診療や看護記録などからも得られる。データ収集の方法としては、面接、フィジカルアセスメント、観察がある。看護師が収集したデータは、患者を理解するための重要な材料であり、そのデータの正確性は、その後の「人間の反応」の理解や看護診断に大きく影響する。そのために看護師には正確なデータを収集する技術が求められるということをふまえ、情報収集の必要性、方法を理解する。
⑤ 「人間の反応」の理解は、データ収集により得たデータを用いて「人間の反応」への理解を深めていく思考過程である。「人間の反応」を理解することにより、看護問題を含む健康上の問題を把握することができる。「人間の反応」を理解する過程では、「解釈」「分析」「推論」「判断」といった思考が関係しあっている。これらの思考は日常生活では無意識のうちに行われている。しかし、論理的に看護過程を展開するためには、自分が「何について」「どの思考を行っているのか」を意識する必要がある。「人間の反応」の解釈では、アセスメントの視点ごとにとらえた「人間の反応」が、現時点でどのような状態にあるのかを考える。このようなプロセスを一つ一つ理解して看護過程の展開を進める。
キーワード ① 看護過程 ② アセスメント ③ データ ④ 人間の反応 ⑤ 思考過程
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第2回のコマシラバスの内容を熟読する。看護過程を学ぶ理由、情報収集とは何か、アセスメントとは何かについて考えてくる。また日常生活の中から、人間の反応とはどのようなことか、自分の生活体験の中から考えてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、看護過程を学ぶ理由、アセスメントについて理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

3 ヘンダーソンの看護理論 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第3回目は本科目で学ぶ、ヘンダーソンの看護理論について理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p25-27
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p20-21
看護の基本となるもの ヴァージニア・ヘンダーソン著 2016 日本看護協会出版
第3回講義資料p1

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p25-27
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p22-26
看護の基本となるもの ヴァージニア・ヘンダーソン著 2016 日本看護協会出版
第3回講義資料p2

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p25-27
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p27-40
看護の基本となるもの ヴァージニア・ヘンダーソン著 2016 日本看護協会出版
第3回講義資料p2

④看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p25-27
看護過程の解体新書 石川ふみよ編 2018 学研メディカル秀潤社 p40-49
看護の基本となるもの ヴァージニア・ヘンダーソン著 2016 日本看護協会出版
第3回講義資料p3
コマ主題細目 ① 看護の基本概念 ② ヘンダーソンの看護概念 ③ 常在条件と病理的状態 ④ 基本的看護の構成因子14項目
細目レベル ① 看護を学問として体系化するにあたって、先人の理論家は人間・環境・健康・看護の4つのメタパラダイムについて言及してきた。メタパラダイムとはある学問を体系化するための概念枠組みのことである。人間は看護活動の受け手であり、個人・家族・地域や特別な集団として生活している。人は生活を営む存在であり、生活には生物的な生命としての生活活動としての生理的側面、その人らしい日常生活を送るための行動様式として文化的側面、家族や社会においてどのような役割を果たしているのかという社会的背景、暮らしを立てるために必要な生計などに焦点をあてた経済的側面があるということを理解する。人間は全体(Whole)としての統合された生物的・心理的・社会的存在であることを理解する。
② ヴァージニア・ヘンダーソンは「看護の基本となるもの」の中で、看護独自の機能や役割を示した。それは、様々な職種が医療現場に参入したため看護師の役割が曖昧となり、看護の専門性が問われる時代背景の中で答えを示す画期的なものであった。ヘンダーソンは、看護について「病人であれ健康人であれ、各人が、健康あるいは健康の回復(あるいは平和な死)に資するような行動をするのを援助すること、その人が必要なだけの体力と意志力と知識を持っていれば、これらの行動は他者の援助を得なくても可能であろう、各人ができるだけ早く自立できるように助けることもまた看護の機能である」とし、人間の基本的欲求に基づく14の基本的看護の構成要素を示した。この構成要素を理解する。
③ 基本的欲求は患者の年齢や性格、性別などの常在条件の影響を受け、疾患や治療方針といった病理的状態により変容する。そのため、患者に必要な援助は一人ひとり異なるということをまず意識する。そのうえで、看護師は個々の患者に必要な看護を判断し、自立に向けてその人にあった援助をしていくことが求められる。つまり、同じ疾患、同じ治療であっても、常在条件や病理的状態によって支援方法が異なり、この違いが個別性のある看護援助へとつながるということを理解する。ヘンダーソンの看護理論を展開する場合、常在条件と病理的状態が基本的欲求に与える影響をアセスメントし、体力、意志力、知識の側面からその人に基本的欲求を充足する能力があるかどうか判断し、健康上の問題を明らかにするということを学び理解する。
④ 基本的看護の構成因子は14項目から構成されている。14項目は「正常に呼吸する」「適切に飲食する」「あらゆる排泄経路から排泄する」「身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する」「睡眠と休息をとる」「適切な衣類を選び、着脱する」「体温を生理的範囲に維持する」「身体の清潔を保ち、身だしなみを整える」「環境の様々な危険因子を避ける」「自分の感情を表現して、他者とのコミュニケーションをもつ」「自分の信仰に従って礼拝する」「達成感をもたらすような仕事をする」「遊びあるいはレクリエーションに参加する」「正常な発達および健康を導くような学習をし、好奇心を満足させる」であり、それぞれの構成要素を理解し、今後のアセスメントにつなげる。
キーワード ① 常在条件 ② 病理的状態 ③ 基本的欲求 ④ 基本的看護の構成要素 ⑤ ヘンダーソン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第3回のコマシラバスの内容を熟読する。看護の主要概念「人間」「健康」「環境」「看護」については1年次から学習している内容なので復習して、看護の主要概念とは何かを説明できるようにしておく。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、ヘンダーソンの看護理論について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

4 事例の理解 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第4回目は「事例の理解」として、アセスメントに必要な知識について学ぶ。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p180-181
第4回講義資料p1

