区分 (心)心理学専門領域科目 子ども・発達領域 (犯)犯罪心理学基盤科目
ディプロマ・ポリシーとの関係
専門的知識と実践的能力 分析力と理解力 地域貢献性
カリキュラム・ポリシーとの関係
課題分析力 課題解決力 課題対応力
カリキュラム全体の中でのこの科目の位置づけ
(心)本科目は1年生の必修科目であり,心理学専門領域科目の子ども・発達領域に設置されている。本科目を履修することで,子ども・発達領域の2年次以降の科目内容において専門的理解と生涯発達で生じる現象理解を深めるとともに,他の領域の専門科目との関連においても有機的に結びついた学習が可能となる
(犯)犯罪心理学基盤科目に位置づけられ,心身の発達について乳児期から老年期に至る各発達段階の特徴と他の段階との関連など様々な角度から基本的知識を習得し,人間発達についての理解を深める。当科目では,犯罪心理学発展科目の学びの基盤となる,心理学の主要な領域に関する基礎知識を修得する。

科目の目的
平均寿命が延び、高齢化が進む現代社会においては、発達という観点は乳児期、幼児期、児童期、青年期といった人生の前半部分だけではなく、成人期、老人期に至るまで重要な視点です。むしろ、成人期、老年期を過ごす時間のほうが長くなっている昨今では、そうした時期の特徴、そうした時期をどのように過ごしていくかは人生における重要な観点になっています。そこで、発達心理学において人生の早期から老年期に至るまで、人間の一生を通じて心の働きや内容がいかに変化していくのかを学び、人間発達全体の諸相を把握することを目指します。
到達目標
生涯発達という観点から、乳児期から老年期に至る各発達段階の特徴と他の段階との関連について、様々な角度から基本的知識を習得し、人間発達についての理解を深め、自身の体験と結びつけ、日常生活につなげることを目標とする。加えて、発達障害等非定型発達についての基礎的な知識及び考え方について理解を深める。
科目の概要
本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
科目のキーワード
①生涯発達 ②乳児期 ③幼児期 ④児童期 ⑤青年期 ⑥成人期 ⑦老年期 ⑧発達理論 ⑨発達障害
授業の展開方法
本講義は2コマ連続の授業です。各回の1コマ目の冒頭に資料を配布し、それに沿って講義を進めていきます。同時にパワーポイントを使用します。各回の講義は、前回の復習、当該回の学習内容から構成されています。授業の途中において、教員から授業内容や重要なトピックに関する質問などが出されます。受講生はその質問に回答したり、最後には感想を提出したりすることになります。
2コマ目は、1コマ目における受講生からの意見や質問の紹介とそれに対する教員からの回答のフィードバックを中心とします。質問の内容に応じて、配布資料の中で当該の質問と回答を記載することによってクラス全体に対して行われる予定です。また、本講義担当者は、臨床心理士および公認心理師として、小、中学校でのスクールカウンセラー、大学の学生相談室、保健所での心理相談などの実務経験を有しており、その経験に基づいて、発達心理学における理論と実務の橋渡しを意識した学習内容となっています。

オフィス・アワー
【水曜日】3・4時限目(会議日は除く)、【木曜日】1・2時限目(前期のみ)、【金曜日】1・2時限目(後期のみ)
科目コード PSC220
学年・期 1年・前期
科目名 発達心理学
単位数 4
授業形態 講義
必修・選択 必須
学習時間 【授業】90分×15 【予習】90分以上×15 【復習】90分以上×15
前提とする科目 なし
展開科目 教育・学校心理学 学習・言語心理学 障害者・障害児心理学 他
関連資格 公認心理師、認定心理士
担当教員名 丸山宏樹
主題コマシラバス項目内容教材・教具
1 オリエンテーション 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第1回)は、オリエンテーションとして発達心理学および生涯発達心理学の意義と基礎的事項、科目全体の内容について概観と基本的な発達理論について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・岡本祐子・深瀬裕子編著 『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp2-5
【コマ主題細目②】
・岡本祐子・深瀬裕子編著 『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp2-5
【コマ主題細目③】
・岡本祐子・深瀬裕子編著『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp6-9
コマ主題細目 ① 発達 ② 生涯発達 ③ 心理社会的発達理論
細目レベル ① 発達とはどのようなものでしょうか。たとえば、1歳ごろ、歩くようになり、「まんま」と言うようになった。小学生、容れ物と量についてわかるようになった。高校生、自分とは何かと悩むようになった。大学卒業後、就職した。中年になって、親の最後を看取った。
高齢になって、体が思うように動かくなった。こうした例は発達と言えるでしょうか。さまざまな考え方にもよりますが、ある見方をすれば、発達とは、年齢とともに、身長、語彙数が増えるなどの量的変化、乳幼児がはいはいしているところから歩くようになる、掛け算を理解するなどの質的変化の両方を指しています。変化に重点が置かれているので、老年期に体力や認知能力などが衰えていくことも発達と言えるかもしれません。しかし、この量的変化と質的変化という見方もまた、絶対的なものではなく厳密に考えるとさらに難解になっていきます。必ずしも正しい答えがあるわけではなく、考える営み自体が重要です。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。

② 発達とは幼い時期だけのものではありません。特に発達という言葉からは、誕生から大人になるぐらいまでをイメージしやすいかもしれません。心理学の歴史でも、そうした子どもや大人になるまで年代の研究が多くありました。しかし、近年はより対象が広がってきています。人間というものは、生まれてから(あるいは胎児から)、死ぬまで変化はあるものです。発達とは変化をとらえるものなので、非常に幅広い概念ですが、その広すぎるままでは扱うことが難しいので、様々な考え方によりいろいろな区分があります。本講義では、誕生から死を迎えるまでの人生全体を視野に入れて、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期という人生のそれぞれの時期について学んでいきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 心理社会的発達理論発は、エリクソンという人物によって提唱されました。エリクソンは、1902年ドイツ生まれで、母親はユダヤ人。父親は生まれたときにはすでにいなかったそうです。青年となった時期には、自分の進むべき方向が見つからず、放浪の旅へ出ました。その後28歳でフロイトに出会い、精神分析の訓練を受けます。そして、31歳でアメリカ初の児童精神分析家となります。エリクソンは自信の人生において、「自分とは何か」という問いを持ち、それがやがてアイデンティティ論へとつながっていきます。心理社会的発達理論は、発達において心理社会的側面を重視しています。また、生涯を通じた成長・発達を重視し、各発達段階において、心理社会的危機を想定しました。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 発達 ② 生涯発達 ③ 発達心理学の領域 ④ 発達の諸原則 ⑤ 遺伝と環境
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、発達心理学および生涯発達心理学の意義と基礎的事項、科目全体の内容について概観と基本的な発達理論などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第2回)の〈内容〉、つまり、胎児期及び新生児期の発達、知覚・認知機能の発達、言語の発達の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

