区分 専門科目-成人・高齢者看護学-高齢者看護学
ディプロマ・ポリシーとの関係
実践能力 倫理観 専門性探求
地域社会貢献 グローバル性
カリキュラム・ポリシーとの関係
豊かな人間性 広い視野 知識・技術
判断力 探求心
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
この科目は選択強化プログラムの1つであり、認知症看護を選択した学生のみが認知症看護技術論を履修できる。認知症高齢者の生活援助技術を学ぶため、「看護学概論」で学んだ倫理、「解剖生理学」、「生活援助方法論」の知識・技術はもちろんのこと、「高齢者看護学概論」「高齢者看護援助論Ⅰ.Ⅱ」で学習した高齢者看護の考え方、知識、技術が求められる。
科目の目的
高齢者看護を実践する際は、高齢者を老化や疾病・治療に伴い生活機能が低下するなかでも、固有の生活史をたずさえ、その人が主体となり健やかな生活を創造している全体的存在としてとらえる必要がある。そのため、その人にとって望ましい状態か、今後どのような変化が予測されるかを総合的にとらえるためにアセスメントの方法を学び、高齢者特有の生活機能障害や健康障害と、その健康レベルに応じた具体的な評価方法、援助方法について学ぶことを目的とする。高齢者は個人差が大きく、多くの疾病や障害を抱えながら生活しているため、全人的に高齢者をとらえる視点を学ぶとともに、疾患や障害が日常生活にどのように影響するかを理解する。それによって高齢者が疾患や障害を持ちながら住み慣れた地域で自分らしく生活できる社会について考えることにつながる。
到達目標
1.パーソンセンタードケアについての考え方が理解できる。
2.認知症のアセスメントの種類、特徴が理解できる。
3.バリデーションなど、コミュニケーションの方法が理解できる。
4.非薬物療法の種類や効果が理解できる。

科目の概要
本科目は、選択強化プログラムの中の「認知症看護」を学習する科目である。認知症は、高齢者人口の増加に伴い年々増加し、その対策は社会的に重要な取り組みとなっている。認知症看護は医学モデルからパーソンセンタードケアへ移行し、人として大切な存在であるということを念頭にして、社会で支えあう環境を目指している。3年次の「高齢者看護援助論Ⅱ」で認知症の概要の学びをもとに、「認知症看護援助論」でさらに学びを発展させ、その後に学習する「認知症看護学外演習」、「認知症看護演習」につなげるものである。認知症高齢者の思いを正しく理解し、認知症高齢者の健康と尊厳ある生活を支援するために必要なコミュニケーション技術、日常生活援助、回想法、アクティビティケア、認知リハビリテーションなどの基本的な援助技術を取り上げ、その具体的な実践内容と留意点について実践的に学ぶ。
科目のキーワード
①その人を中心としたケア(パーソンセンタードケア) ②アセスメント ③コミュニケーション ④せん妄 ⑤非薬物療法
授業の展開方法
授業内容のパワーポイントに沿って講義を行う。学生には講義内容の整理ができるように書き込み式のレジュメを配布する。また講義以外にもグループワーク、演習を行いながら他の学生の意見で自分と違う考え方を学んだり、理解を深める。国家試験を視野に入れて授業前に各コマの予習内容の課題テスト、授業後は講義内容の確認テストを行い、知識の確認と定着を図る。間違えたところやあいまいなところは学生同士で意見交換をしたり、自分で調べたりして根拠まで理解できるようにする。
オフィス・アワー
讃井真理:研究室702:火曜日の1・2限・3限(実習中はメールで受付)E-mail:m-sanai@uhe.ac.jp
眞鍋瑞穂:研究室715:火曜日1限、水曜日1限
E-mail:m-manabe@uhe.ac.jp

科目コード ERM05
学年・期 4年・前期
科目名 認知症看護技術論
単位数 1
授業形態 演習
必修・選択 選択
学習時間 【演習】16h
【予習・復習】29h
前提とする科目 高齢者看護学概論 在宅高齢者看護学実習 高齢者看護援助論Ⅰ・Ⅱ 高齢者看護学実習 認知症看護援助論 老年疾病治療論
展開科目 認知症看護学外演習 認知症看護演習 統合実習(高齢者) ヘルスアセスメントⅡ 看護研究
関連資格 看護師 保健師
担当教員名 讃井真理・眞鍋瑞穂・松山キャンパス教務課
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 ガイダンス 認知症高齢者に対するケアの考え方、ケアの理念(パーソンセンタードケア) 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第1回は、ガイダンスで授業の目的やスケジュール、注意点などを説明した後、認知症高齢者の基本的なケアの考え方、ケアの理念である「その人らしさ(パーソンフッド)」を尊重する「その人を中心としたケア(パーソンセンタードケア)」の特徴について講義を行う。