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p181-182
第4回講義資料p2

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p182-188
第4回講義資料p3-5

④看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-189
第4回講義資料p5-6
コマ主題細目 ① 事例紹介 ② 発達段階と性別 ③ 疾患による身体面への影響 ④ 疾患や治療による精神面・社会面への影響
細目レベル ① まず、今回講義内でアセスメントをする事例の紹介をする。どの理論を用いる場合も、基本情報は考慮しなければならない必要な情報である。基本情報とは、年齢、性別、診断名、既往歴、入院歴、職業、家族構成、家族歴、生活歴(食事、排泄、睡眠、嗜好、その他)といった情報である。また、現病歴に関するデータとは何か理解する。現病歴とは、入院時の問診などで患者から情報収集するほか、カルテからも情報を得ることができる。基本情報とともに入院に至るまでの経過としての現病歴を知ることで、今後のアセスメント、看護計画に役立つことを理解する。またそれらの基本情報をふまえてアセスメントをすることで、個別性のある看護過程が展開できることを理解する。
② 発達段階とは、成長発達の過程を特徴的な期間で分けたものである。年齢やそれに応じた各発達段階の特徴を考慮する。事例をアセスメントする際は、20歳という青年期の身体的・精神的・社会的特徴に関する知識が必要となる。青年期にある人の身体的特徴は、乳幼児期や学童期に急成長した身体的・性的機能が成熟し、安定することである。外観、認知機能、運動機能、感覚機能、呼吸・循環・筋骨格系、生殖機能といった身体的特徴と、自己を意識するようになり、友人や社会へと関心を広げ、新たに人間関係を築くことで親から精神的に自立していくといった精神的・社会的特徴も踏まえる。エリクソンは、青年期の発達課題を自己同一性の確立としていることも理解しておく。
③ 疾患による身体面への影響を考える上で、疾患がどのようなものか理解しておく必要がある。今回の事例では右自然気胸という疾患なので、正常な肺の働きとともに、気胸とはどのようなものかアセスメントの際には理解しておく。また、原因にはどのようなものがあるか、今回の事例では何が原因だったのか、そこから考える。他に、疫学的にその疾患はどのような頻度で起こるものか、その疾患が生じた場合、どのような症状がみられるのか、発病から治療まではどのような流れで行われるのかも事前に学習しておく。さらに治療による身体面への影響として、治療はどのように行われるのか、疾患の程度によって治療法が異なるため、事例の場合は何にあてはまるのか、緊急を要するのはどのような場合か考える。
④ 疾患や治療による精神面への影響として、症状に対する恐怖がある。突然の胸痛や呼吸困難から、うまく呼吸ができず、死を意識して恐怖を抱くことがある。また、ドレーン挿入の疼痛から生じる不安や、ドレーン留置による拘束感や日常生活の制限により、ストレスを生じることもある。さらに、自然気胸はしばしば再発するため、生活上の制限が必要になる場合がある。このような再発に対してまた同じような症状が出現するのではないかという不安を抱くこともある。また、日常生活への影響として、退院後の生活では、注意しなければならないことがあり、家庭や学校、職場などにおける日常生活や社会生活に影響することがある。これらを踏まえた看護が必要であることを理解する。
キーワード ① 対象の理解 ② 自然気胸 ③ 発達段階 ④ アセスメントに考慮すべき要素 ⑤ エリクソン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第4回のコマシラバスの内容を熟読する。エリクソンの発達段階は他の科目で学習しているため、それぞれの発達段階における課題について復習し、対象を理解する際に合わせて考えられるようにしてくる。
復習:配布資料をもとに講義内容を振り返り、事例を理解するとはどのようなことか、理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

5 アセスメント①;入院1日目の情報の分類 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第5回目は「アセスメント①」として、ヘンダーソンの枠組みを使用して、基本情報から現病歴まで実際に入院1日目までのデータを枠組みにそって分類する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p168-169
第5回講義資料(アセスメント用紙)
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p169-171
第5回講義資料(アセスメント用紙)
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p172-173
第5回講義資料(アセスメント用紙)
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 事例の紹介 ② 入院1日目の情報の分類 ③ 個人ワークとグループワーク
細目レベル ① 事例の紹介として、入院1日目までの経過を紹介する。その際に、患者との会話だけではなく、入院時の状況、検査所見に関するデータ収集の必要性とその見方についても説明する。またそれが、どのようにアセスメントにつながるのか、正常値から逸脱するとはどういうことかということについても説明する。さらにフローシートからの情報収集についても説明する。フローシートは、入院中の経過記録の1つで、バイタルサインや食事・排泄の状況などの経過を示したものである。まず、バイタルサインの読み取り方、それ以外のデータについても説明し、ヘンダーソンの枠組みに分類する。データの分類の際に、すべてのデータが必要ではなく、どのデータが必要となるのか考え分類できるようにする。
② 現病歴(入院に至るまでの経緯)に関するデータを収集する。現病歴に関するデータは、入院時の問診やカルテから得ることができる。入院1日目の情報は、病室での患者との会話やカルテなどから得ることができる。入院1日目であるため、患者の治療や安静度の説明に対する理解や認識、治療上の指示を遵守できているかといった情報も収集する。その後、それらの情報がヘンダーソンの14の基本的看護の構成要素のどの項目にあてはまるのか考え分類し、アセスメントシートに記載する。入院に至った経過といった現病歴もアセスメントシートに記載しているため、それも踏まえ、経時的に記載できるよう工夫する。今後の入院経過の情報収集もあるため、現在の状態が分かるよう記載する。
③ 最初は個人ワークですすめ、学生個人の情報の分類についての理解度を確認しながらすすめる。数人の学生に発表をしてもらい、その時点での個人の理解度を確認する。個人ワークで分類した資料をもとにグループワークを実施して、情報の分類の仕方を共有し理解を深める。教科書はゴードンの機能的健康パターンを活用したデータ収集であるが、本科目はヘンダーソンの枠組みを使用するため、ヘンダーソンの「14の基本的看護の構成因子」の枠組み(アセスメントシート)を使用して分類する。個人ワークを中心に、まずは必要なデータがどのデータであるか、それを記載できるかといった個人ワークを進めるが、グループワークも15分程度時間を取り、まずは情報の分類について理解する。
キーワード ① アセスメントシート ② フローチャート ③ 既往歴 ④ 入院歴 ⑤ 情報の分類
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第5回のコマシラバスの内容を熟読する。ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組みにはどのような項目があったか、そこにはどのようなデータを分類するのか考えてくる。
復習:配布資料、アセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、アセスメントの方法(情報の分類)について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