2 胎児期、新生児期、乳児期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第2回)は、胎児期、新生児期、乳児期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp1-6
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp1-13
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp14-17
コマ主題細目 ① 胎児期及び新生児期の発達 ② 知覚・認知機能の発達 ③ 言語の発達
細目レベル ① 人間は出産後、歩く、話すといった能力が育つのに約1年かかります。これは、ほかの高等な哺乳類と異なっています。しかし、こうして約1年早く生まれることでより幅広い発達の可能性を広げていると捉えることもできます。この現象をポルトマンは生理的早産と呼びました。また、乳児の脳は生後6~8カ月ごろまではニューロン(神経細胞)同士をつなぐシナプスが増加していき、その後、シナプスは減少し、適当な量が残ります。こうした働きによって脳が適切に働くと考えられます。さらに、メルツォフは生後間もない新生児であっても、舌出しや口開けなど、他者の表情を模倣できることを示して、新生児模倣と呼びました。そうした発達も脳のミラーニューロンとの関係が考えられています。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 乳児は好むものを長く見つめる、単純な図形より複雑な図形を好む、人の顔の形を好むといった特徴があり、その特徴を利用した選好注視法という方法があります。また、新生児の視力はかなり低いですが、縞模様を並べて提示し区別できるかを見る縞視力という方法があります。乳児の認知的能力は、ピアジェの認知的発達理論では感覚運動期に相当し、感覚レベルで外界刺激を把握する、運動活動によってまわりへの働きかけを行うと考えられます。新生児反射から始まり、学習された行動(指しゃぶりなど)、自分の行動の結果生じた変化を持続させようとする行動(ガラガラを振るなど)、別々の行動の協応と新しい事態への適応(布に隠れたおもちゃを探すなど)などを通じて、行動が協調し多元的になっていく。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 言語には受容言語と表出言語という区分があります。受容言語では、音声知覚は基本的にはあまり区別されません。6~12カ月で母語に含まれる音素に敏感になると考えられています。表出言語では、発生しやすい音からはじまり、徐々に拡張していきます。言語の発達のおおよその年齢として、およそ2,3か月ごろになると、クーイング(同じ母音を続ける。例あっ、うーなど)が現れてきます。4か月ごろ以降では、喃語(なんご、母音に子音が加わる。例:ばぶ)がはじまってきます。8か月から1歳ごろでジャルゴン(母語のようなイントネーション、アクセントの喃語)が出現してきます。そして1歳ごろから、最初の意味ある言葉(始語)が現れてきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 生理的早産 ② 対象の永続性 ③ 新生児反射 ④ 感覚運動期 ⑤ 言語発達
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、胎児期及び新生児期の発達、知覚・認知機能の発達、言語の発達などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第3回)の〈内容〉、つまり、乳児期の運動の発達、愛着と親子関係、感情の発達の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

3 乳児期Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第3回)は、引き続き乳児期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp23-28
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp28-43
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp23-43
コマ主題細目 ① 運動の発達 ② 愛着と親子関係 ③ 感情の発達
細目レベル ① 乳児期の運動発達としておおよそとして以下のような目安となる。3か月ごろに定頚(ていけい:首すわり)がある。4,5か月ごろに寝返りをするようになる。これは自ら移動することの始まりとなる。7か月ごろに座位(お座り)ができるようになる。8か月ごろにハイハイを行うようになる。10か月ごろにつかまり立ちをするようになり、1歳ごろで自ら歩くようになる。ただし子どもによる個人差も大きい。また、乳児の運動として原始反射というものがある。これはある一定の時期に体の自然な反射的動きとして現れるものであり、進化上必要なものである。例として、吸啜(きゅうてつ)反射:指を唇の中に入れると吸い付く、把握反射:手のひらに触れるものをつかむ、などがある。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② ボウルビィによれば、愛着(アタッチメント)とは、ある特定の人間もしくは動物と他の特定の人間もしくは動物との間に形成されている情愛のきずなと定義されます。このアタッチメントというシステムは、生物学的なシステムの働きを重視しているものです。こどもは、探索行動を行い、不安や心配があると安全基地(愛着対象)に戻ります。安全基地(愛着対象)は保護者であることが多いが、必ずしも血縁関係の親子関係である必要はありません。心配や不安があっても、安全基地(愛着対象)に戻ったあと、安心を得てまた探索していきます。また、8か月ごろには、親しい人と見知らぬ人を識別するようになり、見知らぬ人には怖がるという人見知りをするようになります。これは、親しい人(養育者)が分かるということであり、養育者との愛着が形成されているという見方もできます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 乳児は誕生~2ヶ月ごろは仰向けが中心です。うつぶせでは顔をあげられません。そこで、養育者が子どもの顔をみれるように姿勢を調整します。同時に、養育者が子どもの視界に入ることでコミュニケーションしやすくなります。また、養育者は乳児の視線の動きから情報を読み取ります。乳児の反応によって声かけや姿勢の変更(だっこなど)が行われます。このように、養育者は乳児の情動表出(泣き・笑い・驚きなど)を手掛かりにして状態を推測しています。同時に、乳児は身体を操作されることを通じて、情動を制御されます(情動が導かれる)。乳児と養育者はこのような日常的にさまざまな感情的な触れ合いを行っています。こうした交流を情動交流といいます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 愛着の形成 ② 三項関係 ③ 社会的参照 ④ 情動表出 ⑤ 情動交流
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、乳児期の運動の発達、愛着と親子関係、感情の発達などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第4回)の〈内容〉、つまり、幼児期の知能・認知の発達、言語の発達、身辺処理活動の自立の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