参考資料:看護師認知症対応力向上テキスト: 東京都著 東京都福祉保健局高齢社会対策部 平成30年 p40~46、p135~139
認知症のパーソンセンタードケア トム・キットウッド著/高橋誠一訳 筒井書房  2005年
パーソンセンタードケア スー・ベンソン著/稲谷ふみ枝・石崎淳一訳 かもがわ出版 2007年
配布資料
コマ主題細目 ① 認知症高齢者の基本的なケアの考え方 ② 倫理的感受性を持った認知症ケア ③ パーソンセンタードケアの考え方 ④ ⑤
細目レベル ① 基本なケアの考え方には、尊厳を守る、ADLとニードに応じたケアを提供する、治療やケアに伴う苦痛を最小限にする、ケアによる恐怖をもたらさない、行ったケアが心地よいものだったかを検証する、という5つがある。認知症の人には日常生活上何らかの支障が生じており、他者の援助を必要とする。認知症の人や家族が「苦痛が少ない」「人として大切にしてもらえた」と思えるケアは、認知症の人の尊厳の保持につながる。認知症の人の思いや身体の状態は他者からわかりづらく、援助者の考えや価値観、ペースで物事が進められやすい。ケアに携わる援助者は常に高い倫理観を持っている必要がある。治療のために入院した人については、入院前の病状が安定していた時の状況を把握し、その人が求めていることは何かを見極め、求めに応じる態度で接する。援助者の行為は何をされるか状況から判断できない認知症の人にとっては大きな恐怖をもたらす。出来るだけ苦痛を最小限にし、その人のペースを守り、すべてのケアをゆっくり・ゆったり・丁寧に行う。最終的には行ったケアが心地よいものだったか振り返り評価する必要がある。
② 認知症高齢者の基本的ケアの考え方で、ケアに携わる援助者の倫理について触れた。認知症高齢者に対する援助者の倫理は、常に倫理的判断をする、人格を持った人として対応する、倫理的感受性を磨く、倫理的感受性の高い組織づくり、が求められる。倫理的判断においては、認知症の人自身の意向に目を向けて対応しているか、自分がされて嫌なことをしていないか、認知症の人を子ども扱いしていないか、ということを振り返る。人格を持った人として対応するにおいては、認知症の人の自尊心を保つ、認知症の人の意向を確認する、認知症の人のペースを大切にする、ということを振り返る。倫理的感受性においては、自分自身の中にある認知症に対するイメージをとらえる、倫理的ジレンマを感じることを大切にする、自分の行動・言動を振り返る、ことにより自分自身を客観的に振り返る。倫理的感受性の高い組織づくりでは、認知症の人の尊厳を守り、本人の立場からケアを考え、倫理的な問題を解決しようとアプローチする実践は、組織の考え方の影響を受ける。一緒に向き合う看護管理者の姿勢、組織の理念が求められる。
③ 脳の器質的な疾患である認知症は、医学・生物学的なモデルが主流で、患者の臨床像を過度に脳の神経病理に還元する傾向であった。
認知症者の示すさまざまな行動は、脳の神経病理の直接的表現とみなされ、その多くは異常行動をみなされる。しかし、その見方は正しいのか、と問題提起をしたのがキットウッドであり、パーソンセンタードケアを提唱した。その中心概念は神経病理ではなく、その人らしさ(パーソンフッド)である。認知症の人にふさわしいその人らしさ(パーソンフッド)と、質の高いケアによって良い状態(ウエルビーイング)を高めることに向かうものである。キッドウッドは認知症者を理解する図式としてD(認知症者の臨床状態像)=P(もともとの性格・人格)+B(過去から現在に至るその人の生活史・経歴)+H(運動能力や感覚能力を含む身体的な健康状態)+NI(神経学的な障害・脳病理)+SP(社会心理学)、を示した。



キーワード ① 尊厳 ② 倫理 ③ ニード ④ パーソンフッド ⑤ ウエルビーイング
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 事前予習:コマシラバスを読み、授業の概要をつかむとともに、わからない言葉の意味を調べる。
復習:講義後の認知症高齢者に対する自分の変化を知る。それは考え方かもしれないし、接し方かもしれない、あるいは知識不足を感じる部分もあったかもしれない。しかし、そういう自分を知ることが大切であるということに気づく。また、実習等で経験したことを結びつけ、看護師の言動や自分の言動がどうであったかを振り返り、その意味を明らかにする。講義の内容では、認知症者に対するケアの基本的な考え方、パーソンセンタードケアの考え方、認知症高齢者に対する倫理ということを理解する。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉を調べる。今まで学習した認知症の知識を振り返る。また、看護過程の展開の時に行った一般的なアセスメントの視点や項目について振り返っておく。

2 認知症高齢者のケアのアセスメント 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第2回は、認知症高齢者の生活に即した実現可能な個別ケアをするために必要なアセスメントについての視点や、認知機能及び生活機能の評価尺度について講義を行う。

配布資料
参考資料:
看護師認知症対応力向上テキスト: 東京都著 東京都福祉保健局高齢社会対策部 平成30年 p47~56
認知症ケアの実際Ⅰ:総論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p63~p102
コマ主題細目 ① 認知症を持つ人のアセスメントの特徴  ② アセスメントの共通の視点:自立支援、安心、個別性、支援体制 ③ アセスメントツール ④ ⑤
細目レベル ① 認知症高齢者では個別の要素が大きく、「認知症」の情報・知識だけでは看護できない。高齢者は複数能疾患を持ち、加齢による変化があり、長い人生や生活が影響する。したがって多面的に情報を集めて総合し、個別に判断する必要がある。認知症の人についてアセスメントするうえで、情報から短絡的に解釈しないように注意する必要がある。一つの場面でもさまざまな解釈が可能であることを念頭に置き、認知症の人が示す言動の意味は何か、その言動が生じる原因は何か、その人の真のニードは何かを考える必要がある。そのポイントは、認知症の人の視点に立つことである。その人の位置から何が見えるか、その人の状況だったらどのように感じるか、苦痛はないか、認知機能障害があったら周囲のことをどのように感じるかなど、自分も感じてみようとすることが重要である。認知症を持つ高齢者は状況が複雑であり、その言動はいくつもの解釈・判断が考えられるし、関係者個々の価値観も絡み、どのように看護するのがベストかは単純には決められない。チームで検討することによって方向性や方法を定めることができる。
② 生活課題抽出に必要なアセスメントの共通の視点には、健康の領域、安全の領域、自立支援の領域、安心の領域、個別性の領域、支援体制の領域の6項目がある。健康の視点は、健康・疾患上必要なアセスメントであり、データと普段の様子をアセスメントする。安全の領域は、危険-安全にすごしていくためのアセスメントをする(事故、転倒、虐待など)。自立支援の視点は、ICFの理念である、現存機能をいかす為のアセスメントをする。安心の視点は、不安や不快な状態とトラブルになることが多いため、記憶障害や見当識障害といった認知に関する事柄、ストレスに耐える力や環境の快適性、他者との関係性能力などを十分にアセスメントする。個別性の視点は、生活歴、なじみの環境、自己決定の仕方、価値観、自己の思いなどを大切にアセスメントする。支援体制の視点は、暮らしの継続ため、本人と家族の今を支える資源があるか、本人本位に支えているか、本人と家族が孤立せず、社会的なつながりを保ちながら暮らしているかアセスメントする。
③ 情報を統合し、解釈するための手がかりとして、さまざまはアセスメントツールがあり、多職種チームの中で情報を正確に伝えあう手段となる。アセスメントツールは対象者の基本的な状態の把握、ケアの効果判定の際に重要な指針となる。それぞれのツールごとに目的が異なり、アセスメントする領域も異なる。個々人のアセスメントのためには、目的に合わせた選択とツールの組み合わせが重要となる。アセスメントの対象となる症状の領域は、知的機能・中核症状の領域(認知機能障害)、ADL・IADLに関すること-認知症の症状が日常生活にどのように影響しているかを把握(ADLの状態)、認知症に伴う精神症状や行動障害(BPSD)、である。認知症のスクリーニングのアセスメントツールはMMSE(Mini-Mental State Examination)、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)などである。認知症の重症度のアセスメントツールはFAST、CDRなどである。認知症高齢者の生活機能障害の程度のアセスメントツールは認知症高齢者の日常生活自立度判定基準、FIMなどである。