6 復習;情報の分類までの復習 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第6回目は復習回として、第1回から第5回までの確認テストを行い、情報の分類までを確実に理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア  p2-75、p180-189
第1~5回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア  p2-75、p180-189
第1~5回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア  p2-75、p180-189
第1~5回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 確認テスト ② 解答と解説 ③ 復習
細目レベル ① 第1回目「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目「看護過程の展開」、第3回目「ヘンダーソンの看護理論」、第4回目「事例の理解」、第5回目「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」
といったこれまでの講義内容を踏まえた確認テストを実施する。確認テストの内容は、教科書および講義内で説明した内容、配布資料をもとに作成し、基本的な知識だけではなく看護過程における情報の分類について各自実施できるよう、ヘンダーソンの枠組みにそった分類が可能となるような試験内容とする。まずは情報の分類までの知識を確実に定着させることで、ここから先のアセスメントをスムーズに進行するために、確認テストを行う。確認テストの内容は、各回の講義担当者だけではなく、科目担当者全員で協議し、さらに国家試験の内容を踏まえたものとする。

② 確認テストは45分程度で解答できる内容とする。確認テスト終了後、その講義時間内にすぐに解答する。解答の際には学生に答えを求め、必要に応じて講義資料を確認させる。採点は各自自己採点とし、ここまでの内容の理解度を確認する。不正解の項目については、なぜ不正解となったのか、自分自身で確認し、正しい解答を伝えそれを理解することで、正しい知識を確実に定着させることができる。解答については、これまでの講義内容をダイジェスト版として、パワーポイントを用いて、問題に合わせ1問ずつ講義形式で解説する。100点満点の試験として、その中でどれくらい理解しているか、総得点でも確認することとする。次回の講義では、全体の平均点や特典分布を提示し、自分自身の理解度の把握につなげる。
③ 看護過程は看護学を学ぶ中で最も大切な「患者理解」の基本的考えを学ぶ科目である。看護専門領域を学びはじめた学生が、既習の知識を用い患者理解を深めるためには、目の前の患者から得られた情報やカルテからの情報等と既習の知識をどのようにつなげていくのかを理解することが重要である。各領域で用いる理論や枠組みはさまざまであるが、患者の健康上の問題を導き出すことは同じである。発達段階の違う患者を受け持ち、さらに個別性のある看護を展開するために、まずは看護過程の基本である情報の分類とアセスメントのスキルを修得することが重要である。今後の看護専門科目をスムーズに進めるために、復習を行い知識の定着を図る。また確認テストを実施することで、学生自身に復習だけではなく現在の理解度を認識させ、今後の学習への足がかりとする。
キーワード ① Sデータ ② Oデータ ③ アセスメント ④ 情報の分類 ⑤ ヘンダーソンの14項目
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第6回のコマシラバスの内容を熟読する。また、第5回で入院1日目の情報を分類しているが、確実に枠組みに沿って分類できているか、不足しているところは追加して枠組みにあてはめてくる。
復習:配布資料、アセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、情報の分類について理解する。ここまでの内容で確認テストを実施するため、ヘンダーソンの枠組みにそった情報の分類方法についてこれまでの講義資料を参考に復習する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

7 アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第7回目は「アセスメント②」として、入院2日目・3日目の情報をヘンダーソンの枠組みにそって沿って分類する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p168-178
第7回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p168-178
第7回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p168-178
第7回講義資料
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 事例の紹介 ② 入院2日目・3日目の情報の分類 ③ 個人ワークとグループワーク
細目レベル ① 入院2日目と3日目の入院経過を紹介する。入院1日目の情報の分類と同様に、患者との会話だけではなく、入院時の状況との比較、検査所見に関するデータ収集の必要性とその見方についても説明する。またそれが、どのようにアセスメントにつながるのか、正常値からの逸脱についても説明する。さらに治療が開始されているので、その治療の経過や対象者の健康状態や治療に対する理解と認識の変化などについても情報収集する。フローシートからの情報収集についても再度説明する。入院時との比較やその読み取り方、それ以外のデータについても説明し、ヘンダーソンの枠組みに分類する。データの分類の際に、すべてのデータが必要ではなく、どのデータが必要となるのか考え分類できるようにする。
② 入院2日目、3日目の情報も、病室での患者との会話やカルテなどから得ることができる。治療が開始されているため、患者の治療や安静度の説明に対する患者の理解や認識、治療上の指示を遵守できているかといった情報も収集する必要がある。その後、それらの情報がヘンダーソンの14の基本的看護の構成要素のどの項目にあてはまるのか考えて分類し、アセスメントシートに記載することができる。情報を分類するだけではなく、アセスメントの際に必要となる知識についても学習する。今回は自然気胸に対する胸腔ドレーンの挿入という治療なので、胸腔ドレーン挿入時の看護、ドレーン挿入中の看護についても学習し、アセスメントする際に活かせるようにする。
③ 最初は個人ワークですすめ、学生個人の情報の分類についての理解度を確認する。個人ワークで分類したアセスメントシートをもとにグループワークを実施して、情報の分類の仕方を共有し理解を深める。教科書はゴードンの機能的健康パターンを活用したデータ収集であるが、本科目は基礎看護学実習Ⅱへつなげる科目であり、ヘンダーソンの枠組みを使用するため、ヘンダーソンの「14の基本的看護の構成因子」の枠組み(アセスメントシート)を使用して分類する。個人ワークを中心に、まずは必要なデータがどのデータであるか、それを記載できるかといった個人ワークを進めるが、グループワークも15分程度時間を取り、まずは情報の分類について理解する。
キーワード ① 情報の分類 ② データ収集 ③ フローシート ④ 胸腔ドレーン ⑤ 胸腔ドレーン挿入中の看護
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第7回のコマシラバスの内容を熟読する。また、第5回で入院1日目の情報を分類しているが、確実に枠組みに沿って分類できているか、不足しているところは追加して枠組みにあてはめてくる。
復習:配布資料、アセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、情報の分類について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