4 幼児期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第4回)は、幼児期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp47-66
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp47-66
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp47-66
コマ主題細目 ① 知能・認知の発達 ② 言語の発達 ③ 身辺処理活動の自立
細目レベル ① ピアジェの認知的発達理論では、幼児期は感覚運動期から前操作期に当たります。感覚運動期では、外界の刺激を受けて運動(反応)が出力されます。ただし、その範囲は「今、ここ」に限定されます。一方、前操作期の中の前概念的思考段階(およそ2歳~4歳)では、外界の刺激→表象→運動出力(反応)という一連が考えられています。続いて直観的思考段階(4歳~7歳)では、(外界の刺激)→複数の表象(あるいはその関係)→運動出力(反応)と想定されています。表象とは、頭に思い浮かべたもの(目の前にないものでもありうる)、再び(re)存在する(present):今はここにないものが、心の中(脳の中)に存在するもの、イメージ・記号・言語などです。この表象の能力が発達することによって、「今、ここ」の文脈に影響されず、さまざまな対象、概念などを扱えるようになると考えられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 幼児期前期では、二語文(例「散歩、いく」「ジュース、飲む」など)が出現してきます。これは、文法規則の獲得、表象と表象を結びつける力が獲得されてきたということです。さらに、幼児期後期になっていくと、内言が獲得され、言語的な思考を行うようになると考えられます。ヴィゴツキーによると、言語には、外言:音声言語を伴い、他者とのコミュニケーションの道具となる言語、内言:音声言語を伴わず、思考のため(自分とのコミュニケーション)の道具となる言語、が想定されています。そして、発達過程としては外言から内言へと発達していくと想定されています。その際の外言から内言が生じる過程で生じる独り言を自己中心的言語といいます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 幼児期には様々な身体的、心理的な発達に伴い、自分自身の生活における身辺処理活動を自分で行うことが多くなっていきます。具体的には、自分でスプーンや箸を使ってご飯を食べる、自分で着替えをする、自分でトイレに行くなどです。ただし、こうしたすべての身辺処理活動は生活上で必要不可欠なものであるだけではなく、運動発達、認知発達などさまざまな発達の成果であると同時に、さらに発達を促す契機、トレーニングでもあります。一つの例としては、トイレットトレーニングがあります。トイレットトレーニングは、体の発達、運動能力の発達であると同時に、自分の欲求、行動を制御し、快感を得るという自己コントロールのトレーニングでもあり、さらに、養育者の意図を理解し、その要請にこたえるコミュニケーションのトレーニングでもあります。つまり、トイレットトレーニングを通じて他者や社会と関わる力を身につけていきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 前操作期 ② 表象 ③ 内言 ④ 外言 ⑤ 心の理論
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、幼児期の知能・認知の発達、言語の発達、身辺処理活動の自立などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第5回)の〈内容〉、つまり、幼児期の自己概念の発達、自己コントロールの発達、対人関係の発達の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

5 幼児期Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第5回)は、幼児期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp69-84
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp69-84
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp69-84
コマ主題細目 ① 自己概念の発達 ② 自己コントロールの発達 ③ 対人関係の発達
細目レベル ① 自己概念とは、自分自身についての考えやイメージである。自分自身への気づきとしては、1歳ごろには、自分の名前への気づき(名前を呼ばれて返事をするなど)があります。1歳後半ごろには、鏡に映った自分(自己鏡映像)を認識するようになります。2歳ごろには、客体としての自己像を理解するようになります。2歳以降では、自分の気持ち、感覚、認識に関することばの発達が現れてきます。そして、養育者の意図に沿って動く段階から、 (養育者とは異なる) 「自分の世界」を持つようになります。結果として養育者からの拒否。「いや」「自分でやる」が増えていきます。この様子を第一次反抗期と呼ぶこともあります。自己概念の中には、自伝的記憶として、自分の経験したエピソードについての記憶なども含まれます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 3歳以降、子どもは幼稚園、保育園など、子ども同士の関わりが増えてきます。そこでは同年代の友人関係が少しずつ形成されてきます。同時にけんかやいざこざ(例、物や場所の占有、不快な働きかけ、ルール違反、イメージや意見のズレなど)も起こってきますが、こうしたいざこざの経験を通じて、他者との関わりと自分自身のコントロールを学んでいきます。そうした中で自己制御機能として、自己主張(例、自分から入りたい遊びに「入れて」と言う、自分の考えを話す、など)、自己抑制(例、遊びの中で順番を待つ、他児のおもちゃを取らないで我慢する、など)が発達していきます。こうした自己主張、自己抑制、両方の適度なコントロールが重要です。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 幼児期は多くの子どもが幼稚園や保育園などに通い始め、同年齢の子どもとの関わりが増える時期でもあります。そうした中で、同年代の友人関係が少しずつ形成されてきます。そこでは遊びを通じても対人関係が発達していきます。1歳以降では、ふりあそび(自分自身や周囲のものを様々なものに見立てて遊ぶ)や他者のまねが増えます。一方で、ほとんどがひとり遊びであり、養育者などの大人がはたきかけたり、リードしたりして一緒に遊ぶことも多いです。3歳以降にはごっこ遊び(家族ごっこ、動物ごっこなど)が増えていきます。その中で、見立て、他の子どもとのイメージの共有、ストーリーにする力、他の子どもの考えの理解、等が重要な要素であり、より高度な遊びとなっていきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 自己概念 ② 第一次反抗期 ③ 自伝的記憶 ④ 自己制御機能 ⑤ 友人関係
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、幼児期の自己概念の発達、自己コントロールの発達、対人関係の発達などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第6回)の〈内容〉、つまり、児童期の具体的操作期の認知機能の発達、形式的操作期の認知機能の発達、児童期における発達と教育の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

6 児童期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第6回)は、児童期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp88-96
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp97-106
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp97-106
コマ主題細目 ① 具体的操作期の認知機能の発達 ② 形式的操作期の認知機能の発達 ③ 童期における発達と教育
細目レベル ① ピアジェの認知的発達理論においては、誕生後は、感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の4つの段階を経て発達していくと想定されています。その中でも特に児童期は、前操作期の終わりごろから、具体的操作期に入り、そしてさらに形式的操作期の始まりぐらいまでの時期となります。6歳ごろまでが目安となる前操作期では、認知能力は、ものごとの見かけ(直観)に左右されます。その後、7、8歳ごろからの具体的操作期の前期では、見かけでなくものごとの本質を論理でとらえようとする、論理的思考が始まってきます。そうした発達によって、保存の概念、可逆的思考、操作的系列化、操作的分類などを理解したり、実際に行ったりできるようになっていきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 児童期の最後のほうの時期は、具体的操作期の終わりから形式的操作期の始まり(11,12歳ごろ)ごろになります。形式的操作期では、現実を超えた思考がだんだんとはじまってきます。それは、仮定にもとづく推理、比例の理解、言語による論理的思考の展開などによって現れてきます。ただし、こうした認知機能の発達には個人差も大きく、人によって得意不得意や習得の程度は大きく違います。さらに、領域一般性、領域固有性の観点もあります。領域一般性とは、さまざまな対象に対して形式的操作が全般的に可能となることです。その一方で、領域固有性とは、具体的な個人が経験している領域、また、文化的に経験しやすい領域などでは、想定している年齢より早くに課題が達成できる場合があることです。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 学年が上がるにつれて授業についていけない子どもが増えていきますが、特に9、10歳で増加することを、9歳(10歳)の壁といいます。ピアジェの認知的発達理論の考え方では、9、10歳ごろは、既存の認知的枠組みが充実するとともに限界が認識される移行期と考えらえています。そこでは認知的不均衡(問題解決したいが、既存の枠組みでは解決できないというアンバランス)が生じて、そこから形式的操作への変化が起こると仮定されました。しかし、さまざまな実験的アプローチでは、この考えのようにはいきませんでした。そこで現在では、子どもたちの考えの肯定的側面に着目すること、具体的操作期でも部分的には形式的操作の萌芽(先駆的要素)があることが発見されており、こうした萌芽(先験的要素)を支援し、広げていくことで、言い換えると、教育を行っていくことで、発達を促すことができると考えられています。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 認知機能 ② 具体的操作期 ③ 形式的操作期 ④ 三つ山課題 ⑤ 自己中心性
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、児童期の具体的操作期の認知機能の発達、形式的操作期の認知機能の発達、児童期における発達と教育などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第7回)の〈内容〉、つまり、児童期における対人関係の発達、集団生活の中での発達、社会性の発達の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