キーワード ① 多面的な情報 ② 言動の意味 ③ 真のニード ④ 生活課題抽出 ⑤ アセスメントスケール
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:認知症高齢者のアセスメントでは、一つの場面でもさまざまな解釈が可能であることを念頭に置き、認知症の人が示す言動の意味は何か、その言動が生じる原因は何か、その人の真のニードは何かを考え、必情報から短絡的に解釈しないように注意する必要があることを理解する。その上で生活課題抽出に必要なアセスメントの共通の視点には、健康の領域、安全の領域、自立支援の領域、安心の領域、個別性の領域、支援体制の領域の6項目があることを理解する。アセスメントツールはMini-Mental State Examination<MMSE>と改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>が良く使用され、国家試験にも出やすいためしっかりと理解しておく。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉を調べる。また、今まで学習したコミュニケーションの目的、方法について振り返り、疑問に思うことやわからない言葉を調べる。また、実習でコミュニケーションで困ったことなどを振り返り、どこに困ったか、それはなぜか、どうすればよかったかを考える。

3 認知症高齢者とのコミュニケーション: バリデーションなど 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第3回は、認知症高齢者とのバリデーションなどのコミュニケーション技法について講義をする。バリデーションはその人が経験していることがその人にとっての真実であるということを受け入れ、共感することを重視したコミュニケーション技法である。

配布資料
参考資料:
看護師認知症対応力向上テキスト: 東京都著 東京都福祉保健局高齢社会対策部 平成30年 p43~60
バリデーションブレイクスルー ナオミ・ファイル/ビッキー・デクラーク・ルビン著 高橋誠一/篠崎人理訳
コマ主題細目 ① 認知症高齢者のコミュニケーションの特徴 ② 認知症高齢者とのコミュニケーションの基本 ③ バリデーション ④ ⑤
細目レベル ① コミュニケーションは、認知機能の直接的な影響を受ける。認知症の進行に伴い、各病期によって特徴が異なるが、個々によってもコミュニケーション能力は異なる。実際にコミュニケーションをとる場合は、認知症高齢者の個々のコミュニケーション能力を理解し、個々の状態に応じた方法で関わる必要がある。認知症高齢者のコミュニケーションの困難さは、次のような特徴がある。送信されるメッセージの内容や形態がゆがみ、 発する方向も拡散しやすい。受信できるメッセージの許容量と範囲が縮小しているため、残された能力に適合するメッセージでなければ受信が困難となる。受信した内容を解釈し理解する能力(情報処理能力)が低下している。周囲の環境からもたらされる雑音の影響を受けやすい。
② 認知症高齢者とのコミュニケーションの基本は、1.文章は短く、情報は一分に一つにする。認知症があると、一つの文章に複数の内容が盛り込まれていると混乱しやすいため、簡潔にゆっくりと話す。2.感情に着目し、思いをくみ取る。 認知症が進行し、エピソード自体は忘れても、「嬉しい」「悲しい」など、そのエピソードのまつわる感情は蓄積するため、感情に着目して共感しながら思いをくみ取る。3.非言語的コミュニケーションを活用する。認知症が進行しても、相手の表情や雰囲気を読み取る能力は維持されているため、非言語的コミュニケーションを活用する。4.不安や混乱を軽減する関わりをする。5.生きてきた過程を知る。6.何気ない会話を通じてコミュニケーションのきっかけを作る。7.残されたコミュニケーションの能力が発揮できるよう配慮する。8.コミュニケーション上の支障と身体症状の関連を探る。9.自分自身のコミュニケーションの傾向を知る、である。
③ バリデーションは、認知障害を持つ高齢者とのコミュニケーションをはかる方法である。認知機能障害の有無や程度にかかわらず、人間にはその人が属する世界があり、主体性を持ち、自分を表現するという普遍的な欲求があるという考え方が根底にある。そのほか、認知症高齢者のコミュニケーションに役立つ技法として、知覚・感情・言語による包括的コミュニケーションに基づいたケアの技法であるユマニチュード、肌と肌との触れ合いにあるコミュニケーションを大事にするタッチケアであるタクティールケアがある。バリデーションには14のテクニックがある。それは、センタリング(精神の統一、集中)、事実に基づいた言葉を使う、リフレージング、極端な表現を使う(最前、最悪の事態を想像させる)、アイコンタクト、曖昧は表現を使う、反対のことを想像させる、思いで話をする、はっきりした低い調子の優しい声を使う、ミラーリング(相手の動きや感情に合わせる)、満たされていない欲求と行動を結びつける、好みの感覚を使う、タッチング、音楽を使う、である。