8 アセスメント③;情報のアセスメント 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第8回目は「アセスメント③」として、ヘンダーソンの枠組みにそって分類した情報をもとに、アセスメントを行う。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第8回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第8回講義資料p2-3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第8回講義資料p4
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 「人間の反応」の理解 ② アセスメントの思考過程 ③ 「人間の反応」の分析
細目レベル ① 対象者の「人間の反応」を理解することは、アセスメントの目的そのものである。「人間の反応」を理解した結果、看護問題を含む健康上の問題となる「人間の反応」を明らかにすることができる。「人間の反応」の理解は、データ収集により得た情報を用いて「人間の反応」への理解を深めていく思考過程である。看護過程において、アセスメントを理解できるかどうかが大きなカギとなる。アセスメントができない、アセスメントが薄いといわれる学生は、どの段階ができていないのか把握し理解につなげる。アセスメントは「人間の反応」を論理的に理解することで、問題のある「人間の反応」を把握するという、明確な思考技術であるということを理解する。
② 収集した情報をもとに、次に示す思考段階を踏んで「人間の反応」を理解する。「データから情報への変換」として、収集したデータの意味を考え情報へ変換する。その結果はアセスメントの視点ごとにクラスタリングされる。ここまではアセスメント①および②で実施した内容となる。次にアセスメントの視点ごとに「人間の反応」を解釈する。情報をもとに、現在の「人間の反応」が適切な反応か、適切でない反応か、適切でない反応の場合、それは何が原因か、なぜ適切な反応ではないのかということを考える。その際には、適切かどうかを判断できる知識が必要となる。治療内容、それに伴う症状や看護、検査データの正常値といったことも同時に学習し、アセスメントにつなげる。
③ 「人間の反応」の分析として、ヘンダーソンの基本的看護の14項目のアセスメントの視点ごとに解釈する。解釈した「人間の反応」が、なぜそのような状態になっているのかを考え、原因、誘因、と強みを明らかにする。解釈した「人間の反応」が、今後どのような経過をたどるのか、またほかの「人間の反応」にどのような影響を与えるのかを推論する。ヘンダーソンの枠組みにそって、各項目で解釈・分析結果をもとに考える。基礎情報とアセスメントの枠組み全体を俯瞰し、「人間の反応」の関連性を把握することにより、患者を全人的にとらえることが可能となる。ここまでのアセスメントを個人ワークですすめ、最終的に15分程度のグループワークを実施して、理解を深める。
キーワード ① アセスメントの考え方 ② 解釈・分析・判断 ③ 看護問題 ④ 人間の反応 ⑤ 強み
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第8回のコマシラバスの内容を熟読する。また、第6回までのアセスメントシートを確認し、情報の分類が不十分なところは教科書を再度読み直し、不足している情報を確実に分類して講義にのぞむ。
復習:配布資料とアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、アセスメントの方法について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

9 アセスメント④;情報のアセスメント、ニードの充足と未充足 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第9回目は「アセスメント④」として、情報のアセスメントを確認し、ニードの充足・未充足を理解し、次の全体像の把握につなげる。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第9回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第9回講義資料p2-3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-225
第9回講義資料p4-5
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 情報のアセスメント ② ニードの充足・未充足 ③ アセスメントの考え方の確認
細目レベル ① 「人間の反応」を理解する過程では、「解釈」「分析」「推論」「判断」といった思考が関係しあっている。論理的に看護過程を展開するためには、自分が「何について」「どの思考を行っているのか」を意識する必要がある。「解釈」とは、事柄の意味や内容を解きほぐして明らかにすることである。「分析」とは、事柄を細かく分け、どのような要素や成分からなるのか明らかにすることである。「推論」とは、ある事柄をもとに、ほかの事柄を推し量ること、何らかの論理規定に基づいて、既知の事柄から未知の事柄を明らかにすることである。「判断」とは、事柄について考えをまとめて定めることである。この流れを再度確認し、アセスメントの方法を確実に定着させる。
② ヘンダーソンの理論で枠組みを活用してアセスメントする場合、基本的欲求の充足状態を判断するということである。ヘンダーソンの看護論では、ニードが充足しているのか、充足していないのか、充足状態の判断が結論となる。判断の基準は、基本的欲求の充足した状態である。アセスメントした結果をもとに、正常な状態であるかどうかについて判断する。もし、ニードが未充足である場合は、その原因を探る。ヘンダーソンの看護理論の場合、原因や誘因を探る手がかりとして、「常在条件」「病理的状態」があり、関連付けて考える。さらに、確認した原因・誘因について、それぞれ体力、意志力、知識の何の不足によるものなのかを特定する。充足しているものを補うことによって、基本的欲求を充足することができると考える。
③ ヘンダーソンの枠組みにそって、各アセスメント項目で解釈・分析結果をもとに考え、ニードの充足・未充足状態を判断した結果をグループワークで確認する。グループ内でアセスメントの考え方について確認し、最終的にどのような判断をするのか、その思考過程を理解する。また、ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子を各グループに分け、グループでのアセスメントおよびニードの充足・未充足状態を発表することで、アセスメントの思考および書き方について共有する。思考過程や枠組みの活用については、基本的知識として修得する必要がある。ここまでの思考過程を確実に修得でき、学生個人がアセスメントできるよう、理解度も確認しながらすすめていく。
キーワード ① ヘンダーソンのニード論 ② ニードの充足・未充足 ③ 解釈・分析・判断 ④ アセスメント ⑤ グループワーク
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第9回のコマシラバスの内容を熟読する。ここまでのアセスメントシートを振り返り、不十分な項目はアセスメントを追加して理解する。
復習:配布資料とアセスメントシートをもとに講義内容を振り返りアセスメントの考え方、アセスメントの実施方法について理解する。ここまでのアセスメントを理解していないと、次のステップに移ることができないため、確実に理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