7 児童期Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第7回)は、児童期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp110-119
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp110-119
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp119-125
コマ主題細目 ① 対人関係の発達 ② 集団生活の中での発達 ③ 社会性の発達
細目レベル ① 児童期の対人関係では、さまざまな変化があります。一つは、大人とのタテの関係の変化です。幼稚園、保育園の先生との関係から小学校の先生との関係へ変わります。そこではたとえば、支持的、援助的な関係から、指導的な関係へと変化していきます。また、仲間、友人とのヨコの関係の急速な拡大も起こります。友達同士の遊びが高度になっていきます。ルールや役割が複雑になっていきます。こうした対人関係の変化が、認知発達や社会的スキルの発達に重要な役割を果たしていきます。また、たとえば友人となるきっかけも変化したりします。幼児期は近接性(家が近い、同じクラスであるなど)が最も重要な要因となりますが、児童期に入ってくると、遊び、勉強への動機づけ、性格などが似ている人などと友人になることが増えてきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② この時期の友人関係として、特に男児ではギャングエイジとよばれる仲間集団が発生することがあります。そこでは集団内の仲間意識や結束力が強い反面、きわめて閉鎖的で、仲間以外の子どもは入れないという特徴があります。集団内の規律の遵守、仲間との協力や役割分担などを通じて、責任感や義務感などが培われやすくなりますが、同時に反社会的行動の促進の可能性もあります。社会的比較と自己概念も変化していきます。幼児期の自己概念は、身体的属性・能力・社会的関係など、具体的で観察可能な観点からの理解が多いですが、児童期の自己概念は集団の中での社会的比較や仲間集団での評価などが影響してくるようになります。たとえば、他者からの評価が低いと劣等感を感じるといったことが起こるようになります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 社会性とは、個人が自己を確立しつつ、人間社会の中で適応的に生きていく上で必要な特性と考えられています。社会性には様々な特性が含まれており、そうした社会性を身につけていく発達の過程を社会化と言います。社会性の中の例として、道徳性、向社会的行動などが挙げられます。道徳性とは、社会一般に受け入れられている規範や習慣を尊重する意識、あるいは道徳的な問題を解決する能力とされます。コールバーグはこうした道徳性について、道徳判断の発達段階を提唱していますが、理論的な整合性と現実の乖離なども指摘されています。向社会的行動とは、他人あるいは他の集団を助けようとしたり、そうした人々のためになることをしようとする自発的な行動とされます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① ギャング・エイジ ② 社会的比較 ③ 社会性 ④ 道徳性 ⑤ 社会化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、児童期における対人関係の発達、集団生活の中での発達、社会性の発達の箇所などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第8回)の〈内容〉、つまり、青年期における身体的変化と自分への意識、アイデンティティ、進路の選択の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

8 青年期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第8回)は、青年期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp130-135
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp135-141
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp141-147
コマ主題細目 ① 身体的変化と自分への意識 ② アイデンティティ ③ 進路の選択
細目レベル ① 青年期前期(小学校高学年~中学生ごろ)には、特徴的な身体的変化として、第二次性徴が表れてきます。男子の場合には、ひげが生えて、声変わりがあり、精通(13歳までに7割)が起こっています。女子の場合には初潮(12歳までに7割)があり、女性らしい体つきになっていきます。これらの変化は、全体的には女子の方が早い傾向があります。そして、こうした身体的変化に応じて、自己意識(自分に対する意識)の高まりがたかまりやすくなってきます。さらに、異性に対する意識や、性役割(社会的な意味で、自分自身の性に沿った性格特性(ステレオタイプ))への意識の高まりも見られやすくなります。その一方で、近年ではLGBTの議論など、性に対する意識に変化も見られてきています。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② エリクソンの心理社会的発達理論では、この時期の心理社会的危機は、アイデンティティ(同一性)達成vsアイデンティティ拡散(役割混乱)であり、発達課題としてはアイデンティティの確立を目指す時期とされます。エリクソンの定義ではアイデンティティとは、過去に準備された内的な斉一性(ものごとが一様、整っていること)と連続性が、他人に対する自分の存在の意味の斉一性と連続性に一致すると思う自信の積み重ねであるとされます。しかし、このアイデンティティという概念は、個人の主観的な体験となるため、実感的には感じやすいが、言葉で説明したり、数値で表したりすることが特に難しい概念です。一方、拡散が優位になると、自分は何者なのかといった混乱にもなりうると考えられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 青年期は社会へ出ていくための模索の時期でもあります。中学生以降は、認知発達を基礎として、論理的に仮説を立て、計画を自分で立てることが可能になっていきます。高校生の進路選択では、成績のよさという現実的な要因が大きく影響しています。大学生の進路選択では、イメージ先行となるような企業の人気ランキングなども大きな影響を持っています。また、就職して実際に働きだしてから、こんなはずではなかったというようなこともあります。本人の思い込みでの就職活動を行ってしまうことの危険性もあります。また、青年期には、時間的展望(個人の心理的な過去・現在・未来の相互連関過程から生み出されてくる、将来目標・計画への欲求、将来目標・計画の構造、及び過去・現在・未来に対する感情)という能力が育ち、現実的な進路選びを行いやすくなります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 第二次性徴 ② 自己意識 ③ アイデンティティ ④ モラトリアム ⑤ 進路
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、青年期における身体的変化と自分への意識、アイデンティティ、進路の選択などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第9回)の〈内容〉、つまり、青年期の人間関係と心の変化、意味の複雑化、青年期の問題行動の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