キーワード ① 阻害要因 ② コミュニケーション能力 ③ メッセージの理解 ④ 伝わりやすいメッセージ ⑤ バリデーション
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:認知症高齢者のコミュニケーションの特徴を踏まえて、コミュニケーションの基本および、バリデーションの技術を理解する。実習で学生が困難を感じることの一つに、認知症高齢者とのコミュニケーションがある。コミュニケーションの基本、技法を一つでも身につけることで、実習や病院に就職した時に役立ち、楽しいと思える体験が増える。しかし、技法だけにとらわれず、同じ人としての立場に立ち、その人の立場になって考えたり、感じてみようとする姿勢を身につける。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉は調べる。また、今まで学習した療養環境について振り返り、環境がどのように患者に影響するのか、どのような環境が望ましいのかを考える。疑問に思うことやわからない言葉を調べる。また、実習で経験した人的、物理的環境のことを振り返り、疑問に思ったことなどについてどうすればよかったかを考える。

4 認知症高齢者にとっての環境 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第4回は、認知症の人は環境から影響を受けることが大きいため、意識的に環境を調整することの重要性や方法について講義を行う。

参考資料:
看護師認知症対応力向上テキスト: 東京都著 東京都福祉保健局高齢社会対策部 平成30年 p29~39、p61~65
認知症ケアの実際Ⅱ:各論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p263~p288
配布資料
コマ主題細目 ① 人的環境の影響 ② 物理的環境の影響 ③ 環境の調整 ④ ⑤
細目レベル ① 認知症高齢者は、自分の置かれている状況が理解できない、周囲の状況を判断できない。また、身体疾患による苦痛がある認知症高齢者にとって、安心できる環境かどうかの判断材料となるのが看護師の言動である。看護師は認知症高齢者にとって環境の一つであり、看護師の態度や言葉に大きな影響を受ける。不安定な気持ちから生じている言動に対して、看護師がきちんと対応しなければ益々不安や混乱が募り、BPSDが悪化してしまう。認知症高齢者は相手が自分に関心を向けてくれているのか、面倒と思われているのかの判断は可能である。認知症高齢者が看護師に協力的でないと感じたら、それは実際に看護師が認知症高齢者にとって協力的な存在ではないのである。認知症高齢者と医療従事者、また家族や患者との間に、環境の相互作用が生じていることを忘れてはならない。
② 病院は自宅とは異なった構造を持つ。生活の場とかけ離れている病院や病室を、自分の居場所(居て良い場所)として認識することが困難となる。そのため、「なぜ自分はここに居るのか」という不安を抱き、安心できる自宅へ帰ろうとして、「帰りたい」という欲求につながってしまう。このような場合は環境への工夫が心理面・行動面にも影響する。光は昼夜の判別、一日の生活リズムを整える上で重要である。また高齢者では、加齢により光を感じる機能が低下するため、周囲を認識するためには成人の何倍もの光を必要とする。認知症高齢者は、見えないこと、見えづらいことを了解しづらく、かつ他者に伝えることも困難になっていくため、ケア提供者が環境に配慮して誤認防止や生活機能の維持に努める。認知症高齢者は病院という環境でモニターやナースコールなどの聞きなれない音は違和感を感じ、不快になりやすく、また、テレビやラジオなども情報量が多くなりすぎて混乱する場合がある。
③ 認知症高齢者にとって環境の影響は大きく、認知症症状の出現の有無や生活を左右する。何が不安で、何に困っているのかを丁寧に把握することで、認知症高齢者本位の環境となる。認知症高齢者個人に行う環境調整は、1.認知症高齢者の状態を情報収集し、本人と閑居との関係を探りアセスメントする。2.認知症高齢者の治療や療養生活が円滑になるように、環境側に問題がある部分を改善する。3.改善したことの結果を評価し、修正する。治療と療養環境の場としての調整は、1.認知症高齢者が生活を送る場としての適切性や、機能、影響を探りアセスメントする。2.環境側を変える、工夫することで改善が見込まれることをピックアップする。3.7実施可能かを検討する。4.他の看護師、他職種等へ理解と協力を求め、実施する。5.実施したことを実施し、評価する、である。


キーワード ① BPSD ② 相互作用 ③ 安心 ④ 居場所 ⑤ 建物・光・音
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:人的環境、物的環境は認知症高齢者に大きな影響を与える。日常生活と違う環境がどのように認知症高齢者に影響するのかを理解する。実習で経験した病院の環境を思い起こし、日常生活と違う点などを具体的に思い起こし、どのようなものがどのように認知症高齢者に影響を与え、どのような心理・行動にでるのかを考える。そのうえで、環境をどのように整えればよいか、実習で体験したことをもとに振り返ってみる。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉を調べる。また、今まで学習したせん妄について振り返り、疑問に思うことやわからない言葉を調べる。実際、せん妄の場面を見たり聞いたりしたことがある場合は、その状況や原因、対処について振り返る。

5 せん妄 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第5回は、認知症の人が環境変化や身体合併症に伴い発症しやすいせん妄について、リスク要因や対応について講義を行う。