10 全体像の把握、看護上の問題の抽出① 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第10回目は「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」として、各項目のアセスメントから全体像をどのように把握し、看護上の問題を抽出するのか理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p104-111
第10回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p112-115
第10回講義資料p2-3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p112-115
第10回講義資料p4-5
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 全体像とは ② 看護上の問題 ③ 協働問題と共同問題
細目レベル ① 「人間の反応」の解釈・分析・判断が終了したら、これらの結果を踏まえて基礎情報とアセスメントの枠組み全体を俯瞰して、「人間の反応」の関連性を把握する。この段階では、複数の適切でない「人間の反応」の原因が同じであることが分かったり、ある強みが複数の「人間の反応」に影響していることが分かったりといった、個別の「人間の反応」だけに注目している際には気が付かなかった関連性について考えることができる。「人間の反応」は、主にその原因・誘因・強み・なりゆきに関わる因子(危険因子)によって関連している。このような関連性をふまえ、各アセスメント項目を統合し、全体像としてどのようにとらえるのか理解することができる。
② 「人間の反応」の関連性が整理されたら、健康上の問題となっている「人間の反応」を把握し、介入するものを明確にする。看護師が独自に介入する健康上の問題が看護問題である。問題に介入するものを明確化するとは、「人間の反応」の理解によって把握した健康上の問題について、それぞれ主にどの職種が介入する。主にどの職種が介入するかは、「人間の反応」の分析によって明らかにした原因や危険因子によって決まる。実在型問題なら原因や誘因に、リスク型問題なら危険因子に着目して、それを取り除いたり、軽減したりできる職種が主な介入者となる。看護師が介入する問題は看護問題となる。他に、医師が主に介入する問題や、看護師と他職種との協働によって介入する協働問題も把握する。
③ 「共同問題」とは、疾患、治療、検査などによって生じる特定の生理的合併症のことで、リンダ・J.カルペニートが提唱した概念である。カルペニートは、看護師が看護診断と共同問題という2つの臨床判断に責任を持つという「二重焦点臨床モデル」を1983年に発表した。共同問題を明かにした時、看護師は合併症の出現を最小限にするために、共同問題を管理する役割を担う。看護師は共同問題を独自に予防・治療することはできないが、ベッドサイドにいる時間は医師よりも長く、患者の変化に気づく機会が豊富である。医師だけでも看護師だけでも共同問題を予防・治療することはできず、共同での介入が必要となる。一方、「協働問題」は、ロザリンダ・アルファロ‐ルーフィーヴァが著書「基本から学ぶ看護過程と看護診断 第7版」で言及している。アルファロは、アセスメントによって特定された健康問題のうち、複数の職種による治療が必要な問題は「多職種による協働が必要な問題」であると述べている。共同問題は協働問題に含まれる関係になるということを理解する。
キーワード ① 全体像 ② 看護上の問題 ③ 共同問題 ④ 協働問題 ⑤ カルペニート
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第10回のコマシラバスの内容を熟読する。ヘンダーソンの枠組みにそって、情報を確実に分類してくる。また、看護上の問題とはどのようなことか、考えてくる。
復習:配布資料とアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、アセスメントについて理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

11 全体像の把握、看護上の問題の抽出② 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第11回目は「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、全体像のとらえ方、そこから看護問題を導く方法、看護問題の優先順位のつけ方を学ぶ。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p104-111
第11回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p112-127
第11回講義資料p2-3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p128-129
第11回講義資料p4-5
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 全体像の把握 ② 看護上の問題 ③ 優先順位のつけ方
細目レベル ① 「人間の反応」の関連性を把握すると、分析結果が統合され、患者の全体像が明らかになる。その全体像のとらえ方について、個人ワークで実施しているアセスメントシートをもとに、グループワークを実施して理解を深める。グループワークは、15分程度グループメンバーがそれぞれ考えた全体像について発表しあい、どのようなアセスメントから全体像を導いたのか、そのプロセスを話し合う。グループワークで話し合った内容について、いくつかのグループに発表してもらうことで、ヘンダーソンの14の基本的欲求の構成因子の項目別のアセスメントを統合して、患者を全人的にとらえることが可能となり、学生全体が全体像の把握について共通理解できるよう導く。
② 健康上の問題が明確になる過程には、各思考段階において、実在型、リスク型、ヘルスプロモーション型がある。「実在型問題」では、正常からの逸脱を示す情報は、問題の手がかりとなる。適切でないと解釈した「人間の反応」は、実在型問題となる。「リスク型問題」では、正常からの逸脱を示す情報は、危険因子の手がかりとなる。現時点では適切であると解釈した「人間の反応」には、リスク型問題も含まれる。「ヘルスプロモーション型問題」では、健康増進への意欲・願望を示す情報は、問題の手がかりとなる。健康増進への意欲・願望を示す「人間の反応」は、ヘルスプロモーション型である可能性がある。このような健康上の問題が明らかになる過程を理解する。
③ 看護問題が確定したら、それらに優先順位をつける。優先順位をつけることは、患者の安全を守り、看護介入の効果を最大限にするための重要な思考段階である。優先順位をつける上では様々な指標がある。指標は、「生命を脅かしているか」「人に危害が及ぶか」「強い苦痛をもたらしているか」「介入できる期限が迫っているか」「他の問題の原因となっているか」「QOLへの影響が大きいか」などである。患者の置かれている状況によって優先順位は変わる。また、優先順位は「看護問題」の段階で設定した後も、患者を取り巻く状況によって日々変化している。優先順位を変更するかどうか、臨機応変に対応するためには、患者を常に観察し「人間の反応」を理解する能力が求められる。このような看護問題の優先順位のつけ方、優先順位の見直しについて理解する。
キーワード ① 情報の統合(全体像の把握) ② 看護上の問題の明確化 ③ 看護上の問題の種類 ④ 優先順位 ⑤ 看護介入の効果
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第11回のコマシラバスの内容を熟読する。全体像を把握するとはどのようなことか、各アセスメント項目をどのように統合して考えるのか、自分なりに理解して患者像を考えてくる。
復習:配布資料とアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、アセスメントおよび全体像の把握ついて理解する。看護上の問題及び優先順位のつけ方も理解し、アセスメントシートに記入できる。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