9 青年期Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第9回)は、青年期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp154-160
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp154-160
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp161-167
コマ主題細目 ① 青年期の人間関係と心の変化 ② 意味の複雑化 ③ 青年期の問題行動
細目レベル ① 青年期の対人関係の特徴として、タテの関係の一つである親子関係の変化が挙げられます。児童期までの子ども自身の発達、家庭以外との様々な関わりの体験などから、親の価値観が絶対的なものから、相対的なものへ徐々に変化していき、親からの自立が促されます。つまり、親が完全なものではないことに気づいていくことになります。さらに、タテの関係と同等以上にヨコの関係が重要化、そして拡大していきます。たとえば、「困ったときの相談相手は?」という質問に対して、最も多い回答は、小学生の回答では母親が第1位ですが、中学生では同性の友達が第1位となります。さらに、ナナメの関係として、親戚、近所の友人、部活の先輩・後輩などの関係が出現してきます。これらは家族以外の人間関係の中で過ごす時間の増加となります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② ヨコの関係、ナナメの関係が拡大、重要になっていくと、家族以外の人間関係の中で過ごす時間が増加していきます。そうすると、ある一つの出来事に対する意味づけが一つに決まらない意味の複雑化が起こってきます。例えば、喫煙・ケンカ等の問題行動は、タテの関係である教師との関係においては、「やってはいけないこと」、それに対して罰が課される等、ネガティブな意味を持つことになります。しかし、ヨコの関係である友人や仲間との関係においては、「やってはいけないこと」と分かりつつも、だからこそヨコの関係では高く評価されるというような意味が出てくることがあります。つまり、大人の価値観とは独立した子ども同士の価値観を作り上げていきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 青年期の問題行動にはさまざまな種類がありますが、たとえば反社会的行動(集団のルールや社会規範に反するような行動(非行、いじめ等))、非社会的行動(集団生活から離脱するような行動(不登校、ひきこもり等))が挙げられます。しかし、それぞれの問題行動には必ず意味合いがあり、それを理解していくことが重要です。たとえばいじめについては、誰でもいじめの被害者になる可能性があります。そして、被害者は重大な危機的状況であり、自殺の可能性などもあります。同時に、加害者もまた周囲から孤立している場合もあり、実は支えを必要としていることも多いです。こちらも重大な危機的状況の可能性があり、双方への対応が必要となります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 対人関係 ② 意味の複雑化 ③ 問題行動 ④ 非行 ⑤ 不登校
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、青年期の人間関係と心の変化、意味の複雑化、青年期の問題行動などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第10回)の〈内容〉、つまり、成人期における仕事について、結婚について、親になるプロセスの箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

10 成人期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第10回)は、成人期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp169-184
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp169-184
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp169-184
コマ主題細目 ① 仕事について ② 結婚について ③ 親になるプロセス
細目レベル ① 成人期において重要な項目の一つは職業選択と仕事です。ほとんどの人は、生きていく上で何らかの仕事に就きます。人は何のために仕事をするのでしょうか。生きていくためのお金を稼ぐため、自分の興味関心のあることを追求したいから、社会の役に立ちたいから、人の役に立ちたいから、など、仕事にどのような価値を見出すかは人によって異なります。昨今では就職しても数年で別の仕事に転職するという例も珍しくなくなっており、個人の職業選択のあり方は変わってきていると考えられます。単に専門的知識を学ぶだけでなく、一人一人が仕事について考えるための時間を設け、成人期の重要なテーマである仕事についてより具体的に考えることができるようにしていく予定です。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 成人期の一般的なイメージとして結婚や家庭が挙げられることは多いです。かつては結婚し家庭を持つことが重視されてきましたが、現代は価値観の多様化が進み、非婚化・晩婚化・別居結婚・夫婦別姓などが表れています。結婚し家庭を持つかどうかの二者択一ではなく、多様な価値観の中で当事者が納得する生き方を主体的に選んでいくことが重要です。社会問題としては離婚数が増加しています。離婚にはそれぞれの事情があることは当然ですが、当事者に挫折感や絶望感などの情緒的混乱を引き起こすことも多くあります。また、両親の離婚を経験した子どもは、表面上は適応する面を見せても、大きな悲しみや喪失感を経験していることが多いと考えられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 妊娠・出産・子育ては当然のことながら女性だけではなく、家族全体にとって大きな出来事です。同時に、喜びだけではない複雑な思いや苦労が表れてきます。子育てにおいては、かつて母性神話と呼ばれ、母親はもともと母性愛があると無根拠に信じられてきました。そうした母性があるのが当然という風潮や雰囲気が母親を苦しめることもありました。しかし、近年では必ずしも最初から母性があるわけではなく、子どものとの触れ合いを通して母親として成長していくことが示されています。社会状況の変化もあり、近年は共働き世帯が増加しています。そこでは、育児と仕事の両立の悩みが問題として挙がってきています。仕事をしているせいで、子どもにかわいそうな思いをさせているという自責の念や、時間的心理的に余裕がなくなり、育児のせいで仕事に支障がでる、仕事のせいで育児がうまくいかないなどの問題が表れることもあります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 親密性 ② 家族神話 ③ 性役割 ④ 中年期危機 ⑤ アイデンティティの再体制化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、成人期における仕事について、結婚について、親になるプロセスなどの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第11回)の〈内容〉、つまり、中年期の危機、女性のライフサイクル、老年期の心と体の変化の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

11 成人期Ⅱ・老年期Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第11回)は、成人期、老年期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp184-188
【コマ主題細目②】
岡本祐子・深瀬裕子編著『エピソードでつかむ生涯発達心理学』 ミネルヴァ書房 pp170-173,
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp193-213
コマ主題細目 ① 中年期の危機 ② 女性のライフサイクル ③ 老年期の心と体の変化
細目レベル ① 40代後ぐらいの成人期の後半になってくると、体力の衰え、職業上の限界の認識、子どもの巣立ちなどが訪れやすい時期となります。この時期に、仕事一筋だったり、子育てに収集していたりしたものがなくなったり、変化したりすると、ぽっかり穴があいたような感覚になり、心理的な危機となりうることがあります。これはホルモンバランスの変化など身体的な変化との関連の可能性も指摘されている。こうした危機を中年期危機と言います。これは今までの獲得が中心の人生から、喪失が増えてくるという逆転が起こる時期であるとも言えます。この時期は、自分におきた変化を受け止め、これまでの自分とこれからの自分について問い直す中で、老年期に向けて軌道修正していくとも考えられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 従来の社会では、女性は結婚して子どもを産み、育て、主婦として家事に従事し、夫を支える役割をとることが当たり前と考えられてきました。今日では、価値観の変化によって女性の生き方は様々に多様化しています。しかし、生き方が多様化しているとはいえ、女性は人生の中で様々な決断を下さなければならないことが多いです。例えば、全ての場合ではないものの、苗字を変えるのは多くの場合女性であるという男女の不平等性が存在しています。また、子どもを出産するのは女性であり、働いている場合には女性は仕事を辞めるか、育児休暇をとることになります。一方、男性の場合には育児休暇の取得はできるものの、仕事を辞めたりする必要性が生じることは稀です。このように、女性の社会進出が進んでいるとはいえ、女性の場合には男性に比べて自らの生き方に関わる重大な意思決定を行う必要がある場面が多くあります。近年では、心理学研究においても女性の生き方や心の健康への注目は高まっていると言えます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 老化現象というものは、突如起こるものではなく、長い歳月をかけて、 徐々に進んでいきます。たとえば、認知機能では、脳細胞は20歳をピークにその後徐々に減少していきますが、老年期にはより減少が進んでいき記憶力の低下などが顕著になります。しかし、全体的な知能は低下するとは限りません。知覚の変化では、聴覚では子音・高音域・速いテンポなどが聞き取りにくくなります。視覚では動体視力や注意能力が低下していきます。生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・高血圧など)も増加します。また、社会的役割の変化、喪失は、同時に社会的地位の喪失にもつながり、精神的機能の低下、心の健康の喪失にもつながってしまう可能性があります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 中年期危機 ② 女性のライフサイクル ③ エイジング ④ 老化現象 ⑤ 社会的役割の変化
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、中年期の危機、女性のライフサイクル、老年期の心と体の変化などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第12回)の〈内容〉、つまり、老年期の老いへの適応、認知症、死の受容の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