配布資料
参考資料:
看護師認知症対応力向上テキスト: 東京都著 東京都福祉保健局高齢社会対策部 平成30年 p12~13、p66~74
認知症ケアの実際Ⅱ:各論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p119~p122
コマ主題細目 ① せん妄の特徴 ② せん妄の予防ケア ③ せん妄発症時のケア ④ ⑤
細目レベル ① 認知症と区別して対応すべき症状の代表的なものはせん妄である。原因は、高齢者の基礎疾患としてよく見られる代謝障害や中枢神経系疾患などの直接原因、環境やストレス因子として考えられる誘発因子、加齢や認知症などの個人の脆弱性である準備因子があり、これらの要因が複雑に重なって発症する。せん妄のリスク要因と、入院前と入院後の認知機能の変化、症状の現れ方からせん妄を予測し、より適切な治療や対応ができるようにしていく必要がある。せん妄を発症すると、さまざまな予後が悪化すると言われており、患者のQOLに影響を及ぼす。認知症高齢者はせん妄発症のリスクが高いため、入院したらすぐに予防的なかかわりを実践する。また、せん妄を早期に発見するとともに、遷延させないようにする。
② リスク要因によっては予防できるものもある。患者の情報収集を行いながら同時に予防ケアも行う。患者個々がもつせん妄のリスク要因を全体像の中で全てとらえ、一つでも少なくしていくことが課題となる。具体的な方法は、1.疾患に関連する症状を取り除き、全身状態を整える。2.患者の背景を知り、入院生活・治療に関する説明を行い、不安の軽減に努める。3.感覚遮断は見当識を無くし、心理的な不安定さを増してせん妄を発症するリスクとなるため、感覚遮断を減らす。4.睡眠パターンの乱れ(不眠や昼夜逆転)、活動性の低下など、生活リズムの乱れはせん妄のリスク要因となるため、生活リズムを整える。5.現状への認識と興味を引き出す。6.その人にとって心地よい環境を整える、である。
③ 予防ケアを実践してもせん妄を発症することがある。発症した場合は、遷延や悪化をさせないようにケアを行う。急性期治療の場では、せん妄症状への対処として薬物療法が実施されることが多い。安全にかつ有効に治療を進めるためには必要なことではあるが、同時にその患者に適したケアが提供されなければ、薬物も有効には働かない。脳の機能や病状が一人一人違うように、せん妄症状も個々で異なるため、その時の患者の状態をみながらケアを実践していくことが重要である。一般的な対処方法である安全の確保と苦痛の軽減を図るでは、治療が安全にかつ有効に進められるよう点滴やドレーン、カテーテル類の管理を行ったり、疾患や治療に伴う苦痛の緩和、禁止事項の緩和に伴うリスクと対処を医師や関係職種と検討する。せん妄症状への対応と安心できる環境を提供するでは、不安や恐怖が軽減できるように関わる。家族へのケアでは、患者にとって安心できる存在、善い刺激を提供する存在でいてもらえるように配慮する。


キーワード ① 直接原因 ② 誘発因子 ③ 準備因子 ④ 予防 ⑤ 安全・苦痛の緩和
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:認知症とせん妄の区別ができるようにし、せん妄の原因やリスク要因から認知症高齢者がなぜせん妄発症のリスクが高いかを理解する。せん妄予防、発症時ではどのようなケアが必要であるか、なぜそのケアが必要であるのかを理解する。見当識をつけるための具体的な方法には時計やカレンダーを置く、日常会話の中で時間や季節などを感じ取ってもらう、家族やペットの写真などを飾るという方法などがあるが、自分でも方法を考える。また、ルートなどによる苦痛は固定の方法を変えたり、ルートなどが気にならないように見えない位置にするなどがあるが、その他にどのような工夫ができるか考える。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉を調べる。また、知っている非薬物療法について振り返り、疑問に思うことやわからない言葉を調べる。非薬物療法の場面を見たり聞いたりしたことがある場合は、その目的や状況について振り返る。

6 非薬物療法 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。上記のような本科目全体の中で、本コマ(第6回)は、治療の一環とされている、日常生活や社会生活を継続する力、生活の質(QOL)の向上につながる非薬物療法について講義を行う。
配布資料
参考資料:
認知症ケアの実際Ⅱ:各論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p247~p262
コマ主題細目 ① 非薬物療法の目的・意義・留意点 ② 非薬物療法の基本的視点 ③ 非薬物療法の種類 ④ ⑤
細目レベル ① 認知症高齢者の治療は、認知機能の改善と生活の質(QOL)の向上を目的とし、薬物療法と非薬物療法を併用する。BPSDに対しては、生活環境をアセスメントし、原則として非薬物療法を薬物療法よりも優先する。但し、精神症状の緊急性の評価により例外である。非薬物療法の目的は、認知機能障害の改善、情動機能の改善、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善、包括的生活の質(QOL)の向上である。非薬物療法の留意点は、1.適切となるのはどの疾患の、どのような状態であるか、2.どのような効果が期待できるか、効果の発現率はどれくらいか、3.予想される副作用は何か、その発生率はどの程度か、また、出現した副作用はどのように対処すべきか、4.どのくらいの期間行うのか、また、中止によるリスクはあるのか、である。
② 非薬物療法の基本的視点は、1.認知症の人を中心として、その人から見てとらえられる視点に基づく。2.コミュニケーションを通しての信頼関係の形成が基本となる。3.BPSDの軽減を目的とし、対処方法を総合的に検討する。4.多職種のチームや介護職との連携に基づく協働関係が欠かせない、である。1では、その療法やアプローチが全体として、認知症の人個人の持つ尊厳性を基盤にし、その人らしさに中心をおいて成し得る、全人的ケアの一部としてとらえていることができているかが求められる。2では、自分の価値観で判断しないことや、話を批判的にではなくそのまま受容するなど、10項目があげられる。3では、軽度の認知症の人へのBPSDの介入では、目標となるBPSDを決める。そのBPSDに関する多様な情報を一定期間情報収集する。測定のBPSDが起きる時間の前後でどのような状況や変化があったかを検索する。BPSDにかかわる要因を特定する。その要因の明確化をもとにして、現実的な目標に沿って対処方法を設定する。4では、アプローチに関する深い理解と熟達した技術を有し、その展開活用を担った専門職の、職種を超えた共同や連携の体制が必要とされる。
③ 米国精神医学ガイドラインによれば、心理・社会的アプローチは、行動に焦点を当てる行動療法的アプローチ(感情に焦点を当てる支持的精神療法、回想法、バリデーション療法など)、認知に焦点を当てるリアリティ・オリエンテーション;RO/技能訓練)、刺激に焦点を当てる芸術療法、レクリエーションなどの4つの代表的アプローチに分類される。24時間リアリティ・オリエンテーション(RO)は、カレンダーの活用や、今いる場所の表示・確認など、認知層高齢者の見当識の維持・回復に向けた働きかけを、24時間の生活の中で行う。バリデーション療法(確認療法)は、その人の経験していることを否定せず、それが本人にとっての真実であることとして受け入れ、共感することを重視し多コミュニケーション技法である。回想法は、認知症高齢者が語る人生を共感的・受容的態度で聴くことにより、感情の安定やQOLの向上を図ろうとする方法である。写真、音楽なども活用しながら、記憶の活性化やコミュニケーションの促進による語る喜びをもたらすなどの効果がある。