12 看護計画① 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第12回目は「看護計画①」として、看護目標の設定、看護目標を設定する際の注意点、看護計画について学ぶ。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p130-131,226-233.
第12回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p132-137,226-233.
第12回講義資料p2-3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p138-149,226-233.
第12回講義資料p4-5
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 看護目標・成果・成果指標 ② 看護目標・成果・成果指標の設定の注意点 ③ 看護計画の立案
細目レベル ① 「看護目標・成果・成果指標の設定」とは、看護介入によって患者や家族といった看護の対象者がどのように変化することを目指すのかを、具体的に定めるステップである。看護目標は、看護問題が最終的にどう変化すればよいかを表すものであり、看護介入を方向付ける。成果は看護問題の診断指標や関連因子がどう変化すればよいかを表すものであり、目標の達成状況を具体的に示す。成果達成の具体的な期限、条件として、成果指標を設定する。患者一人一人に合わせた看護目標・成果・成果指標を設定することで、その人にふさわしい個別の看護計画を立案できる。また、看護目標・成果の達成度を判定することで、看護介入の有用性を判断できることを理解する。
② 看護目標・成果・成果の指標の設定では、以下のことを注意する。まず、患者中心の看護目標でないといけない。看護目標・成果を達成するのは患者自身である。患者の身体的・精神的・社会的な健康状態や文化、価値観などを考慮し、患者にとって有益な看護目標・成果・成果指標を設定する。その際に患者や家族、キーパーソンと話し合い、可能な範囲で希望を反映させることが望ましい。また、現実的でないといけない。一般的な理想の状態を目指すのではなく、患者を取り巻く現実的な状況を考慮して、達成可能と考えられる目標・成果・成果指標を記述する。考慮するのはアセスメントで把握した患者の健康状態のほか、医師の指示、利用できる社会資源、看護師などの人的資源である。さらに、看護目標は測定可能でなければならない。成果をどこまで達成できたか評価するために、測定可能で客観的に確認できる成果指標が必要である。これらを理解し、看護目標・成果を設定する。
③ 看護師は、患者の「人間の反応」を維持、改善、促進するために看護介入を行う。この看護介入の内容を明確にし、記述する段階が「看護計画の立案」である。看護計画はより具体的で、個別性のあるものでなければならない。看護計画の立案にあたっては、現在の患者の状態と看護目標、成果・成果指標を比較し、ギャップを埋めるための具体的な看護介入を考える。看護計画は、看護問題ごとに観察計画(O-P)、ケア計画(C-P)、教育計画(E-P)の3つに分けて立案する。立案した看護計画の看護介入が適切かどうかを判断するために、観察についての計画は欠かせない項目である。看護計画立案の際には、O-Pはすべての看護計画に必要であることを理解し、具体的で個別性のある看護計画を立案する。
キーワード ① 看護計画 ② O-P ③ C-P ④ E-P ⑤ 個別性のある看護
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第12回のコマシラバスの内容を熟読する。看護計画とは何か、具体的に看護計画立案とはどのようにするのか、個別性のある看護とはどのようなものか、教科書を読んで考えてくる。
復習:配布資料およびアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、これまでの内容を理解し、アセスメントシートで不十分な項目はしっかりうめるようにする。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

13 看護計画② 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第13回目は「看護計画②」として、看護目標、成果の達成に向けた看護介入の内容を明確にする。看護問題ごとに患者の個別性に合わせた看護介入の計画を立案する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-231
第13回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-231
第13回講義資料p2
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p188-231
第13回講義資料p3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 観察計画(O-P) ② ケア計画(C-P) ③ 教育計画(E-P)
細目レベル ① 観察計画;O-Pは、看護問題の経過を客観的に判断し、患者の現在の状態を把握するための観察の計画である。O-Pには、看護問題が目標・成果・成果指標と比較してどのように変化しているか、また強みの活用状況はどうかを観察する項目が含まれる。これらの観察項目は、看護介入前、看護介入中、看護介入後に必要であり、看護介入の実施や評価にも影響する。観察項目の記述では、看護師が患者の「何を、いつ、どこで、どんな場面で、どのような尺度・器具を用いて」観察するかを明確に示すということを理解する。看護介入が適切かどうかを判断するために観察は欠かせない計画である。そのためO-Pは全ての看護計画に必要であるため、具体的な観察項目を立案する。
② ケア計画;C-Pは、患者に実施する看護ケアの計画である。C-Pには、患者の強みを活用しながら、看護問題を看護目標・成果・成果指標に向けて変化させるためのケア項目が含まれる。「清拭をする」など、患者に直接行うケアのほか、「レクリエーションに参加できるよう予定を調整する」などの間接的なケアもある。ケア項目の記述では、看護師が「いつ、どこで、何を、どのような方法・手順・道具を用いて」行うかを明確に示す。これにより、だれもが同じケアを行えるようになるということをふまえ、具体的にケア計画を記述する必要があることも理解する。同じケアを行うことで患者は看護ケアに対する満足度が高くなる。質の高い看護ケアを提供するために、具体的なケアプランが必要となることを理解する。
③ 教育計画;E-Pは、患者が自分の健康状態を維持、改善、促進できるように教育的知識を得るための指導や教育の計画である。キーパーソンとなる家族などに教育的な指導を行う場合もある。教育計画;E-Pには、患者の強みを活用しながら、看護問題を看護目標。成果・成果指標に向けて変化させるための教育項目が含まれる。教育項目の記述では、看護師が「いつ、どこで、何を、どのような方法・教材を用いて」行うかを明確に示す。看護計画を立案するにあたっては、「個別性を反映させる」「具体的に記述する」「患者の意思を尊重する」「安全を確保する」「医師の指示や法律を守る」「専門知識によって裏付ける」「実施可能な計画とする」といった点に留意する。
キーワード ① 観察計画(O-P) ② ケア計画(C-P) ③ 教育計画(E-P) ④ 具体的な計画 ⑤ キーパーソン
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第13回のコマシラバスの内容を熟読する。看護計画立案について、どのように立案していけばいいのか、その計画はどのように用いられ、各項目はどのように影響しているのか教科書を熟読して、自分なりに理解してくる。また、ここまでのアセスメントシートが不十分な場合は、しっかり記入して講義にのぞむ。
復習:配布資料およびアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、看護計画立案の方法及び留意点について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