12 老年期Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第12回)は、老年期について理解する予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp193-213
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp193-213
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp193-213
コマ主題細目 ① 老いへの適応 ② 認知症 ③ 死の受容
細目レベル ① 老いることは、自分自身の老いと環境との折り合いをつけながら生活していくことです。甥に合わせて、適応的にライフスタイルを変えていく、長年の生活習慣を見直し、その時の自分・家族にふさわしいものを選択することが重要となります。サクセスフル・エイジングとは、老化の過程にうまく適応する、幸福に老いるという考え方です。サクセスフル・エイジングには多くの指標が考えられますが、それだけ幸福に老いるということは多面的なものであると言えます。サクセスフル・エイジングの指標には、健康状態、・社会経済的地位、・社会的活動性(職業生活、地域活動への参加など)、・社会的資源(ソーシャルサポートの状況など)、・主観的幸福感(自分自身が人生や生活に抱いている主観的な充足感)、QOL(Quality of Life)生活、人生、生命の質など、心理・社会的な豊かさに関する概念、などがあります。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 認知症とは、一旦獲得した認知機能が、脳の器質的障害によって低下していく状態です。中核症状と周辺症状があります。主な中核症としては、記憶障害(新しいことを覚えられない、以前のことを思い出せないなど)、見当識障害(時・場所・人がわからないなど)、抽象的思考障害(数字や言葉を適切に使えないなど)、実行機能障害(段取りや計画が立てられない)などがあります。周辺症状(身体や環境に影響されやすい)も様々な症状があり、たとえば以下のようなものが見られます。失行:服の着方や道具の使い方がわからない。焦燥:イライラして、落ち着かない。夜間せん妄:夜中に急に騒ぎ出したりする。幻覚(幻視):実際にはないものがみえると言う。妄想(物盗られ妄想):財布や着物を○○に盗まれたと言う。攻撃的言動:ささいなことで声を荒げたり、手をあげたりする。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ キューブラー・ロス(Kübler-Ross)は、死の受容のプロセスとして以下の5つの段階を提唱しました。死の宣告直後は衝撃と不信がおとずれるものです。その後、以下の5段階を経るとした仮説です。
①否認:事実を受け入れられず、自分のこととして受け止められない状態。「私にこんなことが起きるはずはない」
②怒り:なぜ自分が死ななければならないのかと怒りが生じ、周囲の人へと向けられる。「どうして私がこんな目に遭わなくてはいけないのか」
③取引:何とか死を避けようと、神や仏のような超越的存在と取引しようとする。「何でもするから命だけは助けてほしい」
④抑うつ:どのような努力も無駄であることを悟り、落ち込んで無気力になってしまう。「もう駄目なんですね。すべて終わりです。」
⑤受容:自分自身の状態を受け入れ、死と向き合いつつ、自分の人生の終わりを静かに見据える。「わかっています。でも、大丈夫。」
こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。

キーワード ① サクセスフル・エイジング ② Quality of Life ③ 認知症 ④ 死の受容 ⑤ 回想法
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、老年期の老いへの適応、認知症、死の受容などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第13回)の〈内容〉、つまり、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠陥多動性障害の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

13 発達の個人差と環境Ⅰ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第13回)は、発達の個人差と環境として主に発達障害について扱う予定です。

【コマ主題細目①】
・田中康雄『軽度発達障害』、金剛出版、2008年、pp79-90
【コマ主題細目②】
・田中康雄『軽度発達障害』、金剛出版、2008年、pp61-76
【コマ主題細目③】
・田中康雄『軽度発達障害』、金剛出版、2008年、pp47-58
コマ主題細目 ① 自閉症スペクトラム障害 ② 学習障害 ③ 注意欠陥多動性障害
細目レベル ① 自閉症スペクトラム障害とは、自閉症(カナー)、高機能自閉症、アスペルガー障害(アスペルガー)、広汎性発達障害など今までに様々な呼び方がされてきたグループを1つの概念にまとめたものです。自閉症スペクトラム障害の特徴には、社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害(同一性の維持)、感覚過敏・鈍麻が挙げられます。社会性の障害には、他者との関わりがスムーズにいかない。他者に興味を持たない、他者の顔色を見ない、一方的に関わるなどが挙げられます。コミュニケーションの障害には、コミュニケーションがうまくできない。ユーモアや皮肉、ジョークがわかりにくい。言葉通りにうけとる。暗黙の了解がわかりにくいなどが挙げられます。想像力の障害(同一性の維持)には、興味や活動の範囲が狭い。創造的な遊びが乏しい。「こだわり」が強い。いつも通りであることを好むなどが挙げられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 注意欠陥(欠如)/多動性障害(AD/HD: Attention-deficit hyperactivity disorder)には、不注意、多動性、衝動性の症状があります。そして、これらの症状が12歳未満から存在している、2つ以上の状況(家庭、学校、職場など)において存在するといったポイントがあります。不注意には、意識的な注意集中が難しい。注意集中時間が短い、注意の範囲が狭い、注意集中が浅いなど。忘れ物が多い、ぼんやりしている、ケアレスミスが多いなどが挙げられます。多動性には、落ち着きなくじっとしていられない、多活動性には常に体のどこかが動いてそわそわしているなどが挙げられます。衝動性には、考えるよりもすぐに行動を起こしてしまう。すぐ怒る、叩く、道路に飛び出す、何かに触るなど。結果として、トラブル、けがなどが多いなどが挙げられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 学習障害は、全般的な知的能力には遅れはないが、特定の能力が著しく低いとされます。具体的には、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定のポイントで現れてきます。LDと省略されますが、教育的な立場ではLearning Disabilities、医学的な立場では、Learning Disordersとされます。具体的には、音読が苦手、漢字の読みが苦手、あてずっぽうで適当に読む、読んでも頭に入らない、鏡文字、漢字のバランスが悪い、作文が苦手、計算が苦手、繰り上がりなどが分からない、文章問題、図形問題が苦手、不器用(物を落とす、何かにぶつかる)、図工、体育、技術家庭が苦手、といった問題が挙げられます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 発達障害 ② 自閉症スペクトラム障害 ③ 注意欠陥多動性障害 ④ 学習障害 ⑤ 二次障害
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、自閉症スペクトラム障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第14回)の〈内容〉、つまり、他者とのかかわりの中での発達、教育と発達、文化と発達の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも重要なポイントだと思うところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中するよう心掛けてください。