キーワード ① 認知機能の改善 ② 情動機能の改善 ③ QOLの向上 ④ BPSDの軽減 ⑤ 感情の安定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:非薬物療法の目的は、認知機能障害の改善、情動機能の改善、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善、包括的生活の質(QOL)の向上であるということ、心理・社会的アプローチは、行動に焦点を当てる行動療法的アプローチ(感情に焦点を当てる支持的精神療法、回想法、バリデーション療法など)、認知に焦点を当てるリアリティ・オリエンテーション;RO/技能訓練)、刺激に焦点を当てる芸術療法、レクリエーションなどの4つの代表的アプローチに分類されるということ、代表的なものに、24時間リアリティ・オリエンテーション、バリデーション療法、回想法があるということを振り返る。日常生活のケアの中で取り入れられている、24時間リアリティ・オリエンテーションは、現実見当識の感覚を促すものであり、カレンダーや時計の活用、場所の表示など、その人に合った働きかけができるということを理解する。
予習:知っている非薬物療法について振り返り、疑問に思うことやわからない言葉を調べる。非薬物療法の場面を見たり聞いたりしたことがある場合は、その目的や状況について振り返る。

7 薬物療法:文献検討 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。上記のような本科目全体の中で、本コマ(第7回)は、治療の一環とされている、日常生活や社会生活を継続する力、生活の質(QOL)の向上につながる非薬物療法の第6回目の講義を活かして、学生が文献で非薬物療法を一つ取り上げて学びを深める。
配布資料
参考資料:
認知症ケアの実際Ⅱ:各論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p245~p262
コマ主題細目 ① 回想法  ② 音楽療法 ③ 園芸療法 ④ ⑤
細目レベル ① 非薬物療法である回想法は、比較的保たれている長期記憶を利用して、認知症者の長期記憶を利用して、最も充実していた時代の楽しかったこと、幸せだったことなどを話してもらう。成功の追体験で、忘れかけていた事柄を思い出して記憶を強化するとともに、気分の安定や人格の統一、ひいてはBPSDの防止にも役立つ。認知症者自身への効果は、情動機能の回復、意欲の向上、発語回数の増加、表情などの非言語的表現の豊かさの増加、集中力の増大、問題となる行動の軽減、社会的交流の促進、他者への関心の増大、支持的ないし共感的な対人関係の形成である。職員への効果は、一人ひとりの高齢者の生活史や生き方に対する敬意の高まり、グループメンバーの社会性の再発見、日常の接し方への具体的示唆、仕事への意欲の向上などがある。回想法の文献を読んで学びを深める。
② 非薬物療法である音楽療法は、音楽を通じて心身共にリラックスし、非言語的コミュニケーションの促進、活動性の向上などを目的に行う。音楽を鑑賞する受動お手音楽療法と、参加者が実際に歌ったり楽器を演奏する、音楽に合わせて身体を動かすなどの能動的音楽療法がある。音楽療法の心理学的指標による効果としては、社会的行動の増加と攻撃行動の減少、情緒の安定・抑うつ症状の軽減に加えて、音楽を聴きながらの食事では食事量の増加がみられることもいわれている。認知症高齢者への音楽療法は、生活動作でみられる攻撃性・興奮などを鎮める効果があるとされ、歌唱・音楽鑑賞・楽器演奏などが一般的に行われている。今後の課題としては、生理学的指標および心理学的指標による効果測定に質的リサーチも加えた研究、どのような疾患にどのような音楽療法の方法が適しているのかの研究、セラピストの違いによる音楽療法効果に関する研究、音楽療法の技法に関する研究、の必要性が指摘されている。音楽療法の文献を読んで学びを深める。
③ 非薬物療法である園芸療法は、「植物を育てることを中心に植物や植物が育つ環境、植物に関する諸活動を通して、身体や精神機能の維持・回復、生活の質の向上を図る」と広くとらえ、他の諸活動を用いた療法と比較し、次の特性を持つ。1.植物という介在対象は人による好みの差が少ない。2.動物などに比べて、人に緊張を与えない。3.植物のある環境、植物が育つ環境が心を和ませ穏やかにする。4.園芸活動には日常生活の基本的な機能がすべて含まれている。5.植物を育てる、育ちを共にすごすことが生活のリズムを呼び戻す。6.育てるという行為が人の生きる意欲を引き出す。認証高齢者への園芸療法プログラムの実施の効果は、1.身体的側面では、手指や上腕部の部分的なリハビリテーションにつながる。2.心理・社会面では、同一の作業や経験をより行うことで記銘力や認知機能の改善が認められ、過去の振り返りができるようになる。3.社会的側面では、周囲への関心が高


キーワード ① 認知機能の改善 ② 情動機能の改善 ③ QOLの向上 ④ BPSDの軽減 ⑤ 感情の安定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:非薬物療法の目的は、認知機能障害の改善、情動機能の改善、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善、包括的生活の質(QOL)の向上であるということ、心理・社会的アプローチは、行動に焦点を当てる行動療法的アプローチ(感情に焦点を当てる支持的精神療法、回想法、バリデーション療法など)、認知に焦点を当てるリアリティ・オリエンテーション;RO/技能訓練)、刺激に焦点を当てる芸術療法、レクリエーションなどの4つの代表的アプローチに分類されるということ、代表的なものに、24時間リアリティ・オリエンテーション、バリデーション療法、回想法があるということを振り返る。日常生活のケアの中で取り入れられている、24時間リアリティ・オリエンテーションは、現実見当識の感覚を促すものであり、カレンダーや時計の活用、場所の表示など、その人に合った働きかけができるということを理解する。
予習:コマシラバスを読み授業の概要をつかむとともに、わからない言葉を調べる。また、知っている非薬物療法について振り返り、疑問に思うことやわからない言葉を調べる。興味のある非薬物療法について発表できるように準備をする。