14 看護介入の実施;看護記録 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第14回目は「看護介入の実施;看護記録」として、看護介入実施とその看護記録について理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p150,232-245.
第14回講義資料p1
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p151-154,232-245.
第14回講義資料p2
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p155-157,232-245.
第14回講義資料p3
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 看護介入 ② 看護介入実施時における注意点 ③ 看護記録
細目レベル ① 「看護介入の実施」とは、看護目標・成果の達成に向けて計画した看護介入を実際に行うことである。看護ケアの実施前に患者の状態や実施時の状況などを確認し、必要に応じて看護計画を修正してから実施する。あるいは看護問題の優先順位を変更する必要がある場合には優先順位を修正する。実施時には常に患者の状態を観察し、実施している看護介入が適切かどうか、途中で介入方法を変更したり中止したりする必要があるか確認する。また、安全・安楽・プライバシーを確保できているか確認することも重要である。実施後には、患者の反応はどうか、チームで共有すべき情報はなにか判断し、今後どのように介入していくか検討する必要があることを理解する。
② 看護介入を実施する際は、十分な説明を行い、患者の理解と参加を促し、可能な範囲で患者の希望を取り入れるといった、患者を尊重して実施することが大切である。また、家族が知識や技術を習得することで家族がケアへ参加しやすくなり、患者の支援につながるため、可能な範囲で家族などの重要他者の参加を促すことも必要である。参加を促した場合は家族の反応も観察し評価する。家族とどこまで情報を共有するかは、患者の意思を尊重する。さらに、実施時は十分な時間・資源・人員を確保し、介入に適した環境を整えることも重要である。他には、介入時に患者に不利益を与えないよう、介入時のリスクを予測し、安全を確保するということは重要であるということを理解し看護介入を実施する必要があることを理解する。
③ 看護介入実施後は、実施内容や患者の反応、それらに対する評価を記録する。実施後の記録は、看護介入を実施したことを証明するとともに、チームでの情報共有のために必要である。また、患者の経過を記録に残すことで日々の変化が分かるようになる。実施記録は、主に問題志向型システム(POS)に基づく経過記録であるSOAP形式で看護問題ごとに行う。Sは主観的データ、Oは客観的データ、Aはアセスメント、Pは計画である。臨床現場では、クリニカルパスや経過表を用いて実施内容を記録することもある。これらの記録は、患者の経時的な変化をひと目でわかるという利点はあるが、看護問題とした「人間の反応」に焦点を当てた記録ではない。看護過程では、看護問題ごとに記録し、「人間の反応」の変化をとらえて計画を終始していくことが重要である。
キーワード ① 看護計画(O-plan、T-plan、E-plan) ② 長期目標(ゴール) ③ 短期目標(期待される成果) ④ 個別性・強み ⑤ 具体的な計画
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第14回のコマシラバスの内容を熟読する。看護計画立案と留意点、看護記録について教科書を読み予習する。また、ここまでのアセスメントシートが不十分な場合は、その項目をしっかり記載して講義にのぞむようにする。
復習:配布資料およびアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、看護計画立案について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

15 評価・看護計画の修正 科目の中での位置付け 看護過程は、看護技術の一つであり、科学的根拠のもとに患者の看護上の問題を解決するための思考過程(プロセス)である。2年後期の基礎看護学実習Ⅱでの実践を目指し、基礎的能力の修得をはかる。第1回目は看護過程の導入として、「ガイダンス;看護過程を学ぶ理由」、第2回目は「看護過程の展開」としてデータとは何か、アセスメントとは何か、人間の反応とはどういうものかについて学ぶ。第3回目は「ヘンダーソンの看護理論」として、ヘンダーソンが考える看護および基本的看護の構成因子について学ぶ。第4回目は「事例の理解」で事例を理解するために必要な知識について学ぶ。第5回目は「アセスメント①;入院1日目の情報の分類」、第6回目は復習回とし、第1回目から第5回目の情報の分類までの復習をする。第7回目は「アセスメント②;入院2日目、3日目の情報の分類」、第8回目「アセスメント③;情報のアセスメント」第9回目「アセスメント④;ニードの充足と未充足」として4回の講義およびグループワークでアセスメントについて理解する。第10回目「全体像の把握、看護上の問題の抽出①」、第11回「全体像の把握、看護上の問題の抽出②」として、アセスメント内容から全体像の把握につなげ、看護問題なのかを導き出す。第12回目「看護計画①」、第13回目看護計画②」として、具体的な看護計画を立案する。第14回目「看護介入の実施;看護記録」第15回目「評価・看護計画の修正」とする。
この流れの中で、第15回目は「評価・看護計画の修正」として、看護ケアを実施後の評価および患者の状態に合わせた看護計画の修正について理解する。

①看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p158-161
第15回講義資料p1-2
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

②看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p162-164
第15回講義資料p1-2
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)