14 発達の個人差と環境Ⅱ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第14回)は、発達の個人差と環境として主に発達と環境との相互作用について扱う予定です。

【コマ主題細目①】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp234-256
【コマ主題細目②】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp234-256
【コマ主題細目③】
・藤村宣之編著『発達心理学』(第2版)、ミネルヴァ書房、2019年、pp214-233
コマ主題細目 ① 他者とのかかわりの中での発達 ② 教育と発達 ③ 文化と発達
細目レベル ① 発達心理学では、人間の発達について個人に焦点化し、人格特性や課題解決能力、パーソナリティなどを測定して説明する見方と、物との関係や人との関係に焦点化して、やり取りの変化やプロセスや内容そのものを分析・記述しながら説明する見方があります。最近では脳科学の影響を受けて一人一人の脳の状態、脳神経活動のレベルからも人間の発達について説明され始めています。そうした中でどのようなモデルを持てば人間の発達についてよりよく理解できるのか、まだまだこれから多くの議論を要することになると思いますが、特に人と人とのかかわりに焦点を当てて、教育によって発達の過程は促進するのか、文化によって発達の様相は変わるのかといったことを考えていきたいと思います。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
② 教育によって発達の過程は促進しうるのだろうか。最近では学習についての科学が進歩し、人はいかに学ぶかという問に対して、認知科学、教育心理学、コンピュータ科学、文化人類学、社会学、情報科学、神経科学、教育学など学際的な取り組みが進んでいる。そうした観点から示されてきた知見は以下の通りです。
1. 深い概念理解を伴う知識を獲得すること。すなわち、事実や手続きに関する知識のみならず、それらをどのような状況で適用できるか、新たな状況に対して修正しながら適用できるかも含めて知識を熟達させることこそが重要である。
2. そのような知識は受動的に形成されるわけではなく、学習者が能動的に自らの学習に参加することによって獲得できる。
3. 学校の仕事は、そのような知識の獲得を支援する学習環境を創造することである。
4. 学習者が正しいものも間違ったものも含めて前概念的知識を持ち込みながら学習に臨むことを十分に承知したうえで、単なる暗記作業に終始することがないようにする
5. 獲得した知識をいろいろな形式(グループで話し合わせたり、ノートにまとめさせたり、発表の機会を持たせたり等)によって表現させながら自らの理解の内容を省察させる機会を持たせて学びを深めさせることが重要である。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。

③ かつての心理学では、子どもの基本的な発達の道筋には文化による違いはないと考えられてきました。しかし、文化と発達に関する近年の研究では、子どもの発達のあり方が文化によってきわめて多様であることが明らかにされてきています。ひとは、自分たちの文化が先行する世代から受け継いできた常識や信念、道具やその利用法、他者とのコミュニケーションのあり方、制度、慣習などを次の世代に伝えていきます。こうした世代間の伝承は、大人と子どものコミュニケーションやさまざまな実践への参加を通して行われます。これは大人が子どもに一方的に押し付けるのではなく、子ども自身も大人が用意した文化環境に積極的にかかわることで可能となります。このようなかかわりを通して、それぞれの文化に特徴的な発達のあり方が作り出されていきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 教育 ② 文化 ③ 学校 ④ 世代 ⑤ 生活
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、他者とのかかわりの中での発達、教育と発達、文化と発達などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。

次コマの予習:本科目コマシラバスの〈科目の概要〉、さらに次のコマ(第15回)の〈内容〉、つまり、発達、生涯発達、心理社会的発達理論の箇所を読んでください。なお、その内容の中でも現時点では理解が難しいと感じるところをチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。

15 まとめ 科目の中での位置付け 本科目では、心の発達について、乳児期からはじめて老年期に至るまで生涯発達全体を通じて学習します。また、人間の生涯を取り巻く社会的・文化的側面や社会におけるライフサイクルの区分と個人の年齢的変化の意義(社会システム、個人の発達とエイジング過程との関連性など)についても学んでいきます。具体的には、第1回で心の発達の捉え方の概論と基本的な発達理論について学習します。2回から12回にかけては乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期について学習します。このようにまずは年齢的な目安に応じた基本的な発達段階を学習することで人間発達の大枠を学んでいきます。13回と14回は昨今の心理学全体の中でも重要なトピックとなっている発達障害を含めて発達の個人差と環境について学習します。また、15回は授業全体を振り返る復習の回とする予定です。
上述のような本科目全体の中で、本コマ(第15回)は、今までの授業を振り返るまとめの回です。

【コマ主題細目①】
・岡本祐子・深瀬裕子編著 『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp2-5
【コマ主題細目②】
・岡本祐子・深瀬裕子編著 『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp2-5
【コマ主題細目③】
・岡本祐子・深瀬裕子編著『エピソードでつかむ 生涯発達心理学』、ミネルヴァ書房、2013年、pp6-9
コマ主題細目 ① 発達 ② 生涯発達 ③ 心理社会的発達理論
細目レベル ① 発達とはどのようなものでしょうか。たとえば、1歳ごろ、歩くようになり、「まんま」と言うようになった。小学生、容れ物と量についてわかるようになった。高校生、自分とは何かと悩むようになった。大学卒業後、就職した。中年になって、親の最後を看取った。
高齢になって、体が思うように動かくなった。こうした例は発達と言えるでしょうか。さまざまな考え方にもよりますが、ある見方をすれば、発達とは、年齢とともに、身長、語彙数が増えるなどの量的変化、乳幼児がはいはいしているところから歩くようになる、掛け算を理解するなどの質的変化の両方を指しています。変化に重点が置かれているので、老年期に体力や認知能力などが衰えていくことも発達と言えるかもしれません。しかし、この量的変化と質的変化という見方もまた、絶対的なものではなく厳密に考えるとさらに難解になっていきます。必ずしも正しい答えがあるわけではなく、考える営み自体が重要です。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。