8 非薬物療法 :発表・ディスカッション 科目の中での位置付け 本科目は認知症看護選択強化プログラムである。社会の高齢化に伴い認知症高齢者が増え、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定されるなど日本の重要課題となっている現状に対応する科目でもある。認知症高齢者のケアの安全で健康であるかという視点と、その人の尊厳を支え、その人の視点に立った生活が継続できるように、援助技術の修得を目指す科目である。具体的には第1回目にガイダンスと代表的な認知症ケアの理念であるパーソンセンタードケアについて、第2回目に適切な支援をするためのアセスメントの視点について、第3回目に認知症高齢者とのコミュニケーション(バリデーションなど)について、第4回目に環境調整、第5回目にせん妄ケア、第6回目~8回目に心理・社会的アプローチである非薬物療法について講義と文献検討を行う。
第8回は、第7回目で学生が取り上げて紹介した非薬物療法について発表、ディスカッションを行う。

参考資料:
認知症ケアの実際Ⅱ:各論  日本認知症ケア学会 株式会社ワールドプランニング 2015年 p245~p262
配布資料
コマ主題細目 ① 回想法 ② 音楽療法 ③ 園芸療法 ④ ⑤
細目レベル ① 非薬物療法である回想法は、比較的保たれている長期記憶を利用して、認知症者の長期記憶を利用して、最も充実していた時代の楽しかったこと、幸せだったことなどを話してもらう。成功の追体験で、忘れかけていた事柄を思い出して記憶を強化するとともに、気分の安定や人格の統一、ひいてはBPSDの防止にも役立つ。認知症者自身への効果は、情動機能の回復、意欲の向上、発語回数の増加、表情などの非言語的表現の豊かさの増加、集中力の増大、問題となる行動の軽減、社会的交流の促進、他者への関心の増大、支持的ないし共感的な対人関係の形成である。職員への効果は、一人ひとりの高齢者の生活史や生き方に対する敬意の高まり、グループメンバーの社会性の再発見、日常の接し方への具体的示唆、仕事への意欲の向上などがある。回想法の文献を読んで、その目的、内容、効果、今後の課題について発表し、ディスカッションをする。
② 非薬物療法である音楽療法は、音楽を通じて心身共にリラックスし、非言語的コミュニケーションの促進、活動性の向上などを目的に行う。音楽を鑑賞する受動お手音楽療法と、参加者が実際に歌ったり楽器を演奏する、音楽に合わせて身体を動かすなどの能動的音楽療法がある。音楽療法の心理学的指標による効果としては、社会的行動の増加と攻撃行動の減少、情緒の安定・抑うつ症状の軽減に加えて、音楽を聴きながらの食事では食事量の増加がみられることもいわれている。認知症高齢者への音楽療法は、生活動作でみられる攻撃性・興奮などを鎮める効果があるとされ、歌唱・音楽鑑賞・楽器演奏などが一般的に行われている。今後の課題としては、生理学的指標および心理学的指標による効果測定に質的リサーチも加えた研究、どのような疾患にどのような音楽療法の方法が適しているのかの研究、セラピストの違いによる音楽療法効果に関する研究、音楽療法の技法に関する研究の必要性が指摘されている。音楽療法の文献を読んで、その目的、内容、効果、今後の課題について発表し、ディスカッションをする。

③ 非薬物療法である園芸療法は、「植物を育てることを中心に植物や植物が育つ環境、植物に関する諸活動を通して、身体や精神機能の維持・回復、生活の質の向上を図る」と広くとらえ、他の諸活動を用いた療法と比較し、次の特性を持つ。1.植物という介在対象は人による好みの差が少ない。2.動物などに比べて、人に緊張を与えない。3.植物のある環境、植物が育つ環境が心を和ませ穏やかにする。4.園芸活動には日常生活の基本的な機能がすべて含まれている。5.植物を育てる、育ちを共にすごすことが生活のリズムを呼び戻す。6.育てるという行為が人の生きる意欲を引き出す。認証高齢者への園芸療法プログラムの実施の効果は、1.身体的側面では、手指や上腕部の部分的なリハビリテーションにつながる。2.心理・社会面では、同一の作業や経験をより行うことで記銘力や認知機能の改善が認められ、過去の振り返りができるようになる。3.社会的側面では、周囲への関心が高まり、他者と協力して作業を進めるなどの変化や周囲への配慮、協調性の向上が認められる。園芸療法の文献を読んで、その目的、内容、効果、今後の課題について発表し、ディスカッションをする。



キーワード ① 認知機能の改善 ② 情動機能の改善 ③ QOLの向上 ④ BPSDの軽減 ⑤ 感情の安定
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 復習:非薬物療法の目的は、認知機能障害の改善、情動機能の改善、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善、包括的生活の質(QOL)の向上であるということ、心理・社会的アプローチは、行動に焦点を当てる行動療法的アプローチ(感情に焦点を当てる支持的精神療法、回想法、バリデーション療法など)、認知に焦点を当てるリアリティ・オリエンテーション;RO/技能訓練)、刺激に焦点を当てる芸術療法、レクリエーションなどの4つの代表的アプローチに分類されるということ、代表的なものに、24時間リアリティ・オリエンテーション、バリデーション療法、回想法があるということを振り返る。日常生活のケアの中で取り入れられている、24時間リアリティ・オリエンテーションは、現実見当識の感覚を促すものであり、カレンダーや時計の活用、場所の表示など、その人に合った働きかけができるということを理解する。また、学生同士の意見交換を通して他者がどういう意見を持っていたか、自分との考え方の違いを理解する。
予習:履修判定指標に沿って知識の確認をする。各コマの重要ポイントを振り返り、根拠のある理解ができるように再学習する。