③看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア p165-166
第15回講義資料p1-2
アセスメントシート(ヘンダーソンの14の基本的看護の構成因子の枠組み)
コマ主題細目 ① 評価 ② 達成度に影響を与えた要因の特定 ③ 看護計画の終了・継続・修正
細目レベル ① 「評価」とは、看護問題として把握した「人間の反応」が看護介入によってどのように変化し、看護目標・成果の達成にどの程度近づいたか、また、達成度に影響した要因は何かを明らかにする段階である。これにより、看護過程の各段階における看護師の思考と行動の過程を評価することができる。「評価」の段階は、3つの過程に分かれる。1つ目は、患者が看護目標・成果をどこまで達成できたかを判断することである。2つ目は達成度に影響を与えた要因を明らかにすることである。これにより、達成を阻害する要因や達成を促進する強みが明確になる。3つ目は、これらを踏まえて看護計画の終了・継続・修正の判断を行うことである。評価は看護介入を実施するたびに行う必要がある。評価は日々積み重ねていくものであり、評価を行うときには、その時点で得た情報だけではなく、それまでに蓄積された評価の内容も考慮するという、評価方法について理解する。
② 成果指標への到達度を判定し、看護目標・成果の達成度を判定した後は、看護計画がなぜ達成できたか、あるいはなぜ達成できなかったのかを考え、成果の達成度に影響を与えた要因を明らかにすることができる。成果の達成を促進した要因を強みとして維持・促進し、成果の達成を阻害した要因を可能な限り解決・軽減することで看護の質向上が期待できる。成果の達成度に影響する要因は多岐にわたり、患者の状態や看護師の行動が要因となる場合もあれば、周囲の環境などが要因となる場合もある。また、同じような状況であっても、どのように影響するかは患者によって異なる。患者をよく観察し、個別性を考慮して要因を明らかにする必要があることを理解する。
③ 看護目標・成果の達成度判定と、達成度に影響を与えた要因の特定をした後、その結果をもとに今後の方針を決定する。看護問題ごとに、今後も介入が必要か、介入を続ける場合は看護計画の修正が必要かを判断し、看護計画を終了・継続・修正する。看護問題が解決しないまま、患者が退院する場合は、退院後の生活について十分な指導を行う。病院の外来や地域保健などの場で、継続的に看護を行えるように、申し送りや情報共有することも重要である。また、ある看護問題に対する看護計画を終了しても、まだほかの問題が残っていたり、新たな問題が明らかになったりすることがある。そのような場合、「達成度に影響を与えた要因」の情報を活かしながら、患者への介入を継続する。このような看護計画の終了・継続・修正の必要性を理解する。
キーワード ① 看護介入の評価 ② 成果の達成度 ③ 看護計画の修正 ④ 達成度に影響を与えた要因 ⑤ 看護計画の終了
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 予習:第15回のコマシラバスの内容を熟読する。看護ケアの評価とは何か、看護計画の修正、継続、終了とはどのようなことか考えてくる。また、ここまでのアセスメントシートが不十分な場合は、しっかり各項目を記載して講義にのぞむようにする。
復習:配布資料およびアセスメントシートをもとに講義内容を振り返り、看護ケアの評価および看護計画の修正について理解する。また、国家試験関連の小テストを実施するため、その内容を理解し、不正解の問題についてはどこが不正解となったのか、何が正解なのか確実に理解し覚える。本科目は基礎看護学実習Ⅱを履修するための履修要件に入っており、また今後の臨地実習での患者理解の基本となる科目である。そのため、講義内で学んだことは確実に理解し覚えるよう学習する。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
看護過程の定義と意義
看護の対象
「看護を実践するものが、独自の知識体系と経験に基づいて、人々の健康上の問題を見極め、最適かつ個別的な看護を提供するための組織的・系統的な看護実践方法の一つである。」
看護過程の定義、身につける理由を記述することができる。また、看護の対象はただ疾患や障害を抱えた「患者」としてとらえるのではなく、さまざまな思いや考えをもち、家族や友人との人間関係、職場や地域など社会の中で生活を送る「生活者」としてとらえることができる。さらに、看護の対象者は、健康状態の変化やライフプロセスの中のできごとに影響を受けて、さまざまな「健康上の問題」を抱えていることを理解できる。
看護過程の定義
看護の対象
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事例の理解 看護過程を展開することで、患者一人一人に焦点をあて、看護問題を的確に把握して介入できるということを理解する。事例を理解する際に、まず基本情報を考慮する必要があり、基本情報とは何かを説明することができる。また患者を理解するためには、発達段階に応じた特徴に関する知識が必要となることも理解する。さらに、疾患による身体面への影響を考えるためには、疾患がどのようなものかを理解しておく必要がある。他にも、疾患や治療による精神面への影響、日常生活や社会生活への影響をふまえた看護が必要であることを理解することができる。 事例の理解 20 2,4
ヘンダーソンの看護理論 ヘンダーソンの看護理論を用いる理由、基本的看護の構成因子14項目(正常な呼吸、適切な飲食、老廃物の排泄、適切な姿勢の保持、睡眠・休息、適切な衣類の選択と着脱、体温の維持、身体の清潔、環境・危険回避、コミュニケーション、信仰、仕事・生産的な活動遊び・レクリエーション、学習)を述べることができる。また基本的欲求は、患者の年齢や性格などの常在条件の影響を受け、疾患や治療方針といった病理的状態により変容するため、患者に必要な看護は一人ひとり異なることを理解する。 ヘンダーソンの看護理論
基礎的看護の構成要素14項目
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アセスメント
全体像の把握
「対象者の状態を的確に判断するのに必要な情報を収集し、看護理論(ヘンダーソン)に基づき、分類する。その情報がなぜ起こっているのか、今後どうなるのかを予測し、援助が必要な状態かどうかを判断(分析、解釈、推論)する。」また、アセスメントに必要な情報を得るための情報源、情報収集の方法、情報の種類について説明できる。さらに、Sデータ、Oデータの種類を説明できる。基本的看護の構成因子14項目別の情報、アセスメントの視点について説明できる。これら分類された情報についてアセスメントすることができる。 アセスメント、情報の種類(Sデータ、Oデータ)、基本的看護の構成因子14項目、情報の分類、アセスメントの視点、現病歴、ニードの充足状態、看護の必要性、現在の健康状態 30 5-8
看護上の問題 ヘンダーソンの理論で枠組みを活用してアセスメントする場合、基本的欲求の充足状態を判断するということを理解し、ニードの充足・未充足状態を判断することができる。アセスメントした結果をもとに、正常な状態であるかどうかについて判断することができる。ニードが未充足状態である場合は、その原因や誘因を探る手がかりとして、「常在条件」「病理的状態」があり、関連付けて考えることができる。さらに、確認した原因・誘因について、それぞれ体力、意志力、知識の何の不足によるものなのかを特定することができる。 看護上の問題、関連因子、優先順位 10 9,10
看護計画
看護目標は看護問題が最終的にどう変化すればよいかを表すものであり、看護介入を方向付けるものである。看護目標・成果・成果の指標を設定することで、患者一人一人に合わせた看護計画を立てることが可能となることを理解し、長期目標、短期目標を設定することができる。さらに、長期目標、短期目標の意味について述べることができる。具体的な看護計画は、O-plan、T-plan、E-planに分けて記述することができる。看護計画を立案するにあたっては、「個別性を反映させる」「具体的に記述する」「患者の意思を尊重する」「安全を確保する」「医師の指示や法律を守る」「専門知識によって裏付ける」「実施可能な計画とする」といった点に留意し、個別性のある看護計画を立案することができる。 O-plan,T-plan,E-plan
長期目標、短期目標
10 11-15
評価方法 期末試験100%
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 看護がみえる vol.4 看護過程の展開 メディックメディア
参考文献 はじめて学ぶ看護過程(医学書院)、看護過程の解体新書(学研)
実験・実習・教材費