② 発達とは幼い時期だけのものではありません。特に発達という言葉からは、誕生から大人になるぐらいまでをイメージしやすいかもしれません。心理学の歴史でも、そうした子どもや大人になるまで年代の研究が多くありました。しかし、近年はより対象が広がってきています。人間というものは、生まれてから(あるいは胎児から)、死ぬまで変化はあるものです。発達とは変化をとらえるものなので、非常に幅広い概念ですが、その広すぎるままでは扱うことが難しいので、様々な考え方によりいろいろな区分があります。本講義では、誕生から死を迎えるまでの人生全体を視野に入れて、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期という人生のそれぞれの時期について学んでいきます。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
③ 心理社会的発達理論発は、エリクソンという人物によって提唱されました。エリクソンは、1902年ドイツ生まれで、母親はユダヤ人。父親は生まれたときにはすでにいなかったそうです。青年となった時期には、自分の進むべき方向が見つからず、放浪の旅へ出ました。その後28歳でフロイトに出会い、精神分析の訓練を受けます。そして、31歳でアメリカ初の児童精神分析家となります。エリクソンは自信の人生において、「自分とは何か」という問いを持ち、それがやがてアイデンティティ論へとつながっていきます。心理社会的発達理論は、発達において心理社会的側面を重視しています。また、生涯を通じた成長・発達を重視し、各発達段階において、心理社会的危機を想定しました。こうした内容についての理解を深めるとともに自らの経験と照らし合わせながら考えていきます。
キーワード ① 発達課題 ② アイデンティティ ③ 青年期 ④ 成人期 ⑤ 老年期
コマの展開方法 社会人講師 AL ICT PowerPoint・Keynote 教科書
コマ用オリジナル配布資料 コマ用プリント配布資料 その他 該当なし
小テスト 「小テスト」については、毎回の授業終了時、manaba上において5問以上の、当該コマの小テスト(難易度表示付き)を実施します。
復習・予習課題 当該コマの復習:今回の教材として配布された資料をしっかりと読み込み、発達、生涯発達、心理社会的発達理論などの重要なポイントとなっている部分について、その内容や意義をある程度簡潔に説明できるようにしてください。また、今までの授業の内容、つまり、発達の基本と代表的な発達理論、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期、発達障害の中で理解が難しいと感じるところをあらためてチェックしておいてください。そして、当日の授業では、チェックした箇所についての理解がより深まっていくように、とくにその点に関する説明や議論には意識を集中すると同時に、授業の質問感想を確認する時間を有効に活用して自分の疑問点を質問するように心がけてください。
履修判定指標
履修指標履修指標の水準キーワード配点関連回
発達の基本と代表的な発達理論 人間というものは、生まれてから(あるいは胎児から)、死ぬまで変化があるものであり、誕生から死を迎えるまでの人生全体を視野に入れて、乳児期、幼児期、児童期、青年期、成人期、老年期という人生のそれぞれの時期があることを理解していること。代表的な発達理論である、心理性的発達理論、心理社会的発達理論発、認知的発達理論についての概要や特徴、差異などを理解していること。発達段階や発達課題について理解していること。こうした内容に関する正誤問題、キーワード選択問題について正しい選択肢を選ぶことができること。 生涯発達、発達段階、発達課題 10 1、13~15
乳幼児から児童期 乳児期、幼児期、児童期において、知覚機能の発達、ピアジェの認知的発達理論などの認知能力の発達、受容言語と表出言語やクーイングから最初の意味のある言葉である始語、そしてその後の外言、内言といった言語についての発達、さまざまな運動発達や原始反射、ボウルビィの愛着理論をはじめとした親子関係、友人関係などの対人関係の発達、他者との関わりとしての社会性、道徳性、向社会的行動などの発達などについて理解していること。こうした内容に関する正誤問題、キーワード選択問題について正しい選択肢を選ぶことができること。 乳児期、幼児期、児童期 40 2~7
青年期 第二次性徴などの青年期の心と体の変化、親子関係の変化、エリクソンが提唱したアイデンティティについての理解と、そのアイデンティティの模索と確立、タテの関係、ヨコの関係、ナナメの関係といった対人関係の変化と意味の複雑化、反社会的行動(集団のルールや社会規範に反するような行動(非行、いじめ等))、非社会的行動(集団生活から離脱するような行動(不登校、ひきこもり等))などの問題行動について理解していること。こうした内容に関する正誤問題、キーワード選択問題について正しい選択肢を選ぶことができること。 青年期、第二次性徴、アイデンティティ 15 8,9
成人期から老年期 成人期においてのポイントとなる、仕事と家庭についてと現代的な結婚と離婚の様相、社会状況の変化、増加している共働き世帯の中での育児と仕事の両立の悩み、そうした中での親になっていくプロセスについて、40代ぐらいの成人期の後半ごろからの体力の衰え、職業上の限界の認識、子どもの巣立ちなどと関連して起こってくる中年期危機について理解していること。老年期においてのポイントとなる、心と体の変化、老いへの適応、中核症状と周辺症状からなる認知症、について理解していること。こうした内容に関する正誤問題、キーワード選択問題について正しい選択肢を選ぶことができること。 成人期、中年期危機、老年期 20 10~12
発達の個人差と環境:発達障害 発達の個人差と環境について理解していること。特に以下の発達障害について理解していること。自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)の特徴である社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害(同一性の維持)、感覚過敏・鈍麻について理解していること。注意欠陥(欠如)/多動性障害(AD/HD: Attention-deficit hyperactivity disorder)の特徴である不注意、多動性、衝動性について理解していること。学習障害(LD:Learning Disabilities、あるいはLearning Disorders)の特徴である全般的な知的能力には遅れはないが、特定の能力が著しく低いというポイントや具体的な苦手さを理解していること。こうした内容に関する正誤問題、キーワード選択問題について正しい選択肢を選ぶことができること。 発達障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥(欠如)/多動性障害、学習障害 15 13,14
評価方法 最低限の出席回数をクリアしていることを条件に、期末試験で評価する 
評価基準 評語
    学習目標をほぼ完全に達成している・・・・・・・・・・・・・ S (100~90点)
    学習目標を相応に達成している・・・・・・・・・・・・・・・ A (89~80点)
    学習目標を相応に達成しているが不十分な点がある・・・・・・ B (79~70点)
    学習目標の最低限は満たしている・・・・・・・・・・・・・・ C (69~60点)
    学習目標の最低限を満たしていない・・・・・・・・・・・・・ D (60点未満)
教科書 配布資料
参考文献 藤村宣之編著『発達心理学』第2版 ミネルヴァ書房  2500円+税
実験・実習・教材費 なし