履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
パーソンセンタードケア
認知症者に対する基本なケアの考え方には、尊厳を守る、ADLとニードに応じたケアを提供する、治療やケアに伴う苦痛を最小限にする、ケアによる恐怖をもたらさない、行ったケアが心地よいものだったかを検証する、という5つがある。この5つと、それぞれ具体的にどういうことなのか、また自分が経験したこと、話を聞いたことで認知症者へのケアについて考えたことを述べられるようにする。また、倫理的な部分を含めてパーソンセンタードケアの考え方と、自分の考えが述べられるようにする。認知症高齢者はケアの拒否、食事の拒否、徘徊、帰宅願望、幻覚や妄想、暴言・暴力などのBPSDという行動・心理症状が出現することがあるが、その症状があるときの対応について理解する。 パーソンフッド、パーソンセンタードケア、倫理、心理的ニーズ 20 第1回
アセスメント
認知症のスクリーニングのアセスメントツールは、質問式のMini-Mental State Examination<MMSE>と改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>が良く使用される。Mini-Mental State Examination<MMSE>は入院患者の認知機能障害足底を目的とした、短く単純化した尺度である。HDS-Rより複雑な質問、図形模写が入っている。11項目総得点30点で、23点以下で認知症、せん妄、感情障害などの疑いがある。改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>は9項目で総得点30点で、20点以下で認知症の疑いがある。これらのことを理解し、述べられるようにする。 アセスメントの視点、HDS-R、MMSE 10 第2回
バリデーションなどコミュニケーション
周囲の騒音などの物理的因子、不安などの心理的因子、文化や社会的立場などによって使用言語などの意味が異なるという社会的因子、などを減らす。入浴の話は浴室が見える場所でするなど、場の設定をする。言葉そのものだけでなく、言葉の背景にある気持ちなどに焦点を当てたり、本人が発している言葉を無視しない、共感していることを伝えたり、時間をかけて聴き待つなどに注意する、相手の視野に入って視線を合わせて話す、ゆっくり、低く、落ち着いて話す、一度に複数のメッセージを盛り込まないなどに注意する、他者との交流が図れるようにするなどを理解する。高齢者とのコミュニケーションの基本に、子どもに話すような言葉使いや話し方をせず、高齢者を尊重して人生の先輩として敬ってコミュニケーションをとるのが基本であり、認知症があってもその基本は変わらない。 バリデーション、話す姿勢、聞く姿勢、共感、寄り添う
尊厳
20 第3回
環境 認知症高齢者は環境の影響を受けやすいこと、環境には看護師などの人的環境と病院の構造や音などの物的環境があること、どのような看護師の対応が影響するのか、どのような対応が望ましいのか、どのような環境が影響を与えるのかを理解する。認知症高齢者は生活の場とかけ離れている病院や病室にいると、自分の居場所として感じられず、また、ナースコールやモニターの音など聞きなれない騒音により不安を感じたりする。そのため、なじみの置物や道具、寝具などで安心できる環境づくり、自分の部屋と認識しやすくなどの必要があることを理解する。 人的環境、物理的環境、看護師の対応、居場所、なじみの場所、安心 15 第4回
せん妄 せん妄の特徴、認知症とせん妄の違い症状、せん妄の予防ケアと発症時のケアを述べられるようにする。せん妄は急激に発症する、症状に日内変動がある、症状は可逆的で数時間から数日で改善する、注意力の低下、見当識障害、近時記憶障害が起こる、という特徴がある。認知症は徐々に発症する、症状はゆるやかに進行し不可逆的である、疾患からの睡眠障害はみられない、初期では古い記憶が保たれ軽度の認知症では見当識障害も見られないことがある、などである。せん妄予防のケアは、全身状態を整える、不安の軽減に努める、感覚遮断を減らす、生活リズムを整える、現状への認識と興味を引き出す、心地よい環境を整える、などを理解する。発症時のケアは、安全の確保と苦痛の軽減を図る、せん妄症状の対応と安心できる環境を提供する、家族へのケア、などを理解する。 せん妄の特徴、認知症とせん妄の違い、予防ケア、発症時のケア 20 第5回
非薬物療法 非薬物療法の目的は、認知機能障害の改善、情動機能の改善、認知症の行動・心理症状(BPSD)の改善、包括的生活の質(QOL)の向上であるということ、心理・社会的アプローチは、行動に焦点を当てる行動療法的アプローチ(感情に焦点を当てる支持的精神療法、回想法、バリデーション療法など)、認知に焦点を当てるリアリティ・オリエンテーション;RO/技能訓練)、刺激に焦点を当てる芸術療法、レクリエーションなどの4つの代表的アプローチに分類されるということを理解する。具体的な非薬物療法を取り上げて、その効果を述べることができるようにする。 非薬物療法、認知機能の改善、情動機能の改善、QOLの向上、BPSDの軽減、感情の安定 15 第6回~8回
評価方法 原則期末試験100%とします。
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書
参考文献 「パーソン・センタード・ケアでひらく認知症看護の扉」株式会社南江堂、編集者 鈴木みずえ、酒井郁子、ISBN978-4-524-25514-6、 4,180円+税  「認知症ケアの実際Ⅰ:総論」日本認知症ケア学会編、株式会社ワールドプランニング 、ISBN9784948742918、2,200円+税、「認知症ケアの実際Ⅱ:各論」日本認知症ケア学会編、株式会社ワールドプランニング 、ISBN9784948742925、2,200円+税、「バリデーションブレイクスルー」ナオミ・ファイル/ビッキー・デクラーク・ルビン著、全国コミュニティライフサポートセンター、ISBN:978-4-904874-29-5、3,300円+税
実験・実習・教材費